コロナの寒冷地用大型ストーブに「EA」または「Ed」と表示され、運転が止まってしまった。
この2つは、どちらも送風機の故障を示すコードです。
対象となる機種も同じで、寒冷地輻射タイプ、スペースネオ(ミニ)、ツインヒータに共通して使われています。
違うのは、どのファンが故障したかという点だけです。
ストーブには役割の異なる送風機が複数あり、どちらが止まったかによって、その前に現れていた症状も、放置したときのリスクも変わります。
この記事では、EAとEdの違いと、症状から見当をつける方法、点検前に整理しておくとよい情報をまとめます。
EAとEdは故障した送風機が違う
コロナの一覧では、それぞれ次のように示されています。
| 表示 | 示している内容 | 対象製品 | メーカーが示す処置 |
|---|---|---|---|
| EA | 燃焼用送風機故障 | 寒冷地輻射タイプ/スペースネオ(ミニ)/ツインヒータ | 点検または修理が必要 |
| Ed | 対流用送風機故障 | 寒冷地輻射タイプ/スペースネオ(ミニ)/ツインヒータ | 点検または修理が必要 |
対象製品が同じなので、機種を確認しても、どちらが表示されるかは絞り込めません。
表示されたコードそのものが、故障箇所を示す唯一の手がかりになります。
EAだったのかEdだったのか、見間違えないように控えておいてください。
2つの送風機は役割が違う
ストーブには、目的の異なるファンが搭載されています。
| 種類 | 役割 | 止まると起きること |
|---|---|---|
| 燃焼用送風機 | 燃焼に必要な空気を燃焼室へ送る | 燃焼が成立しない、不完全燃焼につながる |
| 対流用送風機 | 暖まった空気を室内へ送り出し、本体内部の熱を循環させる | 部屋が暖まらない、本体内部に熱がこもる |
燃焼用送風機は「燃やすため」、対流用送風機は「暖めるため」のファンと考えると分かりやすくなります。
どちらも運転の継続に欠かせないため、不具合が検知されると機器は安全のために停止します。
EA(燃焼用送風機故障)で起きること
燃焼用送風機は、燃焼室へ空気を送り込むファンです。
灯油は十分な酸素があってはじめて完全に燃えるため、このファンの風量が落ちると燃焼の条件そのものが崩れます。
空気が不足した状態で燃焼が続くと、一酸化炭素が発生するおそれがあります。
機器がEAを表示して停止するのは、その状態に至る前に運転を打ち切るためです。
EAの前に現れやすい変化
- 点火時の送風音が以前より小さい、または途切れる
- 運転が安定するまでの時間が長くなった
- 「ウーン」とうなるような音や、金属的な異音が混じる
- 炎の色が赤みをおびている、輪郭がぼやけている
- すすくさい、灯油くさいにおいがする
炎の色やにおいの変化があった場合は、燃焼の条件がすでに崩れ始めていた可能性があります。
不完全燃焼に関わる表示(HCやHH)が先に出ていた場合も、その時期を点検時に伝えてください。
公的機関も、不完全燃焼が起きているときの現象として、火がつきにくい、使用中にたびたび火が消える、炎が赤みをおびる、すすが出るといった変化を挙げています。
EAが表示されている機器を、入れ直しを繰り返して無理に運転しようとしないでください。
Ed(対流用送風機故障)で起きること
対流用送風機は、暖まった空気を室内へ送り出し、本体内部にこもった熱を逃がすファンです。
ここが止まると、暖房としての働きが落ちるだけでなく、内部に熱が残り続けます。
そのため、対流用送風機の不具合を放置すると、内部温度の上昇によって過熱系の表示が出るようになることもあります。
過熱防止装置が働いたときの表示については『E4』『EF』エラーの原因と直し方で解説しています。
Edの前に現れやすい変化
- 設定を変えても部屋が暖まりにくくなった
- 暖まるまでの時間が明らかに長くなった
- 本体の上部や側面が、以前より熱く感じる
- 運転中に「カラカラ」「ゴー」といった異音が混じる
- 消火後の送風音が短くなった、または鳴らなくなった
消火後の動作の変化は、ふだん意識しにくい部分ですが、対流用送風機の状態を示す手がかりになります。
気づいていた場合は点検時に伝えてください。
症状からどちらか見当をつける
表示を見逃してしまった場合でも、直前の症状からある程度の見当はつけられます。
| 直前にあった症状 | 疑われるファン |
|---|---|
| 炎が赤い、すすくさいにおいがした | 燃焼用(EA) |
| 点火に手間取る、立ち上がりが不安定だった | 燃焼用(EA) |
| 部屋が暖まらないのに本体は熱かった | 対流用(Ed) |
| 消火後の送風がすぐ止まるようになった | 対流用(Ed) |
| 運転中の異音が大きくなっていた | どちらの可能性もある |
| 何の前触れもなく突然止まった | どちらの可能性もある |
あくまで目安ですが、点検を依頼する際に症状を伝えておくと、診断の手がかりになります。
可能であれば、次に表示が出たときにスマートフォンで撮影しておくと確実です。
共通して考えられる要因
EAとEdは故障箇所が違うだけで、原因の種類は共通しています。
| 要因 | 内容 |
|---|---|
| モーターの劣化・焼損 | 経年により回転しなくなった、回転数が落ちた |
| 軸受けの摩耗 | 異音を伴い、回転が不安定になる |
| 羽根へのほこり・すすの堆積 | 重量バランスが崩れ、正常な風量が出ない |
| 配線・コネクタの接触不良 | 電源が安定して供給されていない |
| 回転検知部の不具合 | 回っているのに止まっていると判定している |
| 制御基板の不良 | 送風機への指令や判定が正しく行われていない |
いずれも本体内部にあり、分解しなければ到達できません。
ご家庭で確認できる範囲にはないため、販売店またはコロナサービスセンターへ点検を依頼してください。
給気フィルターの清掃はご家庭で行える範囲です。
直接の対処にはなりませんが、羽根へのほこりの付着を遅らせる効果が期待できます。
シーズン前後の手入れについては石油ストーブの正しい片付け方とはも参考になります。
点検前に整理しておくとよい情報
EAとEdはご家庭で解消できる表示ではありませんが、点検の精度を上げるためにできることはあります。
- 本体の型式(銘板または取扱説明書に記載)
- 表示されたのがEAかEdか
- 表示が出たのが運転開始直後か、しばらく使ってからか
- 異音があった場合は、どんな音がどのタイミングでしていたか
- 炎の色やにおいに変化がなかったか
- 部屋の暖まり方に変化がなかったか
- EAやEdの前に、別のエラーコードが出ていなかったか
- おおよその使用年数と、過去の修理歴
点検までのあいだ、別の暖房で室温を確保する必要がある場合は、使用する器具の換気条件を確認したうえで併用してください。
開放式の器具を使う場合は、こまめな換気が欠かせません。
機種によってはE7・E8で表示される
送風機の故障は、機種によって別のコードで表示されます。
| 表示 | 対象となるファン | 対象製品 |
|---|---|---|
| EA | 燃焼用送風機 | 寒冷地輻射タイプ/スペースネオ(ミニ)/ツインヒータ |
| E7 | 燃焼用送風機 | ガス化温風タイプ/ポット式温風タイプ/業務用大型温風 |
| Ed | 対流用送風機 | 寒冷地輻射タイプ/スペースネオ(ミニ)/ツインヒータ |
| E8 | 対流用送風機 | FF-VG52シリーズ(旧型)/FF-WGシリーズ |
同じファンが故障しても、機種によって表示されるコードが変わります。
機種を確認せずに検索すると別の説明にたどり着くことがあるので注意してください。
表示の全体像を確認したい場合はコロナ ストーブ エラーコード一覧をご覧ください。
修理と交換のどちらを選ぶか
EAやEdが出たからといって、必ず買い替えが必要になるわけではありません。
送風機の交換や配線の修理で改善するケースもあります。
一方で、次の条件が重なる場合は交換を検討する時期といえます。
- 使用年数が8年を大きく超えている
- 部品の供給期間が終了している
- 過去にも送風機まわりの修理を受けている
- 修理見積もりが新品価格の半分に近い
年数については、コロナが設計標準使用期間を8年相当(20,000時間)としており、その時期に達すると点検時期をお知らせする「88」表示が出る機種があります。
考え方はコロナ石油ストーブの「88エラー」表示とはで解説しています。
修理費用は、送風機単体の交換で済むのか、制御基板まで含むのかで幅が出ます。
出張料・技術料・部品代の合計で決まるため、実際の金額は診断後の見積もりで確認してください。
寒冷地では暖房が使えない期間の長さも判断材料になるため、部品の在庫状況もあわせて確認しておくと安心です。
よくある質問
Q1. EAとEdはどちらが深刻ですか。
どちらも点検が必要な状態ですが、性質が異なります。
EAは燃焼に必要な空気を送るファンの故障で、放置すると不完全燃焼につながるおそれがあります。
Edは暖める働きと放熱に関わるファンの故障で、内部に熱がこもって過熱系の表示に進むことがあります。
緊急度に差をつけるより、どちらも入れ直しを繰り返さずに点検を受けるという対応が適切です。
Q2. 温風は出ていたのにEAが出ました。
EAが示しているのは、室内へ空気を送るファンではなく、燃焼室へ空気を送るファンです。
この2つは役割も設置場所も別のため、温風が出ていても燃焼用送風機の不具合は起こりえます。
逆に、部屋が暖まらないという症状が中心であればEdに該当する可能性が高くなります。
どちらの症状だったかを点検時に伝えると診断が早く進みます。
Q3. 電源を入れ直せば消えますか。
一時的に消えることはありますが、復帰したとは考えないでください。
接触不良や回転検知の不安定が原因の場合、条件によって判定が通ったり通らなかったりするため、表示が出たり消えたりします。
根本の原因が残っている以上、同じ状態を繰り返します。
とくにEAでは、燃焼条件が崩れたまま運転が続くことを避ける必要があるため、入れ直しを重ねないでください。
Q4. 送風機のほこりを自分で掃除できますか。
送風機は本体内部にあり、分解しなければ到達できません。
分解は事故や故障の悪化につながるため避けてください。
ご家庭で行えるのは給気フィルターの清掃までで、目安として1〜2か月に一度、状態を確認する習慣をつけておくと羽根への付着を遅らせられます。
ペットを飼っているご家庭やカーペット敷きの部屋では、目詰まりの進み方が早くなります。
Q5. 異音がしていましたが、表示が出るまで普通に使えていました。
関係している可能性があります。
送風機のモーターや軸受けが劣化すると、まず音の変化として現れ、その後に回転が不安定になるという経過をたどることがあります。
表示が出る前から異音に気づいていた場合は、いつ頃からだったかを点検時に伝えてください。
部品の状態を推測する材料になり、必要な部品を事前に用意してもらえる場合もあります。
まとめ
コロナの寒冷地用大型ストーブに表示されるEAとEdは、どちらも送風機の故障を示しています。
対象となる機種は同じで、EAは燃焼用送風機、Edは対流用送風機の不具合を指します。
機種からは絞り込めないため、表示されたコードそのものが故障箇所を知る手がかりになります。
EAは燃焼の条件に関わるため不完全燃焼につながるおそれがあり、Edは放熱に関わるため内部の過熱につながる可能性があります。
いずれも本体内部の部品が対象で、ご家庭での対処は想定されていません。
表示されたコード、異音や炎の変化に気づいた時期、使用年数を控えたうえで、販売店またはコロナサービスセンターへ点検を依頼してください。

