夏の電気代が落ち着いてきたと思ったら、「これからまた上がるらしい」と聞いて不安になっていませんか。
冬は暖房で使用量が増えるだけに、単価まで上がるとなると家計への影響は小さくありません。
結論から言うと、2026年秋から冬にかけての電気代は、上がる方向の要因が重なっています。
国の電気・ガス料金支援は9月使用分で終わり、11月には送配電網の利用料である託送料金の改定も予定されています。
この記事では、2026年9月時点で確認できる情報をもとに、今後の電気代を動かす要因を一つずつ整理し、家計で今からできる備えまでを解説します。
2026年秋以降の電気代を動かす4つの要因
まず全体像です。
| 要因 | 時期 | 電気代への影響 |
|---|---|---|
| 電気・ガス料金支援の終了 | 2026年10月使用分から | 上がる(1kWhあたり3.5円の値引きがなくなる) |
| 託送料金の改定 | 2026年11月1日から予定 | 上がる可能性(反映の有無と幅は電力会社による) |
| 燃料費調整額 | 毎月 | 燃料価格と為替しだいで上下する |
| 再エネ賦課金 | 2027年5月検針分から改定 | 2026年度は4.18円で据え置き。次の単価は例年3月に公表 |
このうち、確実に影響が出るのは支援の終了です。
託送料金の改定も、各社の料金に反映されれば負担増につながります。
燃料費調整額と再エネ賦課金は、今後の動向しだいで上にも下にも動きます。
冬は暖房で使用量が増える季節です。
単価が上がる時期と使用量が増える時期が重なるため、請求額の上がり方は夏より大きく感じられる可能性があります。
要因1:電気・ガス料金支援の終了
経済産業省は、2026年7月から9月までの3か月について、使用量に応じた電気・ガス料金支援を実施しています。
📎 出典:経済産業省「2026年7月、8月及び9月使用分の電気・ガス料金支援の実施に伴い、電気・都市ガス料金の値引きを行うことができる特例認可・承認を行いました」
家庭向けの低圧の電気では、値引きの単価は次のとおりです。
| 使用月 | 検針月(請求に反映される月の目安) | 値引き単価(低圧) | 月260kWhの場合の値引き額 |
|---|---|---|---|
| 2026年7月 | 8月 | 3.5円/kWh | 約910円 |
| 2026年8月 | 9月 | 4.5円/kWh | 約1,170円 |
| 2026年9月 | 10月 | 3.5円/kWh | 約910円 |
| 2026年10月以降 | 11月以降 | 値引きなし | 0円 |
東京電力エナジーパートナーの燃料費調整のお知らせでも、国の支援による値引き単価として、2026年9月分(検針月)に4.50円、10月分に3.50円が含まれていることが示されています。
つまり、10月使用分(多くの家庭で11月検針分)から、1kWhあたり3.5円の値引きがなくなるということです。
使用量が同じでも、次のように請求額が増えます。
| 月の使用量 | 値引き終了による増加額(9月使用分との比較) |
|---|---|
| 200kWh(一人暮らし〜二人暮らし) | 約700円 |
| 260kWh(平均的な家庭の目安) | 約910円 |
| 400kWh(3〜4人家族) | 約1,400円 |
| 600kWh(冬の4人家族・オール電化など) | 約2,100円 |
※値引き単価3.5円/kWhがなくなった場合の差額の目安です。燃料費調整額など他の要因の変動は含みません。
実際の11月検針分では、暖房の使い始めで使用量も増えます。
「単価が上がった」と「使用量が増えた」が同時に起きるため、請求額の上がり方を大きく感じやすい点に注意してください。
要因2:託送料金の改定
電気料金には、発電した電気を家庭まで届けるための送配電網の利用料が含まれています。
これが託送料金で、電力会社を問わず、すべての小売電気事業者が送配電事業者に支払っています。
2026年7月10日、全国の一般送配電事業者の多くが、託送料金の基礎となる「託送供給等に係る収入の見通し」の変更承認を経済産業大臣に申請しました。
たとえば九州電力送配電の申請書では、変更年月日が2026年11月1日とされています。
背景には、資材費や人件費、金利の上昇があるとされています。
国の審査・承認を経て、新しい託送料金が適用される予定です。
家庭への影響の出方は、契約している電力会社によって異なります。
| 契約の種類 | 影響の出方 |
|---|---|
| 大手電力の規制料金(従量電灯など) | 託送料金の変更が料金にどう反映されるかは各社の対応による |
| 大手電力・新電力の自由料金 | 各社が料金改定を行うかどうか、いつ・どの程度かを個別に判断する |
すでに、託送料金の改定に合わせて2026年11月から料金を改定すると告知している電力会社もあります。
契約している電力会社から「料金改定のお知らせ」が届いていないか確認してください。
メールや会員ページのお知らせで案内されることが多いため、見落としやすい部分です。
要因3:燃料費調整額
電気料金には、発電に使う燃料(原油・LNG・石炭)の輸入価格の変動を反映する燃料費調整額が含まれています。
燃料価格や為替が動くと、使用量が同じでも請求額が変わる仕組みです。
燃料費調整額には、次のような特徴があります。
- 燃料の輸入価格は、数か月前の平均値が反映される(すぐには請求に出ない)
- 円安になると、同じ燃料価格でも輸入価格が上がる
- 燃料価格が下がれば、燃料費調整額も下がる
中東情勢の緊迫化など、国際的なエネルギー市場の動きは、数か月遅れて電気料金に反映されます。
ニュースで燃料価格の上昇が報じられても、請求に出るのは数か月後という時間差があることを覚えておいてください。
仕組みの詳細は原油価格が高騰すると電気代はどうなる?知らないと損する家庭への影響で解説しています。
また、燃料費調整額に上限があるかどうかは、契約している料金プランによって異なります。
上限のないプランでは、燃料価格の上昇がそのまま請求額に反映されます。
要因4:再エネ賦課金
再エネ賦課金は、再生可能エネルギーの普及にかかる費用を、電気の使用者全員で負担する仕組みです。
2026年度の単価は1kWhあたり4.18円で、2026年5月検針分から2027年4月検針分まで適用されます。
📎 出典:経済産業省「再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します」
この単価は年度ごとに改定され、例年3月ごろに翌年度の単価が公表されます。
つまり、2026年度中(2027年4月検針分まで)は4.18円のまま変わりません。
この秋冬の電気代の変化には、再エネ賦課金は関係しないと考えてよいでしょう。
月の使用量ごとの負担額は、200kWhで836円、400kWhで1,672円、600kWhで2,508円です。
賦課金の仕組みや今後の見通しについては再エネ賦課金がおかしいと感じる理由|仕組み・問題点・今後の見通しで解説しています。
冬の支援はあるのか
多くの方が気になるのが、冬にも支援が行われるかどうかです。
これまでの支援の実施時期を整理すると、次のようになります。
| 支援の対象期間(使用月) | 季節 |
|---|---|
| 2023年1月〜2024年5月 | 通年 |
| 2024年8月〜10月 | 夏 |
| 2025年1月〜3月 | 冬 |
| 2025年7月〜9月 | 夏 |
| 2026年1月〜3月 | 冬 |
| 2026年7月〜9月 | 夏 |
※東京電力エナジーパートナーの「国による電気・ガス料金支援について」をもとに作成。
ここ数年は、需要が増える夏と冬に集中して支援が行われてきました。
ただし、2026年10月使用分以降の支援について、2026年9月時点で政府の正式な発表は確認できていません。
過去に冬の支援があったからといって、今冬も必ず実施されるとは限りません。
家計の見通しを立てるうえでは、「支援はない」前提で予算を組み、実施が決まれば上乗せの余裕とするのが安全です。
最新の情報は、経済産業省・資源エネルギー庁の公式サイトで確認してください。
今後の電気代の見通し(目安)
ここまでの要因を、検針月ごとに整理します。
| 検針月(目安) | 支援の値引き | 託送料金 | 使用量の傾向 | 請求額の傾向 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年10月 | あり(3.5円) | 改定前 | 冷房が落ち着く | 下がりやすい |
| 2026年11月 | なし | 改定の影響が出始める可能性 | 暖房の使い始め | 上がりやすい |
| 2026年12月 | なし(新たな支援が決まれば別) | 改定後 | 暖房が本格化 | 上がりやすい |
| 2027年1〜3月 | 未定 | 改定後 | 暖房のピーク | 年間でもっとも高くなりやすい |
※燃料費調整額の変動は含んでいません。使用月と検針月の関係は電力会社・契約によって異なります。
とくに注意したいのは、10月検針分で下がった請求額を基準にしてしまうことです。
10月検針分はまだ支援の値引きが入っており、冷房も落ち着く時期なので、年間でも低めに出やすい月です。
その金額を基準に冬の家計を組むと、実際の請求とのずれが大きくなります。
家計で今からできる備え
1. 契約している電力会社のお知らせを確認する
託送料金の改定に伴う料金改定の案内が届いていないか、メールや会員ページを確認してください。
改定がある場合は、いつから、1kWhあたりいくら上がるのかを把握しておくと、冬の請求額を見積もれます。
2. 料金プランと燃料費調整の上限を確認する
燃料費調整額に上限があるプランかどうかで、燃料価格が上がったときの影響が変わります。
市場価格に連動するプランは、冬の需要ピーク時に単価が大きく跳ねることがあります。
冬に入る前に、自分のプランの仕組みを確認しておくことが大切です。
3. 暖房の使い方を整える
冬の電気代の中心は暖房です。
単価が上がる局面ほど、使用量を減らしたときの効果が大きくなります。
- エアコン暖房を主力にし、電気ストーブの常用を避ける
- 設定温度は20℃前後を目安に、着るもので調整する
- サーキュレーターで天井付近の暖気を足元に送る
- 窓に断熱シートや厚手のカーテンを使う
家電ごとの消費電力の大きさは【2026年最新】家電の消費電力ランキングTOP15|電気代が高い順に解説で確認できます。
4. 冬の請求額を先に見積もっておく
昨年の1〜2月の検針票があれば、使用量(kWh)を確認してください。
その使用量に、支援の値引きがなくなった分(3.5〜4.5円/kWh程度)と、料金改定があればその分を上乗せすると、今冬の請求額の目安になります。
5. 支援を装った詐欺に注意する
「電気代の補助金の手続き」「値引きの申請」を名目に、個人情報や手数料を求める電話・メール・SMSには応じないでください。
国の電気・ガス料金支援は、電力会社を通じて自動的に値引きされる仕組みで、家庭側が申請する手続きはありません。
値上がりの全体像を知っておく
電気代だけでなく、ガス代や食品など生活全般の値上がりが続いています。
2026年春の料金改定の内容は2026年4月から電気代・ガス代が一斉値上がり|補助金終了で家計への影響と今すぐできる対策で、値上げが今後いつまで続くかの見通しは【2026年度版】値上げラッシュはいつまで続く?電気・ガス・食品の終息時期を見通すで整理しています。
よくある質問
Q1. 電気代の補助金はいつまでですか?
2026年の夏の電気・ガス料金支援は、2026年7月から9月の使用分が対象です。
多くの家庭では、9月使用分が10月の検針分に反映され、10月使用分(11月検針分)からは値引きがなくなります。
家庭向けの低圧の電気では、7月・9月使用分が1kWhあたり3.5円、8月使用分が4.5円の値引きでした。
10月使用分以降の支援については、2026年9月時点で政府の正式な発表は確認できていません。
最新の情報は、経済産業省・資源エネルギー庁の公式サイトで確認してください。
Q2. 今年の冬も電気代の補助はありますか?
2026年9月時点では決まっていません。
ここ数年は、2025年と2026年の1〜3月使用分など、需要が増える冬にも支援が行われてきました。
ただし、過去に実施されたからといって、今冬も必ず実施されるとは限りません。
家計の見通しを立てる際は、支援がない前提で予算を組み、実施が決まった場合は上乗せの余裕とするほうが安全です。
なお、支援は電力会社を通じて自動的に値引きされる仕組みなので、家庭側で申請する必要はありません。
Q3. 託送料金が上がると、電気代はいくら上がりますか?
契約している電力会社と料金プランによって異なります。
託送料金は、すべての小売電気事業者が送配電事業者に支払う送配電網の利用料で、電気料金を構成する費用の一部です。
改定された託送料金を料金にどう反映するか、いつから、どの程度反映するかは、各電力会社が判断します。
すでに2026年11月からの料金改定を告知している会社もあります。
契約している電力会社から料金改定のお知らせが届いていないか、メールや会員ページで確認してください。
Q4. 電気代は今後下がる可能性はありますか?
燃料費調整額は、燃料価格や為替の動きしだいで下がる可能性があります。
燃料の輸入価格が下がったり、円高が進んだりすれば、数か月遅れで燃料費調整額が下がり、請求額が軽くなります。
一方で、支援の終了や託送料金の改定は、上がる方向の要因です。
再エネ賦課金は2027年4月検針分まで4.18円のまま変わりません。
2026年秋冬に限って言えば、下がる要因より上がる要因のほうが確実に見えている状況です。
Q5. 電気代の値上がりに備えて今からできることはありますか?
まず、契約している電力会社から料金改定のお知らせが届いていないかを確認してください。
次に、料金プランが燃料費調整額の上限のあるものか、市場価格に連動するものかを確認します。
そのうえで、冬の電気代の中心である暖房の使い方を整えることが効果的です。
エアコン暖房を主力にし、窓の断熱やサーキュレーターの併用で設定温度を抑えられます。
昨年の冬の使用量をもとに、今冬の請求額をあらかじめ見積もっておくと、家計への影響に慌てずに済みます。
まとめ
2026年秋から冬にかけての電気代は、上がる方向の要因が重なっています。
- 電気・ガス料金支援は9月使用分で終了。10月使用分からは1kWhあたり3.5円の値引きがなくなる
- 送配電網の利用料である託送料金が2026年11月1日から改定される予定で、料金に反映される可能性がある
- 燃料費調整額は燃料価格と為替しだいで、数か月遅れて請求に反映される
- 再エネ賦課金は2027年4月検針分まで4.18円のまま
- 冬の支援は2026年9月時点で未定。支援がない前提で家計を見積もっておく
10月検針分の低めの請求額を基準にせず、昨年の冬の使用量から今冬の請求額を見積もるところから始めてください。
※本記事は2026年9月時点の情報です。支援や料金改定の最新情報は、国や電力会社の公式発表で確認してください。

