床暖房や温水パネルが温まらなくなり、操作パネルに「E-35」と表示されて困っていませんか。
E-35は、温水回路の温度を測っているサーミスタの回路に断線が検知されたことを示す表示です。
メーカーは使用を中止して販売店または最寄りの営業所へ連絡するよう案内しており、清掃や再点火で解決する種類の表示ではありません。
ただ、同じ温水回路にかかわる表示にはE-04やE-18・E-36もあり、どれも「パネルが温まらない」という似た症状で気づくことになります。
自分で対処できるものとそうでないものが混在しているため、まず番号の意味を切り分けることが出発点になります。
この記事では、温水サーミスタが何を測っている部品なのか、ほかの表示とどう違うのか、依頼するときに何を伝えればよいかを整理して解説します。
E-35は使用を中止して連絡すべき表示
結論からお伝えすると、E-35は使用者側で対処する項目が用意されていない表示です。
メーカーの公式情報では、E-35は温水サーミスタ断線と記載され、原因・確認事項の欄は「使用を中止する」、処置は販売店または最寄りの営業所への連絡とされています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 表示 | E-35 |
| 対象の部品 | 温水サーミスタ(温水回路の温度センサー) |
| 検知している状態 | 回路が切れて信号が届かない |
| 使用者の対処項目 | 公式には設定されていない |
| メーカーの案内 | 使用を中止し、販売店または営業所へ連絡 |
| 対象となる機種 | 床暖房や温水パネルを接続する温水暖房付きの機種 |
温風を出すだけの機種には温水回路がないため、この表示は出ません。
自宅の機器が床暖房パネルや温水パネルとつながっているかどうかが、対象機種かを見分ける目安になります。
温水サーミスタは何を測っているのか
温水暖房付きのガスストーブは、機器の中で水を温め、その水を床暖房パネルや温水パネルへ送って熱を渡し、戻ってきた水を再び温めるという循環をつくっています。
この循環している水の温度を測っているのが温水サーミスタです。
測った値をもとに、水を何度まで温めるか、いつ燃焼を弱めるか、パネルへの送り方をどうするかといった制御が組み立てられています。
床暖房では床の表面温度に直結するため、この値がずれると快適さにも安全性にも影響します。
E-35は、その値が読み取れなくなった状態です。
断線とは回路が途中で切れている状態を指し、配線の劣化、コネクタの抜けや緩み、接点の腐食などが背景として考えられます。
温水回路の近くは温度変化が大きく、結露も生じやすい環境のため、経年で接点に負担がかかりやすい場所でもあります。
3つのサーミスタは役割が違う
サンポットのガス暖房機のエラーコード表には、サーミスタに関する表示が複数あります。
どれも「温度を測るセンサー」ですが、測っている対象が異なります。
| 表示 | 部品 | 測っている対象 |
|---|---|---|
| E-31・E-32 | 室温サーミスタ | 機器が吸い込む部屋の空気の温度 |
| E-35 | 温水サーミスタ | 温水回路を循環している水の温度 |
| E-44 | 過熱防止サーミスタ | 過熱を検知するための機器内部の温度 |
「サーミスタのエラーが出た」とまとめてしまうと、どこを見ればよいかが伝わりません。
表示された番号によって確認する場所も交換する部品も変わるため、修理を依頼する際は番号をそのまま伝えてください。
温度が読めないと何が問題なのか
温水の温度が分からないまま燃焼を続けさせると、水を何度まで温めればよいかを判断する材料が欠けた状態になります。
温めすぎているのか、まだ足りないのかを機器が把握できません。
温水回路には温水過熱防止装置という別の安全装置も備わっていますが、それは異常が起きたときに止めるための仕組みであって、日常的な温度管理を担うものではありません。
日常の制御を支える側のセンサーが働かなくなっている以上、そのまま使い続けるのは想定された使い方から外れます。
電源を入れ直して表示が消えても、直ったわけではありません。
接点の状態によって一時的に導通し、正常な値が返ることがあるためです。
原因が取り除かれるまで再発するものと考えてください。
温水系のほかの表示との切り分け
同じ「パネルが温まらない」で気づく表示には、次のものがあります。
| 表示 | 検知している内容 | 使用者の対応 |
|---|---|---|
| E-04 | 循環水が不足している | 水位を確認して補給、再点火 |
| E-18・E-36 | 温水回路の閉止・過熱 | 配管・カプラ・フィルタを確認して再点火 |
| E-35 | 温水サーミスタの断線 | 使用を中止して連絡 |
E-04とE-18・E-36は使用者が確認して復帰できる表示ですが、E-35は違います。
給水扉を開けて水位を見ても、配管をたどっても、原因は見つかりません。
表示された番号を確かめずに水位や配管の確認から始めると、時間を使ったうえで振り出しに戻ることになります。
表示が出たときにやること
- 運転スイッチを「切」にする
- 表示された番号(E-35)を控える
- 本体の銘板で型番と製造年を確認する
- いつから、どんなタイミングで出るようになったかをメモする
- 販売店または最寄りの営業所に連絡する
- 修理までの間は運転しない
型番は本体の前面扉の内側や側面に貼られていることが多く、受付では必ず聞かれます。
写真を撮っておけば、電話口で読み上げる手間が省けます。
次のような症状が同時に出ている場合は、あわせて伝えてください。
- 特定のパネルだけ温まらない、または全体が温まらない
- 床が熱くなりすぎる、逆にぬるいまま
- 表示が出たり消えたりを繰り返す
- 循環音や運転音が普段と違う
- 焦げたようなにおいがする
においの異常は別の原因でも起こります。
判断の材料はガスストーブの臭いが気になる…原因と対処法を徹底解説|危険サインの見分け方も紹介で整理しています。
依頼するときの費用の考え方
修理費用は、出張にかかる費用、作業の技術料、交換する部品の代金という組み合わせで決まるのが一般的です。
交換する範囲が配線やコネクタで済むのか、サーミスタや制御基板まで必要になるのかで金額は変わります。
点検してみないと分からないため、見積もりを取ったうえで判断するのが基本です。
訪問を伴う作業の費用がどう構成されるかは、ストーブ分解掃除の料金はいくら?タイプ別の相場と依頼前に知っておきたいことの考え方も参考になります。
確認しておきたいのが保証の状況です。
長府製作所には延長保証制度があり、機器の設置日から一定期間の保証を付けられる仕組みがあります。
ただし制度の内容には範囲の定めがあるため、加入している場合は対象になるかを含めて確認してください。
📎 出典:長府製作所|長府製作所延長保証制度
修理と入れ替え、そして循環水の相談
- 使用5年以内:修理で対応するのが基本
- 使用5〜10年:修理費用と残りの使用期間を見比べる
- 使用10年以上:部品の供給状況を確認したうえで入れ替えも検討
- 同じ機器でほかの故障も出ている:入れ替えを優先的に検討
メーカーの取扱説明書では、機器は使用される場所や条件、使用時間によって消耗・劣化する部品があるため、販売店で定期点検を受けるよう案内されています。
あわせて、循環水についても入れ替えの目安が示されており、温水暖房用補充液を補給した場合は6〜7年、水道水を補給した場合は2〜3年が目安とされています。
📎 出典:長府製作所|サンポット暖房機 取扱説明書
訪問してもらう機会は、循環水の状態をあわせて相談できるタイミングでもあります。
最後に入れ替えた時期が思い出せないようであれば、修理の相談と一緒に伝えておくと二度手間を防げます。
入れ替えを含めた判断の考え方はガスストーブの寿命は何年?買い替え判断の目安と長く使うためのポイントで解説しています。
なお、サンポットブランドの石油暖房機はエラーコードの体系が別です。
灯油の機種をお使いの場合はサンポット(現:長府)ストーブ エラーコード一覧|表示の意味と使用可否の判断基準を参照してください。
よくある質問
Q1. 循環水を補給すればE-35は消えますか。
消えません。
E-35は温水サーミスタの回路に断線が検知された表示で、循環水の量とは別の問題です。
水位が不足している場合はE-04という別の表示になります。
番号を取り違えると確認の方向がずれてしまうため、表示された数字を先に確かめてください。
Q2. 電源を入れ直したら消えました。そのまま使ってよいですか。
一時的に消えることはありますが、異常が解消したとは限りません。
接点の状態によって、たまたま導通して正常な値が返っている可能性があります。
公式には使用を中止して連絡するよう案内されている表示ですので、そのまま使い続けるのは避けてください。
出たり消えたりする状況も、点検時に伝えると原因の絞り込みに役立ちます。
Q3. E-35とE-31・E-32はどう違うのですか。
どちらもサーミスタの異常を示す表示ですが、測っている対象が異なります。
E-31・E-32は部屋の空気の温度を測る室温サーミスタ、E-35は温水回路を循環する水の温度を測る温水サーミスタです。
使用者の対応はいずれも運転を止めて連絡することで同じですが、修理側が確認する場所は変わります。
表示された番号をそのまま伝えてください。
Q4. 床暖房だけ使わなければ運転してもよいですか。
運転する部分を選べば安全になるという考え方は取らないでください。
温水回路の温度が読み取れない状態であることに変わりはなく、公式にも使用を中止する案内が出ています。
修理までの間に暖房が必要な場合は、別の暖房機で室温を確保してください。
そのうえで、早めに点検の予定を押さえるのが現実的な進め方です。
Q5. 修理のとき、循環水も一緒に見てもらえますか。
依頼の際に伝えておけば、状態を確認してもらえる場合があります。
循環水には入れ替えの目安年数があり、長く使っている機器では防錆や凍結防止の性能が落ちていることがあります。
訪問してもらう機会にまとめて相談しておくと、後日あらためて依頼する手間を省けます。
最後に入れ替えた時期が分かる記録があれば、あわせて用意しておいてください。
まとめ
サンポットのガスストーブに表示されるE-35は、温水回路の温度を測るサーミスタの断線を示す表示です。
メーカーは使用を中止して販売店または最寄りの営業所に連絡するよう案内しており、水位の補給や配管の確認で解決するものではありません。
同じ「パネルが温まらない」で気づく表示でも、E-04は循環水の不足、E-18・E-36は温水回路の閉止と、対応が分かれます。
確認を始める前に、表示された番号を控えてください。
やるべきことは、運転を止め、エラー番号と型番を伝えて修理を依頼することです。
訪問してもらう機会に、循環水の入れ替え時期についてもあわせて相談しておくと、後の手間を減らせます。

