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電気ストーブによる火事はなぜ起きる?原因と防止策を正しく理解する

電気ストーブの前面に掛かった布団が熱で発火し、炎が大きく立ち上がっている危険な状況を示す様子。
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

寒い時期に手軽に使える暖房器具として、電気ストーブは多くの家庭で使われています。
スイッチを入れればすぐ暖かくなり、設置工事も不要。
灯油やガスを使わないため「安全そう」というイメージを持たれがちです。
しかし実際には、電気ストーブが原因となる火事は毎年一定数発生しており、使い方次第では重大な事故につながる暖房器具でもあります。

「電気だから火は出ない」「燃料を使わないから大丈夫」
こうした思い込みが、事故を引き起こす最大の要因です。
この記事では、本当に知るべき、火事が起きる仕組み・よくある原因・具体的な防止策・買い替え時の判断ポイントまでを、暮らし目線で整理します。


目次

電気ストーブが原因の火事は珍しくない

電気ストーブの吹き出し口が布団や枕に近接し、横向きで寝ている人の足元付近に温風や熱が直接当たっている、火災が起きる直前の危険な室内状況を写した写真。

電気ストーブは、内部のヒーターを高温にして周囲の空気や物を暖める仕組みです。
火は見えなくても、発熱体の表面温度は数百度に達することがあります
この熱が、カーテン・布団・衣類・紙類などの可燃物に長時間触れることで、発火や焦げが起きます。

特に多いのが、次のような状況です。

  • ストーブの近くに洗濯物やタオルを干していた
  • カーテンが風で揺れて本体に触れた
  • 就寝中や外出中につけっぱなしにしていた
  • ペットや子どもが本体を倒した
  • 古い機種を長年使い続けていた

「少しだけ」「短時間だから」という油断が、火事の引き金になります。


電気ストーブ火事の主な原因

電気ストーブの前に掛けられたタオルが加熱され、炎が立ち上っている危険な状態を示す室内の様子。畳の床と壁際に設置されたストーブが写っており、可燃物との距離が近いことによる火災リスクが視覚的に伝わる構図。

可燃物との距離が近すぎる

最も多い原因がこれです。電気ストーブの周囲に、燃えやすい物を置いてしまうケースは非常に多く見られます。

  • カーテン
  • 布団・毛布
  • 衣類・洗濯物
  • ソファ・クッション
  • 新聞紙・段ボール

メーカーは通常、本体の周囲1m程度は何も置かないことを推奨しています。しかし実生活では、この距離が守られないまま使われがちです。


転倒による発火・加熱継続

電気ストーブは軽量な機種も多く、ちょっとした接触で倒れやすいのが特徴です。

  • 子どもがぶつかる
  • ペットがコードを引っ張る
  • 掃除中に当たる

転倒時に自動で電源が切れない古い機種では、倒れた状態で加熱が続き、床材や周囲の物が発火する危険があります。


つけっぱなしによる過熱

「少し外出するだけ」「うたた寝のつもりだった」
このような状況で電気ストーブをつけたままにすると、周囲の温度が徐々に上がり、気づかないうちに危険な状態になります。

特に就寝中は、異変に気づくのが遅れるため、火事の被害が大きくなりやすい傾向があります。


経年劣化・内部トラブル

長年使っている電気ストーブでは、次のような劣化が進んでいることがあります。

  • 電源コードの被覆が傷んでいる
  • 内部配線の接触不良
  • スイッチや温度制御部の故障

これらが原因で、異常発熱やショートが起き、発火につながるケースもあります。


特に注意が必要な家庭の特徴

電気ストーブの火事リスクは、家庭環境によって高くなることがあります。

  • 小さな子どもがいる
  • 室内でペットを飼っている
  • 高齢者のみの世帯
  • ワンルームや狭い部屋で使用している

これらに当てはまる場合は、使用場所・時間・機種選びをより慎重に考える必要があります。


電気ストーブによる火事を防ぐ具体的な対策

電気ストーブの前面に布団がかかり、接触部分から白い煙が立ち上っている様子。布団の一部は熱で変色しており、床に置かれた黒い電気ストーブの運転ランプが点灯している。

周囲に物を置かない環境をつくる

まず最優先なのが、可燃物を近づけない配置です。

  • カーテンから十分距離を取る
  • 洗濯物の室内干しに使わない
  • 床に物を置かない

「何も置かない空間」を前提に設置することが重要です。


安全機能付きの機種を選ぶ

近年の電気ストーブには、以下のような安全機能が搭載されています。

  • 転倒時自動オフ
  • 過熱防止装置
  • 一定時間で自動停止するタイマー

古い機種を使い続けている場合は、安全機能の有無を確認するだけでもリスクは大きく変わります


使う時間を限定する

  • 就寝時は使用しない
  • 外出時は必ず電源を切る
  • 長時間連続運転を避ける

電気ストーブは「見ていられる時間だけ使う」暖房器具と考えるのが安全です。


定期的に状態をチェックする

シーズン前や使用中に、次の点を確認してください。

  • 電源コードが熱を持っていないか
  • 異音や異臭がしないか
  • 本体が異常に熱くなっていないか

少しでも違和感があれば、使用を中止する判断が重要です。


電気ストーブ以外の暖房を検討するという選択

電気ストーブによる火事リスクをできるだけ下げたいと考えたとき、「使い方に気をつける」だけでなく、暖房方式そのものを見直すという視点も重要になります。
暖房器具による事故は、個人の注意力だけで完全に防げるものではありません。生活動線、家族構成、部屋の広さなどによっては、どうしてもリスクが残るケースもあります。

そのため、可燃物が高温部に直接触れにくい暖房方式を選ぶこと自体が、火事対策として有効になります。


エアコン暖房

電気ストーブの前面に布団がかかり、接触部分から白い煙が立ち上っている様子。布団の一部は熱で変色しており、床に置かれた黒い電気ストーブの運転ランプが点灯している。

エアコンは、暖房器具の中でも火事リスクが比較的低い方式とされています。
熱源が室内で露出しておらず、燃えやすい物が直接高温部に触れる構造ではないためです。

主な特徴は以下の通りです。

  • 可燃物との接触リスクが低い
  • 転倒や倒れ込みによる事故が起きない
  • 設定温度で自動制御され、過熱しにくい

一方で、

  • 部屋全体が暖まるまで時間がかかる
  • 足元の冷えを感じやすい
  • 乾燥しやすい

といった点はデメリットとして挙げられます。
即暖性は電気ストーブに劣りますが、安全性を優先する家庭では有力な選択肢です。


オイルヒーター

窓際のフローリング床にキャスター付きのオイルヒーター型電気ストーブが設置され、白いカーテン越しの自然光が当たっている室内の様子。

オイルヒーターは、内部のオイルを電気で温め、放熱で部屋を暖める方式です。
表面温度が比較的低く、赤熱する部分がない点が大きな特徴です。

メリットとしては、

  • 表面が極端に高温になりにくい
  • 風が出ないためホコリを舞い上げにくい
  • 転倒してもすぐに発火しにくい構造

があります。

ただし、

  • 暖まるまでに時間がかかる
  • 消費電力が大きく、電気代が高くなりやすい
  • 本体が重く、移動しにくい

といった点には注意が必要です。
就寝時や長時間使用を前提とする場合には、電気ストーブより安全性を重視した選択といえます。


床暖房(セントラル)

床暖房は、床面全体を穏やかに暖める方式で、暖房器具の中でも火事リスクも低い部類に入ります。

特徴としては、

  • 高温になる部品が露出しない
  • 可燃物を近づけるという概念自体がない
  • 部屋全体をムラなく暖められる

という点が挙げられます。

一方で、

  • 初期導入費用が高い
  • 賃貸住宅では導入が難しい
  • すぐに暖かさを感じにくい

といった制約もあります。
安全性と快適性を重視するなら理想的ですが、住環境によっては現実的でないケースもあるのが実情です。


「暖房の安全性」は使い方+方式で考える

電気ストーブは、短時間・限定的に使う分には便利な暖房器具です。
しかし、長時間使用や就寝時、子どもやペットがいる環境では、どうしても火事リスクが高くなります。

  • 即暖性を取るか
  • 安全性を優先するか
  • 部屋全体を暖めたいのか

こうした条件を整理したうえで、暖房方式そのものを見直すことが、結果的に事故防止につながるケースも少なくありません。

「気をつけて使う」だけに頼らず、そもそも危険が起きにくい暖房を選ぶという発想も、火事対策として十分に価値があります。


FAQ

Q1. 電気ストーブは本当に火事になりやすい暖房器具ですか?
電気ストーブだけが特別に危険というわけではありませんが、発熱体が高温になる構造上、可燃物との距離が近いと火事につながりやすい暖房器具です。特にカーテンや布団、衣類などが触れる状況では注意が必要です。

Q2. 電気ストーブをつけっぱなしにすると必ず危険ですか?
必ずしも即火事になるわけではありませんが、長時間つけっぱなしにすることで周囲の温度が上昇し、異常に気づくのが遅れるリスクが高まります。就寝中や外出中の使用は避けるべきです。

Q3. 古い電気ストーブは使わない方がいいですか?
転倒時自動オフや過熱防止装置が付いていない古い機種は、事故時のリスクが高くなります。長年使用している場合は、劣化や安全機能の有無を一度確認することをおすすめします。

Q4. 電気ストーブの周囲はどれくらい空けるべきですか?
一般的には本体の周囲1m程度には可燃物を置かないことが推奨されています。特にカーテンや布製品は、距離があっても風などで触れる可能性があるため注意が必要です。

Q5. 火事が心配な場合、電気ストーブは使わない方がいいですか?
使い方と設置環境を守れば、電気ストーブを完全に否定する必要はありません。ただし、小さな子どもやペットがいる家庭、就寝時に暖房を使いたい場合などは、より火事リスクの低い暖房方式を検討するのも現実的な選択です。

まとめ:電気ストーブの火事は「使い方」で防げる

可燃物が近接した状態で使用されている電気ストーブの前面イラスト。発熱部の上にタオルが垂れ下がり、先端が燃えて煙が立ち上っている様子が描かれ、火災リスクのある使い方を示している。

電気ストーブは、スイッチを入れればすぐに暖かくなり、設置も簡単な便利な暖房器具です。
寒い時期の補助暖房として、今後も多くの家庭で使われ続けるでしょう。
しかしその一方で、扱いを誤ると火事につながるリスクを常に内包している器具であることも、正しく理解しておく必要があります。

特に重要なのは、

  • どこに置くか
  • どんな場面で使うか
  • どんな安全機能を備えた機種か

この3点です。
置き場所が悪ければ可燃物に熱が伝わり、使う時間を誤れば異変に気づくのが遅れます。
さらに、安全機能のない古い機種を使い続けていれば、事故が起きたときの被害は大きくなりがちです。

つまり「電気だから安心」「火が出ないから大丈夫」という感覚は、電気ストーブにおいては必ずしも正しくはありません。
電気ストーブは“火を使わない”だけであって、“高温にならない”わけではないという点が、最も見落とされやすいポイントといえるでしょう。

また日常の中でできる対策は、決して難しいものではありません。

  • 周囲に物を置かない
  • 目の届く時間だけ使う
  • 少しでも異常を感じたら使用をやめる

こうした基本を徹底するだけでも、火事のリスクは確実に下げられます。

また、生活環境によっては、電気ストーブ以外の暖房方式を検討することも、安全性を高める一つの判断です。
「注意しながら使い続ける」か、「そもそもリスクの低い暖房に切り替える」か
この選択を意識的に行うこと自体が、事故を防ぐ第一歩になります。

これから電気ストーブを使う方も、すでに使っている方も、一度立ち止まって設置環境や使い方を見直してみてはいかがでしょうか。
その小さな見直しが、火事という大きな事故を防ぐことにつながりますので、ぜひご参考いただけたら幸いです。

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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