MENU

灯油にかかる税金は?石油石炭税と消費税のしくみをわかりやすく解説

灯油にかかる石油石炭税2.8円/Lと消費税10%のしくみを解説したサムネイル画像
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

灯油を買うとき、「この値段のうち、どれくらいが税金なんだろう?」と気になったことはありませんか?

ガソリンには高い税金がかかると聞くけれど、灯油はどうなのか、はっきり知る機会は意外と少ないものです。
結論からお伝えすると、灯油にかかる税金は「石油石炭税」と「消費税」の2つだけで、ガソリン税や軽油引取税はかかりません。

この記事では、灯油の税金のしくみと価格に占める割合、そしてよくある疑問を、家庭向けにやさしく整理します。

目次

灯油にかかる税金は「石油石炭税」と「消費税」の2つ

灯油にかかる石油石炭税と消費税の2つの税金をわかりやすく示したイメージイラスト

灯油の価格には、目に見えにくい形で税金が含まれています。
家庭が灯油を購入するときに関係する税金は、次の2種類だけです。

税金の種類税率・金額課税のタイミング
石油石炭税1キロリットルあたり2,800円(=1Lあたり2.8円)輸入・製造の段階(価格に上乗せ)
消費税販売価格の10%購入時

石油石炭税は普段の買い物では目にしませんが、灯油の価格の中にあらかじめ含まれています。
それぞれ、もう少し詳しく見ていきましょう。

石油石炭税とは

石油石炭税は、原油や石油製品などが輸入・採取される段階でかかる国の税金です。
灯油もこの「石油製品」に含まれるため、課税の対象になります。
税率は1キロリットルあたり2,800円で、1Lに直すとおよそ2.8円です。
このうち2,040円が本則の税率、残りの760円は「地球温暖化対策のための税(温対税)」として上乗せされている分です。
温対税はCO2排出量に応じて上乗せされる仕組みで、2016年4月に現在の金額まで引き上げられました。
石油石炭税を国に納めるのは輸入業者や元売り会社ですが、実際にはその分が灯油の卸価格に反映されるため、最終的には私たち消費者が価格の一部として負担していることになります。

📎 出典:財務省「地球温暖化対策のための税に関する資料」
📎 出典:国税庁「石油石炭税の税率の特例等について」(PDF)

消費税

もう一つが、購入時にかかる消費税です。
灯油は生活に欠かせない燃料ですが、飲食料品などの軽減税率の対象ではないため、税率は10%が適用されます。
ここで見落とされがちなのが、消費税は「石油石炭税を含んだ価格」に対して計算されるという点です。
つまり、すでに税が含まれている価格に、さらに消費税がかかる形になっています。
この点は「税金に税金がかかっている」として、二重課税ではないかと指摘されることもあります。

灯油にガソリン税・軽油引取税はかからない

赤色の灯油用ポリタンクが複数並んで金属製の棚に収納されている様子を、やわらかいタッチで描いたイラスト。白いキャップ付きのポリタンクが横一列に整然と配置され、屋内の保管環境がわかる構図になっている。

「石油の税金」というと、ガソリン税の高さを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、灯油にはガソリン税(揮発油税)も軽油引取税もかかりません。
燃料ごとにかかる税金を並べてみると、違いがはっきりします。

燃料かかる主な個別税石油石炭税消費税
ガソリンガソリン税(揮発油税+地方揮発油税)ありあり
軽油軽油引取税ありあり
灯油なしありあり

ガソリンや軽油には、主に自動車で使われる燃料であることなどから、道路整備などを目的とした高い個別税が上乗せされています。
一方、灯油は暖房や給湯といった生活用途が中心のため、こうした個別税は課されていません。
その結果、灯油の税負担はガソリンや軽油に比べてかなり軽くなっています。

📎 出典:石油連盟「石油に係る様々な税金」

ポイント
灯油にかかる税金は石油石炭税(1Lあたり2.8円)と消費税(10%)のみです。
ガソリン税・軽油引取税はかからないため、燃料の中では税負担が軽い部類に入ります。

灯油の価格のうち、税金はどのくらい?

灯油に税金がかかっているのかわからず、灯油タンクと石油ストーブを前に疑問を感じている人のイラスト

実際の灯油価格に占める税金の割合を、例を使って見てみましょう。
なお、灯油の価格は原油相場や時期によって大きく変動します。
ここでは計算をわかりやすくするための仮の価格として、1L=110円(税込)で試算します。

内訳(1Lあたり)金額
灯油そのものの価格(石油石炭税を含む)100円
 うち石油石炭税2.8円
消費税(10%)10円
合計(店頭価格)110円

この例では、110円のうち税金はおよそ12.8円で、価格の1割強を占めます。
ガソリンは複数の税金が重なって税負担が非常に重いのに比べると、灯油の税金がいかに軽いかがわかります。
また、消費税10円は石油石炭税2.8円を含んだ価格に対して計算されているため、前述のとおり税に税がかかる構造になっています。

ガソリン・軽油の「暫定税率廃止」で灯油の税金は変わる?

2025年から2026年にかけて、ガソリン税と軽油引取税の「暫定税率(旧・特例税率)」の廃止が大きな話題になりました。
このニュースを見て、「灯油の税金も安くなるのでは?」と期待した方もいるかもしれません。
しかし、灯油にはもともと暫定税率がありません
暫定税率はガソリン税・軽油引取税に上乗せされていたもので、灯油に課される石油石炭税には関係しないためです。
そのため、ガソリンや軽油の暫定税率が廃止されても、灯油にかかる税金そのものは変わりません。
ただし、税金が変わらなくても、灯油の店頭価格自体は原油価格の変動や国の補助金の有無によって上下します。
「税金は動かなくても、支払う金額は時期によって変わる」という点は押さえておきましょう。

まとめ

灯油にかかる税金は、石油石炭税(1Lあたり2.8円)と消費税(10%)の2つだけです。
最後に、この記事の要点を整理します。

  • 灯油の税金は「石油石炭税+消費税」の2種類のみ
  • 石油石炭税は1キロリットルあたり2,800円(1Lで2.8円)で、温対税760円分を含む
  • ガソリン税・軽油引取税はかからず、燃料の中では税負担が軽い
  • 灯油には暫定税率がないため、ガソリン・軽油の暫定税率廃止の影響も受けない
  • ただし店頭価格は原油相場や補助金の有無で変動する

灯油代が高いと感じるときも、税金部分はほとんど変わりません。
価格の動きは主に原油相場や販売店の違いによるものと考えると、状況を落ち着いて判断しやすくなります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 灯油にはどんな税金がかかりますか?

灯油にかかる税金は、石油石炭税と消費税の2つです。
石油石炭税は原油や石油製品の輸入・製造の段階でかかる国の税金で、1キロリットルあたり2,800円(1Lで約2.8円)です。
消費税は購入時に販売価格の10%がかかります。
ガソリンにかかるガソリン税や、軽油にかかる軽油引取税は灯油には課されないため、燃料の中では税負担が比較的軽いのが特徴です。

Q2. 灯油の石油石炭税はいくらですか?

石油石炭税は、灯油を含む石油製品に対して1キロリットルあたり2,800円が課されます。
1Lに換算するとおよそ2.8円です。
この2,800円の内訳は、本則の税率2,040円に、地球温暖化対策のための税(温対税)760円を上乗せした金額です。
温対税はCO2排出量に応じて課されるもので、2016年4月に現在の金額まで段階的に引き上げられました。

Q3. 灯油にガソリン税はかかりますか?

灯油にガソリン税(揮発油税・地方揮発油税)はかかりません。
ガソリン税はその名のとおりガソリンにかかる税金で、灯油や軽油には適用されない仕組みです。
同様に、軽油にかかる軽油引取税も灯油にはかかりません。
灯油に関係する税金は石油石炭税と消費税のみのため、ガソリンに比べると税金部分はかなり少なくなっています。

Q4. ガソリンの暫定税率が廃止されると灯油も安くなりますか?

灯油の税金は変わりません。
暫定税率はガソリン税と軽油引取税に上乗せされていた税率で、灯油に課される石油石炭税には関係しないためです。
灯油にはもともと暫定税率がないため、ガソリンや軽油の暫定税率が廃止されても、灯油にかかる税金そのものは影響を受けません。
ただし、灯油の店頭価格は原油相場や補助金の動きによって変動するため、税金とは別に価格が上下する点には注意が必要です。

Q5. 灯油の消費税は軽減税率(8%)の対象ですか?

灯油は軽減税率の対象ではなく、消費税は通常の10%が適用されます。
軽減税率8%が適用されるのは、酒類・外食を除く飲食料品や、定期購読の新聞などに限られます。
灯油は生活に欠かせない燃料ですが、飲食料品ではないため軽減税率の対象外です。
なお、消費税は石油石炭税を含んだ価格に対して計算される点も、あわせて覚えておくとよいでしょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

目次