エアコンをつけたのにベランダの室外機が静かなままで、「壊れたのでは」と不安になっていませんか。
ところが室外機は、設定温度に届いたときや霜を溶かしているときなど、正常な運転の一部として頻繁に止まります。
つまり「止まっている」という事実だけでは、故障かどうかは判断できません。
大切なのは、止まっている時間の長さと、そのあと自力で運転を再開するかどうかを見ることです。
この記事では、故障ではない停止パターンを整理したうえで、5分でできる確認手順を順番に解説します。
そのうえで、修理を依頼すべき症状の線引きと費用の目安までお伝えします。
室外機が止まっていても、多くは故障ではなく設計どおりの動作
最初に結論からお伝えします。
室外機が動いていない状態のうち、相当な割合は故障ではなく、機器が意図的に運転を止めている場面です。
エアコンは室内機と室外機が常に同時に動いているわけではありません。
室外機に入っている圧縮機(コンプレッサー)は、必要なときだけ動き、不要なときは止まる仕組みになっています。
たとえば冷房で室温が設定温度まで下がれば、それ以上冷やす必要がないため室外機は停止します。
暖房で室外機の熱交換器に霜がつけば、霜を溶かすために暖房そのものを一時中断します。
運転を切ったあとも、内部を保護するために1分ほどファンだけが回り続けることがあります。
これらはすべて、取扱説明書に「故障ではありません」と明記されている動作です。
一方で、本当の故障もあります。
違いを見分ける鍵は、症状そのものではなく「時間」と「再開の有無」です。
15分待っても一度も動かない、あるいは動いてもすぐ止まることを何度も繰り返す場合は、正常な停止の範囲を外れています。
確認より先に運転を止めるべき危険なサイン
手順に入る前に、ひとつだけ先に確認していただきたいことがあります。
次のいずれかに当てはまる場合は、原因を調べるより先に運転を停止してください。
焦げたようなにおいがする/煙が出ている/電源プラグやコードが熱い・変形している/室外機から金属がぶつかるような激しい音や異常な振動がある/ブレーカーが繰り返し落ちる
これらに該当するときは、リモコンで停止したうえで電源プラグを抜くか、エアコン専用ブレーカーを切り、メーカーまたは販売店に点検を依頼してください。
とくにブレーカーが繰り返し落ちる状態で、そのたびに上げ直して運転を続けるのは避けてください。
ブレーカーは異常な電流を検知して回路を遮断する安全装置であり、繰り返し落ちること自体が電気系統の異常を示すサインです。
リセットして使い続けると、発熱や発火につながるおそれがあります。
これらに当てはまらない場合は、落ち着いて次の確認に進んでください。
室外機の異音については室外機のブーンやカタカタの異音は故障?使い続けていい状態と止めるべき状態の判断基準で、音の種類ごとの判断基準を詳しく整理しています。
正常な停止と異常な停止は「時間・再開・室内機」の3点で切り分ける
故障かどうかを見極めるとき、多くの方は「ファンが回っているか」だけを見てしまいます。
しかしその一点だけでは判断できません。
次の3つの物差しを組み合わせると、専門知識がなくても精度の高い切り分けができます。
| 物差し | 正常な停止の特徴 | 異常が疑われる特徴 |
|---|---|---|
| 止まっている時間 | 数分〜長くても15分程度で状況が変わる | 15分以上まったく動く気配がない |
| 運転の再開 | 待っていれば自力で動き出す | 自力では再開せず、電源を入れ直しても同じ |
| 室内機の状態 | ランプは点灯のまま、または点滅の意味が説明書に載っている | 運転ランプが点滅を繰り返す/エラーコードが出る |
| 設定変更への反応 | 設定温度を変えると数分以内に動き出す | 設定を変えても何も変わらない |
| 症状の再現性 | 特定の条件(室温到達・寒い日の暖房など)でだけ起きる | 条件に関係なく、いつでも起きる |
とくに実用的なのが「設定温度を大きく振ってみる」という方法です。
冷房なら設定温度を18℃まで下げ、暖房なら30℃近くまで上げてみてください。
これで数分以内に室外機が動き出すなら、直前の停止は室温が設定温度に達していたことによる正常な動作だったと判断できます。
三菱電機も、室温が設定温度に達しているときは冷えすぎ・暖まりすぎを防ぐために室外機の運転を停止することがあると案内しています。
なお、判断を焦らないことも重要です。
エアコンの保護制御は数分単位で働くものが多く、1〜2分で「動かない」と決めつけると、正常な待機時間を故障と誤認してしまいます。
室外機は「ファン」と「圧縮機」の2つに分けて見る
もうひとつ、判断の精度を上げるコツがあります。
それは室外機を1つの機械として見るのではなく、前面のファンと、内部の圧縮機(コンプレッサー)を別々に観察することです。
この2つは連動して動くことが多いものの、故障の出方はまったく異なります。
冷暖房の能力を生み出しているのは圧縮機のほうです。
ファンは、圧縮機が生んだ熱を外気に逃がすための送風装置にすぎません。
そのため「ファンが回っている=正常」とは限らず、逆に「ファンが止まっている=故障」とも限りません。
| 観察できる状態 | 音・振動の目安 | 考えられること |
|---|---|---|
| ファンも圧縮機も動いている | 低い唸り音+風切り音、本体に軽い振動 | 通常運転中 |
| ファンだけ回り、唸り音がしない | 風の音のみ、振動はほぼなし | 停止直後の保護動作/圧縮機側の不具合 |
| 唸り音はするがファンが回らない | 振動はあるが風が出ない | ファンモーター・ファンの固着が疑われる |
| どちらも完全に無音 | 音も振動もなし | サーモオフ・待機中/電源が来ていない |
見分け方は難しくありません。
室外機に手を軽く添えると、圧縮機が動いているときは腹に響くような低い振動が伝わってきます。
この振動があるのにファンが回っていないなら、ファンモーターやファンの固着といった機械側の不具合が疑われます。
逆に風は出ているのに振動がまったくない場合は、圧縮機が起動していない状態です。
なお、回転していないファンを手や棒で回そうとするのは絶対に避けてください。
通電状態のまま突然回り出すおそれがあり、指を挟む事故につながります。
確認は必ず目視と音・振動だけで行い、動かない部品に触れる必要が生じた時点で業者に引き継いでください。
故障ではない停止パターン7種を症状から逆引きする
ここからは、実際によくある「故障ではない停止」を7つに整理します。
ご自宅の状況に近いものを次の表から探してみてください。
| 症状 | 考えられる正常動作 | 目安の時間 | 起きやすい場面 |
|---|---|---|---|
| 運転を始めても室外機が動かない | 起動時の待機・立ち上がり制御 | 3〜10分程度 | 暖房の運転開始直後 |
| 止めてすぐ入れ直したら動かない | 圧縮機の再起動保護 | 約3分 | リモコンを操作し直したとき |
| しばらく効いていたのに急に止まった | サーモオフ(設定温度到達) | 数分〜十数分 | 部屋が十分に冷えた・暖まったあと |
| 冬の暖房中に暖房が止まる | 霜取り運転(デフロスト) | 最長12分程度 | 気温が低く湿度の高い日 |
| 運転停止後もファンだけ回る | 停止後の保護動作 | 約1分 | 停止ボタンを押した直後 |
| 停止後も長く動いている | 内部クリーン・フィルターおそうじ運転 | 機種により大きく異なる | お掃除機能付き機種 |
| そもそも一度も動かない | 送風・除湿モードで運転している | 動かないのが正常 | モード設定の思い違い |
起動直後は3〜10分ほど動かないことがある
エアコンは運転ボタンを押した瞬間からフル稼働するわけではありません。
とくに暖房では、冷たい風が吹き出さないよう室内機を暖めてから送風を始める制御が働きます。
冷房や除湿でも、室内機にこもったにおいが出るのを抑えるために、すぐに風を出さない機種があります。
ダイキンは、運転開始直後に風が出ない場合は3〜10分ほど待ち、風が出れば正常だと案内しています。
このとき室内機の前で待つのではなく、室外機の前で3分ほど待ってみてください。
圧縮機が動き出すときは「コトッ」という小さな作動音がしてから低い唸り音に変わるため、耳で分かります。
止めてすぐ入れ直すと約3分は動かない
リモコンで停止し、すぐに運転を入れ直した経験はないでしょうか。
このとき室外機がまったく反応しないことがありますが、これも保護動作です。
圧縮機は内部の圧力が均等になる前に再起動すると大きな負荷がかかるため、一定時間が経つまで起動しない仕組みになっています。
おおむね3分程度が目安で、待てば自動的に動き出します。
「動かないから」と運転ボタンを何度も押し直すのは逆効果です。
操作のたびに待機時間が仕切り直しになり、かえって復帰が遅れることがあります。
サーモオフは「効いている証拠」でもある
室温が設定温度に達すると、冷やしすぎ・暖めすぎを防ぐために室外機が運転を一時停止します。
これがサーモオフと呼ばれる動作です。
このとき室内機は送風に近い状態になり、風はぬるく感じられます。
パナソニックは、室温が設定温度に近づいたときなどに約5分間運転を止めることがあり、その後に風が出たり止まったりを繰り返すのは正常な動作だと説明しています。
サーモオフは省エネのための制御であり、むしろエアコンがきちんと効いている証拠でもあります。
ただし、設定温度が室温とかけ離れていないのに頻繁にサーモオフが起きる場合は、断熱や風の回り方に課題があるかもしれません。
「冷えない」と感じる場合の切り分けはダイキンのエアコンが冷えない原因|自分でできる確認と業者依頼の目安で手順ごとに解説しています。
冬の暖房中に止まるのは霜取り運転の可能性が高い
冬の暖房で最も誤解されやすいのが霜取り運転です。
暖房中の室外機は外気から熱を奪うため熱交換器が外気温より低くなり、空気中の水分が凍って霜になります。
霜がつくと空気を吸い込めなくなるため、エアコンは一時的に暖房を止め、熱を室外機側へ送って霜を溶かします。
パナソニックによれば、この霜取り運転は最長で12分程度かかることがあり、故障ではないとされています。
見落とされがちなのが、霜がつきやすい気温帯です。
最も着霜しやすいのは気温5.5℃からマイナス7℃の範囲で、かつ湿度が高い条件とされています。
つまり北海道や東北に限らず、東京や大阪、福岡でも十分に起こり得る現象です。
逆にマイナス15℃を下回る環境では空気が乾いているため、霜はつきにくくなります。
霜取り運転中は室外機から白い湯気が上がったり、下から水が流れ出たりします。
これも溶けた霜であり、水漏れではありません。
停止直後にファンだけ回るのは約1分の保護動作
「止めたのに室外機のファンが回っている」という相談も多くあります。
ダイキンは、運転を停止した直後はエアコン保護のため約1分間は室外ユニットのファンが回ると案内しています。
ただし、1分をはるかに超えて動き続ける場合は別の理由が考えられます。
お掃除機能付きの機種では、停止後に内部クリーン運転やフィルターおそうじ運転が始まることがあります。
また暖房停止後に室外機の霜を溶かすため、室外機の運転が続く場合もあります。
内部クリーン・フィルターおそうじ運転による中断
1日以上連続で運転していると、途中で運転を中断してフィルターの自動掃除を行う機種があります。
ダイキンは、この場合およそ10分程度で掃除が終わり、運転が再開すれば不具合ではないと案内しています。
掃除の条件や時間は機種によって大きく異なるため、リモコンの設定と取扱説明書を確認してください。
送風・除湿モードでは室外機が動かないのが正常
意外に多いのが、モード設定の思い違いです。
送風モードは室内の空気を循環させるだけの運転で、圧縮機を使いません。
そのため室外機は動かないのが正常です。
また一部の除湿方式でも、条件によっては室外機の稼働が断続的になります。
リモコンの表示が「冷房」「暖房」になっているかを、まず目で確かめてください。
5分でできる確認手順を順番に進める
ここからは実際の確認手順です。
費用がかからず簡単なものから並べていますので、上から順に進めてください。
手順1:運転モードと設定温度を見る
リモコンが冷房または暖房になっているかを確認します。
そのうえで、冷房なら設定温度を18℃まで下げ、暖房なら28〜30℃まで上げます。
この状態で3〜5分待って室外機が動き出せば、機器は正常です。
確認が終わったら、設定温度は元に戻してください。
手順2:10〜15分待ってから判断する
ここが最も重要で、最も飛ばされやすい手順です。
起動待機、圧縮機の再起動保護、霜取り運転はいずれも数分から十数分かかります。
「10〜15分待っても一度も動かない」ことを確認して初めて、異常を疑う段階に進めます。
待っている間はリモコンを操作せず、そのままにしておくのがコツです。
手順3:室外機のまわりに障害物がないか見る
室外機は前面から風を吹き出し、背面と側面から空気を吸い込みます。
この吹出口・吸込口がふさがれていると、熱がうまく捨てられず保護停止に至ることがあります。
三菱電機も、室外機が動かないときの確認項目として吹出口・吸込口の周囲をふさぐ物を取り除くよう案内しています。
具体的には次のような状態が該当します。
- 前面に自転車・植木鉢・段ボール・物置などが置かれている
- 室外機カバーやすのこ状の覆いで吹き出しをふさいでいる
- つる性の植物が背面のフィンに絡んでいる
- 落ち葉やビニール袋がフィンに張り付いている
- 冬季に雪が積もって吸込口が埋まっている
冬に雪が多い地域では、室外機が雪に埋もれると外気を吸い込めなくなり、そもそも運転できなくなることがあります。
置き台で高さを確保する、防雪部材を取り付けるといった対策が有効です。
手順4:電源とブレーカーを確認する
室外機が完全に無反応な場合は、電気が届いていない可能性があります。
確認するのは次の3点です。
- エアコン専用コンセントにプラグが確実に差さっているか
- 分電盤のエアコン専用ブレーカーが落ちていないか
- 漏電ブレーカーが作動していないか
問題がなければ、いったん運転を停止し、電源プラグを抜くか専用ブレーカーを切って1分ほど待ちます。
そのうえで電源を戻し、もう一度運転してみてください。
一時的な制御の乱れであれば、これで復帰することがあります。
ただし電源を入れ直しても症状が変わらない場合、リセットを何度も繰り返すのは避けてください。
異常を検知して止まっている状態を無理に動かすと、故障範囲が広がることがあります。
手順5:室内機のランプ点滅とエラーコードを読み取る
多くの機種では、異常があると室内機の運転ランプやタイマーランプが点滅します。
このとき点滅の回数とパターンを数えておくと、修理依頼時の説明が格段にスムーズになります。
「運転ランプが3回点滅したあと2秒消える」といった形でメモしておくと、受付の段階で原因の見当がつきやすくなります。
点滅の意味は機種ごとに異なるため、自己判断せず取扱説明書とあわせて確認してください。
リモコンにエラーコードを表示できる機種であれば、コードも控えておきます。
コードの意味は機種によって異なるため、必ずメーカー公式の情報で確認してください。
たとえばダイキンのエラーコードについてはダイキンエアコンのエラーコード00とは|故障か正常かの見分け方と対処法で、表示の読み方と対処の考え方を解説しています。
手順6:応急運転スイッチで切り分ける
多くの機種には、リモコンを使わずに運転できる応急運転スイッチが室内機側に備わっています。
位置は運転ランプの近くや前面パネルを開けた下部などで、機種により異なります。
このスイッチで運転して室外機が動くなら、リモコンや受信部の問題である可能性が高まります。
動かないなら、室内機または室外機の内部に原因があると考えられます。
夏と冬では疑うべき原因の順番が変わる
同じ「室外機が動かない」でも、季節によって可能性の高い原因は変わります。
確認の優先順位を季節に合わせると、無駄な手戻りが減ります。
| 季節 | まず疑うもの | 次に疑うもの | 見落としやすい点 |
|---|---|---|---|
| 夏(冷房) | サーモオフ・設定温度 | 室外機まわりの障害物・熱こもり | 直射日光と壁からの反射で吸い込む空気自体が高温になっている |
| 冬(暖房) | 霜取り運転・起動待機 | 積雪・凍結 | 霜取り中の白い湯気や水を故障と誤解する |
| 中間期 | 送風・除湿モードの誤設定 | 室温と設定温度が近すぎる | 室温が設定温度に近いと室外機は動かないのが正常 |
夏場に注意したいのが、室外機まわりの熱のこもりです。
室外機は前面から熱い風を出しているため、正面1メートル程度に壁や物があると、自分が出した熱を吸い直す状態になります。
この状態が続くと効率が落ちるだけでなく、保護機能が働いて停止することもあります。
室外機まわりの環境を整えるアイテム
直射日光が終日当たる場所では、吹き出しをふさがない形状の日よけを使う方法があります。
選ぶ際は、前面の吹出口と背面の吸込口を覆わない構造かどうかを必ず確認してください。
上面だけを覆うタイプであれば、通風を妨げずに直射日光を和らげられます。
なお、すのこ状の板で前面を囲うタイプや、冬に室外機全体をすっぽり包む布製カバーは、運転中の使用に向きません。
メーカーによっては、吹き出しを妨げる部材の使用を控えるよう案内しています。
機種のタイプによって「動かない」の意味は変わる
同じ症状でも、機種の構成によって判断の仕方が変わる場合があります。
自宅のエアコンがどのタイプかを把握しておくと、無駄な心配を減らせます。
室外機1台に室内機が複数つながっている場合
マンションなどでは、1台の室外機に2台以上の室内機がつながっているマルチタイプが採用されていることがあります。
この構成では、どれか1台でも運転していれば室外機は動きます。
逆にいえば、別の部屋のエアコンが運転しているせいで、止めたはずの部屋の室外機が動いているように見えることがあります。
「使っていないのに室外機が回っている」と感じたときは、他の部屋の運転状況もあわせて確認してください。
お掃除機能付きの機種
フィルター自動お掃除機能が付いた機種では、運転の中断が起こる場面が増えます。
連続運転中の自動掃除、停止後の内部クリーン運転などがそれにあたります。
これらの動作条件は機種差が大きく、同じメーカーでもシリーズによって異なります。
リモコンの設定画面で自動運転のオン・オフを確認し、あわせて取扱説明書を参照するのが確実です。
寒冷地仕様・除霜対策のある機種
寒冷地向けモデルや、霜取り中も暖房を止めない機能を備えた機種では、冬の停止パターンが一般機と異なります。
一般機で「暖房が10分止まる」場面でも、こうした機種では暖房が続くことがあります。
このため、寒冷地仕様なのに冬に暖房が長く止まる場合は、通常より早めに点検を検討したほうがよいといえます。
設置から10年を超えた機種
年数が経った機種では、部品の経年劣化により保護機能が働きやすくなります。
とくに圧縮機の起動不良は、気温が高い日や電圧が下がりやすい時間帯にだけ出るなど、症状が断続的になりがちです。
「毎回ではないが週に何度か動かない」という出方をする場合は、正常な制御ではなく劣化のサインと考えたほうが自然です。
修理を依頼すべき症状と費用の目安
ここまでの確認をすべて行っても改善しない場合は、内部の部品に不具合が生じている可能性があります。
自分で対処できる範囲と、業者に任せるべき範囲の線引きは次のとおりです。
| 症状 | 判断 | 想定される部位 |
|---|---|---|
| 設定を変えても15分以上まったく動かない | 業者へ | 制御基板・ファンモーター・圧縮機 |
| 運転ランプの点滅が電源リセット後も続く | 業者へ | 各種センサー・通信系統 |
| ファンは回るが冷えない・暖まらない | 業者へ | 冷媒不足・圧縮機 |
| 動き出してもすぐ止まるのを繰り返す | 業者へ | 保護制御の作動・冷媒系統 |
| ブレーカーが繰り返し落ちる | ただちに使用中止 | 電気系統の異常 |
| 障害物を取り除いたら動いた | 自分で解決 | ー |
| 電源リセット後に正常復帰し再発しない | 経過観察 | 一時的な制御の乱れ |
費用については、メーカーの出張修理では基板類の交換でおおよそ2万円台から3万円台、圧縮機の交換など大がかりな作業になると8万円から10万円程度が目安として案内されています(※出張料・技術料・部品代を含む目安であり、機種・設置状況・地域により変動します)。
実際の金額は現地点検のうえで確定するため、あくまで判断材料としてお考えください。
修理か買い替えかの分かれ目としては、次の3点が実用的な基準になります。
- 使用年数が10年を超えているか(部品の保有期間が終了している場合、修理自体ができないことがあります)
- 見積もり額が同等機種の買い替え費用の半額を超えるか
- 同じ症状で修理するのが2回目以降か
このうち2つ以上に当てはまるなら、買い替えを検討する段階といえます。
より詳しい原因の分類と対処については室外機が動かない原因と対処法|故障かどうかを自分で判断する完全ガイドもあわせてご覧ください。
不要な停止を減らす日常のメンテナンス
正常な停止であっても、頻度が高ければ快適性は下がります。
次の3つを整えるだけで、サーモオフや霜取り運転の頻度は下がります。
1. フィルターを2週間に1回を目安に掃除する
フィルターが目詰まりすると熱交換の効率が落ち、余計な熱を使うため霜取り運転が起こりやすくなります。
掃除機でほこりを吸い、落ちない汚れは薄めた中性洗剤で洗って陰干しします。
2. 室外機の前面に1メートル程度の空間を確保する
物の置き場所を見直すだけで、熱こもりによる停止は減らせます。
背面のフィンに詰まった落ち葉やほこりも、電源を切ったうえで柔らかいブラシで払っておきます。
3. 冬は設定温度を1〜2℃下げる
暖めようとする力が強いほど室外機の熱交換器は冷え、霜がつきやすくなります。
設定温度の目安は18〜22℃で、霜取り運転の回数が減るうえ、消費電力の抑制にもつながります。
なお、室外機の内部を分解しての清掃は避けてください。
高圧の冷媒配管と電装部品が近接しており、知識のない状態で内部に触れると感電や冷媒の噴出につながるおそれがあります。
よくある質問
Q1. 室外機が止まっているのに室内機から風が出るのは故障ですか。
故障とは限りません。
室温が設定温度に達したときのサーモオフでは、室外機だけが停止して室内機は送風に近い状態で動き続けます。
このとき風はぬるく感じられますが、正常な省エネ動作です。
確認方法としては、冷房なら設定温度を18℃まで下げ、暖房なら30℃近くまで上げてみてください。
数分以内に室外機が動き出せば問題ありません。
設定を大きく変えても15分以上まったく反応しない場合に、はじめて異常を疑う段階になります。
Q2. 冬の暖房中に室外機から白い煙が出ていますが大丈夫でしょうか。
ほとんどの場合は霜取り運転による湯気で、故障ではありません。
暖房中の室外機には霜がつくため、エアコンは定期的に熱を室外機側へ送って霜を溶かします。
このとき溶けた水が蒸発して白い湯気に見えたり、室外機の下から水が流れ出たりします。
ただし、焦げたにおいを伴う場合や、湯気ではなく黒っぽい煙が出ている場合は別です。
その際はすぐに運転を停止し、電源を切って点検を依頼してください。
Q3. 室外機が動くまで、どのくらい待てばよいですか。
状況によりますが、10〜15分を一区切りと考えてください。
運転開始直後の待機は3〜10分程度、停止後すぐに入れ直した場合の再起動保護は約3分、暖房中の霜取り運転は最長12分程度が目安とされています。
これらを踏まえると、15分待っても一度も動く気配がない状態が、異常を疑う目安になります。
待っている間にリモコンを何度も操作すると待機時間が仕切り直しになるため、そのまま置いておくのが確実です。
Q4. 電源を入れ直したら動きましたが、そのまま使い続けて問題ありませんか。
一度きりで再発しないのであれば、一時的な制御の乱れだったと考えて差し支えありません。
ただし、リセットのたびに動くが数日おきに同じ症状が出るという場合は注意が必要です。
機器が異常を検知して停止している状態を無理に動かし続けることになり、症状が悪化して修理範囲が広がることがあります。
再発する場合は「点検のタイミング」と捉え、早めに相談したほうが結果的に費用を抑えられます。
Q5. 室外機のファンは回っているのに冷えないのは、どこが悪いのでしょうか。
ファンが回っていても、圧縮機が動いていなければ冷暖房は効きません。
室外機に近づいて低い唸り音と振動があるかを確かめてください。
ファンだけが回っていて唸り音がしない場合は、圧縮機や制御基板の不具合が疑われます。
また、冷媒が不足していると運転はしても能力が出ません。
配管の接続部に白い霜がついている、以前より効きが年々落ちているといった場合は、冷媒漏れの可能性があるため専門業者への点検依頼が必要です。
まとめ|待つ・設定を振る・15分で線を引く
室外機が動かないとき、最初にすべきことは修理の手配ではなく、正常な停止かどうかの見極めです。
サーモオフ、起動待機、再起動保護、霜取り運転、内部クリーンといった動作は、いずれも取扱説明書に故障ではないと明記されている制御です。
判断の手順をあらためて整理します。
- 焦げたにおい・煙・異常音・繰り返すブレーカー落ちがあれば、確認より先に運転を停止する
- 運転モードを冷房または暖房にし、設定温度を大きく振ってみる
- リモコンを触らずに10〜15分待つ
- 室外機の吹出口・吸込口をふさぐ物を取り除く
- 電源プラグまたは専用ブレーカーで1分の電源リセットを1回だけ行う
- それでも動かなければ、ランプの点滅回数を控えて点検を依頼する
この順番で進めれば、無用な修理費をかけずに済むケースが多くあります。
そして復帰しなかった場合も、点滅回数という具体的な情報を手元に残せます。
「動かない=故障」と決めつけず、まずは15分という線を引いて様子を見ることが、いちばん確実な第一歩です。

