コロナの寒冷地用大型ストーブに「E5」と表示され、運転が止まってしまった。
このE5も、機種タイプによって示す内容が二手に分かれるコードです。
一方は灯油を気化させる部品の温度が想定どおりにならない状態、もう一方は排気管が外れたことを検知した状態で、緊急度も対応もまったく異なります。
とくに後者は排気漏れにつながる可能性があるため、心当たりのある方は再運転の前に確認していただきたい内容です。
この記事では、E5が示す2つの状態の見分け方と、それぞれで確認できる範囲を整理します。
E5は機種タイプによって意味が2つに分かれる
同じE5でも、対象製品によって内容が異なります。
| ストーブのタイプ | E5が示す内容 | メーカーが示す処置 |
|---|---|---|
| ガス化温風タイプ/FFPシリーズ | 予熱開始後に気化筒温度が一定温度に達しない、または燃焼中に気化筒温度が一定温度以下になった | 点検または修理が必要 |
| 寒冷地輻射タイプ/スペースネオ(ミニ)/ポット式温風タイプ/ツインヒータ | 排気管抜け検知装置の作動 | 排気管の外れ、抜け検知リード線の外れで表示することがある。それ以外は点検または修理が必要 |
上段は本体内部の部品に関わる内容で、家庭での対処は示されていません。
下段は屋外や本体背面で目視できる箇所が対象になります。
まずは本体の銘板(型式シール)で機種タイプを確認してください。
ガス化温風タイプ・FFPシリーズのE5
このタイプでE5が出た場合は、気化筒の温度に関わる異常です。
気化筒とはどの部分か
ガス化温風タイプのストーブは、灯油を液体のまま燃やすのではなく、いったん気体に変えてから燃焼させる方式をとっています。
この気化を担う部品が気化筒(気化器)で、内部のヒーターで加熱することによって灯油を気化させます。
運転開始時に予熱の時間があるのは、この気化筒を燃焼できる温度まで温めているためです。
温風が出るまでに少し待たされるのは、故障ではなくこの工程によるものです。
E5が示す2つのパターン
| パターン | 起きているタイミング | 意味 |
|---|---|---|
| 予熱時の温度不足 | 運転スイッチを入れ、予熱が始まってから | 一定時間を過ぎても気化筒が必要な温度に達していない |
| 燃焼中の温度低下 | 正常に立ち上がったあと | 運転中に気化筒の温度が一定値を下回った |
どちらのタイミングで出るかは、原因を絞り込む手がかりになります。
点検を依頼する際に伝えておくとよいでしょう。
考えられる要因
| 要因 | 内容 |
|---|---|
| 予熱ヒーターの劣化・断線 | 加熱そのものができず、温度が上がらない |
| 気化筒内のタール堆積 | 長年の使用で燃えかすが蓄積し、熱が伝わりにくくなっている |
| 温度センサーの不具合 | 実際の温度と異なる値を検知している |
| 灯油の供給不良 | 燃料フィルターの目詰まりなどで、燃焼が維持できない |
| 灯油の劣化 | 前シーズンの持ち越し灯油で、気化・燃焼が安定しない |
| 制御基板の判定不良 | 正常な信号を異常と判定している |
このうち灯油の劣化については、ご家庭で確認と入れ替えができます。
公的機関も、石油暖房機器には新しい灯油を使い、前シーズンの灯油を持ち越さないよう呼びかけています。
それ以外の要因は、いずれも本体内部にあり分解を伴います。
気化筒は高温になる部品でもあるため、ご自身で確認しようとせず点検を依頼してください。
寒冷地輻射タイプなどのE5
寒冷地輻射タイプ、スペースネオ(ミニ)、ポット式温風タイプ、ツインヒータでE5が出た場合は、排気管抜け検知装置の作動です。
排気管抜け検知装置の仕組み
FF式や煙突式のストーブは、屋外から給気し、燃焼ガスを屋外へ排出する構造になっています。
この排気経路が外れると燃焼ガスの逃げ場がなくなるため、排気管に沿って配線された検知リード線で接続の状態を監視しています。
リード線の導通が途切れると、ストーブは排気管が外れたと判断して燃焼を止めます。
排気管が外れた状態で運転を続けると、燃焼ガスが室内に流れ込み、一酸化炭素中毒につながるおそれがあります。
一酸化炭素は無色無臭で、発生していても気づくことができません。
確認できる範囲
運転スイッチを切った状態であれば、次の項目は目視で確認できます。
- 本体背面の排気管接続部に、ずれや抜けがないか
- 排気管に沿って配線されたリード線のコネクタが外れかかっていないか
- 屋外の給排気トップに、外れ・傾き・破損がないか
- 積雪期であれば、給排気トップが雪や氷でふさがれていないか
- 直前に本体を動かした、除雪をした、強風があったといった心当たりがないか
除雪作業中に排気管に接触したり、屋根からの落雪でトップが押されたりして接続がずれるケースは、寒冷地では起こりうる状況です。
心当たりがある場合は、屋外側からも状態を確認してください。
外れを見つけても自分で直さない
排気管は差し込み深さと固定金具の締結で気密を保つ構造です。
見た目が収まっていても差し込みが浅ければ、排気漏れが残ります。
外れが確認できた時点で運転せず、販売店またはコロナサービスセンターへ点検を依頼してください。
リード線のコネクタが外れているだけに見える場合も同様です。
なぜ外れたのかという背景を確認しないまま差し戻すと、根本の原因が残ります。
同じ機種でもE0とE5で意味が入れ替わる
E5を調べるときに混乱しやすいのが、排気系の検知が機種タイプによって別のコードに割り当てられている点です。
| ストーブのタイプ | 排気管抜けを示すコード | 気化筒温度の異常を示すコード |
|---|---|---|
| ガス化温風タイプ/業務用大型温風 | E0 | E5 |
| 寒冷地輻射タイプ/スペースネオ(ミニ)/ツインヒータ | E5 | 該当なし(このタイプではE5が排気系に割り当てられている) |
同じ「排気管が外れた」という状態でも、ガス化温風タイプではE0、寒冷地輻射タイプではE5として表示されます。
インターネットで情報を探すときに機種タイプを確認しないまま調べると、正反対の説明にたどり着くことがあるので注意してください。
全体像を確認したい場合はコロナ ストーブ エラーコード一覧をご覧ください。
E5が出たときの行動フロー
機種タイプと確認結果に応じて、取るべき行動を整理しました。
| 状況 | 取るべき行動 |
|---|---|
| ガス化温風タイプ/FFPシリーズでE5が出た | 再運転を繰り返さず、点検を依頼する |
| 前シーズンの灯油を使っていた | 新しい灯油に入れ替えたうえで、1度だけ再運転を試す |
| 排気管やリード線の外れが見つかった | 再運転せず、点検を依頼する |
| 給排気トップが雪でふさがれていた | 除雪して経路を確保してから再運転する |
| 目立つ異常が見当たらない | 1度だけ再運転を試し、再発する場合は点検を依頼する |
| 灯油くさい、すすくさいにおいがする | 換気したうえで再運転せず、点検を依頼する |
運転中に頭痛やめまい、吐き気を感じた場合は、原因の切り分けよりも換気と屋外への避難を優先してください。
これらは一酸化炭素中毒の初期症状と重なります。
点検を依頼する判断基準
次のいずれかに当てはまる場合は、点検を依頼する段階です。
- ガス化温風タイプまたはFFPシリーズでE5が表示された
- 排気管やリード線に外れが見つかった、または判断がつかない
- 灯油を入れ替えてもE5が繰り返し出る
- 予熱から点火までの時間が、以前より明らかに長くなっている
- 運転中に突然E5が出るようになった
- 使用年数が8年を超えている
予熱時間が延びているという変化は、気化筒まわりの劣化が進んでいるサインになることがあります。
E5が出る前から気づいていた場合は、点検時に伝えてください。
修理費用は、灯油まわりの部品交換で済むのか、気化筒や制御基板の交換まで含むのかで幅が出ます。
出張料・技術料・部品代の合計で決まるため、実際の金額は診断後の見積もりで確認してください。
コロナは設計標準使用期間を8年相当(20,000時間)としており、その時期に達すると点検時期をお知らせする「88」表示が出る機種があります。
考え方はコロナ石油ストーブの「88エラー」表示とはで解説しています。
混同しやすい他の表示
燃焼や温度に関わる表示は種類が多く、症状が似ているものもあります。
| 表示 | 示している内容 | 起きている場面 |
|---|---|---|
| E5 | 気化筒温度の異常、または排気管抜け検知 | 予熱中、燃焼中、排気経路の異常時 |
| E2 | 不着火 | 点火そのものができない |
| E4 | 途中消火、または過熱防止装置の作動(機種による) | 運転中に消える、内部温度が上がりすぎた |
点火動作に進まず止まる場合はコロナ石油ストーブのエラー「E2」とはが該当します。
運転中に消える症状が中心であれば『E4』『EF』エラーの原因と直し方もあわせて確認してください。
よくある質問
Q1. 予熱の途中でE5が出ます。灯油は入っています。
気化筒が必要な温度まで上がっていない可能性があります。
予熱ヒーターの劣化や気化筒内のタール堆積が起きていると、灯油が十分にあっても温度が上がりません。
また、灯油が変質していると気化しにくくなることもあるため、前シーズンの持ち越し灯油を使っている場合は新しいものに入れ替えて試してください。
それでも改善しない場合は、内部の部品側に原因があるため点検を依頼してください。
Q2. リード線のコネクタが外れていました。差し込めば直りますか。
表示は消えるかもしれませんが、それで済ませるのはおすすめできません。
コネクタが外れたということは、排気管に何らかの力が加わった可能性があります。
排気管自体の差し込みが浅くなっていないか、固定金具が緩んでいないかを含めて確認する必要があります。
排気漏れは一酸化炭素中毒に直結するため、点検を受けたうえで使用を再開してください。
Q3. 除雪をしたあとにE5が出ました。関係ありますか。
関係している可能性があります。
除雪機や除雪作業中に排気管や給排気トップに接触すると、接続部がずれたりリード線が外れたりすることがあります。
また、屋根からの落雪でトップが押し曲げられているケースも考えられます。
屋外側から給排気トップの状態を確認し、異常が見つかった場合は運転せずに点検を依頼してください。
Q4. 燃焼中に突然E5が出ました。原因は違うのでしょうか。
出るタイミングによって疑う原因は変わります。
予熱中に出る場合は気化筒が温まらない方向の問題、燃焼中に出る場合は運転中に温度が下がった方向の問題になります。
後者では、灯油の供給が細くなっている、燃焼が不安定になっているといった要因が考えられます。
どちらのタイミングだったかを点検時に伝えると、診断が早く進みます。
Q5. E5が出るストーブは買い替えたほうがよいですか。
E5が出たこと自体は買い替えの判断材料にはなりません。
灯油の入れ替えや排気管の再施工で解消するケースもあります。
一方で、使用年数が8年を大きく超えている、気化筒のタール堆積が広く進んでいると診断された、部品の供給が終了しているといった条件が重なる場合は、修理費と残りの使用年数を比べたうえで交換を検討する時期といえます。
点検時に部品の状態と見積もりを確認してから判断するとよいでしょう。
まとめ
コロナの寒冷地用大型ストーブに表示されるE5は、機種タイプによって意味が二手に分かれます。
ガス化温風タイプとFFPシリーズでは気化筒温度の異常を示し、予熱中に温まらない場合と燃焼中に温度が下がる場合があります。
いずれも本体内部の部品に関わるため、家庭での対処は灯油の入れ替えを除いて想定されていません。
寒冷地輻射タイプ、スペースネオ(ミニ)、ポット式温風タイプ、ツインヒータでは排気管抜け検知装置の作動を示し、排気管やリード線、給排気トップの状態を目視で確認できます。
ただし、外れが見つかった場合に自分で押し込んで直すのは避けてください。
排気漏れは一酸化炭素中毒につながるおそれがあるため、運転を止めたうえで販売店またはコロナサービスセンターへ点検を依頼してください。

