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コロナ ファンヒーターの「HH」とは?点滅・点灯の違いと解除前に必ず知るべき注意点

コロナ製ファンヒーターの液晶画面と操作パネル部。液晶にはHHと表示され使えない様子。
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

コロナ製の石油ファンヒーターを使用していると本体表示部に「HH」という表示が出て、運転できなくなることがあります。
ただこのHH表示はある日突然、何の前触れもなく出るものではありません
実際には、その前段階としてE4(途中失火)が何度も表示されていたにもかかわらず、原因を解消しないまま使用を続けた結果として出る表示です。

またHHは解除方法だけを知っても根本的な解決にはなりません。
なぜならHHは単独の故障エラーではなく、E4が繰り返し発生していることをファンヒーター自身が記録し、「このままでは安全に運転できない」と判断した結果として表示される状態表示だからです。

E4が出ていた時点で

  • 清掃をしていなかった
  • フィルターのほこり詰まりを放置していた
  • 一時的に使えたため問題視しなかった

といった状況が続くと、やがてHHへ進行します。
つまりHHは「急な故障」ではなく、E4を無視し続けた結果として出る最終段階の警告と考えるべき表示です。

また、HH表示には

  • 点滅しているHH
  • 点灯しているHH

の2種類があり、見た目は似ていても意味と状態の重さは大きく異なります。
この違いを理解しないまま使い続けると、症状はさらに進行し、最終的には運転スイッチを押しても反応しない完全な運転ロック状態となります。

一度ロック状態に入ると、家庭でできる対応には限界があります。
そのため、HHが表示された時点で「どうやって解除するか」ではなく、なぜE4を繰り返す状態になったのかを正しく整理することが、無駄な再発や不要な故障判断を防ぐうえで重要といえるでしょう。

コロナ公式HP:修理・アフターサービスに関するお問い合わせ先はこちら


目次

コロナ ファンヒーターの「HH」はエラーではなく“結果表示”

コロナ製ファンヒーター。液晶パネル部にHHと表示がされている。

まず押さえておきたいのは、HHは単独で発生するエラーではないという点です。
冒頭でも説明しましたが、HHはE4エラー(途中失火)が繰り返し発生した結果として表示される状態表示です。

つまり流れとしては以下のようになります。

  • 運転中に炎が消える
  • E4(途中失火)が表示される
  • 同じ状態が改善されないまま繰り返される
  • 一定回数に達すると「HH」が表示される

この時点で、ファンヒーター側は
「同じ異常が何度も起きている=安全に運転できない」
と判断している状態です。


HH(点滅)とHH(点灯)の違い

コロナ製ファンヒーターの液晶パネル。HHと表示がされている。

メーカー情報では、HHには明確に2段階あります。

HH(点滅)の状態とは

HHが点滅している場合は、E4が連続して4回発生した状態です。

この段階では、

  • 一度運転スイッチを切る
  • 再度運転操作を行う

ことで燃焼動作自体は行われます。
ただし、再びE4を検知すると即座に運転ロックへ移行するという、いわば「猶予付き最終警告」のような段階です。

ここで重要なのは、

点滅しているHHは「まだ使える」状態ではない
という点です。

あくまで「最後の確認動作を許可されているだけ」であり、原因が解消されていなければ確実に次の段階へ進みます。


HH(点灯)の状態とは

HHが点灯している場合は、E4が連続して7回発生した状態です。

この段階では

  • 運転スイッチを押しても反応しない
  • 操作を一切受け付けない
  • 完全な運転ロック状態

となり、ユーザー側での対応はできません。

ここまで進行している場合、点検または修理が必要とメーカーも明確に案内しています。
厳密に言えば解除する方法もありますが、安全の担保がとれていない状態で繰り返し使用するのは非常に危険ですのでHH(点灯)の状態まできてしまうと、一度メーカーにみてもらうことを強くお勧めします。

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そもそもE4とは何が起きている状態なのか

コロナ製ファンヒーターの液晶パネル部にH4と表示がされている。

HHの原因を理解するためには、元となるE4を正しく知る必要があります。

E4は「運転中に炎が消えた(途中失火)」ことをファンヒーターが検知した際に表示されるものです。

この途中失火は、必ずしも重大故障とは限りません。
実際には、使用環境や日常的なメンテナンス不足が関係しているケースも多く見られます。


E4が出やすくなる代表的な原因

コロナ製ファンヒーターの対流ファン。埃が付着しておりエラーの原因となっている。

メーカー案内でも触れられている通り、E4は以下のような要因で発生することがあります。

給気フィルターのほこり詰まり

背面にある給気フィルターにほこりが溜まると、

  • 燃焼に必要な空気が不足
  • 炎が安定せず途中で消える

という状態になりやすくなります。

見た目では「まだ使えそう」に見えても、
内部的には燃焼条件を満たせていないことがあります。


ファンヒーター内部へのほこりの蓄積

給気フィルターだけでなく、

  • 内部ファン周辺
  • 燃焼室まわり
  • 空気の通り道

にほこりが溜まっていると、同様に燃焼不良を起こします。

特に

  • 長期間清掃していない
  • ペットの毛が多い環境
  • 加湿器を併用している

といった条件では、内部の汚れが進行しやすくなります。


清掃不足が引き金になる“悪循環”

E4が出た時点で

  • そのまま再運転
  • 原因を確認せず使用継続

を繰り返すと、次第に
E4 → HH(点滅) → HH(点灯)
という流れに進みます。

HHは突然出る表示ではなく、
清掃不足や不完全な対処を積み重ねた結果として出る表示
という認識が重要です。


「HHを解除したい」と考える前に知っておくべきこと

コロナ製ファンヒーター。液晶パネル部にHHと表示がされている。ロックされており使えていない状況。

HHを解除すること自体が目的になってしまうと、根本的な原因が放置されます。
その結果、

  • 一時的に使えても再発する
  • 最終的にロックされる
  • 修理が必要な状態に進行する

というケースが非常に多くなります。

特に注意したいのは、HH(点滅)の段階で何も対策をしないことが最大のリスクである点です。

この段階は「今なら改善すれば止まる可能性がある」最後のタイミングとも言えます。


改善を試みても再発する場合の考え方

清掃や環境の見直しなど、できる限りの対策を行ってもE4が再発する場合は、

  • 内部部品の劣化
  • センサー系の不具合
  • 燃焼制御部の異常

など、ユーザー対応の範囲を超えた要因が考えられます。

この場合は無理に使い続けず、メーカーまたは専門業者による点検・修理を前提に判断することが重要です。


HHは「突然の故障」ではなく「警告の積み重ね」

コロナのファンヒーターに表示されるHHは、
いきなり出る深刻な故障表示ではありません。

  • E4という小さな異常
  • 清掃不足という見落とし
  • そのまま使い続ける判断

これらが積み重なった結果として表示される、
安全装置としての最終警告です。

HHを見たときは
「解除できるか」ではなく
「なぜここまで進行したのか」
という視点で状態を整理することが、再発防止につながります。


FAQ(よくある質問)

Q1. コロナのファンヒーターで表示される「HH」は故障ですか?
A. HH自体は単独の故障エラーではありません。運転中に炎が消える「E4」が複数回連続して発生した結果として表示される状態表示です。原因が解消されていないまま使用を続けた場合に出ます。

Q2. HHが点滅している場合と点灯している場合で違いはありますか?
A. はい、明確に違います。HH点滅はE4が4回連続で発生した状態、HH点灯は7回連続で発生し運転ロックがかかった状態です。点灯している場合は操作を受け付けません。

Q3. HHが出る前に必ずE4が表示されますか?
A. はい。HHはE4(途中失火)が繰り返し発生した結果として表示されます。E4の段階で原因を改善しないと、最終的にHHへ進行します。

Q4. E4が出る原因にはどんなものがありますか?
A. 背面の給気フィルターのほこり詰まりや、ファンヒーター内部にたまった埃による燃焼不良が代表的です。それ以外にも内部部品の劣化などが原因になることがあります。

Q5. 清掃してもE4やHHが再発する場合はどうすればいいですか?
A. 清掃など改善を試みても再発する場合は、内部部品や制御系の不具合が考えられます。無理に使用を続けず、メーカーまたは専門業者による点検・修理を検討する必要があります。

まとめ:HH表示を見たときに本当に意識すべき判断ポイント

コロナ製ファンヒーターのWZシリーズ。フラッグシップモデル。

コロナ製の石油ファンヒーターに表示されるHHは、単なる操作エラーや偶発的な不具合ではありません。
そこに至るまでには必ず前段階があり、機器側が「同じ異常が繰り返され、安全に運転できない」と判断した結果として表示される重要なサインです。

まず押さえておきたいのは、HHには「点滅」と「点灯」の2種類があるという点です。
点滅はE4(途中失火)が4回連続で発生した状態、点灯は7回連続で発生し、運転ロックがかかった状態を示しています。
見た目は似ていても、内部での扱いはまったく異なり、点灯している場合はユーザー操作を受け付けません。

このHHに至る原因として多いのが、

  • 給気フィルターの清掃不足
  • フィルターや内部へのほこりの蓄積
  • E4が出ても「一時的なもの」と判断して使い続けてしまうこと

といった、日常的な管理や判断の積み重ねです。
特にE4の段階で原因を改善せずに使用を続けると、結果的にHHへ進行し、対応の選択肢が一気に狭まります。

そのため、HHに対して重要なのは「どうやって解除するか」ではありません。
これ以上E4を繰り返させない判断ができるかどうかが、進行を止められるかの分かれ道になります。
点滅段階で原因を把握し、清掃や使用環境の見直しを行うことができれば、無用なロックや修理を避けられる可能性もあります。

一方で、清掃などできる対策を行ってもE4やHHが再発する場合は、内部部品の劣化や制御系の不具合が疑われます。その状態で無理に使い続けるのは、安全面でもおすすめできません。
この段階では、メーカーや専門業者による点検・修理を前提に判断することが、結果的にトラブルを長引かせない選択になります。

HH表示は、ファンヒーターが安全に使えなくなる直前に出している最後の警告とも言えるサインです。
表示の意味と段階を正しく理解し、その時点でできる最善の判断を冷静に行うことが、再発防止と安全な使用につながりますので、E4エラーが出た段階で改善をするようにしていきましょう。

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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