電気代の請求を見て、今月はどうしても払えないと分かったとき、何から手をつければよいのか不安になっていませんか。
「このまま電気を止められてしまうのではないか」と考えると、請求書を見るのもつらくなるものです。
まずお伝えしたいのは、電気は支払期日を1日過ぎただけで止まるものではないということです。
料金の未払いで契約を解除する場合、事前に予告の通知を行うよう国の指針で定められています。
そして、もっとも大切なのは、払えないと分かった時点で自分から連絡することです。
この記事では、止まるまでの流れを整理したうえで、電力会社に相談するときの伝え方、配慮の対象になる場合、公的な相談窓口までを順に解説します。
最初にやることは「期日前に電力会社へ連絡する」

結論から言うと、払えないと分かった時点で、支払期日を待たずに契約している電力会社へ連絡することが最優先です。
連絡を後回しにすると、次のような不利が重なります。
| 連絡のタイミング | 起きること |
|---|---|
| 支払期日の前 | 事情を説明したうえで相談できる。選択肢がもっとも多い |
| 期日を過ぎて督促が届いた後 | 延滞利息が発生し始める。相談はできるが猶予の幅は狭まる |
| 停止予告の通知が届いた後 | 停止日が決まっており、時間的な余裕がほとんどない |
| 停止された後 | 原則として支払いが済まないと再開されない |
連絡したからといって必ず支払いを待ってもらえるわけではありません。
ただ、何も連絡しないまま期日を過ぎるより、自分から事情を伝えたほうが選択肢は確実に広く残ります。
連絡先は、毎月届く「電気ご使用量のお知らせ(検針票)」や請求書、電力会社の会員ページに記載されています。
電話のほか、チャットやWebフォームで受け付けている会社もあります。
電気が止まるまでの流れ
電気が止まるまでには、いくつかの段階があります。
具体的な日数は電力会社や契約プランの約款によって異なりますが、大まかな流れは共通しています。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| ① 検針・請求 | 使用量が確定し、請求が届く |
| ② 支払期日 | 多くの会社で検針日(または請求日)の翌日から30日目前後 |
| ③ 延滞利息の発生 | 期日を過ぎた日数に応じて利息がかかる |
| ④ 督促の通知 | 支払いのお願いのハガキ・メール・SMSなどが届く |
| ⑤ 契約解除の予告 | 解除日と理由を明示した予告通知が届く |
| ⑥ 供給停止の予告 | 送配電事業者から停止日を明示した予告が届く |
| ⑦ 供給停止 | 電気が使えなくなる |
このうち⑤と⑥については、国の「電力の小売営業に関する指針」で手続きが示されています。
料金未払いを理由に小売電気事業者が契約を解除する場合は、解除の15日程度前までに解除日と理由を明示して予告通知を行うことが必要とされています。
さらに、無契約となった需要家への供給を止める際には、送配電事業者が停止の5日程度前までに停止日を明示して予告通知を行うこととされています。
つまり、予告もなく突然止まるということは、原則としてありません。
逆に言えば、予告の通知が届いたら、それは停止までの時間が限られているという合図です。
郵便物やメール、SMSを見落とさないようにしてください。
延滞利息はどのくらいかかるか
支払期日を過ぎると、多くの電力会社で延滞利息がかかります。
たとえば東北電力では、支払期日を過ぎて支払った場合、支払期日の翌日から支払日までの日数に応じて年10%(1日あたり約0.03%)の延滞利息がかかると案内しています。
年10%で計算した場合の目安は次のとおりです。
| 未払いの金額 | 10日遅れた場合 | 30日遅れた場合 |
|---|---|---|
| 5,000円 | 約14円 | 約41円 |
| 10,000円 | 約27円 | 約82円 |
| 20,000円 | 約55円 | 約164円 |
※年10%を日割りで計算した参考値です。実際の率や計算方法は契約している電力会社の約款で確認してください。
金額としては大きくありません。
延滞利息そのものより、停止に向かって時間が進んでいくことのほうが問題だと考えてください。
なお、会社やプランによっては、期日から一定期間内に支払えば延滞利息がかからない扱いもあります。
自分の契約の条件は、約款や会員ページで確認できます。
電力会社に相談するときに伝えること
電話やチャットで相談する際は、次の点を整理しておくと話が早く進みます。
- お客さま番号(検針票や請求書に記載)
- 契約者の氏名と供給場所の住所
- 未払いになっている月と金額
- 払えない理由(収入の減少、急な出費、病気など)
- いつ、いくらなら払えるかの見通し
- 家庭の状況(在宅医療、障害、高齢者だけの世帯、乳幼児がいるなど)
「いつまでなら払えるか」を具体的に伝えることがとくに重要です。
「来月の給料日の〇日なら全額払える」「今月半分、来月残りなら払える」といった形で示すと、相談として扱ってもらいやすくなります。
電力会社によっては、支払期日そのものは延長できないと案内している場合もあります。
その場合でも、分割の相談や、停止前の連絡体制について確認しておくことに意味があります。
配慮の対象になる場合
国の指針では、供給を止める際に、需要家への配慮措置を検討したうえで行うことが前提とされています。
具体的には、供給継続の要望があった場合の1アンペアブレーカーの取り付けや、在宅医療者・生活保護受給者等であることが確認できた場合の配慮措置が例として挙げられています。
電力会社の窓口でも、特定の事情がある家庭の相談を受け付けています。
たとえば東京電力エナジーパートナーでは、次のような場合に専用の電話窓口で相談を受け付けると案内しています。
- 生活保護を受給中、または生活保護法の適用を申請中の方
- 障害をお持ちの方がいらっしゃるご家庭
- 生命の維持に電気の使用が必要な在宅医療者がいらっしゃるご家庭
- 火災等の不慮の事故や重い疾病で一時的に支払が困難である方
📎 出典:東京電力エナジーパートナー「送電再開」
人工呼吸器や在宅酸素、たん吸引器など、生命の維持に電気が必要な機器を使っている家族がいる場合は、停止されると命に関わります。払えないと分かった時点で、すぐに電力会社へその事情を伝えてください。
主治医や訪問看護、ケアマネジャーなど、日頃関わっている支援者にも早めに相談しておくと安心です。
ほかの電力会社でも、同様の相談を受け付けていることが一般的です。
該当するかどうか迷う場合でも、まずは事情を伝えてください。
公的な相談窓口を使う
電気代だけでなく、家賃や他の支払いも苦しい状態であれば、電気代単体の問題ではなく家計全体の問題です。
その場合は、公的な相談窓口を利用することを考えてください。
| 相談先 | どんな相談ができるか |
|---|---|
| 市区町村の生活困窮者の相談窓口(自立相談支援機関) | 収入・仕事・家計・住まいなど、生活全般の困りごとをまとめて相談できる |
| 市区町村の福祉事務所 | 生活保護の相談・申請 |
| 社会福祉協議会 | 一時的な生活資金の貸付制度などの相談 |
| 法テラス・消費生活センター | 借金や契約トラブルが重なっている場合の相談 |
生活困窮者の相談窓口は、「経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある方」を対象に、個々の状況に応じた支援を行うための制度にもとづく窓口です。
「こんなことで相談してよいのか」と迷う段階でも相談を受け付けています。
自分の住んでいる市区町村名と「生活困窮 相談」で検索すると、窓口の連絡先が見つかります。
一時的に収入が途絶えた、病気で働けなくなったといった事情がある場合、家計を立て直すための支援や、使える制度の案内を受けられることがあります。
一人で抱え込まず、状況を話してみてください。
払う前に、請求額そのものを確認する
「払えない」と感じる理由が、請求額が急に跳ね上がったことにある場合は、支払いの相談と並行して請求の中身を確認してください。
| 確認すること | 見るところ |
|---|---|
| 使用期間の日数 | 検針票の「ご使用期間」。40日を超えていないか |
| 請求の件数 | 引っ越しや電力会社の切り替えで2件分が重なっていないか |
| 使用量(kWh) | 前年同月と比べて極端に増えていないか |
| 1kWhあたりの単価 | 請求額÷使用量。40円を大きく超えていないか |
| 契約種別 | 市場価格に連動するプランになっていないか |
使用量が前年の1.5倍以上に増えていて、生活に心当たりがない場合は、機器の故障や漏電が隠れている可能性があります。
また、市場連動型のプランでは、使用量が同じでも電力市場の高騰で請求額が大きく跳ねることがあります。
請求に疑問がある場合も、支払期日前に電力会社へ問い合わせるのが原則です。
疑問を理由に支払いを止めたまま期日を過ぎると、通常の滞納と同じように手続きが進んでしまうためです。
引っ越しを予定している場合の注意
払えない状況で引っ越しを考えている場合、未払いの扱いに注意が必要です。
- 旧居の電気の契約は、引っ越し前に必ず解約の手続きをする
- 未払いの料金は、解約しても消えずに請求が続く
- 新居で同じ電力会社と契約する場合、未払いが残っていると手続きがスムーズに進まないことがある
国の指針では、料金未払者の情報を小売電気事業者間で交換する場合の通知のあり方も示されています。
未払いを残したまま転居しても問題は解決しないので、転居の前に電力会社へ相談し、支払いの見通しを伝えておいてください。
やってはいけない対応
焦りから選びがちな、避けるべき対応を整理します。
| 避けたい対応 | 理由 |
|---|---|
| 連絡をせずに放置する | 督促・予告を経て停止に進む。相談の余地がどんどん狭まる |
| 通知を開封せずにしまう | 停止日の予告を見落とし、突然止まったと感じる事態になる |
| 高金利の借入れや個人間融資に頼る | 返済で翌月以降の生活がさらに苦しくなる |
| 無断で転居する | 未払いは消えず、次の契約で問題になることがある |
| 他人のメーターや配線から電気を引く | 違法行為であり、事故の危険もある |
とくに、SNSなどで見かける「すぐ貸します」といった個人間融資の勧誘は、違法な高金利や個人情報の悪用につながることがあります。
電気代を払うために新しい借金をつくるのは、問題を先送りするだけになりがちです。
借入れを考える前に、電力会社と公的窓口への相談を先に行ってください。
もし止まってしまったら
万一、電気の供給が止まってしまった場合の基本的な流れです。
- 未払いの料金を支払う(原則として支払いが済まないと再開されない)
- 支払い後、電力会社に再開を申し込む
- 再開の作業が行われ、電気が使えるようになる
東京電力エナジーパートナーでは、支払いが済んでいない場合は送電再開を受け付けられないと案内しています。
一方で、コンビニで支払った場合は随時確認しているため連絡は不要とも案内しています。
支払い方法によって再開までの手順が変わることがあるため、支払いの前に電力会社の案内を確認してください。
停止中の過ごし方にも注意が必要です。
ろうそくを明かりに使う、カセットコンロや石油ストーブを締め切った室内で使う、発電機を屋内で動かすといった行為は、火災や一酸化炭素中毒の危険があります。
明かりは懐中電灯やランタンを使い、冷蔵庫の食品は早めに使い切るか、傷みやすいものから処分してください。
冬や夏で体調に不安がある場合は、無理をせず家族や知人の家、公共施設などに身を寄せることも考えてください。
次の請求で同じことを繰り返さないために
目の前の支払いを乗り切ったら、次の請求で同じ状況にならないための手を打ちます。
**請求額が急に増えていないか確認する**
検針票の使用量(kWh)を前年同月と比べてください。
生活が変わっていないのに使用量が大きく増えている場合、機器の故障や契約の問題が隠れていることがあります。
**固定費を見直す**
契約アンペアや料金プランの見直しは、生活を変えずに毎月の負担を下げられる方法です。
使用量の多い家電や、見直しの優先順位は【2026年最新】家電の消費電力ランキングTOP15|電気代が高い順に解説で確認できます。
待機電力のように抜いてよいものとそうでないものの線引きはコンセント差しっぱなしの電気代はどれくらい?実際にかかる金額と無駄を減らす判断基準で整理しています。
**支払い方法を見直す**
口座振替にすると払い忘れは防げますが、口座の残高が足りないと引き落とされません。
給料日と引き落とし日の関係を確認し、残高が足りる日に引き落とされるよう設定できるかを電力会社に確認してください。
**値上がりの影響を把握する**
電気料金は、燃料価格や政府の補助の有無によって大きく動きます。
自分の使い方は変わっていないのに請求が増えた場合は、料金改定の影響である可能性もあります。
直近の改定については2026年4月から電気代・ガス代が一斉値上がり|補助金終了で家計への影響と今すぐできる対策で整理しています。
よくある質問
Q1. 電気代を払えないと、すぐに電気は止まりますか?
すぐには止まりません。
支払期日を過ぎたあと、督促の通知、契約解除の予告、供給停止の予告という段階を経てから停止に至るのが一般的です。
国の指針では、料金未払いで契約を解除する場合は解除の15日程度前までに予告通知を行い、供給を止める際にも停止の5日程度前までに停止日を明示して予告することとされています。
ただし、具体的な日数は電力会社や契約プランの約款によって異なります。
予告の通知が届いたら時間が限られているという合図なので、見落とさないようにしてください。
Q2. 電力会社に相談すれば支払いを待ってもらえますか?
必ず待ってもらえるとは限りません。
支払期日そのものは延長できないと案内している電力会社もあります。
それでも、期日前に自分から連絡し、いつならいくら払えるかを具体的に伝えることで、相談として扱ってもらえる可能性は高まります。
生活保護を受給中の方、在宅医療で電気が必要な方、火災や重い病気で一時的に支払いが難しい方などは、専用の窓口で相談を受け付けている会社もあります。
何も連絡しないまま期日を過ぎるより、選択肢は確実に広く残ります。
Q3. 電気代の延滞利息はどのくらいかかりますか?
多くの電力会社では、年10%程度の延滞利息がかかります。
1日あたりでは約0.03%で、1万円の未払いが30日遅れた場合でも80円前後です。
金額としては大きくありませんが、利息よりも停止に向かって時間が進むことのほうが問題です。
会社やプランによっては、期日から一定期間内に支払えば延滞利息がかからない扱いもあります。
正確な率や条件は、契約している電力会社の約款や会員ページで確認してください。
Q4. 家族に在宅医療を受けている人がいます。止められることはありますか?
国の指針では、供給を止める際に、在宅医療者であることが確認できた場合の配慮措置を検討したうえで行うことが前提とされています。
ただし、配慮を受けるためには、電力会社がその事情を把握している必要があります。
人工呼吸器や在宅酸素など生命の維持に電気が必要な機器を使っている場合は、払えないと分かった時点ですぐに電力会社へ事情を伝えてください。
主治医や訪問看護、ケアマネジャーにも早めに相談しておくと、必要な支援につながりやすくなります。
停止を待ってから伝えるのではなく、事前に伝えておくことが大切です。
Q5. 電気代以外の支払いも苦しい場合はどこに相談すればよいですか?
市区町村の生活困窮者の相談窓口(自立相談支援機関)に相談してください。
収入・仕事・家計・住まいなど、生活全般の困りごとをまとめて相談できる窓口です。
状況に応じて、家計の立て直しの支援や、使える制度の案内を受けられることがあります。
生活保護については福祉事務所、一時的な生活資金の貸付制度については社会福祉協議会が窓口になります。
借金や契約トラブルが重なっている場合は、法テラスや消費生活センターも相談先になります。
自分の住む市区町村名と「生活困窮 相談」で検索すると、連絡先が見つかります。
まとめ
電気代が払えないと分かったときは、支払期日を待たずに電力会社へ連絡することが最優先です。
- 電気は期日を1日過ぎただけでは止まらない。国の指針で事前の予告通知が定められている
- 予告の通知が届いたら、停止までの時間が限られているという合図
- 相談するときは「いつ、いくらなら払えるか」を具体的に伝える
- 在宅医療・生活保護・障害などの事情がある場合は、その旨を必ず伝える
- 電気代以外も苦しいなら、市区町村の生活困窮者の相談窓口へ
放置や高金利の借入れは、状況を悪くするだけです。
まずは検針票でお客さま番号と連絡先を確認し、今日のうちに電力会社へ連絡してみてください。

