コロナ製の石油ストーブ・石油ファンヒーターに表示されるエラーコード「E2」は、点火が正常に行えず不着火で停止したときに出る代表的なエラーです。
家庭で起きる原因のほとんどが「灯油供給のトラブル」によるもので、タンクが空に近い、灯油がうまく吸い上げられていないなど、ごく日常的な状態でも発生します。
一方で、灯油やタンクに問題がなく、何度試してもE2が繰り返される場合は、器具内部の部品が正常に動いていない可能性があります。
その際は家庭で分解して確認することはできないため、メーカーでの点検・修理が必要になります。
ここでは、家庭で確認できるポイントを整理し、改善しないときの依頼先までまとめています。
E2が表示されるメインの理由は「灯油不足による不着火」

コロナ製の石油ストーブに「E2」が表示されるとき、多くの人は故障を疑って不安になるものです。
しかし、E2は複雑な不具合ではなく、“点火しようとしたが火がつかなかった”という状況を示すエラーで、実際に家庭で起きる理由のほとんどは灯油不足による不着火です。
タンクの灯油が少し底に残っているだけの状態でも吸い上げが途切れ、内部では灯油切れと同じ現象が起きるため、見た目では残っているのにE2が出るケースも珍しくありません。
また、タンクキャップの閉め忘れやセットミスといった初歩的なポイントでも同じエラーが表示されます。
一方で、灯油をしっかり補給してもE2が繰り返される場合は、点火ヒーターの劣化や燃焼系統の異常など、本体内部のトラブルが考えられます。
これらは家庭で触れる範囲ではなく、無理に分解すると事故につながるため、メーカーが点検を推奨する部分です。
この記事では、まず家庭で確認すべきポイントを整理したうえで、改善しない場合にどこへ相談すべきかまで、必要な内容を専門的にわかりやすくまとめています。
代表的なパターン
- タンク内の灯油がほぼ空
- 灯油が少量だけ残っているが、吸い上げ口まで届かず不着火
- 長時間使用していない灯油で、着火しにくい状態になっている
灯油残量が見た目では充分に思えても、タンク底面にほんの少ししか残っていない状態だとストーブは燃料を吸い上げられません。
これが典型的な「見た目では残っているのにE2が出る」ケースです。
家庭でできるE2時の確認手順

家庭で安全に確認できるのは、基本的に灯油まわりのみです。
まずは定油面計リセットボタンを確認した上で以下のポイントも順番にチェックしてみてください。
1. タンクの灯油残量をしっかり確認
見た目で“底に少しだけ残っている状態”は灯油切れと同じです。
満タンに補給してから再度運転すると改善するケースが多いです。
2. タンクキャップは確実に閉まっているか(ファンヒーター)
キャップが緩いと負圧が作れず、灯油が流れません。
「カチッ」とロックされるまで確実に締めてください。
3. タンクのセット位置がずれていないか(ファンヒーター)
しっかり奥まで差し込まれていないと、灯油が落ちません。
4. 灯油が古くないか
シーズン残りの古い灯油は着火しづらく、E2が出やすくなります。
心当たりがある場合は、新しい灯油に交換して様子を見る方法も有効です。
5. オイルサーバーがダウンしていないか
地震などでオイルサーバー内の油面計が触れてダウンすることがあります。
またサーバーの経年劣化で故障した場合も灯油が供給されなくなりますので、定期的に確認をするようにしましょう。
灯油を補給しても改善しない場合は内部不具合の可能性
灯油まわりの確認をしたうえで、なおE2が出続ける場合は、点火ヒーターや燃焼系部品の劣化が考えられます。
フレームロッドにカーボンが付着した場合でも発生しますので、灯油経路が問題ない場合はメーカーの点検が安全といえるでしょう。
代表的な内部原因
- 点火ヒーターの劣化
- 燃焼制御部品の故障
- 灯油ポンプ系統の異常
- センサー類の不良
- 電装基板の故障
これらは家庭で触れる範囲ではなく、無理に分解すると火災・一酸化炭素事故・故障の悪化につながるため、コロナもユーザー分解を禁止しています。
改善しない場合は、販売店またはコロナサービスセンターへ相談するのが唯一の正しい対応です。
メーカー修理を依頼すべき目安
以下の状況に当てはまる場合は、必ずプロの点検を受けてください。
- 灯油満タン+タンクのセットも問題なしでもE2が繰り返される
- 点火中に異音がする
- 黒煙・変なにおいがする
- 数回の運転でE2が再発する
- 季節の初点火からずっとE2が出る
ストーブは燃焼機器のため、無理に自分で直そうとすると非常に危険です。
修理依頼先
■ 販売店(購入した店舗)
「購入店経由での修理受付」が基本で、保証期間内の場合の手続きもスムーズです。
■ コロナサービスセンター(公式)
部品交換・点検など、すべての技術対応が可能です。
公式のため、安全性と確実性を最優先するならこちらが最適です。
※地域ごとのセンターは「コロナ 修理受付」で検索すると確認できます。
E2が出たときの正しい考え方

エラーE2が表示されたときに大切なのは、原因をひとつひとつ深追いすることよりも、 どの段階で判断を切り替えるか を冷静に整理することです。
E2は「点火できなかった」という結果を知らせるエラーであり、その背景には燃料供給の問題・環境要因・内部の劣化など、複数の可能性が存在します。
原因の深掘りを始めると混乱しやすいため、まずは“判断の軸”を持つことが重要です。
ポイントは次の3つです。
1. 「自分の手で確認できる範囲」と「確認できない範囲」を切り分ける
E2は家庭で対応できる内容と、専門点検が必要な内容が明確に分かれています。
まずは、ユーザー自身が触っても安全な部分だけ を確認し、それ以上は追わないことが冷静な判断につながります。無理に原因を推測するより、「確認できる範囲で改善するかどうか」を基準にする方が確実です。
2. 一度改善したら深追いしない
E2は、灯油補給・タンクのセットし直し・環境のリセットなど、軽微な要因で一時的に起きることがあります。
一度の再点火で問題なく使えるようになった場合は、それ以上の詮索は不要 です。燃焼機器は季節環境による揺らぎも多く、「一度だけ出たE2」を過度に心配する必要はありません。
3. 改善しない場合は“原因特定”ではなく“安全優先”で判断する
何度試してもE2が続くと、どうしても原因を知りたくなります。しかし、ストーブ内部は複数の安全装置が連動しており、ユーザーが原因を正確に切り分けることはできません。
大切なのは、
「原因を特定すること」より「安全に使う判断をすること」。
繰り返されるE2は安全装置が働いているサインでもあるため、深追いせず点検に任せた方が結果的に安全で確実です。
まとめ
- 原因を全部理解する必要はない
- 家庭で触れる部分は限られている
- 一度改善するなら心配しなくてよい
- 繰り返すなら“安全側”に判断を寄せる
- 無理に推測せず、プロの点検に任せる判断が最適
よくある質問
Q1. コロナストーブのE2は故障ですか?
A. 必ずしも故障とは限りません。もっとも多い原因は灯油切れ・灯油の吸い上げ不足による不着火です。タンクを満タンにし、キャップの締め忘れやセット位置を確認して改善するケースも多いです。それでも繰り返す場合は、点火ヒーターや燃焼系部品の劣化が考えられるため、販売店またはコロナサービスセンターへ相談が必要です。
Q2. 灯油は十分あるのにE2が出るのはなぜ?
A. タンクの底にほんの少しだけ残っている状態は、見た目では「入っている」ように見えても実際には吸い上げられず、内部では灯油切れと同じ状態になります。また外に設置されている灯油タンクが空になった状態から給油した場合、灯油配管内に空気が入り込んでエア抜き作業が必要になる場合があります。エア抜き作業も思わぬ灯油漏れが発生する恐れがあるため、必ず専門業者に見てもらうことをおすすめします。
Q3. E2が出ても電源を入れ直せば使って大丈夫?
A. 1〜2回の再始動で改善する場合は灯油の吸い上げが安定しただけで問題ありません。ただし、連続してE2が出る場合は内部部品が正常に働いていない可能性があります。繰り返し点火を試すと負荷がかかるため、原因が不明なまま使い続けるのは避けたほうが安全です。
Q4. E2が出るたびに灯油を入れても直らない…どうすればいい?
A. 灯油を満タンにしても改善しない場合は、ユーザーが触れない内部部品の故障や劣化が疑われます。点火ヒーター・燃焼制御部品・電装基板などが関係するため、家庭での対応では解決しません。販売店またはコロナサービスセンターでの点検が必要です。
Q5. 修理を依頼するかどうかの判断ポイントは?
A. 以下の状況に一つでも当てはまる場合は修理依頼がおすすめです:
- 灯油満タンでもE2が繰り返される
- 初回点火で必ずE2が出る
- 点火音がおかしい・異臭がする
- 運転開始から数秒でE2になる
- シーズン初めから改善しない
安全装置が働いているサインでもあるため、症状が続く場合は専門点検が最も確実です。
まとめ:E2は「灯油切れが最も多い」しかし、改善しない場合は修理が必要

E2のエラーは、コロナ製ストーブの中でも特に相談が多い不着火系のトラブルです。
原因の大半は、タンクが空に近い状態や吸い上げが不十分なことによる“実質的な灯油切れ”で、灯油を満タンにして正しくセットし直すだけで改善するケースがよくあります。
タンクキャップの締め込み不足や、灯油タンクの残量が少ないと灯油が落ちてこないこともあるため、まずは燃料周りを丁寧に見直すことが最も効果的です。
ただし、灯油の補給や確認をしてもE2が何度も繰り返される場合は、内部で点火ヒーターが弱っていたり、燃焼制御部品が正常に働いていない可能性があります。
ストーブ内部の燃焼系統は安全装置と密接に関わっており、ユーザーが分解して触ることはできません。
無理な操作は火災や事故につながる恐れがあるため、原因がはっきりしない段階で使い続けるのは避けたほうが良いでしょう。
家庭での確認を終えても改善しない場合は、購入した販売店またはコロナサービスセンターに点検を依頼することが最も安全で確実な手段です。
専門スタッフによる診断であれば、部品の劣化状態や燃焼系の不具合を正しく判別でき、必要な修理や部品交換を適切に行ってもらえます。
ストーブは生活の中心に位置する暖房器具ですが、同時に“炎”を扱う設備でもあります。
少しでも不安が残る状態で無理に使わず、早めに点検を受けることで、安全と快適さの両方を守ることができます。
E2が表示されたときは、焦らず順番に確認し、それでも改善しないときは専門のサポートに頼る判断が大切といえるでしょう。

