MENU

床暖房を長期間使わないとどうなる?故障リスクと保管

床暖房を長期間使わない場合の故障リスクと保管のポイントを紹介する、床暖房付きの室内と壁面リモコンのイラスト
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

床暖房は、冬のあいだ活躍する設備ですが、暖かい季節には何か月も使わない期間が続きます。
「使わないまま放っておいても、故障しないだろうか」「電源は切ったほうがいいのか」「そもそも、設置したのに使わない家庭はどうなるのか」と、気になる人もいるのではないでしょうか。
実は、使わない期間の過ごし方や管理次第で、再び使い始めたときの調子が変わることがあります。
この記事では、床暖房を使わないとどうなるのか、方式別の注意、シーズンオフの管理、再開時の確認を整理します。
オフシーズンの扱いに迷ったときの参考にしてください。

目次

使わない期間に起こり得ること

床暖房を長期間使わないと、次のようなことが起こる場合があります。

起こり得ること内容
ポンプの固着温水式で、循環ポンプが長く動かないと、固まって動かなくなることがある
循環水の劣化配管内の水や循環液が、時間とともに劣化する場合がある
凍結寒冷地で、冬に運転していないと、配管が凍結するおそれがある
部品の劣化使わなくても、経年で部品は少しずつ劣化する
設定の消失停電などで、タイマーの設定や時計が消えることがある

使わないからといって、機器が傷まないわけではなく、むしろ長期間動かさないことで、不具合が出やすくなる部分もあります。
一方、「使わないとすぐに壊れる」というわけでもありません。
方式や機種によって影響は異なり、取扱説明書の指示に従うことが基本です。

方式別の注意点

温水式床暖房(ガス・灯油・ヒートポンプ)

温水式は、熱源機と循環ポンプ、配管で構成されています。
動く部品があるため、長期間まったく動かさないと、ポンプが固着する可能性があります。
また、配管の中を循環する水や不凍液が、長期間動かないことで、劣化することも考えられます。

給湯と暖房を兼用する熱源機では、夏もお風呂や台所でお湯を使うため、熱源機そのものは日常的に動いています。
一方、床暖房の循環回路は、運転しなければ動かないため、床暖房を使わない期間も、ポンプが動く機会がありません。
機種によっては、シーズンオフの間も、定期的にポンプを動かす機能が備わっている場合もあります。

電気式床暖房

電気式は、床下に敷いたヒーターが発熱する方式で、動く部品がほとんどありません。
そのため、使わない期間の影響は、温水式より小さい傾向があります。
ただし、ヒーターや配線の経年劣化は、使っていなくても進みます。
また、使い始めのシーズンの最初に、ヒーターや制御部が正常に動くか、試運転で確認することが大切です。

方式ごとの特徴は、床暖房の熱源機を解説した記事でも触れています。

夏のあいだの扱い方

暖かい季節、床暖房を使わないときの扱い方は、機種ごとの取扱説明書に従います。
一般的な考え方を紹介します。

項目考え方
リモコン・運転運転は止めておく。電源を切るかどうかは、取扱説明書に従う
熱源機の電源給湯と兼用の場合は、給湯に必要なため、基本的に入れておく
ガスの元栓給湯などで使うため、通常は開けておく
分電盤のブレーカー床暖房専用のブレーカーがある場合、取扱説明書に従う
試運転夏の間に一度、短時間運転して状態を確認する方法もある

「使わないから、電源を全部切る」のがよいとは限りません。
給湯と兼用の熱源機の電源を切ると、お湯が使えなくなったり、機器の制御に影響したりすることがあります。
また、電源を切ることで、凍結防止機能が働かなくなる場合もあります。
不明な点は、メーカーや施工事業者に確認してください。

夏の間の試運転は必要か

夏に床暖房を使わない間に、短時間の試運転をしておくことは、機器の状態を保つうえで役立つ場合があります。
たとえば、数か月に一度、短時間運転して、ポンプが動くか、リモコンの表示に問題がないかを確認する方法です。

ただし、夏に床暖房を運転すると、床が温まって暑くなるため、短時間にとどめます。
また、試運転が必要かどうか、どのくらいの頻度が望ましいかは、機種によって異なります。
取扱説明書にシーズンオフの管理の記載があれば、それに従ってください。

使わない家庭の考え方

「床暖房を設置したけれど、ほとんど使わない」という家庭もあります。
その場合の考え方を整理します。

状況考え方
時々しか使わない使わない期間が長いため、シーズン前の試運転と点検が特に大切
全く使っていない機器の状態が分からないため、一度点検を受けると安心
一部の部屋だけ使う使わない系統も、定期的に動かして状態を保つ
使うかどうか迷っている試運転で状態を確認してから判断する

「使わないなら、最初から必要なかった」と考える前に、使わない理由を見直してみる価値があります。
たとえば、「ガス代が心配で使えない」場合は、運転の工夫や設定の見直しで、負担を抑えられることがあります。
「使い方が分からない」場合は、基本的な使い方を確認してみてください。
基本的な使い方は、床暖房の使い方を解説した記事で整理しています。

空き家や長期不在のときの注意

旅行や出張、入院、空き家の期間など、家を長く留守にするときも、床暖房の扱いに注意が必要です。

状況注意点
数日〜数週間の留守(冬)凍結のおそれがある地域では、凍結防止の設定を確認する
数か月の留守電源やガスの扱いを確認し、再開時の点検を計画する
空き家通水や機器の状態が悪化しやすい。管理の方法を決めておく

特に、寒冷地で冬に長期不在になる場合は、凍結による配管の破損が大きなリスクです。
完全に停止すると、凍結のリスクが高まる場合があるため、取扱説明書の指示に従って、凍結防止の運転を残すか、配管の水を抜く(水抜き)といった対応が必要になることもあります。

凍結のおそれがある地域で長期間留守にするときは、自己判断で電源やガスを止めず、取扱説明書やメーカー、施工事業者の指示に従ってください。

使わない期間のコスト

床暖房を使わない期間は、基本的に光熱費は発生しません。
ただし、次のような費用は、使わなくても続きます。

費用内容
ガスの基本料金使用量にかかわらず、契約に基づいて発生する
電気の基本料金同上
待機電力熱源機やリモコンの待機で、わずかな電力を消費する場合がある
点検・保守費用契約している場合は、使わなくてもかかる

待機電力は、一般にごくわずかですが、気になる場合は、機種ごとの取扱説明書や、メーカーに確認すると安心です。

再開時の確認点

シーズンが始まる前に、再び床暖房を使い始めるときは、次の点を確認します。

確認点内容
電源とガスの状態電源が入っているか、ガスの元栓が開いているか
リモコンの表示時計やタイマーの設定が消えていないか。エラー表示がないか
試運転短時間運転して、床が暖まるか確認する
異音・異臭普段と違う音や臭いがしないか
水漏れ熱源機や配管まわりに水漏れがないか
床の上の物床暖房に対応していない物が置かれていないか

気になる点があれば、運転を止めて、メーカーや施工事業者に相談してください。
再開の時期や準備の詳しい説明は、床暖房はいつから使うかを解説した記事で整理しています。

シーズンオフにやっておきたい手入れ

使わない季節は、床暖房の手入れをしやすい時期でもあります。
熱源機の周囲に、荷物や落ち葉、雑草などがたまっていないかを確認し、通気を確保します。
屋外にある機器は、雨や湿気の影響を受けるため、カバーやさびの状態も点検しておくと安心です。
リモコンは、電池の残量を確認し、必要なら交換しておきます。
床の上では、冬に使っていた敷物を片付けたり、洗ったりしながら、床材の状態も確認します。
床にきしみ、変色、隙間などが出ていないかを見ておくと、冬の前に相談の準備ができます。
床暖房のある部屋を掃除するときは、水分が床の隙間に入り込まないよう、固く絞った布で拭くなどの配慮が必要です。
こうした小さな手入れの積み重ねが、冬に快適に使い始められる状態を保ちます。

使い始めのトラブルを減らすために

シーズンの最初に起こりやすいトラブルとして、「暖まらない」「エラーが出る」「時計やタイマーがずれている」といったことがあります。
これらは、使わなかった期間に、設定が消えたり、ほこりがたまったり、機器が固まったりしたことが原因の場合があります。
冬の最も寒い時期に不具合が見つかると、修理の予約が取りにくく、寒さの中で不便な思いをすることになります。
そこで、寒さが本格的になる前に、余裕を持って試運転をしておくことが、トラブルを減らす近道です。
不具合が見つかった場合も、シーズン前であれば、修理や部品の手配に時間を取れます。

長く使うための日常の管理

床暖房を長持ちさせるには、使わない期間も含めた管理が大切です。
熱源機は、メーカーが定める標準使用期間があり、その期間を意識しながら、点検や交換を計画します。
寿命や交換の考え方は、ガス床暖房の寿命を解説した記事で整理しています。

また、シーズンが終わったタイミングで、気になった不具合や異音、エラー表示をメモしておくと、翌シーズン前の点検で役立ちます。
冬に忙しくなる前に、オフシーズンのうちに点検を依頼しておくと、予約も取りやすくなります。

よくある質問

Q1. 床暖房を使わないでいると、故障しますか?

すぐに故障するわけではありませんが、温水式では、ポンプの固着や循環水の劣化など、長期間動かさないことによる不具合が起こる可能性があります。
取扱説明書の指示に従って管理してください。

Q2. 夏は、床暖房の電源を切ってもよいですか?

給湯と兼用の熱源機では、電源を切ると、お湯が使えなくなることがあります。
取扱説明書に従い、不明な場合はメーカーや施工事業者に確認してください。

Q3. 夏の間に、試運転をしたほうがよいですか?

機種によって異なりますが、短時間の試運転で、機器の状態を確認する方法があります。
取扱説明書に記載があれば、それに従ってください。

Q4. 長期間留守にするときは、どうすればよいですか?

寒冷地では、凍結防止のため、完全に止めないほうがよい場合があります。
取扱説明書やメーカーの指示に従ってください。

Q5. 使わない床暖房は、撤去したほうがよいですか?

撤去には工事が必要で、費用もかかります。
使わない理由を見直し、運転の工夫で使える可能性がないかを考えてから判断するのがおすすめです。

まとめ

床暖房は、使わない期間も、機器の状態を保つための管理が大切です。
最後に、この記事のポイントを整理します。

ポイント内容
使わないと起こることポンプの固着、循環水の劣化、凍結のリスクなど
方式別温水式は動く部品があるため注意。電気式は影響が小さい傾向
夏の扱い電源やガスは取扱説明書に従う。短時間の試運転も有効
長期不在凍結のおそれがある地域では、指示に従って対応する
再開時電源、リモコン、試運転、異音・水漏れを確認する

まずは、取扱説明書で、シーズンオフの管理について書かれた項目を確認してみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

目次