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床暖房の水抜きは必要?凍結を防ぐ手順とやってはいけない注意点

雪景色の見える室内と床暖房の温水配管を背景に、水抜きの必要性と凍結防止の注意点を紹介するサムネイル
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

寒冷地では、冬の冷え込みで水道管や給湯器が凍結する被害が毎年のように起こります。
床暖房を設置している家でも、凍結が心配になり、水抜きが必要なのかどうか、どうやってやるのかを調べる方は多いでしょう。
ここで注意したいのは、床暖房の循環液と、給湯側の水とでは、水抜きの考え方がまったく違うという点です。

この記事では、水抜きの対象になる部分、水抜きが必要になる場面、一般的な手順の流れ、再開の方法、失敗しやすい注意点を整理します。
実際の操作は機種ごとに異なるため、必ず取扱説明書と照らし合わせて進めてください。

目次

結論:床暖房の回路は水抜きしない。水抜きの対象は主に給湯側

温水式の床暖房では、床下の回路に、不凍液を混ぜた専用の循環液が入っています。
この回路は、凍結を防ぐ前提で作られているため、通常は水抜きをしません。

部分水抜きの考え方
床暖房の循環回路不凍液入りのため、通常は水抜きしない
熱源機の給水・給湯側凍結のおそれがあるとき、水抜きが必要な場合がある
屋外に露出した給水・給湯配管凍結しやすく、対策が必要
電気式床暖房水を使わないため、水抜きは不要

床暖房の循環回路を自己判断で水抜きすると、液が失われ、空気が混入して、暖まらなくなったり、エラーが出たりします。
水抜きと聞いて、床暖房の回路を空にしようとするのは、誤りです。

なぜ床暖房の回路は水抜きしないのか

床暖房の循環回路は、閉じた回路で、液が循環する仕組みです。
液には、凍結を防ぐ不凍液が混ぜられており、冷え込んでも凍りにくいように設計されています。

この回路の液を抜いてしまうと、回路内に空気が入り、再び満たすには、専用の液を適切な濃度で注入し、空気抜きを行う必要があります。
これは専門的な作業で、素人が行うと、かえって故障の原因になります。

そのため、床暖房の循環回路は、メーカーの指示がない限り、触らないのが原則です。
不凍液の役割や交換については、床暖房の不凍液を解説した記事で整理しています。

水抜きが必要になる場面

では、どんな場面で水抜きが必要になるのでしょうか。
主に、給湯側の凍結対策としての水抜きです。

場面考え方
長期間家を空ける(寒冷地の冬)凍結予防機能が使えない場合は、水抜きを検討
停電が長引く凍結予防の機能が働かないおそれがある
厳しい冷え込みが予想される夜凍結予防の運転で足りるか確認
空き家・別荘など使わない住宅凍結予防の水抜きが必要な場合が多い

多くの機器には、凍結を防ぐ機能(ヒーターや、自動で運転する機能)が備わっています。
ただし、この機能が働くには、電源やガスの供給が保たれていることが前提です。

留守にする場合に、電源を切るのか、入れたままにするのかは、機種によって違います。
取扱説明書の指示に従うことが、最も重要です。

水抜きの一般的な手順の流れ

水抜きの手順は、機器ごとに異なるため、ここでは一般的な流れの例を示します。
実際の操作は、必ず取扱説明書で確認してください。

手順内容(例)
1. 運転を止めるリモコンで運転を停止する
2. ガスの栓を閉めるガス式の場合
3. 電源プラグを抜く機器の指示に従う
4. 給水の元栓を閉める水の供給を止める
5. 水抜き栓を開ける熱源機のドレンなど、指定の栓を開けて排水
6. 給湯栓を開ける蛇口を開けて、配管内の水を抜く
7. 排水の確認水が抜けきったことを確認
8. 栓を閉める・記録作業したことを記録し、家族にも共有

手順の途中で電源を抜くのか、残すのかは、機種によって異なります。
順序を間違えると、機器の故障や、水が抜けきらない原因になるため、説明書どおりに行ってください。

水抜きの後の再開方法

水抜きをした後、再び使い始めるには、元の状態に戻す手順があります。

手順内容(例)
1. 栓の確認水抜き栓、給湯栓が閉まっているか確認
2. 給水の元栓を開ける水を入れる
3. 給湯栓を開けて空気を抜く蛇口から水が出ることを確認
4. 電源・ガスの復帰プラグを差し、ガスの栓を開ける
5. 運転の確認試運転して、異常がないか確認

水を入れる際は、ゆっくりと開けるのがコツです。
急に開けると、空気が一気に動いて、機器に負担がかかることがあります。

再開後は、水漏れがないかを確認します。
給湯機器の周りや、配管の接続部をよく見てください。

電気式の場合

電気式の床暖房は、水を使わないため、水抜きは必要ありません。
ヒーターを電気で暖める構造のため、凍結の心配もありません。

ただし、電気式でも、洗面所やキッチンなどの給水・給湯配管は凍結する可能性があります。
家全体の凍結対策としては、水道の元栓や、給湯器の水抜きを別に考える必要があります。

電気式の使い方については、床暖房の使い方を解説した記事で整理しています。

失敗しやすい点

水抜きでは、次のような失敗が起こりがちです。

失敗起こること対策
床暖房の回路を水抜きしてしまう空気混入、暖まらない、エラー回路は水抜きしない
水が抜けきらない残った水が凍結し、配管が破損全ての栓と蛇口を確認
栓を閉め忘れる再開時に水漏れ再開の手順を確認
電源を抜いて凍結予防機能が止まる凍結してしまう機種ごとの指示に従う
家族に伝えず水が出なくなる混乱、誤操作作業内容を共有

特に、凍結予防機能と水抜きの関係は、機種によって違います。
電源を残して機能を働かせる方式と、電源を抜いて水を抜く方式があるため、自分の機器がどちらなのか確認してください。

凍結してしまったら

万が一、凍結が起きてしまった場合の対応も、知っておきましょう。
無理に熱湯をかけたり、配管を叩いたりすると、配管が破損するおそれがあります。

自然に解けるのを待つか、機器の凍結を解く手順が取扱説明書にあれば、それに従います。
解けた後に、水漏れが起きていないかを確認してください。

水漏れを見つけたら、床暖房の水漏れを解説した記事に沿って、運転を止めて、専門業者に連絡します。
凍結で配管が破損している場合は、自分で直そうとせず、業者に相談しましょう。

留守にするときの考え方

冬に長期間家を空ける場合の対応は、機種と住環境によって変わります。
暖房を完全に止めて水抜きをする方法と、凍結予防の機能を働かせて最低限の暖房を続ける方法があります。

どちらを選ぶかは、留守の期間、地域の冷え込みの厳しさ、機器の仕様で決まります。
迷ったら、メーカーや施工店に相談して、自宅に合った方法を教えてもらってください。

また、留守中に停電が起きるリスクも、考慮が必要です。
停電で凍結予防機能が止まるおそれがある場合は、水抜きを選ぶほうが安全です。

点検と記録の習慣

寒冷地では、冬の前に、凍結対策の点検をしておくと安心です。
水抜き栓の位置を確認する。
水抜きの手順を取扱説明書で読んでおく。
凍結予防機能が働くことを確認する。

作業の手順や、栓の位置を、写真やメモに残しておくと、いざというときに役立ちます。
家族全員が分かるように、見やすい場所に貼っておくのも有効です。

定期点検の内容は、床暖房のメンテナンスを解説した記事で整理しています。

寒冷地での凍結対策の全体像

水抜きは、凍結対策のひとつの手段にすぎません。
寒冷地では、水抜きだけでなく、複数の対策を組み合わせて、住まい全体を守る考え方が大切です。

屋外に出ている配管には、保温材や凍結防止ヒーターが巻かれていることが多く、これが劣化していると効果が下がります。
保温材が剥がれていないか、ヒーターの電源が入っているかを、冬の前に点検しておきましょう。
夜間に水をわずかに流し続ける方法を、凍結対策として知られる方もいますが、機種や自治体の案内に従うことが前提です。

床暖房の熱源機も、屋外に設置されていることが多いため、同様の点検が欠かせません。
積雪や氷柱が機器に触れていないか、吸排気口がふさがれていないかも、あわせて確認してください。

凍結の予兆に気づくために

凍結は、突然起こるわけではなく、予兆が現れることがあります。
蛇口から出る水の勢いが弱くなる、水が出なくなる、給湯器の運転中にいつもと違う音がする、といった症状です。

こうした予兆に気づいたら、早めに対処することで、被害を小さくできます。
天気予報で、強い冷え込みが予想される日は、前日のうちに備えておくと安心です。
家族みんなで、凍結の予兆と対処を共有しておきましょう。

水抜きを業者に依頼するという選択

手順に不安がある、機器が複雑で自分では判断できないという場合は、業者に水抜きを依頼する選択肢もあります。
空き家や別荘の冬支度として、管理業者に依頼するケースもあります。

依頼する際は、作業の範囲(給湯側のみか、他の配管も含むか)、再開時の作業の有無、費用の内訳を確認してください。
作業後に、栓の位置や手順を教えてもらうと、次回から自分で行える場合もあります。

水抜きの前後で家族に共有しておくこと

水抜きをしたのに、家族がそれを知らずに蛇口を開けたり、機器を運転させたりすると、思わぬ故障につながります。
作業の日時、どの栓を操作したか、再開するまでの注意点を、メモにまとめて、玄関や熱源機の近くなど、分かりやすい場所に貼っておきましょう。

再開するときは、メモを見ながら逆の手順で進めます。
一人暮らしでも、記録を残す習慣が、作業の抜けを防いでくれます。

よくある質問

Q1. 床暖房は水抜きが必要ですか?

床暖房の循環回路は、不凍液入りのため、通常は水抜きしません。
給湯側の水抜きが必要な場合があります。

Q2. 電気式床暖房も水抜きしますか?

水を使わないため、水抜きは不要です。

Q3. 水抜きを間違えて床暖房の回路を抜いてしまいました。

空気が混入しているおそれがあります。
自分で補充せず、メーカーや施工店に連絡してください。

Q4. 留守にするとき電源は切るべきですか?

機種によって異なります。
取扱説明書の指示に従ってください。

Q5. 凍結してしまったらどうしますか?

熱湯をかけず、自然に解けるのを待ち、水漏れがないか確認してください。

まとめ

床暖房の循環回路は、不凍液が入っているため、通常は水抜きをしません。
水抜きが必要なのは主に給湯側で、手順は機種ごとの取扱説明書に従うことが大切です。
最後に、この記事のポイントを整理します。

ポイント内容
床暖房の回路不凍液入り。通常は水抜きしない
水抜きの対象主に熱源機の給水・給湯側
場面長期不在、停電、空き家など
手順機種ごとに異なる。説明書を確認
電気式水抜き不要

まずは、お使いの機器の取扱説明書で、凍結予防と水抜きの項目を読んで、手順を確認しておいてください。

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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