調理の途中で急に火が消え、操作部に「12」が点滅している——鍋を火にかけたまま席を外して戻ったときや、汁物が吹きこぼれた直後に、この表示に気づく方は少なくありません。
エラー12は、燃焼中に炎が消えたことを機器が検知し、立消え安全装置が働いてガスを止めたという状態を示しています。
未燃のガスが出続けるのを防ぐための保護動作なので、表示が出たこと自体は機器が正しく働いた証拠でもあります。
この記事では、エラー12が出る典型的な原因を使い方・汚れ・ガス供給の3方向から整理し、自分でできる掃除の手順と、修理を依頼したほうがよい境目までを解説します。
エラー12は「燃焼中に火が消えた」ことを示す表示
リンナイの公式資料では、エラー12はコンロバーナーの燃焼中に火が消え、安全装置が作動して運転を停止した状態と説明されています。
ガスコンロには立消え安全装置という部品があり、炎の熱を感知している間だけガスを通す仕組みになっています。
炎を感知できなくなると数秒でガスを遮断し、その結果としてエラー12が表示されます。
つまり12は故障そのものではなく、消えた理由を探すための手がかりと考えるのが適切です。
エラー11との違い
同じ「火がつかない・消える」でも、11と12は指している場面が異なります。
ここを取り違えると、確認する箇所もずれてしまいます。
| 表示 | いつ出るか | 主に疑う箇所 |
|---|---|---|
| 11 | 点火操作をしたが着火しなかったとき | バーナーキャップ、点火プラグ、乾電池、ガス栓 |
| 12 | 燃焼中に炎が消えたとき | 立消え安全装置、温度センサー、ガス栓の開き不足、換気 |
「点火はするが、手を離すとすぐ消える」という症状も12の範囲に入ります。
点火ボタンを押している間は強制的にガスが流れているため火は見えますが、手を離した瞬間に立消え安全装置の判定に切り替わり、炎を感知できていないと消えてしまうためです。
「12-1」「12-5」など、あとに続く数字はエラーの場所
機種によっては、12のあとに1桁の数字が交互に表示されます。
これは不具合の種類ではなく、どこで起きたかを示す情報です。
| 表示 | 示している場所 |
|---|---|
| 12-1 | 標準バーナー |
| 12-2 | 小バーナー(ビルトインコンロの場合) |
| 12-3 | 強火力バーナー |
| 12-5 | グリル |
特定のバーナーだけで繰り返し出る場合は、そのバーナー周辺の汚れが原因である可能性が高くなります。
逆に、どのバーナーでも出るようであれば、ガス供給側や換気環境を先に疑うほうが効率的です。
エラー12が出る主な原因
立消え安全装置・点火プラグの汚れ
もっとも多いのがこの原因です。
バーナーの脇に、鉛筆の先のような形をした細い金属部品が2本出ています。
片方が火花を飛ばす点火プラグ、もう片方が炎を感知する立消え安全装置です。
リンナイの公式Q&Aでも、立消え安全装置が炎をうまく感知できないと安全装置が働いてガスを遮断すると案内されており、先端の汚れを使い古しの歯ブラシでこすって確認する方法が示されています。
吹きこぼれた煮汁や油が焼き付くと、炎が当たっていても熱がセンサーに伝わらなくなるため、火が消えやすくなります。
温度センサーと鍋底の密着不良
バーナー中央から出ている、ばねで押し上げられた円盤状の部品が温度センサーです。
鍋底の温度を読み取り、異常な高温になれば火を弱めたり消したりします。
底が反った鍋、丸い中華鍋、極端に小さい鍋などを使うとセンサーが正しく密着せず、実際の鍋底温度より高い温度を検知して消火に至ることがあります。
センサー部に焦げが付着している場合も同様です。
硬く絞った布で拭き取り、上下にスムーズに動くかを確認してください。
ガス栓の開き不足
見落とされやすいのがガス栓です。
掃除やコンロの入れ替えの際に少しだけ戻した状態のままだと、点火はできても燃焼を維持できる量のガスが流れません。
一度ガス栓を全開まで開き直してから、再度運転してください。
複数のガス機器を同時に使ったときだけ消えるという場合も、この可能性があります。
室内の酸素不足・換気不足
締め切った部屋で長時間コンロを使い続けると、燃焼に必要な酸素が不足して炎が不安定になります。
リンナイもエラー12の対処として、十分に換気してから再運転するよう案内しています。
酸素が不足した状態での燃焼を続けると、一酸化炭素が発生するおそれがあります。
調理中はレンジフードを回し、冬場でも窓を少し開けるなどして給気を確保してください。
このとき、炎の色がオレンジ色に変わる、すすが付くといった変化があれば、燃焼状態が悪化しているサインです。
炎や臭いの変化から異常を見分ける方法はガスコンロから臭いがする原因と対処法とは?ガス臭・焦げ臭・異臭を徹底解説で詳しく解説しています。
乾電池の消耗
電池が弱ると、立消え安全装置の電磁弁を保持する力が落ち、燃焼中に火が消えることがあります。
電池交換サインが出ていなくても、2年以上交換していないなら一度新品のアルカリ乾電池に替えてみる価値はあります。
2本まとめて同じ種類に交換するのが基本です。
電池の選び方はガスコンロの電池はマンガンとアルカリどちらが正解?交換時期・選び方を徹底解説を参考にしてください。
自分でできる掃除の手順
エラー12の多くは、センサー周辺の掃除で改善します。
必ず点火ボタンを消火位置に戻し、バーナーや五徳が十分に冷えてから作業してください。
- 五徳とバーナーキャップを外し、バーナー周辺の汚れを見えるようにする
- 立消え安全装置と点火プラグの先端を、乾いた古い歯ブラシで軽くこすって焦げを落とす
- 温度センサーの表面を、硬く絞った布で拭き取る(洗剤に浸けたり水をかけたりしない)
- バーナーキャップの炎が出る穴の詰まりをブラシで落とす
- すべて完全に乾かしてから、キャップの向きを合わせて水平に戻す
センサー類は細く曲がりやすい部品です。
金属たわしや針金でこすったり、力を加えて角度を変えたりすると、かえって感知できなくなります。
掃除しても改善しない場合の判断
掃除と電池交換を試しても症状が続くときは、部品側の不具合が疑われます。
次の基準で判断してください。
| 状況 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 掃除後は正常に使えている | 経過を見て使用を続けてよい | 汚れによる一時的な感知不良のため |
| 特定のバーナーだけ何度も再発する | 修理を依頼する | 立消え安全装置や電磁弁の劣化が疑われるため |
| どのバーナーでも数分で消える | 修理を依頼する | 電装ユニット側の不具合の可能性があるため |
| 炎がオレンジ色で、すすが付く | 使用を中止して連絡する | 燃焼状態の異常が疑われるため |
| ガスのにおいがする | 使用を中止して連絡する | 安全確認が最優先のため |
ガスのにおいがするときは、点火操作を繰り返さないでください。
ガス栓と元栓を閉め、窓を開けて換気し、換気扇や照明のスイッチには触れないようにします。
スイッチの開閉時に出る火花で引火するおそれがあるためです。
判断に迷うときの考え方はガス臭いときの原因と対処法|危険を防ぐための安全チェックポイントにまとめています。
使用年数から見た修理と交換の目安
ガス機器には、安全上支障なく使用できる期間として設計標準使用期間が定められています。
家庭用のガスコンロではおおむね10年に設定されており、この期間を過ぎると経年劣化による不具合が起こりやすくなります。
使用10年前後で、掃除しても月に何度もエラー12が出るようであれば、ひとつの部品を直しても別の部品が続けて不調になることが少なくありません。
「10年以上」と「掃除しても再発する」が重なったら交換の検討に進むのが現実的な線引きです。
数年しか使っていない機器なら、部品交換で十分に使い続けられるケースがほとんどです。
なお、点火そのものができない場合は原因の見方が変わります。
詳しくはガスコンロの火がつかない原因とは?まず確認すべきポイントと正しい対処判断をご覧ください。
よくある質問
Q1. 点火ボタンを押している間は火がつくのに、離すと消えます。
ボタンを押している間は強制的にガスが流れているため火は見えますが、手を離すと立消え安全装置の判定に切り替わります。
このとき炎を感知できていないと、数秒でガスが遮断されて消えてしまいます。
まず、ボタンを最後まで押し切れているかを確認してください。
押し込みが浅いと、炎が安定する前に判定へ移ってしまうことがあります。
そのうえで改善しない場合は、立消え安全装置の先端の焦げを落とし、乾いてから再度試してみてください。
Q2. 吹きこぼれたあとだけエラー12が出ます。
煮汁や油が立消え安全装置やバーナーキャップにかかると、乾くまでのあいだ炎の熱が伝わりにくくなります。
そのため、吹きこぼれの直後に一時的に火が消えやすくなるのは珍しいことではありません。
まずは火を止めて冷まし、こぼれた汁を拭き取ってください。
センサー先端に付いた汚れも、乾いた歯ブラシで軽く落としておきます。
毎回のように再発する場合は、焦げが層になって固着している可能性があるため、一度しっかり掃除することをおすすめします。
Q3. グリルでエラー12が出るのはなぜですか?
グリルで表示される場合は「12-5」のように5が併記されることが多く、グリルバーナー側で炎が途切れたことを示します。
受け皿や庫内に溜まった脂に火が回って炎が乱れる、庫内の汚れでセンサーが感知しにくくなるといった状態が原因になりやすいです。
庫内が冷えてから、受け皿と焼き網、庫内の底に落ちた食品くずを取り除いてください。
グリルバーナーや安全装置そのものには触れず、周囲の汚れだけを落とすようにします。
掃除しても改善しない場合は、修理を相談してください。
Q4. エラー12が出たまま使い続けても危険はありませんか?
エラー12が表示された時点で、機器はすでにガスを遮断しています。
そのため、表示が出たことだけを理由に危険な状態とはいえません。
ただし、原因を確認しないまま点火と消火を繰り返すのは避けてください。
着火しないまま操作を続けると、未燃のガスが周囲に出る時間が長くなります。
また、換気不足が原因の場合は放置すると燃焼状態が悪化するおそれがあるため、まず換気を確保したうえで確認を進めてください。
Q5. 掃除するときにセンサーを外してもよいですか?
立消え安全装置や温度センサーは、利用者が取り外すことを前提とした部品ではありません。
無理に引き抜いたり角度を変えたりすると、位置がずれて炎を感知できなくなり、かえってエラーが増えることがあります。
掃除は、取り付けたままの状態で先端の汚れを乾いた歯ブラシで落とす範囲にとどめてください。
外して洗えるのは、五徳・バーナーキャップ・受け皿など、取扱説明書で取り外しが案内されている部品だけです。
固着した汚れが落ちない場合は、無理をせずメーカーの修理窓口に相談するのが安全です。
まとめ
リンナイのビルトインコンロに表示されるエラー12は、燃焼中に炎が消え、立消え安全装置が働いた状態を示すサインです。
原因の多くは、立消え安全装置や温度センサーに付いた焦げ・煮こぼれの汚れにあります。
まずは冷ましてから先端の汚れを落とし、ガス栓が全開か、換気ができているか、電池が消耗していないかを順に確認してください。
それでも特定のバーナーで繰り返す、あるいはどのバーナーでもすぐ消えるようであれば、使用年数を確認したうえで修理か交換の相談に進みましょう。

