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エアコンから水が垂れる原因とは?今すぐ確認すべきポイントと正しい対処判断

エアコン本体から水漏れが発生している様子
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

エアコンからポタポタと水が垂れてくると、まず頭に浮かぶのは「故障ではないか」という不安ではないでしょうか。
床が濡れ、壁紙にシミができ、家電や家具への影響も気になります。

しかし実際の現場では、重大な故障よりも排水トラブルが原因であるケースが大半です。
冷房運転中の水は、基本的に“異常”ではなく“正常な結露”が発端です。

問題はその水が「どこへ流れているか」「正しく排出できているか」にあります。

この記事では、

・なぜエアコンから水が出るのか
・自分で確認できる原因の切り分け
・触ってよい範囲と触ってはいけない範囲
・修理を検討すべき判断基準

を整理します。
まずは仕組みを正しく理解することが、無駄な出費や誤った対処を防ぐ第一歩になります。


目次

エアコンから水が出る仕組み

水色の水滴がエアコン下部から落ちている様子を描いた手描き風イラスト

冷房運転中、エアコン内部では必ず結露が発生します。

室内の暖かく湿った空気が、内部の熱交換器(アルミフィン)で急激に冷やされることで水滴が発生します。
これはコップに氷水を入れたとき外側に水滴がつく現象と同じです。

通常の流れは次の通りです。

・結露水がドレンパン(受け皿)に溜まる
・ドレンホースを通って屋外へ排出される
・室外機付近から排水される

この排水経路のどこかで詰まり・逆流・傾斜不良が起きると、水が室内側へあふれ出します。

つまり「水が出ること自体」は正常。
「排水できないこと」が問題なのです。


エアコン 水が垂れる主な原因

屋外に設置されたエアコンのドレンホース先端。周囲に落ち葉や泥が溜まり、水が排出されにくい状態

ドレンホースの詰まり・折れ

最も多い原因です。

ドレンホースは室外機付近にある蛇腹ホースで、結露水を屋外へ流す役割があります。

次のような状態は要注意です。

・泥や虫の侵入で内部が詰まっている
・ホースが折れ曲がっている
・先端が地面に接している
・排出口が上向きになっている

詰まりがあると水が逆流し、本体から漏れます。

確認ポイント:

・冷房中にホースから水が出ているか
・排出口が塞がれていないか

水がまったく出ていない場合、内部詰まりの可能性が高いです。
その場合ドレンつまり取りポンプにて改善できる場合がありますので、まずは試してみることをおすすめします。


フィルター・内部の汚れ

フィルターやアルミフィンが汚れていると空気の流れが悪化します。

空気循環が悪いと冷却効率が下がり、

・過剰冷却
・結露量増加
・水滴飛散

が起きやすくなります。

特に吹き出し口から水が飛ぶ場合は、内部汚れが疑われます。

自分でできる範囲:

・フィルター清掃
・乾燥運転(送風運転)

アルミフィンは非常に薄く、無理な清掃は破損につながるため注意が必要です。


施工時の勾配不良

水は高いところから低いところへ流れます。

ドレンホースにはわずかな下り勾配が必要ですが、施工時に勾配が取れていない場合、水が滞留して逆流します。

症状の特徴:

・設置直後から水漏れ
・毎年同じ時期に発生
・ホースに問題が見当たらない

この場合は自己対応が困難です。


ドレンパンの破損

10年以上使用している機種では、内部の受け皿(ドレンパン)が劣化して割れることがあります。

・本体底部からにじむ
・拭いても繰り返す

このケースは部品交換が必要です。


水が漏れる場所別の判断

壁掛けエアコンの内部から青い水滴が垂れていることを示したシンプルなイラスト

水漏れは「どこから垂れているか」で原因の絞り込みができます。
闇雲に掃除や分解をするのではなく、漏れている位置=排水経路のどこで滞っているかを推測することが重要です。
ここでは、現場で多いパターンごとにもう一段踏み込んで整理します。


本体と壁の間から垂れる

本体と壁の接地面付近から水が伝ってくる場合、壁の中で排水トラブルが起きている可能性が高いです。

考えられる原因:

・ドレンホース接続部の緩み
・壁内配管のズレ
・ホースの亀裂や劣化
・施工時の勾配不足

特徴としては、

・水が本体の裏側からじわっと染み出す
・壁紙にシミが広がる
・本体下部よりも壁側が濡れている

という傾向があります。

この症状は内部配管に関わるため、外から見えるホースに異常がなくても発生します。
自力での修理は困難で、無理に本体を外すと冷媒配管を傷める恐れがあります。

対応判断:

・設置から間もない → 施工業者へ連絡
・長年使用 → メーカーまたは専門業者へ相談

壁内部の湿気はカビや構造材劣化につながるため、放置は避けるべき症状です。


本体の底からにじむ

本体の底面からポタポタ落ちる場合は、本体内部で水があふれている状態です。

可能性:

・ドレンパンの割れ
・ドレンホースの接続不良
・内部詰まりによる逆流
・極端な結露量増加

判断ポイント:

・冷房停止後も漏れ続けるか
・水量が多いか少量か
・使用年数が10年以上か

ドレンパンは樹脂部品のため、経年でひび割れが起きることがあります。
この場合は部品交換になりますが、古い機種では部品供給が終了していることもあります。

特に、

・購入から10年以上経過
・他にも効きが悪い症状がある

場合は、修理費と本体交換費の比較検討が現実的です。


吹き出し口からポタポタ落ちる

吹き出し口から水が落ちる場合、水が正常な排水ルートを通らず、風に乗って飛散している状態です。

主因は内部汚れです。

・フィルターの目詰まり
・アルミフィンの汚れ
・送風経路のカビ付着

空気の流れが悪いと、冷却部で過剰結露が発生し、水滴が吹き出し口から飛び出します。

確認手順:

・フィルターを外してホコリ量を確認
・軽く掃除して再運転
・送風運転で乾燥

改善しない場合は内部洗浄が必要です。
ただし市販スプレーの過剰使用は逆に詰まりを悪化させることもあります。

吹き出し口からの水漏れは「汚れのサイン」と考えてよいケースが多いです。


室外機の近くが濡れている

室外機付近の地面が濡れているだけであれば、これは正常な排水です。

冷房運転中は必ず結露水が発生します。
ドレンホースから水が流れているのは正常動作の証拠です。

むしろ注意すべきは、

・冷房中なのに水がまったく出ていない
・以前より水量が極端に減った

といったケースです。

水が出ない=内部に滞留している可能性があるため、排水状況の確認が重要です。


エアコンから水が垂れたときの応急処置

エアコン本体の吹き出し口下から水が垂れ、壁紙に水染みが広がっている様子

水漏れが発生したときに最も優先すべきなのは、「原因追及」ではなく二次被害の防止です。
床材の変色、家電の故障、感電リスクなど、放置すると被害は広がります。

焦って分解するのではなく、まずは安全を確保し、水の流れを止めることが基本です。

応急処置の流れ

① リモコンで停止
冷房運転を止めます。
結露水の発生源を止めることで、漏水量の増加を防ぎます。

② コンセントを抜く
停止後も内部には電気が通っています。
必ず電源プラグを抜き、通電を遮断します。

※コンセント付近が濡れている場合は直接触れないでください。
必ず分電盤のブレーカーを落としてから対応します。

③ 床・壁の保護
・タオルや雑巾で拭き取り
・家電や家具を移動
・必要であればビニールシートで養生

フローリングは水分で反り返ることがあります。
吸水後は扇風機や除湿で乾燥させます。

④ ドレンホースの確認
屋外へ出てホースの排水状況を確認します。

・水が出ているか
・先端が塞がれていないか
・折れ曲がっていないか
・排出口が上向きになっていないか

水が出ていない場合は詰まりの可能性が高いです。

⑤ 軽度詰まりの確認
見える範囲でゴミがあれば除去します。
虫よけキャップを使用している場合は内部清掃を行います。

ここまでで改善するケースは少なくありません。


応急処置で「やってはいけないこと」

・水漏れ中に運転を続ける
・本体カバーを無理に外す
・スプレー洗浄剤を大量噴射する
・濡れたままコンセントに触る

特に内部洗浄スプレーは、かえってドレン経路に汚れを押し込むことがあります。


触っていい範囲・触らない方がいい範囲

水漏れ時に迷いやすいのが、「どこまで自分で触ってよいのか」です。
判断基準は“工具が必要かどうか”です。

自分で対応可能な範囲

・フィルター清掃
・ルーバー(風向板)の軽い拭き取り
・ホース先端の目視確認
・排出口付近のゴミ除去
・ホースの折れ直し

これらは本体構造に影響しない作業です。

フィルター清掃の目安:

・ホコリが全面を覆っている
・光にかざして透けない

月1回程度の清掃が理想です。


原則触らない方がよい範囲

・前面パネル内部の分解
・アルミフィンの強いブラッシング
・ドレンパンの取り外し
・電装基板周辺
・冷媒配管接続部

アルミフィンは非常に薄く、変形すると冷却効率が低下します。
電装部は感電やショートの危険があります。

また、分解作業はメーカー保証の対象外になる場合があります。


応急処置後に確認すべきこと

・冷房再開後にホースから水が出ているか
・漏れが再発しないか
・壁や床に残留水がないか

水漏れは「止まったから安心」ではありません。
排水経路が正常に戻ったかを必ず確認してください。


水漏れ時は、原因を追う前に安全確保と排水確認。
触れる範囲を見極めることが、余計な修理費を防ぐ第一歩です。


修理か様子見かの判断基準

腕を組みながら顎に手を当て、考え込んでいる男性の上半身イメージ

水漏れが止まったあとに迷うのが、「もう一度様子を見ていいのか」「すぐに修理を依頼すべきか」という判断です。
ここを誤ると、無駄な修理費が発生したり、逆に被害を広げてしまったりします。

判断の軸は次の3つです。

・再発性(また起きるか)
・水量(軽度か大量か)
・使用年数(内部劣化の可能性)

単発トラブルか、構造的な不具合かを見極めることが重要です。


様子見できるケース

以下に当てはまる場合は、すぐに修理を呼ばなくても問題ない可能性が高いです。

・ドレンホースの詰まりを解消した後、漏れが止まった
・フィルター清掃後に症状が出なくなった
・冷房中、室外排水がしっかり出ている
・水量が少量で一時的だった

これらは排水経路の軽度トラブルであることが多く、構造的な故障とは限りません。

確認ポイント:

・冷房再開後30分以上経過しても漏れないか
・翌日も同様に問題ないか
・水量が増えていないか

2〜3日安定していれば、経過観察で問題ないケースがほとんどです。


修理を検討すべきケース

次のような症状は、内部部品の劣化や構造的な問題の可能性が高くなります。

・停止しても水がしばらく流れ続ける
・水量が多く床に溜まる
・本体内部から「ボコボコ」「チャプチャプ」と音がする
・壁紙に染みが広がる
・毎年同じ時期に発生する

内部音がする場合、ドレンパン内で水が滞留している可能性があります。
これは単なる詰まり以上の問題を示すことがあります。

また、壁紙に染みが出ている場合は、壁内部に水が回っている可能性があります。
この場合は早期対応が必要です。


使用年数による判断

購入から10年以上経過している場合は、少し判断が変わります。

理由:

・ドレンパンの劣化
・ホースの硬化
・内部樹脂部品のひび割れ
・部品供給終了の可能性

一般的に家庭用エアコンの設計寿命は10年前後とされます。
メーカーによっては補修用部品の保有期間が終了している場合もあります。

この場合、

・修理費が高額になる
・修理しても他の部品が近い将来故障する

というリスクがあります。

修理費が本体価格の半分以上になるなら、買い替え検討が現実的です。


判断を整理すると

様子見でよい可能性が高いのは、

・軽度の詰まり
・清掃で改善
・再発しない

修理を前提に考えるべきなのは、

・水量が多い
・壁側から漏れる
・内部音がする
・10年以上使用

水漏れは“量”よりも“再発性”が重要です。
一度止まっても繰り返す場合は、内部構造の問題が隠れている可能性があります。

迷った場合は、使用年数と再発頻度を基準に判断すると無駄がありません。

よくある質問

冷房だけでなく除湿でも水が出る?
出ます。除湿も空気を冷やして湿気を取り除くため、冷房と同じように結露水が発生しドレンホースから排水されます。

暖房で水が出ることはある?
室内機から水が垂れることは通常ありませんが、霜取り運転中は室外機から水が出ることがあります。

ドレンホース用ポンプは必要?
外のホースより水が出ない場合はまずドレンポンプにて吸引することをおすすめします。

水漏れ後、そのまま使っても大丈夫?
詰まり解消後に再発しなければ使用可能ですが、水量が多い場合や繰り返す場合は点検が必要です。

古いエアコンは水漏れしやすい?
使用年数が長いほど内部部品が劣化しやすく、10年以上経過している機種では水漏れリスクが高まります。

まとめ:水漏れは“排水トラブル”と捉えるのが正しい判断です

室内の壁上部に設置された一般的な壁掛けエアコン本体の写真

エアコンから水が垂れる原因の多くは、

・ドレンホースの詰まり
・内部汚れによる結露増加
・施工時の排水勾配不良

この3つに集約されます。

水漏れ=故障と決めつける必要はありません。
まず確認すべきは「水が外へ正常に流れているかどうか」です。

冷房や除湿では必ず結露水が発生します。
本来はドレンホースを通って屋外へ排出されるものが、途中で滞ることで室内に現れます。

対応の基本は次の順番です。

・運転停止と安全確保
・ドレンホースの排水確認
・ドレンポンプにて吸引
・フィルター清掃
・再発の有無を確認

ここまでで改善するケースは少なくありません。

一方で、

・水量が多い
・壁側から漏れる
・何度も繰り返す
・10年以上使用している

といった場合は、内部劣化や構造的な問題の可能性があります。

無理な分解や自己判断による作業は、かえって修理費を増やすこともあります。
触ってよい範囲を見極め、それでも改善しなければ専門業者へ相談する。

それが結果的に被害を最小限に抑え、余計な出費を防ぐ最も合理的な判断です。

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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