ガスストーブを選ぶとき、「何畳まで使えるか」は最初に見る数字です。
ところが、同じ機種でも「木造11畳」「コンクリート15畳」と2つの畳数が並んでいて、どちらを見ればよいのか迷う方もいるのではないでしょうか。
ガスストーブの畳数は「暖房のめやす」と呼ばれる目安で、木造の住まいなら木造の欄、鉄筋コンクリートのマンションならコンクリート造の欄を見ます。
この記事では、畳数の意味と見方、部屋の広さ別の選び方、広い部屋で大型機を選ぶときの注意を、メーカーの情報をもとに整理します。
「暖房のめやす」とは
暖房のめやすは、その機種が暖められる部屋の広さを、畳数で示した目安です。
日本ガス石油機器工業会の基準にもとづいて、メーカーがカタログに表示しています。
| 区分 | 意味 |
|---|---|
| 木造 | 木造住宅を想定した畳数。熱が逃げやすいため、畳数は小さい |
| コンクリート造 | 鉄筋コンクリートのマンションなどを想定した畳数。断熱性が高いため、畳数は大きい |
| 温暖地・寒冷地 | 室内外の温度差を基準にした区分。温暖地は15℃、寒冷地は30℃を前提にする |
📎 出典:リンナイ ガスFF暖房機 総合カタログ
リンナイのカタログでは、暖房のめやすは、温暖地の木造を中心に表示されています。
東京などが温暖地、札幌などが寒冷地にあたり、寒冷地では畳数が小さくなります。
お住まいが寒冷地の場合は、カタログの注記で、寒冷地の畳数を確認してください。
また、リンナイとノーリツのガスファンヒーターのカタログは、都市ガス13Aを基準に数値を表示しています。
ガスの種類によって、数値が異なる場合があります。
リンナイ現行機の畳数一覧
リンナイの現行機を、暖房のめやす(木造)の小さい順に並べます。
| 暖房のめやす(木造) | コンクリート造 | 機種 | タイプ |
|---|---|---|---|
| 7畳 | 9畳 | RC-Y2402PE | ガスファンヒーター |
| 8畳 | 12畳 | RHF-310FT | ガスFF暖房機 |
| 11畳 | 15畳 | RC-Y4002PE | ガスファンヒーター |
| 11畳 | 15畳 | R-852PMSⅢ(D) | ガス赤外線ストーブ |
| 12畳 | 16畳 | RC-A4401NP | ガスファンヒーター |
| 14畳 | 22畳 | RHF-570FT/RHF-580FT | ガスFF暖房機 |
| 15畳 | 21畳 | RC-U5801PE/RC-B5801ACP | ガスファンヒーター |
| 15畳 | 21畳 | R-1290VMSⅢ(D) | ガス赤外線ストーブ |
| 17畳 | 23畳 | R-1220CMSⅢ(D) | ガス赤外線ストーブ |
| 24畳 | カタログで確認 | RHF-1006FT | ガスFF暖房機 |
ガスFF暖房機のコンクリート造の畳数のうち、RHF-310FT(12畳)とRHF-570FT・RHF-580FT(22畳)は、北ガスジェネックスのリース案内ページの記載です。
RHF-1006FTのコンクリート造の畳数は、リンナイのカタログで確認してください。
畳数別の選び方
部屋の広さごとに、選び方の目安を整理します。
窓の大きさや断熱性で変わるため、あくまで目安です。
| 部屋の広さ | 選び方 | 候補のタイプ |
|---|---|---|
| 6畳 | 7畳対応の小型機。窓が大きければ余裕を見る | ガスファンヒーター(RC-Y2402PEなど) |
| 8畳 | 11畳対応の機種で余裕を持たせる | ガスファンヒーター、ガスFF暖房機 |
| 10畳 | 11〜12畳対応の機種 | ガスファンヒーター、赤外線ストーブ |
| 12畳 | 12畳以上。余裕を見て14〜15畳対応 | ガスファンヒーター、ガスFF暖房機 |
| 14〜15畳 | 15畳対応の機種 | ガスファンヒーター(大能力)、赤外線ストーブ |
| 16〜20畳 | 17畳以上。大型のFF式も検討 | ガスFF暖房機(RHF-1006FTなど)、赤外線ストーブ(R-1220CMSⅢ(D)) |
小型機の詳しい選び方は、小型ガスストーブの選び方|コンパクト機の暖房能力と置き場所で整理しています。
畳数ぎりぎりで選ぶと起こること
畳数ぎりぎりの機種は、暖房能力に余裕がありません。
次のような場面で、暖まりにくさを感じやすくなります。
| 場面 | 起こること |
|---|---|
| 寒い朝 | 暖まるまでに時間がかかる |
| 窓が大きい部屋 | 窓から冷気が降りてきて、足元が冷える |
| 天井が高い部屋 | 暖かい空気が上にたまる |
| 北側の部屋 | 外気温の影響を受けやすい |
| ドアを開けたまま | 隣の部屋やろうかに熱が逃げる |
こうした部屋では、畳数が一段階大きい機種を選ぶと、運転に余裕が出ます。
暖かさが足りないときは、サーキュレーターで空気をかき混ぜる方法もあります。
ただし、風が直接ストーブの燃焼部に当たらない向きに置いてください。
風で炎が乱れると、不完全燃焼のおそれがあります。
大型機を選ぶときの注意
15畳を超える広い部屋では、大型の機種を選びます。
大型機には、いくつかの注意点があります。
能力が大きいほどガス消費量も大きい
暖房能力が大きい機種は、ガス消費量も大きくなります。
ガスコードの長さは、ガス消費量に応じて使える範囲が決まっています。
リンナイでは、ガス消費量5.90kW以下の機器には最長5mのコードがあり、5.90kWを超える機器には、φ8mm仕様の別のコードが用意されています。
開放式は換気が追いつかないことがある
大型のガスファンヒーターや赤外線ストーブは、燃やすガスの量が多くなります。
開放式では、使用中に定期的な換気が必要です。
広い部屋で長時間使う場合は、換気の手間が少ないガスFF暖房機が選択肢になります。
木造の広い部屋は一台で足りないことがある
木造の20畳を超えるような部屋は、一台で暖めるのが難しい場合があります。
FF式の大型機(RHF-1006FT、木造24畳)か、複数台に分ける、エアコンと併用するなどの方法を考えます。
畳数を調べる手順
自分の部屋に必要な畳数を調べる手順です。
| 順番 | 確認すること |
|---|---|
| 1 | 部屋の広さ(畳)を、間取り図や賃貸の契約書類で確認する |
| 2 | 住まいの構造(木造か鉄筋コンクリートか)を確認する |
| 3 | 窓の大きさ、天井の高さ、断熱性を考える |
| 4 | カタログで、構造に合った畳数の欄を見る |
| 5 | 必要に応じて、一段階余裕のある機種を選ぶ |
マンションの高層階や、日当たりのよい南向きの部屋は、畳数の目安どおりに暖まりやすい傾向があります。
戸建ての木造や、北向きの部屋では、余裕を見るほうが安心です。
マンションと戸建ての違い
同じ広さの部屋でも、住まいの構造で暖まり方は変わります。
目安を整理します。
| 住まい | 傾向 | 畳数の見方 |
|---|---|---|
| 鉄筋コンクリートのマンション(中住戸) | 断熱性が高く、暖まりやすい | コンクリート造の欄 |
| マンションの角部屋・最上階 | 外気に面する壁や天井が多く、冷えやすい | コンクリート造の欄より、少し余裕を見る |
| 木造の戸建て | 熱が逃げやすい | 木造の欄 |
| 築年数の古い住宅 | 窓や壁の断熱性が低いことがある | 木造の欄より、一段階余裕を見る |
暖房のめやすは、断熱材のない一重窓の建物を前提にした基準です。
断熱性能の高い新しい住宅では、めやすより小さい能力でも暖まる場合があります。
その場合も、寒さの感じ方は人によって違うため、少し余裕を持たせて選ぶと安心です。
余裕を見るときの考え方
畳数をそのまま当てはめるか、余裕を持たせるかは、部屋の条件で決めます。
| 条件 | 余裕を持たせる目安 |
|---|---|
| 大きな掃き出し窓がある | 一段階上の機種を検討する |
| 天井が高い、吹き抜けがある | 一段階以上、上の機種を検討する |
| 隣の部屋とつながっている(LDKなど) | つながっている空間の広さで考える |
| 北向きの部屋 | 一段階上の機種を検討する |
| 短時間だけ使う小さな部屋 | 畳数どおりで足りる場合が多い |
たとえば、木造のLDKで、リビングが10畳でも、隣のダイニングとつながっていて合計14畳になる場合は、14畳で考えます。
間仕切りの扉を開けたままにするかどうかで、必要な能力は変わります。
畳数が足りないと感じたとき
買ったあとに、思ったほど暖まらないと感じたときは、機種の買い替えの前に、部屋の条件を見直します。
窓に断熱シートを貼る、カーテンを床まで届く丈にする、ドアのすき間をふさぐなどの対策で、暖まり方が変わることがあります。
それでも足りない場合に、より大きな機種や、他の暖房との併用を検討します。
畳数は、機種を比べるための共通の物差しです。実際の体感は住まいで変わることを前提に、使ってみて調整してください。
よくある質問
Q1. 木造とコンクリートの畳数は、どちらを見ればよいですか?
お住まいの構造に合わせます。
木造の戸建てなら木造の欄、鉄筋コンクリートのマンションならコンクリート造の欄を見ます。
迷う場合は、小さいほうの畳数で選ぶと、暖房能力に余裕が出ます。
Q2. 20畳の部屋は、ガスストーブ一台で暖まりますか?
木造の20畳は、一台では難しい場合があります。
リンナイのガスFF暖房機RHF-1006FTは、木造24畳まで対応しています。
部屋の断熱性や窓の大きさで変わるため、販売店に相談してください。
Q3. 6畳の部屋に大きな機種を置くと、暖まりやすいですか?
暖まるまでは早くなりますが、おすすめはしません。
本体が大きくなり、ガス消費量も大きくなります。
部屋の広さに合った畳数の機種を選んでください。
Q4. 寒冷地では畳数が変わりますか?
寒冷地では、室内外の温度差が大きいため、暖房のめやすの畳数は小さくなります。
カタログの注記で、寒冷地の畳数を確認してください。
Q5. 12Aの地域でも、カタログの畳数は使えますか?
リンナイとノーリツのカタログの数値は、13Aを基準にしています。
12Aなど別の都市ガスの地域では、数値が異なる場合があります。
詳しくは、都市ガス用ガスストーブの選び方|12A・13Aの確認と使えるタイプで整理しています。
まとめ
ガスストーブの畳数は、構造と、部屋の条件を考えて選びます。
最後に、要点を整理します。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 畳数の名前 | 暖房のめやす。基準は日本ガス石油機器工業会 |
| 見る欄 | 木造は木造、マンションはコンクリート造 |
| 迷ったら | 一段階余裕のある機種 |
| 広い部屋 | 大型のFF式、赤外線ストーブ、または複数台 |
畳数は、あくまで目安です。
部屋の窓や天井の条件を見て、余裕のある機種を選んでみてください。

