ガスストーブが止まり、操作パネルに「E-31」または「E-32」と表示されて困っていませんか。
この2つの表示は、室温を測っているサーミスタという部品の回路に異常が検知されたことを示しています。
メーカーは使用を中止して販売店または最寄りの営業所へ連絡するよう案内しており、掃除や再点火で解決する種類の表示ではありません。
とはいえ、「使用を中止してください」とだけ言われても、どのくらい深刻なのか、修理でどこまで直るのかは分からないままです。
この記事では、室温サーミスタが何をしている部品なのか、断線と短絡では何が違うのか、依頼するときに何を伝えればよいかを整理して解説します。
E-31・E-32は使用を中止して連絡すべき表示
結論からお伝えすると、E-31・E-32は使用者側で対処する項目が用意されていない表示です。
メーカーの公式情報では、E-31は室温サーミスタ断線、E-32は室温サーミスタ短絡と記載され、いずれも原因・確認事項の欄は「使用を中止する」、処置は販売店または最寄りの営業所への連絡とされています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 表示 | E-31(断線)/E-32(短絡) |
| 対象の部品 | 室温サーミスタ(室温を測るセンサー) |
| 使用者の対処項目 | 公式には設定されていない |
| メーカーの案内 | 使用を中止し、販売店または営業所へ連絡 |
| 自分で解除できるか | できない |
| 対応の入口 | 型番と表示を控えて修理を依頼する |
E-31とE-32は、番号こそ違いますが使用者が行う対応は同じです。
どちらも運転を止め、表示された番号を控えて修理を依頼する、という流れになります。
室温サーミスタは何をしている部品か
サーミスタは、温度によって電気の流れやすさが変わる性質を利用した温度センサーです。
ガスストーブでは、機器が吸い込む空気の温度を読み取り、その値をもとに火力を調整したり、設定温度に達したら燃焼を弱めたりする制御を行っています。
つまり室温サーミスタは、暖房の強さを決めるための「目」にあたる部品です。
この目が働かなくなると、機器は今の室温が分からないまま運転することになります。
設定温度に達しても弱めるべきか判断できず、逆に暖まっていないのに火力を落としてしまう可能性もあります。
制御の前提が欠けた状態で燃焼を続けさせるのは、機器にとっても住まいにとっても望ましくありません。
メーカーが使用の中止を案内しているのは、このためだと考えられます。
断線と短絡は何が違うのか
E-31とE-32は、同じ室温サーミスタでも検知している状態が異なります。
| 表示 | 状態 | イメージ |
|---|---|---|
| E-31 | 断線 | 回路が途中で切れて、信号が届かない |
| E-32 | 短絡 | 本来通るべき経路を通らず、回路がつながってしまっている |
断線は、配線が切れている、コネクタが抜けている、接点が腐食して導通しなくなっている、といった状態です。
短絡は、被覆が傷んで導線どうしが触れている、内部に入り込んだ水分やほこりで導通してしまっている、といった状態を指します。
どちらの場合も、機器から見れば「ありえない値が返ってきている」という点は共通しています。
サーミスタは温度に応じた一定の範囲で値を返す部品なので、その範囲を大きく外れた信号は異常として扱われます。
なぜ起きるのか
原因として考えられるのは、次のようなものです。
- 配線やコネクタの経年劣化
- 結露や湿気による接点の腐食
- 振動によるコネクタの緩み
- 内部に入り込んだほこりの蓄積
- 虫や小動物が配線に触れたことによる損傷
使用年数が長い機器ほど起こりやすい傾向があります。
メーカーの取扱説明書でも、機器は使用される場所や条件、使用時間によって消耗・劣化する部品があるため、販売店で定期点検を受けるよう案内されています。
📎 出典:長府製作所|サンポット暖房機 取扱説明書
ただし、実際にどこが原因かは点検してみないと分かりません。
サーミスタ本体の劣化なのか、配線側の問題なのか、制御基板側の問題なのかで、交換する部品が変わります。
E-16との見分け方
室温の検知にかかわる表示には、E-16(室温異常)もあります。
| 表示 | 検知している内容 |
|---|---|
| E-16 | 室温異常(読み取られた値が想定外) |
| E-31 | 室温サーミスタ断線(回路が切れている) |
| E-32 | 室温サーミスタ短絡(回路が短絡している) |
E-31・E-32は回路の状態そのものを示しているのに対し、E-16は読み取られた値のほうに着目した表示です。
使用者の対応はいずれも「使用を中止して連絡」で同じですが、修理する側にとっては最初に見る場所が変わります。
「サーミスタのエラーが出た」とまとめず、表示された番号をそのまま伝えてください。
表示が出たときにやること
- 運転スイッチを「切」にする
- 表示された番号(E-31またはE-32)を控える
- 本体の銘板で型番と製造年を確認する
- いつから、どんなタイミングで出るようになったかをメモする
- 販売店または最寄りの営業所に連絡する
- 修理までの間は運転しない
型番は本体の前面扉の内側や側面に貼られていることが多く、受付では必ず聞かれます。
写真を撮っておけば、電話口で読み上げる手間が省けます。
電源を入れ直して表示が消えても、直ったわけではありません。
接点の接触状態によって、一時的に正常な値が返ることがあるためです。
このタイプの表示は、原因が取り除かれるまで再発するものと考えてください。
あわせて確認したい症状
次のような症状が同時に出ている場合は、点検の際に伝えてください。
- 部屋が設定温度まで暖まらない、または暑くなりすぎる
- 表示が出たり消えたりを繰り返す
- 特定の時間帯(朝の冷え込み時など)に出やすい
- 運転音が普段と違う
- 本体に変色や変形がある
NITEも、暖房器具の点検項目として本体に変色や変形などの異常がないか確認することを挙げています。
外観の異常は、内部で起きていることのサインになる場合があります。
「特定の時間帯に出やすい」という情報は、結露や温度変化が関係している可能性を示す手がかりになります。
訪問時に再現しない不具合ほど、こうした状況の説明が役に立ちます。
依頼するときの費用と注意点
修理費用は、出張にかかる費用、作業の技術料、交換する部品の代金という組み合わせで決まるのが一般的です。
交換する部品が配線やコネクタで済むのか、サーミスタや制御基板まで必要になるのかで金額は変わります。
点検してみないと分からないため、見積もりを取ったうえで判断するのが基本です。
確認しておきたいのが保証の状況です。
長府製作所には延長保証制度があり、機器の設置日から一定期間の保証を付けられる仕組みがあります。
加入していれば保証の範囲で対応できる可能性があるため、購入時の書類を探してから連絡してください。
📎 出典:長府製作所|長府製作所延長保証制度
なお、修理や点検を装った訪問には注意してください。
正規の点検がどのように行われるかを知っておくと、見分けの助けになります。
考え方はガス点検の立ち会いで何をする?流れ・確認事項・断り方まで解説で整理しています。
修理と入れ替えをどう比べるか
- 使用5年以内:修理で対応するのが基本
- 使用5〜10年:修理費用と残りの使用期間を見比べる
- 使用10年以上:部品の供給状況を確認したうえで入れ替えも検討
- 同じ機器でほかの故障も出ている:入れ替えを優先的に検討
古い機種では部品の供給が終了していて、修理そのものができない場合があります。
依頼時に型番と製造年を伝えれば、対応可能かどうかの見通しも聞けます。
判断の考え方はガスストーブの寿命は何年?買い替え判断の目安と長く使うためのポイントで解説しています。
暖房の方式そのものを見直す段階であれば、寒冷地向けエアコンとの併用も選択肢になります。
運転コストの比べ方は寒冷地エアコンの電気代は高い?節約方法と賢い選び方を徹底解説でまとめています。
なお、サンポットブランドの石油暖房機はエラーコードの体系が別です。
灯油の機種をお使いの場合はサンポット(現:長府)ストーブ エラーコード一覧|表示の意味と使用可否の判断基準を参照してください。
よくある質問
Q1. E-31とE-32で修理内容は変わりますか。
使用者が行う対応はどちらも同じで、運転を止めて修理を依頼することになります。
一方で、修理する側にとっては意味が異なります。
E-31は回路が切れている状態、E-32は短絡している状態を示しており、確認する箇所や交換する部品が変わる可能性があります。
表示された番号は正確に伝えてください。
Q2. 電源を入れ直したら表示が消えました。使ってよいですか。
一時的に消えることはありますが、異常が解消したとは限りません。
接点の状態によって、たまたま正常な値が返っている可能性があります。
公式には使用を中止して連絡するよう案内されている表示なので、そのまま使い続けるのは避けてください。
表示が出たり消えたりする状況も、点検時に伝えると原因の絞り込みに役立ちます。
Q3. 自分でコネクタを差し直してもよいですか。
外装を開けての作業は行わないでください。
ガス機器の内部にはガスの流路や電気の配線が集まっており、点検には資格と知識が必要です。
差し込み直して一時的に表示が消えたとしても、原因が配線の劣化であれば再発します。
状態を変えずに点検を受けるほうが、原因の特定が早くなります。
Q4. 修理を頼むとき、何を伝えればよいですか。
本体の型番と表示されたエラー番号を正確に伝えてください。
あわせて、いつから出るようになったか、運転開始直後なのかしばらく経ってからなのか、特定の時間帯に出やすいかを伝えると準備がしやすくなります。
本体の銘板を写真に撮っておくと、電話口で読み上げる手間が省けます。
購入時期と保証書の有無も、聞かれることが多い項目です。
Q5. 部品交換だけで直りますか。
サーミスタ本体の劣化であれば、部品交換で対応できる場合があります。
一方で、配線側の損傷や制御基板の不具合が原因であれば、交換する範囲は広がります。
どこが原因かは点検してみないと分からないため、見積もりを確認してから判断してください。
使用年数が長い機器では、部品の供給状況もあわせて確認しておくと判断しやすくなります。
まとめ
サンポットのガスストーブに表示されるE-31・E-32は、室温を測るサーミスタの回路に異常が検知された状態です。
E-31は断線、E-32は短絡を示しており、いずれもメーカーは使用を中止して販売店または最寄りの営業所に連絡するよう案内しています。
室温サーミスタは暖房の強さを決める前提となる部品です。
正しい室温が分からないまま燃焼を続けさせることになるため、再点火を繰り返さずに運転を止めてください。
やるべきことは、エラー番号と型番を控えて修理を依頼することです。
表示が出るタイミングや同時に起きている症状を伝えると、原因の絞り込みが早くなります。
使用年数が10年を超えている機器では、部品の供給状況を確認しながら、修理と入れ替えを比べて決める段階に入ります。

