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カセットコンロが点かない原因は?まず確認すべきポイントと安全な対処方法

カセットコンロのバーナー部分を上から見た構造。五徳と中央のバーナーリングが確認できる状態。
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

鍋料理や非常時の備えとして活躍するカセットコンロ。
いざ使おうとしたときに「火が点かない」と焦った経験はないでしょうか。

カセットコンロが点かない原因は、故障とは限りません。
ボンベのセット不良や気温の影響、安全装置の作動など、使用環境によるケースが多く見られます。

この記事では、
・まず確認すべき基本ポイント
・火が点かない主な原因
・自分で対処できる範囲と使用中止の判断基準
を整理します。

無理に点火を繰り返すと、ガス漏れや事故につながる可能性もあります。
安全を最優先に、順番に確認していきましょう。


目次

まず確認すること(故障と決めつける前に)

カセットガスボンベの装着可否を示す比較画像。上段が正しい装着(〇)、下段が不完全な装着(×)を示している。

最初に確認すべきなのは、基本的なセット状態です。
意外と多いのが「ボンベの装着ミス」です。

ボンベが空になっていないか

・ボンベを軽く振る
・液体の揺れる音がするか確認
・新品でも長期保管品は残量不足の可能性あり

ガスが出なければ当然点火できません。
「シュー」という音がしない場合は、まず残量を疑います。


ボンベが正しくセットされているか

・凹部と凸部が合っているか
・レバーを下げたときにカチッと固定されたか
・つまみが「消」位置になっているか

つまみが「消」以外の位置だと、安全機構によりボンベが装着できない機種もあります。


ガスが出ていないケース

カセットコンロに正しく装着されたカセットガスボンベの接続部分。ボンベが内部に収まっている状態。

つまみを回しても「シュー」という音がしない場合、ガスが出ていない可能性があります。

ガス噴出口の詰まり

吹きこぼれや油汚れが、ガス噴出口を塞ぐことがあります。

【対処方法】
・ボンベを外す
・歯ブラシなどで軽く清掃
・乾いた布で拭き取る

※水洗いはしないでください。内部に水分が入ると不具合の原因になります。


ガスは出ているが点火しないケース

カセットコンロ全体の上面構造と、横に置かれたカセットガスボンベ。五徳とバーナーが見える状態。

「シュー」という音はするが火花が飛ばない、または点かない場合。

点火部分(電極)の汚れ

点火電極に汚れが付着すると、火花が飛びにくくなります。

【確認ポイント】
・火花が見えるか
・電極が曲がっていないか
・焦げ付きがないか

【対処方法】
・乾いた歯ブラシで軽く清掃
・電極は絶対に曲げない

無理に触ると破損します。


安全装置が作動している

カセットコンロ内部の圧力調整部とリセットレバーの位置を示す画像。赤い矢印でレバー方向を表示。

多くのカセットコンロには、過熱防止装置が付いています。

以下の条件で作動することがあります。

・大きすぎる鍋を使用
・ボンベ部分を覆う鍋底
・蓄熱性の高い鉄板使用

ボンベ温度が上がると、自動的にガス供給が止まります。

【対処方法】
・ボンベを外して常温に戻す
・リセットボタンを押す(機種による)

※ボンベを加熱してはいけません。また機種によってリセットボタンの位置などが異なるので、必ず取扱説明書を確認した上で行いましょう。


気温が低い場合

屋外や暖房のない場所で使用していると、つまみを回しても火が安定しない、あるいはまったく点かないことがあります。
これはボンベ内部のガスがうまく気化できていない状態です。

カセットボンベに使われているブタンガスは、温度が下がると気化しにくくなります。
目安として、気温が約5℃を下回る環境では燃焼が弱くなりやすく、炎が立ちにくい・途中で消えるといった症状が出ることがあります。

特に起こりやすい条件は次のとおりです。

・屋外での使用
・風が当たる場所
・地面が冷えているベランダやキャンプ場
・長時間連続使用でボンベが冷えた状態

ボンベは使用中にも気化熱で冷えます。
外気温が低いと、そのままガスが出にくくなります。

安全にできる対処は次の2点です。

・両手で包み込み、体温でゆっくり温める
・いったん室内に戻し、常温に戻してから再使用する

重要なのは「急激に温めない」ことです。
ストーブの前に置く、直火であぶる、熱湯につけるといった行為は厳禁です。
内部圧力が急上昇し、重大事故につながる危険があります。


電池切れの可能性

最近のカセットコンロには、電池式の自動点火タイプがあります。
ガスは出ているのに火花が飛ばない場合は、まず電池を疑います。

確認ポイントは次のとおりです。

・つまみを回しても「カチカチ音」がしない
・火花が見えない
・以前より点火が弱い

この症状であれば、ガス系統ではなく点火装置側の問題です。

対処は単純で、電池交換を行うだけです。
単一電池または単二電池を使用する機種が多いため、説明書で確認してください。

長期間保管していた場合は、液漏れによる接点不良も起こります。
電池交換しても改善しない場合は、接点の腐食がないかも確認が必要です。


それでも点かない場合の判断基準

カセットガスボンベが複数本、赤いキャップ付きで整然と並べられている様子。日本製表示のあるオレンジ色ラベルのガス缶。

ここまで確認しても改善しない場合は、無理に使い続けないことが重要です。

特に次の状態は使用中止のサインです。

・ガス臭が強い
・ボンベが異常に冷たくなる
・ボンベが膨らんでいる
・何度も点火操作を繰り返している

ガス臭がある状態で再点火を続けると、引火事故の危険があります。
また、膨らんだボンベは内部圧力異常の可能性があるため、絶対に使用しないでください。

「点かない=とりあえず何度も回す」という行動が一番危険です。
異常を感じたら、必ず一度ボンベを外し、換気をしてから状態を確認してください。


修理か買い替えかの目安

カセットコンロは構造が比較的シンプルな機器ですが、消耗品ではありません。
長年使用している場合、内部部品の劣化が進んでいる可能性があります。

一般的な使用目安は5〜10年程度です。
ただし、保管環境や使用頻度により前後します。

買い替えを検討すべき目安は次のとおりです。

・10年以上使用している
・点火トラブルが繰り返し起きる
・安全装置が頻繁に作動する
・本体の変形や腐食が見られる

修理対応が難しい製品も多いため、一定年数を超えた場合は無理に使い続けず、新品への交換が安全です。

カセットコンロは「使えるかどうか」よりも「安全に使えるかどうか」で判断することが大切です。


FAQ

Q1. カセットコンロからガスの音がしないのは故障ですか?
ガスの残量不足やボンベのセット不良、噴出口の詰まりが原因の可能性があります。まずはボンベの装着状態と残量を確認してください。

Q2. ガスの音はするのに火が点かないのはなぜですか?
点火電極の汚れや電池切れが考えられます。火花が出ているかを確認し、必要であれば清掃や電池交換を行ってください。

Q3. 寒い屋外で使うと点かないのは故障ですか?
低温下ではガスが気化しにくくなるため、炎が立ちにくくなることがあります。常温に戻してから使用してください。直火で温めるのは危険です。

Q4. 何度も点火しても問題ありませんか?
おすすめできません。ガスだけが放出されている状態で着火すると引火の危険があります。点かない場合はいったん操作を止め、換気を行ってください。

Q5. 何年くらい使ったら買い替えを検討すべきですか?
使用状況にもよりますが、10年以上経過している場合や点火トラブルが頻発する場合は、安全面を考慮して買い替えを検討することが望ましいです。

まとめ:焦らず順番に確認することが最優先

カセットコンロ内部のガス接続部を指で示している様子。ボンベ装着部の金属バルブ構造の拡大写真。

カセットコンロが点かないと、つい本体の故障を疑いがちですが、実際には基本的な要因が原因になっていることがほとんどです。

代表的なのは次の4つです。

・ボンベのセット不良
・吹きこぼれなどによる汚れ
・安全装置の作動
・気温低下によるガスの気化不良

いきなり分解や強引な操作をする必要はありません。
確認の軸はシンプルです。

まず「ガスは出ているか」。
つまみを回したときにシューという音やガス臭があるかどうか。

次に「火花は出ているか」。
点火音や火花の有無を目視で確認します。

この2点を切り分けるだけで、
ガス側の問題なのか、点火装置側の問題なのかが見えてきます。

反対に危険なのは、火が点かない状態で何度も操作を繰り返すことです。

ガスだけが充満した状態で着火すると、思わぬ引火事故につながる可能性があります。
少しでも異常を感じたら、いったんボンベを外し、十分に換気を行ってください。

カセットコンロは便利な器具ですが、可燃性ガスを扱う機器です。
「使えるか」よりも「安全に使えるか」を基準に判断することが大切です。

焦らず、順番に確認する。それが一番確実で、安全な対応です。

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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