コロナ製の石油ファンヒーターを使用していると、運転中に突然停止し、表示部に 「E4」 と出て驚いた経験がある方も多いのではないでしょうか。
特に、部屋が十分に暖まる前や、使用中に何の前触れもなく止まると、「いきなり壊れたのでは」「このまま使い続けても大丈夫なのか」と強い不安を感じやすくなります。
暖房機器は生活に直結する設備のため、エラー表示が出ると、修理や買い替えをすぐに考えてしまう方も少なくありません。
一方で、実際には簡単な確認や清掃で改善するケースもあり、原因を正しく把握しないまま判断してしまうと、不要な出費や不安につながることもあります。
結論からお伝えすると、E4は故障だけを意味するエラーではありません。
ただし、「一時的な不具合だから問題ない」と放置してよい表示でもなく、途中失火という燃焼異常を検知した、安全上重要なエラーであることも事実です。
そのため、表示の意味を正しく理解し、原因を切り分けて対応することが重要になります。
この記事では、コロナ公式情報をもとに、E4エラーが示す内容、起きやすい原因、使用者自身で確認できるポイント、そして修理や点検を検討すべき判断基準までを、初めてE4を見た方にもわかりやすく整理して解説します。
エラーE4の意味｜「運転中に炎が消えた」ことを知らせる安全停止
コロナのファンヒーターで表示される E4エラーは、メーカー定義では次の状態を示しています。
運転中に炎が消えた（途中失火）
つまり、点火自体はできていたものの、燃焼が途中で維持できなくなったことを本体が検知し、安全のために停止した状態です。
これは「異常燃焼」や「不完全燃焼」を防ぐための、安全装置が正しく働いた結果でもあります。
E4が出る主な原因｜もっとも多いのは給気不足
E4エラーの原因は複数考えられますが、メーカーが公式に案内しているもっとも多い要因は次の点です。
背面の給気フィルターのホコリ詰まり
コロナのファンヒーターは、背面から空気を取り込み、燃焼に必要な酸素を確保しています。この給気フィルターにホコリが溜まると、十分な空気が取り込めず、燃焼が不安定になります。
その結果、
- 炎が小さくなる
- 燃焼が維持できなくなる
- センサーが異常を検知しE4を表示
という流れで停止します。
実際、シーズン中に一度もフィルター掃除をしていない場合は、このケースが非常に多く見られます。
使用者自身で確認できるポイント｜まずはここをチェック
E4が表示された場合、いきなり修理を依頼する前に、自分で安全に確認できる点があります。
給気フィルターの状態を確認する
- 必ず運転を停止し、本体が冷えた状態にする
- 背面の給気フィルターを取り外す
- ホコリが詰まっていないか確認する
ホコリが付着している場合は、
- 掃除機で吸い取る
- 乾いたブラシで軽く落とす
といった方法で清掃してください。
※水洗いは、機種によって不可の場合があるため注意が必要です。
清掃後に再運転し、E4が表示されず安定して燃焼する場合は、修理不要で改善したと判断できます。
フィルター掃除で直らない場合｜点検・修理が必要なサイン
給気フィルターを清掃しても、次のような状態が続く場合は、内部トラブルの可能性が高くなります。
- すぐに再びE4が出る
- 点火しても数分で停止する
- 異音や異臭を伴う
- 使用年数が長い（目安として8〜10年以上）
この場合、燃焼系部品・センサー・送風系統など、内部部品の劣化や不具合が疑われます。
メーカー公式でも、給気フィルター以外が原因の場合は、
点検または修理が必要です。販売店様かコロナサービスセンターに連絡してください。
と案内されています。
無理に使い続けると、燃焼不良や安全装置の誤作動につながるため、使用を中止して相談することが重要です。
E4は「だましだまし使う」エラーではない
E4は一時的なホコリ詰まりで解消するケースもありますが、根本原因が残ったまま使用を続けるべきエラーではありません。
特に、
- 何度も繰り返し出る
- 清掃しても改善しない
といった場合は、「まだ動くから大丈夫」と判断せず、安全優先で点検・修理を検討することが結果的に安心につながります。
また繰り返しE4が発生しているとHHエラーとなり、最終的にロックがかかってしまい、メーカーや専門業者を呼ぶ手間が発生してしまいますので十分に注意しましょう。
よくある質問（FAQ）
Q1. コロナのファンヒーターでE4が出たら故障ですか？
A. 必ずしも故障とは限りません。給気フィルターのホコリ詰まりが原因の場合は、清掃で改善することがあります。
Q2. フィルター掃除をしてもE4が消えません。使い続けても大丈夫ですか？
A. おすすめできません。内部不具合の可能性があるため、使用を中止し点検を依頼してください。
Q3. E4が出たあと、電源を入れ直しても問題ありませんか？
A. 一時的に復旧しても、根本原因が解消されていない場合は再発します。原因確認が重要です。
Q4. 使用年数が長いとE4は出やすくなりますか？
A. はい。燃焼部品やセンサーの経年劣化により、途中失火が起きやすくなります。
Q5. 修理と買い替え、どちらを検討すべきですか？
A. 使用年数や修理費用によります。10年前後使用している場合は、交換を検討するケースも多くなります。
まとめ：E4は「原因の切り分け」が重要な安全エラー
（参照：コロナ公式HPより 石油ファンヒーター WZシリーズ）
コロナファンヒーターのE4エラーは、運転中に炎が消えたことを検知して停止する安全表示です。
突然止まると故障を疑いがちですが、必ずしも本体不良とは限らず、給気不足など使用環境に起因するケースも少なくありません。
まず行うべきなのは、背面の給気フィルターの状態確認と清掃です。
ここで改善する場合は、一時的な要因による途中失火だった可能性が高く、過度に心配する必要はありません。一方で、清掃後もE4が繰り返し表示される場合や、点火してもすぐ停止する状態が続く場合は、内部部品の劣化や燃焼系トラブルが疑われます。
E4は「動くから使っても大丈夫」という種類の表示ではなく、安全装置が働いた結果として出ているサインです。無理に使い続けると、燃焼状態の悪化や別のエラーにつながるおそれもあります。
重要なのは、
- フィルター清掃で改善する一時的なトラブルなのか
- 点検や修理が必要な内部不具合なのか
この2点を正しく切り分けることです。
原因を見極めたうえで適切に対応することで、不要な修理を避けつつ、安心して暖房を使い続けることができますので、E4エラーが発生した時はぜひご参考ください。
