エアコンを買い替えようと価格を調べてみたものの、「今が安いのか、もう少し待つべきなのか」が分からず手が止まっていませんか。
エアコンは本体を買っただけでは使えず、取り付け工事が終わって初めて動きます。
そのため支払う金額は本体価格と工事費の合計で決まり、しかもこの二つは同じ月に安くなるとは限りません。
この記事では、月ごとの価格と工事枠の動きを整理したうえで、型落ちモデルの狙い方、標準工事に含まれない追加費用の見抜き方、そして安さより買い替えを優先すべきケースまでを解説します。
読み終えるころには、自分の状況ならいつ動くべきかが判断できるはずです。
エアコンが安いのは9〜10月と2〜3月|本体と工事費が同時に下がる二つの谷
結論からお伝えすると、エアコンの総額が最も下がりやすいのは9〜10月と2〜3月です。
この二つの時期は、冷房需要と暖房需要のどちらのピークからも外れており、本体価格と工事費が同時に落ち着きます。
逆に総額が最も膨らみやすいのは6月下旬〜8月と、12月〜1月の寒波が来た直後です。
なぜ「安い時期」が二つに分かれるのかというと、エアコンは冷房と暖房の両方を担う機器だからです。
夏前の駆け込みと、真冬の暖房需要という二つの山があり、その谷間が春と秋に生まれます。
- 9〜10月:夏の需要が終わり、店頭在庫の整理が進む。翌年モデルの発表を控え、型落ち品が値下がりしやすい
- 2〜3月:暖房のピークを過ぎ、新生活商戦の前。工事枠に比較的余裕がある
- 6月下旬〜8月:本体・工事費とも最も高い。工事は数週間待ちになることもある
- 12月〜1月:暖房需要で在庫が動く。年末年始は工事業者が休みに入り、日程が組みにくい
ただし、この二つの谷にも性格の違いがあります。
9〜10月は「本体の値引き幅」が大きく、2〜3月は「工事枠の取りやすさ」が強みです。
本体価格を優先するなら秋、確実に希望日に付けたいなら冬の終わりから春先、と考えると選びやすくなります。
ポイント
「安い月」を探すより、「混む前に決め切る」ほうが総額は安定します。
夏の直前や寒波の直後に慌てて動くと、本体・工事費の両方で不利な条件を引き受けることになります。
月別で見るエアコンの価格と工事枠の動き
月ごとの傾向を整理すると、次のようになります。
価格の水準は年や在庫状況によって変わるため、あくまで一般的な傾向としてご覧ください。
| 時期 | 本体価格の傾向 | 工事枠の取りやすさ | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| 1月 | やや高い | 取りにくい | 寒波で暖房需要が集中。年始は業者が動きにくい |
| 2〜3月 | 安い | 取りやすい | 暖房需要の落ち着き。新生活商戦前で在庫が豊富 |
| 4〜5月 | やや安い | やや取りやすい | 引っ越し需要が一段落。夏前の準備には最適 |
| 6月 | 上がり始める | 混み始める | 梅雨明け前から駆け込みが始まる |
| 7〜8月 | 最も高い | 最も取りにくい | 需要ピーク。工事が数週間待ちになる場合も |
| 9〜10月 | 最も安い | 取りやすい | 型落ち品の在庫処分。翌年モデル発表前 |
| 11月 | 安い | 取りやすい | 暖房需要が本格化する直前 |
| 12月 | やや高い | 取りにくい | 寒波と年末の重なりで日程が組みにくい |
表を見ると、本体が安い月と工事が取りやすい月はおおむね一致することが分かります。
これは、どちらも「需要が集中していないこと」を理由にしているためです。
見落とされがちなのが4〜5月です。
9〜10月ほどの値引きは期待できませんが、夏本番までに確実に設置を終えたい場合、この時期は工事日程を選べる最後のタイミングになります。
「安さ」と「確実性」を両立させたい方には現実的な選択肢です。
なお、部材や工事業者の需給が逼迫すると、時期に関係なく納期が延びることがあります。
近年の供給面の事情についてはナフサ不足でエアコンの納期が遅れている?工事業者不足・部材品薄の実態と対処法で整理しています。
型落ちモデルは9〜10月に最も値下がりする
エアコンの本体価格を下げる最も確実な方法は、1年前のモデル(型落ち品)を選ぶことです。
多くのメーカーは、上位モデルを秋から冬にかけて、普及モデルを年明けから春にかけて発表するサイクルを取っています。
新モデルが出ると、前年モデルは店頭在庫を整理する対象になります。
このため、新モデル発表の直前にあたる9〜10月が、型落ち品の価格が最も下がりやすい時期になります。
型落ちを選んでも問題ない理由
エアコンの基本性能である冷房・暖房能力は、1年でそこまで大きく変わりません。
年次改良で変わるのは、内部清掃機能・センサー制御・スマホ連携といった付加機能が中心です。
そのため、同じ畳数クラスで比べれば、1年落ちでも実用上の差はごくわずかというケースがほとんどです。
一方で、次のような場合は型落ちを避けたほうがよいこともあります。
- 省エネ性能を重視しており、その年に効率が大きく改善されたモデルがある場合
- 在庫が1台限りで、初期不良時の交換対応に不安がある場合
- 保証やアフターサービスの条件が現行モデルと異なる場合
型落ち品を検討するときは、価格差だけでなく、APF(通年エネルギー消費効率)と期間消費電力量を同じ能力帯で比較することをおすすめします。
本体が2万円安くても、年間の電気代が数千円高ければ、5年ほどで差は縮まります。
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工事費が繁忙期に上がるのは追加工事と人手不足が重なるため
エアコンの総額を左右するもう一つの要素が工事費です。
店頭で「標準工事費込み」と表示されていても、実際の設置環境によっては追加費用が発生します。
標準工事に含まれないことが多い作業
| 追加工事の例 | 内容 | 発生しやすいケース |
|---|---|---|
| 配管穴あけ | 壁に新規で穴を開ける | 新規設置、部屋を変える場合 |
| 配管の延長 | 標準(おおむね4m)を超える配管 | 室外機を離れた場所に置く |
| 室外機の特殊設置 | 屋根置き・壁面固定・二段置き | ベランダが狭い、置き場所がない |
| 電源工事 | コンセント交換・電圧変更・専用回路の新設 | 200V機種への変更、古い住宅 |
| 高所作業 | 2階以上でベランダがない場合の足場・クレーン | 戸建ての2階、マンション上層階 |
| 既存機の取り外し・リサイクル | 古いエアコンの撤去と処分 | 買い替え全般 |
このうち特に金額が読みにくいのが電源工事です。
エアコンは消費電力が大きく、専用回路が必要になる機器です。
100Vから200Vへの変更やコンセントの交換は電気工事士の資格が必要な作業であり、無資格の作業は感電・発火につながる危険があります。
NITE(製品評価技術基盤機構)も、資格が必要な作業を消費者が自ら行うことによる事故に注意を促しています。
電源まわりの工事範囲や費用の考え方はコンセント増設の費用はいくら?工事内容・相場・業者選びの完全ガイドでも扱っています。
繁忙期は追加工事の交渉余地が小さくなる
7〜8月は工事依頼が集中し、業者側は1日に回れる件数の上限まで予定が埋まります。
この状況では、追加工事の料金を相談する余地が小さくなりがちです。
また、「今日中に付けてほしい」という条件が加わると、特急対応の扱いになる場合もあります。
さらに、繁忙期は作業時間の余裕が乏しくなります。
NITEに報告されたエアコンの事故には、設置状況の不備に起因するものも含まれています。
急かして作業してもらうことは、費用面でも安全面でも得策とは言えません。
エアコンの総額を抑える5つの買い方
1. 本体と工事を同じ窓口で契約する
本体を通販で安く買い、工事だけ別の業者に頼む方法は、一見すると節約になります。
しかし実際には、不具合が起きたときに「本体の問題か、工事の問題か」で責任の所在があいまいになりやすい点に注意が必要です。
初めて設置する部屋や、設置条件が複雑な住宅では、本体と工事を一つの窓口にまとめたほうが結果的に安く済むことが少なくありません。
分離して安くなるのは、配管穴がすでにあり、専用コンセントも合っていて、室外機を地面かベランダにそのまま置ける、という条件がそろった場合です。
2. 見積もりは「標準工事の範囲」から確認する
見積もりを比べるとき、多くの方は合計金額を見比べます。
しかし本当に見るべきは、標準工事に何が含まれているかです。
- 配管の標準長さは何メートルまでか
- 配管化粧カバーは含まれるか
- 既存機の取り外しは含まれるか
- 真空引きは標準作業に入っているか
同じ「標準工事費込み15,000円」でも、含まれる範囲が違えば最終的な支払額は変わります。
現地調査の前に電話やメールで確認しておくと、当日の想定外を減らせます。
3. 取り外しとリサイクルの費用を先に確認する
買い替えの場合、古いエアコンの処分費用も総額に含まれます。
家電リサイクル法の対象品目であるエアコンは、リサイクル料金をメーカーごとに定められた金額で支払う仕組みです。
家電リサイクル券センターの料金一覧では、多くのメーカーが990円(税込)または2,000円(税込)に設定されています。
ただし、実際の支払いはこれだけではありません。
リサイクル料金に加えて、取り外し作業費と収集運搬費が別途かかるのが一般的です。
なお、リサイクル料金は室内機と室外機を合わせた金額で、片方だけの処分でも変わりません。
4. 自治体の補助やポイント還元を確認する
省エネ性能の高い機器の買い替えに対して、補助制度やポイント付与を行っている自治体があります。
制度の有無・対象条件・申請期限は地域と年度で大きく異なるため、購入前にお住まいの自治体の公式サイトで確認してください。
申請時期が購入前に限られている制度もあり、買ってから調べると間に合わないケースがあります。
5. 複数台をまとめて依頼する
2台以上を同時に設置する場合、出張費や車両費が1回分にまとまるため、1台あたりの工事費が下がることがあります。
リビングと寝室を同じ年に買い替える予定があるなら、時期をそろえるほうが有利です。
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販売チャネルによって「安い時期」のずれ方が違う
同じ9月でも、どこで買うかによって価格の動き方は変わります。
チャネルごとの性格を知っておくと、比較の軸がぶれません。
| 販売チャネル | 価格の傾向 | 工事の扱い | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 家電量販店 | 型落ち時期の値引きが大きい | 提携業者が施工。標準工事込みの表示が多い | 実機を見て決めたい。工事もまとめたい |
| 家電量販店のネット通販 | 店頭とほぼ同水準か、やや安い | 店舗と同じ体制が多い | 型番が決まっていて、店頭に行く時間がない |
| ネット通販(本体のみ) | 最も安くなりやすい | 別手配が必要 | 設置条件がシンプルで、工事業者に当てがある |
| エアコン専門の工事業者 | 本体+工事のセット価格 | 自社施工。追加工事の説明が具体的 | 設置条件が複雑。特殊設置が必要 |
| ホームセンター | 値引き幅は控えめで安定 | 標準工事とセットの扱いが多い | 近所で完結させたい |
家電量販店は在庫の入れ替えサイクルが明確なため、型落ちの値下がりが最も分かりやすく表れるチャネルです。
一方、専門の工事業者は本体価格そのものの変動が小さい代わりに、設置条件が難しい住宅でも追加費用の見通しを早い段階で示してもらいやすい傾向があります。
見落とされがちなのが、量販店の決算期です。
多くの家電量販店は2月または3月を決算期としており、この時期は在庫と売上の調整が働きます。
2〜3月が狙い目になる理由は、暖房需要の落ち着きだけではないということです。
値引き交渉より効果が大きいのは「条件の切り分け」
エアコンの購入では値引き交渉に意識が向きがちですが、実際に総額へ効いてくるのは、何が価格に含まれていて何が含まれていないかを切り分ける作業です。
現地調査の前に伝えておくと話が早い情報
- 設置する部屋の階数と、室外機を置ける場所(ベランダ/地面/置き場所なし)
- 既存の配管穴の有無と、その位置
- 現在使っているエアコンのメーカーと製造年(買い替えの場合)
- コンセントの形状と、脇に書かれた電圧表示
- 設置場所の周囲に、カーテンレールや梁などの障害物があるか
これらを最初に伝えておくと、現地調査の段階で追加工事の有無がほぼ確定します。
逆に情報が不足したまま契約すると、工事当日に「この条件では追加費用が必要です」と告げられ、その場で判断を迫られることになります。
繁忙期ほどこの状況が起きやすいため、時期を選ぶ以上に効果のある準備です。
複数見積もりを取るときの比べ方
見積もりを2〜3社から取る場合、合計金額の欄だけを並べても正確な比較にはなりません。
次の項目を同じ条件でそろえて比べてください。
| 比較項目 | 確認したいこと |
|---|---|
| 本体の型番 | まったく同じ型番か、年式違いか |
| 標準工事の配管長 | 標準に含まれる長さと、超過分の単価 |
| 配管化粧カバー | 含まれるか、屋外・屋内どちらか |
| 取り外し・処分 | 作業費・収集運搬費・リサイクル料金の内訳 |
| 保証 | 本体保証と工事保証の年数、それぞれの範囲 |
| 支払い時期 | 工事完了後か、事前か |
このうち工事保証は特に確認しておきたい項目です。
配管の接続不良による冷媒漏れは、設置直後ではなく数か月後に「効きが悪い」という形で表面化することがあります。
保証期間が1年か、それ以上かで、その後の負担は変わります。
本体価格だけでなく電気代を含めた総額で考える
エアコンは10年前後使い続ける機器です。
そのため、購入時の価格差が使用期間中の電気代で逆転することがあります。
判断の材料になるのが、カタログに記載されている期間消費電力量です。
これは1年間使用したと想定したときの電気使用量の目安で、この数値に電気料金の単価を掛ければ、おおまかな年間電気代が計算できます。
例えば、期間消費電力量が年間100kWh違う2機種があり、電気料金単価を31円/kWhとすると、年間の差はおよそ3,100円です。
10年使えば3万円前後の差になります。
本体価格が3万円高くても、使用時間の長い部屋であれば回収できる計算になります。
ただしこの計算には前提があります。
省エネ性能の差が金額として効いてくるのは、使用時間が長い部屋に限られるという点です。
リビングのように1日中稼働させる部屋では差が出やすく、来客用の部屋や短時間しか使わない寝室では、初期費用を回収する前に寿命を迎える可能性があります。
- 長時間使う部屋:省エネ性能を優先し、本体価格が高くても検討する価値がある
- 短時間しか使わない部屋:型落ちや普及モデルで十分なことが多い
- 使う頻度が読めない部屋:本体価格を抑え、必要に応じて後から見直す
なお、比較するときは必ず同じ冷房能力クラス同士で行ってください。
6畳用と14畳用のAPFを並べても、判断材料にはなりません。
賃貸住宅の場合は「自分で買うべきか」から確認する
賃貸物件では、エアコンが入居時から付いている「設備」として扱われている場合があります。
この場合、故障の修繕は原則として貸主の負担です。
安い時期を探して自分で買い替える前に、まず管理会社か大家さんに設備の扱いを確認してください。
一方、前の入居者が残していったものを「残置物」として引き継いでいる場合は、修理も交換も自己負担になるのが一般的です。
契約書や重要事項説明書に記載があるため、購入を検討する前に確認しておくと判断を誤りません。
自分で購入する場合も、次の点は事前確認が必要です。
- 壁に新しく配管穴を開けてよいか(原則として許可が必要)
- 退去時に原状回復として撤去が求められるか
- 室外機を置ける場所が指定されていないか
無断で壁に穴を開けると、退去時に高額な原状回復費用を請求される可能性があります。
工事内容が決まった段階で、管理会社に書面で確認を取っておくと安心です。
2027年度の省エネ基準強化で「安い時期」の考え方は変わる
ここまでは季節による価格変動の話でしたが、より長い目で見ると別の要素も関わってきます。
省エネ法のトップランナー制度に基づき、家庭用エアコンの省エネ基準が引き上げられ、壁掛形は2027年度が目標年度に設定されています。
資源エネルギー庁は、この制度がメーカーに対して適用されるものであり、現在使用しているエアコンを買い替える必要はないと説明しています。
また、基準値を満たさない製品の製造・出荷を一律に禁止する制度でもなく、メーカーが年度ごとに出荷する製品全体の平均で評価される仕組みだと整理されています。
とはいえ、ラインナップの構成が高効率モデル寄りに移っていけば、これまで店頭の中心にあった低価格帯の選択肢が減る可能性はあります。
メーカー側も、購入時期については一律の正解がないという立場を示しています。
ダイキン工業は購入相談窓口の情報提供のなかで、2027年4月より前か後のどちらが正解ということはなく、本体価格と電気代を合わせたトータルコストや、今使っている機器の不具合の有無などを踏まえて落ち着いて検討するよう案内しています。
制度の中身と買い替え判断の関係はエアコン2027年問題で何が変わる?値段・在庫・工事費から考える買い替え基準で詳しく整理しています。
安さより買い替えを優先すべきケース
「安い時期まで待つ」という判断が正しくない場面もあります。
次のいずれかに当てはまる場合は、時期を待たずに動いたほうが総合的な負担は小さくなります。
| 状況 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 使用年数が15年以上 | 早めに動く | 部品保有期間が終了し、故障時に修理できない可能性がある |
| 冷房が効かず室温が下がらない | すぐ動く | 夏場は健康リスクに直結する |
| 焦げくさいにおい・異常な発熱がある | 直ちに使用を中止 | 発火の危険があるため、時期の議論以前の問題 |
| 修理見積もりが本体価格の半分を超える | 買い替えを検討 | 修理後も他の部品が寿命を迎える可能性が高い |
| 5月中旬で、機器の調子が怪しい | 前倒しで動く | 夏に壊れると工事待ちが長期化する |
特に注意したいのが、焦げたようなにおい、変色、異常な発熱がある場合です。
この場合は運転を止めてブレーカーを落とし、メーカーか販売店に連絡してください。
「安い時期まで使い続ける」という選択をしてよい状態ではありません。
判断の目安となる使用年数の考え方はパナソニックのエアコンの寿命は何年?10年が目安とされる理由と買い替えサインで解説しています。
買う前に確認しておきたい4項目
安い時期を狙っても、設置できない機種を選んでしまえば意味がありません。
契約前に次の4点を確認しておくと、追加費用や手戻りを防げます。
部屋の畳数と設置環境
カタログの「◯畳用」という表記は、一定の条件を前提にした目安です。
南向きで日射が強い部屋、最上階、吹き抜けのある部屋、木造住宅などでは、表示より1ランク上の能力を選んだほうが安定します。
逆に能力が過大でも、無駄な初期費用がかかるうえに短時間運転を繰り返して効率が落ちることがあります。
コンセントの形状と電圧
エアコン用コンセントの形状は、100V用と200V用で異なります。
現在100Vのコンセントに200V機種を選ぶと、電圧切替とコンセント交換の工事が必要になります。
購入前にコンセントの差込口の形と、その脇に書かれた「125V」「250V」といった表示を確認しておきましょう。
室内機の設置スペース
室内機は本体の寸法だけでなく、上部と左右にすき間が必要です。
カーテンレール、窓枠、梁、照明の位置によっては設置できないことがあります。
特に横幅が広い上位モデルは、既存の設置場所に収まらないケースがあります。
室外機の置き場所と搬入経路
室外機はベランダや地面に置くのが基本です。
置き場所が確保できない場合は、壁面固定や屋根置きといった特殊設置になり、追加費用が発生します。
また、玄関から設置場所までの搬入経路も、事前に確認しておくと当日の混乱を避けられます。
本体価格や工事費が全体として上がっている背景についてはエアコンが高くなる理由とは?2027年問題を含む本体・工事費・電気代を解説で扱っています。
安く買えたのに満足度が下がる3つのパターン
価格だけを基準に決めると、設置後に後悔につながることがあります。
よくあるのは次の3パターンです。
能力不足の機種を選んでしまう
本体価格を抑えようとして、部屋の広さより1ランク下の能力を選ぶケースです。
一見すると数万円の節約になりますが、常に最大出力に近い運転が続くため電気代が上がり、真夏や真冬に設定温度まで届かないことがあります。
初期費用の差は、快適性と電気代の両面で数年のうちに埋まってしまいます。
工事条件を確認せずに本体だけ先に買う
セール期間に本体だけを確保し、後から工事を手配しようとした結果、専用コンセントがない・室外機の置き場所がない・配管穴の位置が合わない、といった問題が判明することがあります。
本体を返品できない条件で購入していると、追加工事を受け入れるしかなくなります。
本体の購入前に設置条件を確認するという順序を守るだけで、この失敗は防げます。
繁忙期に「付けられる業者」を優先してしまう
夏場に急いで探すと、価格や施工品質よりも「今週来られるかどうか」が判断基準になりがちです。
その結果、相場より高い費用を受け入れたり、配管の処理や真空引きの丁寧さを確認しないまま作業を終えたりすることがあります。
時期を前倒しして選ぶ余裕を作ることが、費用と品質の両方を守ることにつながります。
設置後に必ず確認しておきたいこと
工事が終わったその場で確認しておくと、後々のトラブルを避けられます。
- 冷房・暖房の両方を運転し、風の温度が変わるか確かめる
- 室内機からの水漏れがないか、運転後しばらく様子を見る
- 室外機から異常な振動や金属音がしないか確認する
- 配管の接続部やドレンホースの取り回しに無理がないか目視する
- 保証書に工事日と施工業者名が記入されているか確認する
特に冷房は、外気温が低い季節だと十分な確認がしにくくなります。
秋や冬に設置した場合は、翌シーズンの本格的な使用前に一度試運転をしておくと安心です。
NITEも、暑さが本格化する前にエアコンの使用環境の確認と試運転を行うよう呼びかけています。
シーズン前の試運転は、設置直後だけでなく毎年の習慣にしておくと、繁忙期に慌てて修理や買い替えを迫られる事態を減らせます。
よくある質問
Q1. 結局、エアコンは何月に買うのが一番安いですか?
本体価格の値引き幅だけで見れば9〜10月が最も大きくなりやすい時期です。翌年モデルの発表を控えて型落ち品の在庫処分が進むためです。ただし総額で考えると、工事枠が取りやすく日程を選べる2〜3月も有力な選択肢になります。本体の安さを最優先するなら秋、確実に希望日に設置したいなら冬の終わりから春先、と考えると選びやすくなります。いずれにしても、6月下旬から8月にかけての繁忙期に入る前に決め切ることが、総額を安定させるうえで最も効果があります。
Q2. 型落ちモデルを買っても後悔しませんか?
冷房・暖房の基本性能は1年でそれほど変わらないため、同じ畳数クラスであれば実用上の差はわずかなことがほとんどです。年次改良の中心は内部清掃機能やセンサー制御、スマホ連携といった付加機能です。ただし判断材料として、APF(通年エネルギー消費効率)と期間消費電力量は必ず同じ能力帯で比較してください。本体が2万円安くても年間の電気代が数千円高ければ、5年程度で差は縮まります。長時間使う部屋ほど、省エネ性能の差が効いてきます。
Q3. 本体をネット通販で買って工事だけ別に頼めば安くなりますか?
条件がそろえば安くなります。配管穴がすでにあり、専用コンセントの形状と電圧が合っていて、室外機を地面かベランダにそのまま置ける場合です。一方で、不具合が起きたときに本体側の問題か工事側の問題かで対応が分かれ、手間が増える可能性があります。新規設置や設置条件が複雑な住宅では、本体と工事を同じ窓口にまとめたほうが結果的に安く、安心して任せられることが少なくありません。
Q4. 古いエアコンの処分にはいくらかかりますか?
エアコンは家電リサイクル法の対象で、リサイクル料金はメーカーごとに定められています。家電リサイクル券センターの料金一覧では、多くのメーカーが990円または2,000円(いずれも税込)です。ただし実際の支払いはこれに加えて、取り外し作業費と収集運搬費がかかるのが一般的です。買い替えの見積もりを取るときは、この処分費用まで含めた総額で比較してください。なお、リサイクル料金は室内機と室外機を合わせた金額です。
Q5. 2027年より前に買っておいたほうが得ですか?
一律にそうとは言えません。省エネ基準の強化はメーカーに向けた制度で、いま使っている機器を買い替える必要はないと国は説明しています。ただし高効率モデル中心のラインナップに移れば、低価格帯の選択肢が減る可能性はあります。判断の軸は制度の期日ではなく、今の機器の使用年数と調子です。10年以上使っていて不調があるなら早めに、問題なく動いているなら通常どおり寿命で判断するのが現実的です。
まとめ
エアコンの総額が下がりやすいのは9〜10月と2〜3月で、この時期は本体価格と工事枠の両方に余裕が生まれます。
反対に6月下旬〜8月と真冬は、本体・工事費とも高止まりし、設置までの待ち時間も長くなります。
総額を抑えるうえで大切なのは、月を狙い撃ちすることよりも、繁忙期に入る前に決め切ることです。
そのうえで、標準工事の範囲、追加工事の可能性、古い機器の処分費用まで含めて見積もりを比較すれば、後から金額が膨らむ事態を避けられます。
一方で、機器の不調やにおい・発熱といった異常がある場合は、時期を待つ判断が適切ではありません。
今の機器の使用年数と調子を先に確認し、「安い時期を待てる状態か」を見極めることから始めてみてください。
