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コロナファンヒーターのエラー「E5」とは?原因・修理内容・直らないケースまで詳しく解説

コロナ製ファンヒーターの液晶画面にE5の表示が出ており使用できない様子
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

石油ファンヒーターを使っていて、運転中や起動時に突然「E5」という表示が出ると、多くの方が「壊れたのでは?」「修理が必要なのか」「買い替えた方がいいのか」と不安になるのではないでしょうか。
特に寒い時期に限ってエラーが出ると、暖房が使えないこと自体が大きなストレスになります。

数あるエラー表示の中でも、E5は「リセットすれば直る」「一時的な表示だろう」と自己判断しやすい一方で、実際には使用者側で簡単に対処できないケースがほとんどという、やや厄介なエラーです。
とくにコロナ製の石油ファンヒーターでは、E5は安全装置が明確な異常を検知した結果として表示されるため、放置や誤った対応はおすすめできません。

E5は単なる一時的な誤作動ではなく、燃焼の中枢に関わる部品に異常の可能性があることを示す警告表示です。
フィルター清掃や灯油の入れ替えといった日常的なメンテナンスでは改善しないことも多く、「直らない=即故障」と決めつけるのも、「そのまま使い続ける」のも、どちらもリスクがあります。

この記事では、メーカー公式の案内内容に加え、実際の修理現場で多く見られる原因や傾向をもとに、

  • E5エラーの正確な意味
  • どの部品が関係している可能性が高いのか
  • 修理すべきか、やめた方がいいかの判断基準

を整理して解説します。
「まず何を知っておくべきか」を把握することで、無駄な出費や判断ミスを防ぐことができるでしょう。

コロナ公式HP:修理・アフターサービスに関するお問い合わせ先はこちら


目次

コロナファンヒーターのE5エラーの意味

コロナ製ファンヒーターの液晶画面にE5の表示が出ており使用できない様子。修理が必要。

コロナ公式の案内では、E5エラーは次のように定義されています。

E5:気化器ヒーター関係の故障
点検または修理が必要。販売店またはコロナサービスセンターへ連絡。

ここでいう「気化器」とは、灯油を霧状・気体状にして安定した燃焼を行うための重要部位です。
E5はこの気化器周辺の温度・燃焼状態が正常ではないと機器が判断した際に出る、安全停止エラーです。

そのため、

  • フィルター清掃
  • 灯油の入れ替え
  • コンセントの抜き差し

といった一般的な対処では、ほぼ改善しません


実際に多いE5エラーの原因

コロナ製ファンヒーター用の気化筒

修理現場で最も多く確認されるE5の原因は、次の部品に集中しています。

ポットサーミスタの不良

E5エラーの大半の原因とされるのが、バーナー下部に設置されている「ポットサーミスタ」の故障です。

ポットサーミスタは、

  • 燃焼温度
  • 気化状態

を監視するセンサー部品で、ここが正常に検知できなくなると、安全装置が作動してE5を表示します。

この部品は

  • 清掃
  • 調整
  • リセット

では改善せず、交換以外に修復方法がありません


気化筒の経年劣化・変形

コロナ製ファンヒーター用の気化筒。大きく劣化している状況

ポットサーミスタ単体の交換で済まないケースも少なくありません。
その代表例が、気化筒の変形です。

気化筒は長年の使用によって、

  • 熱による歪み
  • 金属疲労

が起きやすい部品です。
変形が起きると、本来内部に留まるはずの熱が外に漏れ、

  • ポットサーミスタが異常高温を検知
  • 交換してもすぐ再発

という悪循環に陥ります。

この場合、ポットサーミスタと気化筒の同時交換が必要になり、修理費用は一気に高くなります。
また気化筒に関しても型式で部品が決まっているので、自身で修理する場合は自己責任の上で選定し作業を行いましょう。


バーナー断熱材の再利用不可問題

コロナ製ファンヒーターの修理で特徴的なのが、バーナー断熱材の扱いです。

バーナー部を分解する際、この断熱材は

  • 崩れる
  • 割れる

ことが多く、基本的に再利用できません

断熱材を新品交換しないまま組み戻すと、

  • 熱漏れ
  • 灯油臭・燃焼臭

が発生し、結果として別のトラブルを引き起こします。


点火プラグ・フレームロッドの劣化

コロナ製ファンヒーターは、

  • 点火プラグ
  • フレームロッド

の劣化が比較的早く、研磨清掃では対応できないケースが多いのも特徴です。

他メーカーでは清掃で済む場面でも、コロナでは部品交換が前提になることが少なくありません。


修理すべきか、やめた方がいいかの判断基準

コロナ製ファンヒーターを修理しようとして分解した様子

E5エラーが出たとき、すべて修理すべきとは限りません。
特に次の状況では、修理を止めた方が良い判断になるケースが多いです。

  • 使用年数が8年以上
  • 分解時にバーナー断熱材が崩れている
  • 気化筒に明らかな変形が見られる
  • ポットサーミスタ+気化筒+断熱材の交換が必要

この条件が揃うと、部品点数が多くなり、修理費用が本体価格に近づくことがあります。

実際、現場では

「直せるけど、費用を考えるとおすすめできない」

という判断になることも珍しくありません。


E5エラーが出たときにやるべき正しい行動

E5が表示された場合、ユーザー自身でできることは限られています。

  • 無理に再起動を繰り返さない
  • 分解しない
  • 使用を中止する

その上で、

  • 購入店
  • メーカーサービス
  • 暖房機器専門業者

に点検を依頼し、修理内容と費用を聞いたうえで判断することが最も安全です。

コロナ公式HP:修理・アフターサービスに関するお問い合わせ先はこちら


FAQ(よくある質問)

Q1. コロナの石油ファンヒーターでE5が出たら故障ですか?
必ずしも「完全に壊れた」と断定はできませんが、E5はコロナが気化器ヒーター関係の異常を検知したことを示すエラーです。使用者側の簡単な操作や清掃で直るケースは少なく、点検や修理が必要になる可能性が高い表示です。

Q2. 電源を入れ直したりリセットすれば直りますか?
ほとんどの場合、改善しません。E5は一時的な誤作動ではなく、燃焼系の温度異常や部品不良を検知して出るエラーのため、再起動で消えても再発するケースが多いです。

Q3. 自分で分解して修理できますか?
おすすめできません。E5の主な原因はポットサーミスタや気化器関連部品で、分解時には断熱材の破損や再利用不可といったリスクもあります。誤った作業は臭い漏れや安全性低下につながります。

Q4. 修理費用はどのくらいかかりますか?
故障内容によりますが、ポットサーミスタ単体で済む場合と、気化筒や断熱材まで交換が必要な場合では大きく異なります。部品点数が増えると、本体価格に近づくこともあります。

Q5. どんな場合は修理をやめた方がいいですか?
使用年数が8年以上で、
・気化筒の変形
・複数部品の同時交換
が必要と判断された場合は、修理費用が高額になりやすく、買い替えの方が納得できるケースも多いです。

まとめ:E5は「簡単に直るエラー」ではない

コロナ製ファンヒーターのWZシリーズ。グッドデザイン賞も受賞。

コロナファンヒーターのE5エラーは、単なる表示エラーや一時的な不具合ではなく、燃焼の要となる気化器まわりに異常の可能性があることを示す安全停止表示です。
多くの場合、

  • 気化器ヒーター系の不具合
  • ポットサーミスタなど温度検知部品の故障
  • 経年劣化による部品変形や熱漏れ

といった、内部部品に起因する問題が関係しています。

そのため、フィルター清掃や灯油交換、電源の入れ直しといった一般的な対処で改善するケースは少なく、部品交換を前提とした点検・修理が必要になる可能性が高いエラーと言えます。
自己判断で使い続けたり、無理に再起動を繰り返したりすることは、症状の悪化や別のトラブルにつながる恐れもあります。

またE5が出たからといって、必ずしも「修理一択」ではありません。
重要なのは、
「修理できるかどうか」ではなく、「修理する価値があるかどうか」という視点です。

  • 使用年数はどのくらいか
  • 交換が必要な部品点数は多いか
  • 修理費用が本体価格に近づいていないか

これらを踏まえると、修理よりも買い替えを選んだ方が結果的に納得できるケースもあります。
逆に、原因が限定的で費用が抑えられるなら、修理によってまだ十分使える場合もあります。

E5エラーが出たときは、慌てて結論を出すのではなく、一度点検内容と費用の目安を確認し、その上で冷静に判断することが大切です。
状況を正しく知ることが、無駄な出費や後悔を防ぐ一番の近道と言えますので、特に使用年数が経過している場合は交換も視野に入れて検討してみてはいかがでしょうか?

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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