瞬間湯沸かし器を探していると、ガス管につなぐタイプだけでなく、コンセントにつなぐ電気式の製品も販売されていることに気づいたかもしれません。
「ガス管が引き込めない場所でも使えるらしいが、電気式にはどんな違いがあるのだろう」と迷っていませんか。
この記事では、ガス式・電気式それぞれの仕組みと違い、向いている設置場所、選ぶときに確認すべきポイントを、メーカーの公式情報にもとづいて解説します。
- ガス式・電気式それぞれの仕組みと特徴
- 電気式が向いている設置場所と条件
- 選び方で確認しておきたいポイント
瞬間湯沸かし器のガス式・電気式とは
瞬間湯沸かし器には、ガスを燃焼させて水を温める「ガス式」と、電気ヒーターで水を温める「電気式」の2種類があります。
どちらもタンクにお湯を溜めておく貯湯式ではなく、必要なときに必要な分だけお湯をつくる点は共通しています。
| 項目 | ガス式 | 電気式 |
|---|---|---|
| 熱源 | ガスの燃焼熱 | 電気ヒーター |
| 必要な設備 | ガス配管(都市ガス・プロパンガス) | 専用の電源配線・コンセント |
| 排気の有無 | 燃焼排気があり、換気が必要 | 燃焼を伴わないため排気がない |
| 主な設置場所 | ガス管が引ける住宅・店舗 | ガス管のない場所、屋外、仮設現場など |
電気式瞬間湯沸かし器の特徴
電気温水器・電気瞬間湯沸器の専門メーカーである日本イトミックの公式サイトによると、電気瞬間湯沸器は「湯切れがなく、コンパクトな省エネ機器」であり、貯湯タンクが不要なため、貯めたお湯を保温する必要がない点が特徴として紹介されています。
ガス式と同様に、出湯能力は号数で表示され、機種を比較する際の目安になります。
電気式は燃焼を伴わないため排気ガスが発生せず、換気設備がなくても設置できる点が大きな特徴です。
そのため、ガス管を引き込めない場所や、屋外・仮設の給湯設備としても選ばれています。
ガス式と電気式、それぞれのメリット・デメリット
ガス式・電気式には、それぞれ次のようなメリット・デメリットがあります。
| 方式 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| ガス式 | 立ち上がりが早く、家庭用として実績が豊富 | ガス管の引き込みと、使用時の換気が必要 |
| 電気式 | 排気ガスが出ず、ガス管のない場所にも設置できる | 専用の電源配線が必要になることが多い |
家庭のキッチンで一般的に使われているのはガス式ですが、店舗の厨房や屋外の水栓など、ガス管を引き込みにくい場所では電気式が選ばれる傾向にあります。
電気式を選ぶ際に確認しておきたい電源条件
電気式の瞬間湯沸かし器は、水を電気ヒーターで瞬時に加熱する仕組み上、一般的な家庭用コンセント(100V)では対応できない機種が多く、単相200Vなど専用の電源配線が必要になる製品が中心です。
実際に、電気温水器メーカーの製品ラインナップを見ても、瞬間式の多くが単相200V仕様として案内されています。
導入を検討する場合は、次の点を事前に確認しておく必要があります。
- 設置場所に必要な電圧(100V/200V)の配線があるか
- ブレーカーの容量が機種の消費電力に対応できるか
- 配線工事が必要な場合、電気工事業者への依頼が必要になること
電源容量が不足したまま機種だけを購入すると、ブレーカーが落ちたり、そもそも正常に作動しなかったりするおそれがあります。
購入前に、設置予定場所の電源設備を電気工事業者や施工店に確認しておくと安心です。
瞬間湯沸かし器そのものの仕組みや、家庭用給湯器との違いについては瞬間湯沸かし器とは?仕組み・給湯器との違いをわかりやすく解説で解説していますので、あわせて参考にしてください。
ランニングコストの考え方の違い
ガス式と電気式では、光熱費の計算の仕方も異なります。
ガス式はガス料金単価(都市ガスかプロパンガスか、契約している事業者やプランによって異なる)にもとづいて計算され、電気式は電気料金単価と消費電力にもとづいて計算されます。
どちらが安くなるかは、契約している料金プラン、使用頻度、機種の効率によって変わるため、一概にどちらが安いとは言い切れません。
前述のとおり、電気瞬間湯沸器は貯湯タンクの保温が不要な分、待機時の放熱ロスを抑えられる点が特徴として紹介されていますが、正確な光熱費を比較したい場合は、使用予定の時間帯・頻度をもとに、契約中のガス会社・電力会社の料金プランで試算することをおすすめします。
設置工事の違い|誰に依頼すればよいか
ガス式と電気式では、設置工事を依頼する業者も異なります。
| 方式 | 主な工事内容 | 依頼先の例 |
|---|---|---|
| ガス式 | ガス配管工事、換気の確認 | ガス事業者、ガス機器の取り付け業者 |
| 電気式 | 電源配線工事、ブレーカー容量の確認 | 電気工事業者 |
どちらの方式でも、ガスや電気の資格を持つ業者による正しい施工が前提です。
自己判断でガス管や電源配線を扱うことは、事故につながる危険があるため避け、必ず対応できる業者に依頼しましょう。
メーカー選びのポイント
ガス式は国内の給湯器メーカー(リンナイ・ノーリツ・パロマなど)が主要な製造元となっている一方、電気式は業務用電気温水器を手がける専業メーカーの製品が中心です。
家庭用として広く流通しているのはガス式のため、まずはガス管が引き込めるかどうかを確認し、難しい場合に電気式を検討するという順序で選ぶと、機種選びで迷いにくくなります。
どちらを選ぶべきか|設置場所別の目安
ガス式・電気式のどちらが向いているかは、主に設置場所とガス管・電源の状況によって決まります。
| 設置場所・状況 | 向いている方式 |
|---|---|
| 既にガス管が来ているキッチン | ガス式(追加工事が少なく済む) |
| ガス管を引き込めない屋外・仮設スペース | 電気式(配管工事が不要) |
| 換気設備を設けにくい狭い場所 | 電気式(燃焼排気が出ない) |
| 200V電源の確保が難しい場所 | ガス式(電気工事の負担が少ない) |
「ガス管が引けるかどうか」と「200V電源を確保できるかどうか」の2点を確認すると、どちらの方式が現実的かを判断しやすくなります。
迷う場合は、設置予定場所の状況を伝えたうえで、ガス事業者や電気工事業者、機器の販売店に相談することをおすすめします。
併用や切り替えを検討する場合の注意点
すでにガス式の瞬間湯沸かし器を使っている場所に、電気式を追加したり切り替えたりしたいというケースもあります。
たとえば、店舗の増床にあわせて新しい厨房スペースにガス管を引き込むのが難しい場合、その場所だけ電気式を導入するといった使い分けも可能です。
このような場合は、次の点を事前に整理しておくとスムーズです。
- 新しい設置場所にガス管・電源のどちらを引き込みやすいか
- 既存の給湯設備とあわせて使う場合、能力(号数や出湯量)が不足しないか
- 工事を依頼する業者が、ガス工事・電気工事のどちらに対応しているか
ガス式・電気式は排他的なものではなく、設置場所ごとに使い分ける前提で検討すると、無理のない計画を立てやすくなります。
複数の設置場所がある場合は、それぞれの条件を整理したうえで、ガス事業者・電気工事業者・機器の販売店に相談することをおすすめします。
まとめ
瞬間湯沸かし器には、ガスの燃焼熱を利用するガス式と、電気ヒーターで加熱する電気式があり、それぞれ設置に必要な設備が異なります。
最後に、この記事のポイントを整理します。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| ガス式 | ガス配管が必要。家庭用として実績が豊富 |
| 電気式 | 燃焼排気が出ず、ガス管のない場所にも設置可能 |
| 電気式の注意点 | 単相200Vなど専用の電源配線が必要になることが多い |
| 選び方の目安 | ガス管・電源のどちらを確保しやすいかで判断する |
自宅や店舗にガス管があるか、電源設備がどうなっているかを確認したうえで、どちらの方式が現実的かを検討してみてください。
判断に迷う場合は、ガス事業者や電気工事業者に相談すると、設置条件に応じたアドバイスをもらえます。
設置場所ごとに条件は異なるため、複数の候補がある場合は、それぞれの場所で必要な工事内容を一度整理しておくと、後から追加工事が発生しにくくなります。
よくある質問
Q1. 瞬間湯沸かし器のガス式と電気式の一番の違いは何ですか?
一番の違いは熱源です。ガス式はガスを燃焼させて水を温めるため、ガス配管と使用時の換気が必要になります。電気式は電気ヒーターで水を温めるため燃焼排気が出ず、ガス管のない場所にも設置できる点が特徴です。どちらも貯湯タンクを持たず、必要なときに必要な分だけお湯をつくる仕組みは共通しています。
Q2. 電気式の瞬間湯沸かし器はどんな場所に向いていますか?
ガス管を引き込みにくい屋外や仮設のスペース、店舗の厨房、換気設備を設けにくい狭い場所などに向いています。燃焼を伴わないため排気ガスが発生せず、換気設備がなくても設置できる点がメリットです。一方で、専用の電源配線が必要になる機種が多いため、電源条件の確認が欠かせません。
Q3. 電気式は家庭用の100Vコンセントで使えますか?
機種によりますが、瞬間式の電気温水器は水を短時間で加熱する仕組み上、単相200Vなど専用の電源配線が必要な製品が中心です。一般的な家庭用コンセント(100V)だけでは対応できない機種が多いため、購入前に必要な電圧やブレーカー容量を確認する必要があります。
Q4. 電気式を導入する場合、工事は必要ですか?
設置場所に対応する電源配線がすでにある場合を除き、電気工事業者による配線工事が必要になることが多くあります。ブレーカーの容量が機種の消費電力に対応しているかどうかも、事前に確認しておくべきポイントです。
Q5. ガス式と電気式、どちらを選べばよいか迷ったときはどうすればよいですか?
設置予定場所にガス管を引き込めるか、200V電源を確保できるかの2点を確認すると判断しやすくなります。どちらも難しい、あるいは判断がつかない場合は、ガス事業者や電気工事業者、機器の販売店に設置場所の状況を伝えて相談するのが確実です。

