MENU

ガスストーブとガスファンヒーターの違いとは|呼び方と種類の見分け方

左にFF式ガスストーブ、右にガスファンヒーターを並べ、呼び方と種類の違いを紹介するサムネイル画像
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

ガスストーブとガスファンヒーターは、どちらもガスを燃やして部屋を暖める暖房器具です。
ただ、同じ「ガスストーブ」という言葉で別の機械を指していることが多く、買うときや調べるときに混乱しやすい呼び方です。
結論から言うと、「ガスストーブ」は広い意味の呼び名で、ガスファンヒーター・ガス赤外線ストーブ・ガスFF暖房機などをまとめて指して使われています。
狭い意味では、ファンを使わず赤外線で暖める「ガス赤外線ストーブ」を指します。
この記事では、呼び方の整理と、種類ごとの暖め方・換気・電源・工事の違いを、メーカーの仕様をもとにまとめます。

目次

「ガスストーブ」という言葉が指すもの

「ガスストーブ」は、ガスを熱源にした暖房器具の総称のように使われています。
売り場でも会話でも、ファンの付いた温風タイプを「ガスストーブ」と呼ぶ人もいれば、赤く光る面で暖めるタイプだけを「ガスストーブ」と呼ぶ人もいます。
そのため、「ガスストーブがほしい」という言葉だけでは、どの機械のことか決まりません。
まずは、実際にどんな機械があるのかを整理します。

スクロールできます
通称機械の名前特徴
ガスストーブ(ファン付き)ガスファンヒーターガス栓につなぎ、燃焼熱をファンで温風にして送る。持ち運べる
ガスストーブ(ファンなし)ガス赤外線ストーブ燃焼面から出る赤外線で暖める。風は出ない
壁付けのガスストーブガスFF暖房機壁に取り付け、給排気筒で屋外とつなぐ。工事が必要
炎が見えるガスストーブガス暖炉炎を楽しむタイプ。壁に取り付ける機種が中心
カセットのガスストーブカセットガスストーブカセットボンベで使う小型の暖房器具。ガス栓がいらない

この記事では、ガス栓につなぐ家庭用の3タイプ、ガスファンヒーター・ガス赤外線ストーブ・ガスFF暖房機の違いを中心に説明します。
カセットボンベで使うタイプは、燃料の入れ方も安全面の注意も別になるので、別の記事で扱います。

暖め方の違い:温風か、赤外線か

3タイプの大きな違いは、熱を部屋に届ける方法です。

ガスファンヒーターは、本体の中でガスを燃やし、その熱をファンで温風に変えて吹き出します。
リンナイの現行モデルでは、スイッチを入れてから約5秒で温風が出ると案内されています。
温風が空気を動かすので、部屋全体を暖めやすいのが特長です。
足元だけを暖める「スポット暖房モード」を持つ機種もあります。

ガス赤外線ストーブは、ファンを使いません。
燃焼面のセラミックなどが熱せられて赤外線を出し、その赤外線が当たった人や床、壁を直接暖めます。
風が出ないため、温風が顔に当たるのが苦手な人や、ファンの音が気になる人に選ばれています。
その代わり、暖かさは主に正面の方向に届くので、部屋全体を暖めるのは得意ではありません。

ガスFF暖房機は、ガスファンヒーターと同じく温風で暖めます。
違いは、燃やす空気を屋外から取り込み、燃えたあとの排気も屋外へ出す「密閉式」であることです。
リンナイは、外気温に左右されにくく、寒いときほどパワーを発揮できるとしています。

📎 出典:リンナイ ガスファンヒーター 総合カタログ

3タイプの違いを一覧で比べる

次の表は、リンナイの現行ラインアップをもとに、3タイプを同じ項目で比べたものです。
機種によって数値は変わるため、目安として見てください。

スクロールできます
項目ガスファンヒーターガス赤外線ストーブガスFF暖房機
暖め方温風を吹き出す赤外線で正面を暖める温風を吹き出す
電源(AC100V)必要。運転時の消費電力は14〜20W前後不要。乾電池などで点火する必要。運転時の消費電力は23〜59W
換気1時間に1〜2回(1〜2分)1時間に1〜2回(1〜2分)原則不要。屋外から給気し屋外へ排気する
置き方ガス栓にガスコードでつなぎ、置いて使うガス栓にガスコードでつなぎ、置いて使う壁に固定し、給排気筒を屋外へ出す
工事不要不要必要。ガスや電気の工事に専門の資格がいる
暖房のめやす(木造・温暖地)7〜15畳11〜17畳8〜24畳
向く場所リビング、個室などキッチン、和室、事務所の一角など高気密の住宅、寝室、事務所や教室など

ここで注目したいのが、換気と電源の違いです。
ガスファンヒーターとガス赤外線ストーブは、室内の空気を使って燃やし、排気も室内に出す「開放式」です。
そのため、どちらも必ず換気が必要です。
一方でガスFF暖房機は、換気の手間がほとんどかかりません。
電源については、ガス赤外線ストーブだけが、AC100Vを使わずに点火できます。

📎 出典:リンナイ ガスFF暖房機 特長

見た目で種類を見分ける方法

店頭やフリマサイトで機種を見かけたときは、次の見た目で種類を見分けられます。

見た目種類
前面や上部に温風の吹き出し口があり、薄い箱型をしているガスファンヒーター
赤く光る燃焼面があり、金属のガードで囲まれている。風は出ないガス赤外線ストーブ
壁に固定され、壁を貫く筒が屋外へ出ているガスFF暖房機
カセットボンベを入れる部分があるカセットガスストーブ

型番でも見分けられます。
リンナイを例にすると、ガスファンヒーターは「RC-」、ガス赤外線ストーブは「R-」、ガスFF暖房機は「RHF-」で始まる型番です。
他社でも、型番の頭文字や商品名の分類で区別できるので、購入前に商品名を確認してください。

買う前に確認したい3つのこと

どのタイプを選ぶ場合も、次の3つは先に確認してください。

1. ガスの種類

ガスには、都市ガスとLPガス(プロパンガス)があります。
機種は使うガスごとに型番が分かれていて、お住まいのガスに合うものを選ぶ必要があります。
都市ガス用の機種をLPガスで使ったり、その逆をしたりすることはできません。
引っ越しでガスの種類が変わる場合は、今の機種が使えなくなることもあります。

2. ガス栓の有無と形

ガスファンヒーターとガス赤外線ストーブは、ガス栓につないで使います。
置きたい場所にガス栓がないと使えません。
ガス栓には、差込み型、壁に埋め込まれたガスコンセント型など、いくつかの形があります。
形に合った専用のガスコードを選ぶ必要があります。

ガスコードは、機種に合った長さを選びます。
リンナイでは0.5mから最長5mまでがあり、ガス消費量に応じて使える長さが決まっています。
ガスコードを正しくつなぐと外れる「ガスコード確認カバー」が付いた機種では、ゴム管では接続できない設計になっています。
ゴム管を使ってつなぐ方法は、現行の機種では想定されていません。

3. 置く部屋の条件

開放式のガスファンヒーターとガス赤外線ストーブは、換気ができない場所では使えません。
リンナイは、窓が凍結する場所や地下室など、換気できない場所では使用しないよう案内しています。
冬に窓が凍りつきやすい寒冷地では、この条件が特に重要です。
そのような部屋では、換気の手間が少ないガスFF暖房機が選択肢になります。

タイプ別の向き不向き

3タイプの向き不向きを、使い方の場面で整理します。

ガスファンヒーターが向いているのは、リビングなど、部屋全体を早く暖めたい場面です。
置き場所を変えられるので、季節ごとに片付けたり、別の部屋へ移したりもできます。
一方で、運転中は換気が欠かせず、ファンの音や温風が気になる人もいます。

ガス赤外線ストーブが向いているのは、風を出したくない場所や、電源を取りにくい場所です。
キッチンや和室など、決まった場所に置いて、正面の人を暖める使い方に合っています。
部屋全体を暖める力はファンヒーターほど期待できないので、広い部屋ではほかの暖房と併用する前提で考えます。

ガスFF暖房機が向いているのは、換気の手間をなくしたい家です。
高気密の住宅や、窓を開けにくい寝室、事務所や教室などにも使われています。
ただし、壁に穴をあける工事が必要で、本体の価格に加えて工事費もかかります。
賃貸では、貸主や管理会社の許可が必要です。

ガス代の考え方は、ガスストーブのガス代の記事で整理しています。

よくある質問

Q1. ガスストーブとガスファンヒーターは同じものですか?

同じ場合も、違う場合もあります。
「ガスストーブ」は広い意味の呼び名で、ガスファンヒーターを指すこともあれば、ファンのないガス赤外線ストーブを指すこともあります。
購入するときは、温風が出るタイプか、赤外線で暖めるタイプかを確認してください。

Q2. ガスストーブは換気が必要ですか?

ガスファンヒーターとガス赤外線ストーブは、室内の空気を使って燃やす開放式なので、換気が必要です。
リンナイは、1時間に1〜2回、1〜2分程度の換気を案内しています。
ガスFF暖房機は、屋外の空気で燃やして排気も屋外へ出すので、こまめな換気は必要ありません。

Q3. ガスストーブは電気がなくても使えますか?

ガス赤外線ストーブは、AC100Vを使わずに点火できる機種があります。
ガスファンヒーターとガスFF暖房機は、ファンや制御に電気を使うため、電源が必要です。

Q4. 都市ガス用の機種をプロパンガスで使えますか?

使えません。
ガスの種類ごとに機種が分かれています。
購入前に、本体のラベルや商品名で、使えるガスの種類を確認してください。

Q5. 賃貸でも使えますか?

ガスファンヒーターとガス赤外線ストーブは、ガス栓があれば置いて使えます。
ガス栓がない場合は、増設工事が必要で、貸主や管理会社の許可がいります。
ガスFF暖房機は壁に穴をあける工事が必要なので、賃貸では事前の許可が必須です。

まとめ

ガスストーブという言葉は、温風タイプ、赤外線タイプ、壁付けのFF式をまとめて指して使われます。
最後に、違いを整理します。

タイプ暖め方換気電源工事
ガスファンヒーター温風必要必要不要
ガス赤外線ストーブ赤外線必要不要(点火は乾電池など)不要
ガスFF暖房機温風原則不要必要必要

迷ったら、まずは「使うガスの種類」「ガス栓の有無」「窓を開けて換気できる部屋か」の3つを確認してみてください。
そこが決まれば、選べるタイプは自然に絞られます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

目次