ガスストーブが止まり、操作パネルに「E-61」と表示されて困っていませんか。
E-61は、燃焼用送風機に異常が検知されたことを示す表示です。
メーカーは使用を中止して販売店または最寄りの営業所へ連絡するよう案内しており、清掃や再点火で解決する種類の表示ではありません。
送風機と聞くと、部屋に温風を送るファンを思い浮かべるかもしれません。
しかし燃焼用送風機は別の部品で、燃焼そのものに必要な空気を送り、排気を屋外へ押し出す役割を担っています。
この記事では、その役割の違いを軸に、E-62との見分け方、表示の前に現れる予兆、依頼するときの考え方までを解説します。
E-61は使用を中止して連絡すべき表示
結論からお伝えすると、E-61は使用者側で対処する項目が用意されていない表示です。
メーカーの公式情報では、E-61は燃焼用送風機異常と記載され、原因・確認事項の欄は「使用を中止する」、処置は販売店または最寄りの営業所への連絡とされています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 表示 | E-61 |
| 対象の部品 | 燃焼用送風機 |
| 役割 | 燃焼用の空気の供給と排気の押し出し |
| 使用者の対処項目 | 公式には設定されていない |
| メーカーの案内 | 使用を中止し、販売店または営業所へ連絡 |
| 症状の出方 | 点火しない、点火してもすぐ止まる |
燃焼用送風機は何をしているのか
FF式のガスストーブは、燃焼に使う空気を屋外から取り入れ、燃焼後の排ガスを屋外へ出す構造になっています。
この空気の出入りを、自然の力任せにせず強制的に行っているのが燃焼用送風機です。
役割は大きく2つあります。
- バーナーが安定して燃えるために必要な量の空気を送り込むこと
- 燃焼後の排ガスを給排気筒から屋外へ押し出すこと
どちらも、暖房の効き方ではなく燃焼の成立そのものにかかわる働きです。
必要な量の空気が届かなければ酸素が足りない燃焼になり、排気が押し出されなければ排ガスの逃げ場がなくなります。
機器がE-61で運転を止めるのは、この状態を避けるためだと理解してください。
E-62(対流用送風機)との違い
送風機に関する表示は2つあり、対象となる部品が異なります。
| 表示 | 部品 | 役割 | 影響する範囲 |
|---|---|---|---|
| E-61 | 燃焼用送風機 | 燃焼用の空気供給と排気 | 燃焼の成立・安全 |
| E-62 | 対流用送風機 | 室内へ温風を送る | 暖房の効き方・熱の放出 |
E-62は、温めた空気を部屋へ送り出す側のファンです。
一方でE-61は、燃焼室に空気を送る側のファンになります。
症状の出方にも違いがあります。
E-61では、そもそも点火しない、あるいは点火してもすぐ止まるという形で気づくことが多くなります。
燃焼用の空気が確保できない状態では、機器は燃焼を始めない、あるいは続けないためです。
異常と判断される背景
考えられる背景としては、次のようなものがあります。
- ファンモーター自体の経年劣化
- 軸受けの摩耗による回転の重さ
- 内部に蓄積したほこりによる回転抵抗の増加
- 回転数を検知する部分の不具合
- 制御基板側の不具合
機器は送風機が想定どおりに回っているかを見ており、回転が足りない、あるいは回転を検知できない状態を異常として扱います。
そのため、ファンが完全に止まっている場合だけでなく、回ってはいるが遅いという状態でも表示されることがあります。
メーカーの取扱説明書でも、機器は使用される場所や条件、使用時間によって消耗・劣化する部品があるため、販売店で定期点検を受けるよう案内されています。
📎 出典:長府製作所|サンポット暖房機 取扱説明書
実際にどこが原因かは点検してみないと分かりません。
モーターの交換で済むのか、基板まで必要になるのかで、交換する範囲が変わります。
表示の前に現れていた予兆
送風機の不具合は、ある日突然起きるとは限りません。
振り返ってみると、次のような変化があったケースが考えられます。
- 運転開始時の音が以前より大きくなった
- うなるような音、こすれるような音が混じるようになった
- 点火するまでの時間が長くなった
- 運転中に音が途切れる、音の高さが変わる
- 一度止めてすぐ点け直すと動かないことがあった
「そういえば最近、音が変わっていた」という記憶は、点検の際に役立つ情報です。
いつ頃から気づいたか、どのような音だったかを伝えてください。
なお、においの変化を感じていた場合も伝えてください。
判断の材料はガスストーブの臭いが気になる…原因と対処法を徹底解説|危険サインの見分け方も紹介で整理しています。
表示が出たときにやること
- 運転スイッチを「切」にする
- 表示された番号(E-61)を控える
- 本体の銘板で型番と製造年を確認する
- いつから、どんな症状が出ていたかをメモする
- 販売店または最寄りの営業所に連絡する
- 修理までの間は運転しない
再点火を繰り返さないでください。
燃焼用の空気が十分に送られない状態で点火を試みることは、避けるべき使い方です。
表示が一時的に消えたとしても、部品の状態が改善したわけではありません。
ほこりとの関係
送風機まわりにほこりが蓄積すると、回転に余計な抵抗がかかります。
エアーフィルタの目詰まりを放置していた機器では、内部にほこりが入り込みやすくなります。
フィルタの手入れは、暖房の効きを保つだけでなく、内部の部品の負担を減らすことにもつながります。
手の届く範囲の清掃手順はファンヒーターの掃除方法を完全解説|ほこりを安全に取る手順と注意点で解説しています。
ただし、E-61が出てからフィルタを掃除しても表示は消えません。
外装を開けて送風機まわりを掃除する作業も、使用者が行う範囲ではありません。
清掃はあくまで予防として位置づけ、表示が出た段階では点検を依頼してください。
排気にかかわる他の表示との関係
燃焼用送風機は排気を押し出す役割も持つため、排気にかかわる表示と前後して現れることがあります。
| 表示 | 検知している内容 | 原因のある場所 |
|---|---|---|
| E-61 | 燃焼用送風機の異常 | 機器の内部 |
| E-21 | 給排気トップの閉そく | 屋外(給排気筒の先端) |
| E-90 | 排気管の抜け | 機器と排気管の接続部 |
| E-40 | 排ガス漏れ(CO)の検知 | 給排気経路のいずれか |
排気がうまく流れない状況では、送風機に余計な負担がかかります。
たとえば給排気筒の先端が長期間ふさがれ気味だった機器では、送風機が抵抗の大きい状態で回り続けてきたことになります。
E-61の前にE-21が頻繁に出ていた場合は、その経緯も点検時に伝えてください。
原因が機器の内部だけにあるとは限らないためです。
シーズン初めに表示されることがある
暖房を使い始めた日にE-61が出るケースもあります。
半年ほど動かしていなかった機器では、久しぶりの起動でモーターや軸受けの状態が表面化することがあるためです。
前のシーズンの終わり頃から音が変わっていた、といった心当たりがある場合は、その時点で不具合が進んでいた可能性があります。
寒くなってから止まると修理の依頼も混み合うため、シーズンの立ち上がりに一度試運転しておくと、余裕を持って対応できます。
依頼するときの費用と判断
修理費用は、出張にかかる費用、作業の技術料、交換する部品の代金という組み合わせで決まるのが一般的です。
送風機はモーターを含む部品のため、交換が必要になった場合の部品代は小さくない可能性があります。
点検してみないと分からないため、見積もりを取ったうえで判断してください。
- 使用5年以内:修理で対応するのが基本
- 使用5〜10年:修理費用と残りの使用期間を見比べる
- 使用10年以上:部品の供給状況を確認したうえで入れ替えも検討
- 同じ機器でほかの故障も出ている:入れ替えを優先的に検討
業界団体も、長期間使用した製品は必ず点検を受けてから使用するよう案内しています。
判断の考え方はガスストーブの寿命は何年?買い替え判断の目安と長く使うためのポイントで解説しています。
なお、サンポットブランドの石油暖房機はエラーコードの体系が別です。
灯油の機種をお使いの場合はサンポット(現:長府)ストーブ エラーコード一覧|表示の意味と使用可否の判断基準を参照してください。
よくある質問
Q1. 温風が出ないのはE-61のせいですか。
E-61は燃焼用送風機の異常を示す表示で、そもそも燃焼が成立していない状態です。
温風が出ないというより、点火しない、点火してもすぐ止まるという形で気づくことが多くなります。
点火はしているのに温風が弱い、送風の音がしないという場合は、対流用送風機側のE-62である可能性があります。
表示された番号を確認してください。
Q2. フィルタを掃除すれば直りますか。
E-61が表示された段階では、清掃で表示が消えることは期待できません。
ほこりは送風機の負担を増やす要因のひとつですが、E-61は回転そのものに異常が検知された状態を示しています。
清掃は日ごろの予防として意味がありますが、表示が出たあとの対処にはなりません。
運転を止めて点検を依頼してください。
Q3. 音が大きいだけで、まだ動いています。使い続けてよいですか。
音の変化は、送風機まわりに負担がかかっているサインである可能性があります。
E-61が表示されていなくても、以前と明らかに違う音が続いている場合は、早めに点検を受けることをおすすめします。
早い段階であれば、部品交換の範囲が小さく済むこともあります。
点検の際は、いつ頃から音が変わったかを伝えてください。
Q4. 何度か電源を入れ直したら動きました。
一時的に動くことはありますが、原因が解消したとは限りません。
軸受けの状態や回転の検知には、温度や振動によって変わる要素があるためです。
動いたからといって使い続けると、暖房が必要な時期に完全に止まることになりかねません。
動作が不安定な段階で点検を受けておくほうが、結果として手間が少なく済みます。
Q5. 修理と買い替えのどちらがよいですか。
使用年数と部品の供給状況で判断が変わります。
使用5年以内であれば修理で対応するのが基本ですが、10年を超えている場合は部品の供給が終了している可能性もあります。
依頼時に型番と製造年を伝えれば、対応可能かどうかの見通しを聞けます。
そのうえで見積もりを確認し、残りの使用期間と比べて判断してください。
まとめ
サンポットのガスストーブに表示されるE-61は、燃焼用送風機の異常を示す表示です。
メーカーは使用を中止して販売店または最寄りの営業所に連絡するよう案内しており、清掃や再点火で解決するものではありません。
燃焼用送風機は、燃焼に必要な空気を送り、排ガスを屋外へ押し出す部品です。
室内へ温風を送る対流用送風機(E-62)とは役割が異なり、暖房の効き方ではなく燃焼の成立そのものにかかわります。
再点火を繰り返さず、運転を止めて点検を依頼してください。
表示が出る前から音の変化に気づいていた場合は、いつ頃からだったかもあわせて伝えると、原因の絞り込みが早くなります。

