冬のキャンプで使う暖房として、ガスストーブを検討しているものの、燃料がカセットガスなのかOD缶なのか、LPガスなのかで迷うことはありませんか。
燃料が違うと、機器もボンベも使い方も変わり、安全面の注意点も違ってきます。
キャンプ用ガスストーブは、「機器に指定された燃料を使う」ことが大前提で、そのうえで、気温、使う場所、使う時間、荷物の量から燃料のタイプを選びます。
この記事では、燃料別の考え方、メーカーの公式仕様、低温時の注意、テント内での使用の危険を、メーカーと公的機関の情報をもとに整理します。
先に確認する:機器ごとに燃料が決まっている
NITE(製品評価技術基盤機構)は、燃焼機器ごとに対応する燃料が決まっているため、燃料を補給・取り付けする前に、取扱説明書を確認し、適合するものを使うよう注意喚起しています。
イワタニも、必ず使用するカセットこんろ専用のカセットボンベを使うよう案内しています。
ボンベの種類は、見た目が似ていても、機器との組み合わせが決まっています。指定外のボンベは、使わないでください。
燃料別の考え方
キャンプで使われるガス燃料は、大きく3つに分かれます。
| 燃料 | 特徴 | 考えること |
|---|---|---|
| カセットガス(CB缶) | 家庭用のカセットこんろと同じ缶。手に入りやすい | 低温で気化しにくい。機種の使用可能温度を確認する |
| OD缶(アウトドア缶) | キャンプ用品店で売られる専用缶。機器との適合が決まっている | 缶と機器の組み合わせを確認する。寒冷時向けの缶の仕様を確認する |
| LPガス式 | 大きめの容器やボンベを使う方式 | 容器・調整器・ホースなどの組み合わせが機器ごとに決まっている |
カセットガス(CB缶)式
カセットガスは、スーパーやホームセンターで手に入りやすい燃料です。
イワタニによると、カセットボンベの主成分は液化ブタンガスで、ブタンの沸点が氷点下と低いため、常温では気体になります。
このため、気温が低いと、ボンベ内のガスが気化しにくくなります。
イワタニのマイ暖の取扱説明書では、気温5℃以下の場所では使用できないとされています。
容器内のガスが十分に気化せず、点火しにくくなったり火力が弱くなったりするためです。
冬のキャンプでは、夜間に気温が5℃を下回ることがあるため、カセットガス式を使う場合は、使用できる気温の範囲を、必ず取扱説明書で確認してください。
OD缶式
OD缶は、キャンプ用の燃料缶で、メーカーや機器ごとに、接続部の規格や使い方が決まっています。
OD缶を使うヒーターは、缶の仕様と機器の組み合わせが、取扱説明書で指定されます。
寒い時期の使用を想定した缶があるかどうかは、缶のメーカーの仕様で確認します。
LPガス式
LPガス(プロパンガス)を使うキャンプ用の暖房機器もあります。
家庭で使うLPガスの容器や調整器を、そのままキャンプ用機器に使えるわけではありません。
機器に合った容器・調整器・ホースの組み合わせを、取扱説明書で確認してください。
公式仕様に見るカセットガス式ストーブ
キャンプにも使われるカセットガス式ストーブの公式仕様です。
| 製品 | 暖房出力 | 連続燃焼時間 | 質量 | 使える場所 |
|---|---|---|---|---|
| イワタニ マル暖(CB-STV-MRD) | 約2.09kW | 約1時間40分 | 約4.5kg | 屋内外兼用 |
| アラジン SAG-BF02C | 2.0〜0.8kW | 強100分/弱260分 | 約5.3kg | 屋内外で使えるとされている(ベランダ、キャンプ場の利用が挙げられている) |
| イワタニ マイ暖(CB-STV-MYD3) | 1.0kW | 標準 約3時間20分 | 約2.6kg | 屋内専用 |
| イワタニ デカ暖(CB-STV-DKD) | 1.35kW | 約2時間30分 | 約4.1kg | 屋内専用 |
「屋内専用」と表示された機種は、屋外では使えません。
一方で、「屋内外兼用」や「屋内でも屋外でも使える」とされていても、閉めきったテント内で使ってよいという意味ではありません。
📎 出典:アラジン ポータブル ガス ストーブ
テント内で使うときの危険
NITEは、換気が不十分な場所で、ガスカートリッジこんろやポータブルストーブ、ランタンなどを使うと、一酸化炭素中毒につながるおそれがあると注意喚起しています。
使用は、屋外の風通しのよい場所に限るよう案内されています。
イワタニのマイ暖の取扱説明書には、テント内、車内、トイレ、浴室など閉めきった場所では、絶対に使用しないと明記されています。
| 場所 | 注意点 |
|---|---|
| 閉めきったテント内 | 一酸化炭素が溜まりやすく、使用できない |
| 車内 | 閉めきった空間のため使用できない |
| タープの下など、風通しのよい屋外 | 風で炎が乱れる場所や、燃えやすい物の近くは避ける |
テントの中で、ガスストーブを使って寝ることは、絶対にしないでください。
一酸化炭素は、色もにおいもなく、気づかないうちに中毒になるおそれがあります。
アウトドア用と室内用の違いは、アウトドア用と室内用ガスストーブの違いでも整理しています。
ボンベの保管と廃棄
| 場面 | 注意点 |
|---|---|
| 保管 | 火気や直射日光を避け、40℃以下の湿気の少ない場所(イワタニのマイ暖の説明書) |
| 車内への放置 | 直射日光で高温になる車内に放置しない(NITE) |
| 熱源の近く | ストーブや、こんろの熱でボンベが加熱されると、破裂するおそれがある(イワタニ) |
| 廃棄 | ガスを使い切ってから捨てる。屋内でガス抜きや穴あけをしない |
低温時に火力が落ちたからといって、ボンベを火やストーブの熱で温めることは、破裂の危険があるため絶対に行わないでください。
低温時の火力低下は、寒い日にカセットガスストーブの火力が落ちる理由|ボンベの気化と対策で整理しています。
選び方の手順
| 順番 | 確認すること |
|---|---|
| 1 | 使う場所:屋外のタープ下か、ベランダか、車や閉めきった場所は使えない |
| 2 | 最低気温:機器の使用できる温度の範囲 |
| 3 | 燃料:機器に指定されたボンベの種類 |
| 4 | 使う時間:ボンベ1本の燃焼時間と、持っていく本数 |
| 5 | 質量と大きさ:持ち運び、積載 |
| 6 | 安全装置:転倒時消火、立消え、不完全燃焼防止、圧力感知 |
荷物と本数の考え方
キャンプでは、ボンベの本数がそのまま荷物の重さと量になります。
公式の連続燃焼時間から、6時間使う場合のボンベ本数を計算すると、次のとおりです。
| 機種 | 6時間使う場合 |
|---|---|
| マル暖 | 4本 |
| アラジン SAG-BF02C(強) | 4本 |
| アラジン SAG-BF02C(弱) | 2本 |
この表は、当サイトが公式の燃焼時間(気温20〜25℃での実測値)から計算した目安です。
寒い屋外では、燃焼時間が短くなる可能性があります。
本体の質量(マル暖は約4.5kg、アラジンは約5.3kg)に、ボンベの重さも加わります。
持ち運ぶ量と、使う時間のバランスを見て、本数を決めてください。
よくある質問
Q1. キャンプにはカセットガスとOD缶のどちらがよいですか?
機器に指定された燃料が前提です。
カセットガスは手に入りやすい一方、低温で気化しにくくなります。
最低気温と、機器の使用できる温度を確認して選んでください。
Q2. テントの中でガスストーブを使えますか?
閉めきったテント内では使えません。
NITEは、換気が不十分な場所での使用は、一酸化炭素中毒につながるおそれがあると注意喚起しています。
Q3. 屋内外兼用なら、テント内でも使えますか?
使えるとは限りません。
屋内外兼用は、屋外でも使える設計という意味で、閉めきったテント内での使用を認めるものではありません。
取扱説明書の注意を確認してください。
Q4. 冬の山でもカセットガスストーブは使えますか?
気温が低いと、ボンベ内のガスが気化しにくくなり、火力が弱くなります。
イワタニのマイ暖は、気温5℃以下では使用できません。
冬の山では、使用条件を超える可能性が高いため、注意が必要です。
Q5. 使い終わったボンベはどうしますか?
ガスを使い切ってから、自治体の指示に従って捨てます。
屋内でのガス抜きや穴あけはしないでください。
まとめ
キャンプ用ガスストーブは、燃料と使う環境の組み合わせで選びます。
最後に、要点を整理します。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 大前提 | 機器に指定された燃料を使う |
| カセットガス | 手に入りやすい。低温で気化しにくい |
| 使う場所 | 風通しのよい屋外に限る。閉めきったテント内・車内は不可 |
| 保管 | 高温の車内や熱源の近くに置かない |
出発前に、取扱説明書で、使用できる気温と使う場所の条件を確認してみてください。

