石油ファンヒーターを使っていると、特に使用頻度が高くなる時期ほど、
「特別な操作をしたわけでもないのに、急に止まった」
「昨日まで普通に使えていたのに、今日はエラーが出る」
といった予期しないトラブルに直面することがあります。
その中でも比較的多く見られるのが、運転中または着火直後に表示される「E1」というエラーです。
表示と同時に運転が停止し、再度スイッチを入れても改善しないため、故障を疑うきっかけになりやすいエラーと言えるでしょう。
特にコロナ製の石油ファンヒーターでは、E1はユーザーからの相談が多いエラーのひとつです。
使用年数が浅い機器でも発生することがあり、「寿命にはまだ早いはず」と感じる人ほど混乱しやすい傾向があります。
E1が表示されると、
「灯油は十分に入っているのに点かない」
「一瞬だけ着火するが、すぐに止まってしまう」
といった症状が出やすく、単なる灯油切れや操作ミスではないことに気づくケースも多いでしょう。
このE1は、単なる一時的な誤作動ではありません。
ファンヒーター内部で燃焼が正常に行われているかを確認できなかったときに作動する、安全制御による停止です。
機器が自ら危険を察知し、「このまま使い続けるのは安全ではない」と判断した結果、運転を止めています。
そのため、E1を無視して何度も点火を繰り返したり、だましだまし使い続けたりすると、別のエラー表示や部品の深刻な劣化につながる可能性があります。
E1は「様子を見れば直るかもしれないエラー」ではなく、一度立ち止まって原因を整理すべきサインとして捉えることが重要ですので確認していきましょう。
E1エラーの意味|炎の状態が確認できない(疑似火炎)

(コロナ公式HPより:石油ファンヒーター|エラーサイン一覧)
コロナ公式の説明では、E1は
「炎の状態が確認できなかった(疑似火炎)」
とされています。
ファンヒーターは、着火後に
- 本当に炎が立ち上がっているか
- 異常燃焼ではないか
を内部センサーで常に監視しています。
このとき重要な役割を持つのが、フレームロッドと呼ばれる消耗部品です。
フレームロッドは、炎に触れることで微弱な電流を検知し、「燃えている」ことを判断しています。
E1が出るということは、実際に炎があっても、機械側が「燃えていない」と判断している状態です。
主な原因① フレームロッドの劣化・煤(すす)付着

E1で最も多い原因が、フレームロッドの汚れや劣化です。
特に多い流れは次の通りです。
- 背面の燃焼用空気フィルターが汚れている
- 空気不足で不完全燃焼になる
- 煤が発生する
- 煤がフレームロッドに付着
- 微弱電流が正しく流れず、漏電扱いになる
- E1で安全停止
一時的に本体を揺らしたり、時間を空けると着火することがありますが、
それは煤が一部落ちただけの状態です。
内部のバーナー周りには煤が固着しているため、
再び赤っぽい炎(赤長炎)になりやすく、
最終的には EF・EHなどの過熱系エラーに進行するケースも少なくありません。
主な原因② 電気系統(制御基板・回路)の不具合
E1は「電気系統の故障」として扱われることもあります。
- フレームロッド回路の異常
- 制御基板の劣化
- 微弱漏電を検知して停止
この場合、清掃やリセットでは改善しません。
修理内容としては、基板交換やオーバーホール修理になることが多いです。
実際の修理例では、
- 修理費用:約8,000〜10,000円前後
- 見積もり期間:3〜4日
- 修理日数:1週間〜10日程度
というケースが一般的です。
E1が出たときに「やっていいこと」と「やってはいけないこと」

E1エラーが表示された場合、つい「自分で何とか直せないか」と考えてしまいがちですが、
石油ファンヒーターはメーカーがユーザー対応の範囲を明確に限定している機器です。
特にE1は、燃焼状態や電気系統の異常検知が関わるため、
使用者が分解・調整することを前提としていません。
メーカーが想定しているユーザー確認範囲
**コロナの取扱説明やサポート情報を見ると、
E1発生時にユーザーが確認できるのは、基本的に次の範囲までに限られています。
- 灯油が古くなっていないか(長期保管・前年の持ち越し灯油ではないか)
- 燃焼用空気フィルターが目詰まりしていないか
- フィルターを取り外して清掃し、再起動して改善するか
ここまでは、工具を使わず・分解を伴わない範囲であり、メーカーも想定している確認項目です。
メーカーが明確に推奨していない行為
一方で、次の行為はメーカーが推奨していません。
- 本体カバーを外して内部に手を入れる
- フレームロッドやバーナー部を直接清掃・調整する
- 配線やセンサー部に触れる
- エラーが出た状態で点火を繰り返す
フレームロッドは炎を検知するための電気部品であり、
不用意に触れると感電・部品破損・誤検知の原因になります。
また、分解痕がある場合、修理受付自体を断られるケースもあります。
「一度点いた」は正常復帰ではない
E1発生後に、
「時間を空けたら点いた」
「本体を動かしたら着火した」
というケースもありますが、これは正常に戻ったわけではありません。
煤の一部が落ちただけで、
- 不完全燃焼
- 炎検知の不安定化
- 過熱エラー(EF・EH)への移行
といった状態が進行している可能性があります。
E1は、
「今はたまたま点いた」ではなく、「このまま使うのは安全ではない」
と機器が判断した結果の停止です。
E1が出た時点での正しい判断
E1が出た時点で重要なのは、「どこまで自分で確認できるか」ではなく、「どこから先は触ってはいけないかを理解すること」です。
フィルター清掃で改善しない場合は、それ以上の自己対応は行わず、修理・点検・買い替えを前提に判断することが、結果的に安全面でも費用面でも無駄を防ぐ選択になります。
修理か買い替えかを判断する現実的な基準

E1エラーが出たとき、多くの人が悩むのが
「修理して使い続けるべきか、それとも買い替えるべきか」
という判断です。
石油ファンヒーターは構造上、燃焼部・電装部・安全装置が密接に関わる機器のため、E1の原因によっては修理費用が割高になりやすい傾向があります。
感覚ではなく、いくつかの客観的な基準で考えることが重要です。
買い替えを検討したほうが現実的なケース
次の条件に複数当てはまる場合は、修理より買い替えを検討したほうが現実的です。
- 使用年数が7年以上経過している
- 過去にEF・EHなど、燃焼や過熱系のエラー履歴がある
- フレームロッドや制御基板の交換が必要と診断された
- 見積もり金額が新品価格に近い、または半額を超える
石油ファンヒーターは年式が進むほど、
他の消耗部品も同時に劣化している可能性が高くなります。
一部を修理しても、短期間で別の不具合が出るケースは珍しくありません。
また、E1が出ている時点で、燃焼系の状態はすでに正常とは言えず、
安全装置が頻繁に介入するようになります。
この状態での延命修理は、結果的にコストと手間がかさむことがあります。
修理を検討してもよいケース
一方で、次のような条件であれば、修理を選択する価値はあります。
- 使用年数が浅く、比較的新しい機種である
- メーカー保証期間内、または延長保証に加入している
- 明らかに燃焼用空気フィルターの清掃不足など、メンテナンス起因と考えられる
- 修理内容が部品交換を伴わない軽微な調整で済む
特に保証期間内であれば、
自己判断せず、購入店やメーカーサポートに相談するのが最優先です。
無理に使い続けたり、自分で分解したりすると、
本来受けられたはずの保証が無効になる可能性もあります。
判断に迷ったときの考え方
判断に迷った場合は、
「直るかどうか」ではなく、
「この先も安心して使い続けられる状態かどうか」
という視点で考えることが大切です。
E1は偶然出る表示ではなく、
燃焼と安全のバランスが崩れているサインです。
短期的な修理費だけでなく、
安全性・再発リスク・使用年数を含めて総合的に判断することで、
後悔の少ない選択につながります。
FAQ(よくある質問)
Q1. E1が出ても、一度消して入れ直せば使っていいですか?
いいえ、推奨されません。E1は燃焼状態や電気系統に異常の可能性があることを示す安全停止です。一時的に点火しても正常復帰ではなく、再発や別エラーにつながる恐れがあります。
Q2. フィルター清掃で直らない場合、分解して掃除してもいいですか?
おすすめできません。内部のフレームロッドや配線部は、コロナがユーザー対応を想定していない領域です。感電・破損・修理不可の原因になる可能性があります。
Q3. E1は灯油切れや古い灯油が原因ですか?
灯油切れが直接の原因になることは多くありません。ただし、劣化した灯油や不純物の多い灯油は不完全燃焼を招き、結果的にE1につながることはあります。
Q4. 修理費はいくらくらいかかりますか?
症状にもよりますが、フレームロッドや制御基板が関係する場合、8,000〜10,000円前後になることが一般的です。見積もりに数日、修理に1週間以上かかるケースもあります。
Q5. E1が出たら必ず買い替えが必要ですか?
必ずしもそうではありません。使用年数が浅く、保証期間内であれば修理対応が現実的な場合もあります。一方、年数が経過している場合は買い替えのほうが安全・経済的なケースも多くなります。
まとめ:E1は「様子見」で済ませてはいけないエラー

コロナの石油ファンヒーターで表示されるE1は、一時的な誤作動や気まぐれな停止ではありません。
E1は、
- 炎の状態を正しく検知できなかった
- 不完全燃焼や炎検知系の異常が関与している
- 電気系統の保護動作が働いている
といった、安全装置が作動する条件がそろった結果として表示されます。
そのため、
「一度点いたから大丈夫そう」
「たまに出るだけだから使い続けよう」
という判断は、機器の状態をさらに悪化させる原因になります。
E1が出た時点で重要なのは、原因を自己判断で深追いしないこと、そして無理に復旧させようとしないことです。
清掃や基本確認で改善しない場合は、それ以上の使用は控え、修理・点検・買い替えを前提に冷静に判断することが、結果的に安全面でもコスト面でもリスクを抑える選択になります。
E1は、「今すぐ危険」という表示ではなく、「このまま使い続けるのは安全ではない」という警告です。
そのサインを正しく受け取り、「様子を見る」のではなく「立ち止まる」ことが、石油ファンヒーターを安全に使い続けるための、最も確実な対応と言えるでしょう。

