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灯油の買い方を完全解説|タンクの種類・配達と自己給油の違いとは?

屋外の白い外壁に設置された据え置き型の灯油タンクを正面から捉えた様子。金属製の脚で地面から浮かせて固定され、下部には配管とホースが接続されている。
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

灯油は、ガスや電気と違って「契約すれば自動的に使える」エネルギーではありません。
使う側がどうやって買うか・どこに貯めるかを、あらかじめ選ぶ必要があります。

ここが、灯油を初めて使う人だけでなく、長年使っている人でも迷いやすいポイントです。
ガスや電気であれば、契約先を決めれば供給方法や保管を意識することはほとんどありません。
しかし灯油は、購入方法・保管方法・補充の手間まで含めて「使い方の設計」を自分で考える必要があります。

その結果、

  • タンクは大きいほうがいいのか、小さいほうがいいのか
  • 配達を頼むと高くなるのはなぜなのか
  • 自分で買いに行くのと、業者に頼むのはどちらが得なのか

といった疑問が積み重なり、「なんとなく今のやり方を続けている」という家庭も少なくありません。

実際、灯油の購入で迷う人の多くは、

  • どのタンクを使えばいいのか
  • 配達を頼むべきか、自分で買うべきか
  • なぜ灯油の単価に差が出るのか

といった点で混乱しがちです。
これは知識不足というより、灯油を購入する上で仕組み自体がわかりにくいことが原因です。

そこで重要になるのが、「灯油はどうやって買うか」ではなく、「まずどこに貯めるか」という視点です。

タンクの種類と使い方を整理すると、灯油の買い方は実はかなりシンプルな構造をしています。
まずは、灯油を貯める「タンクの種類」から整理していくことで、自分の家に合った買い方の全体像が一気に見えてきますので確認していきましょう。


目次

灯油タンクの種類と設置場所の考え方

490Lタンク・200Lタンクは屋外専用

灯油タンクの中でも、490Lタンク・200Lタンクは完全に屋外設置が前提です。

  • 金属製で容量が大きい
  • 配管でボイラーや暖房機器に直接接続
  • 基本的に灯油配達サービス専用

このクラスのタンクは、家庭でポリタンクを運んで入れる現実性がありません。
そのため「灯油は配達で買うもの」という使い方になります。


90Lタンクは原則屋外、まれに室内使用もある

90Lタンクはやや中間的な存在です。

  • 基本は屋外設置
  • 配達対応できる会社もある
  • まれに、室内でポリタンクから手動給油している家庭もある

ただし、室内で使われているケースでも
灯油は必ずポリタンク経由です。
ガソリンスタンドで買った灯油を、室内に運んで補充する形になります。


小型タンク(それ以下)は室内使用・ポリタンク前提

90L未満の小型タンクや、
ストーブ直結のタンクは、

  • 室内設置
  • 灯油配達は不可 or 非効率
  • 必ずポリタンクから給油

という扱いになります。

この場合、灯油の買い方はほぼ一択です。


灯油の買い方は大きく2通りしかない

タンクの種類を整理すると、灯油の買い方は実はとてもシンプルです。

1. 自分でガソリンスタンドに行き、ポリタンクに給油する

夜のガソリンスタンドの様子。
  • 最小単位で購入できる
  • 単価が安くなりやすい
  • 手間と労力はかかる

少量使用の家庭や、
ストーブ1台だけ使っているケースでは、この方法が一番合理的です。


2. 燃料会社の灯油配達サービスを利用する

灯油の配送サービスを案内したPOP
  • 自宅まで届けてくれる
  • 重たい灯油を運ばなくていい
  • 単価は条件次第で高くなる

配達対応の条件は会社ごとに異なり、

  • 490Lタンク・200Lタンク限定
  • 90Lタンクまで対応
  • ポリタンク1本から配達可

など、かなり幅があります。


なぜタンク容量で灯油単価が変わるのか

25Lの灯油タンク。

ここが、灯油の買い方で一番誤解されやすいポイントです。

灯油配達は、
「運ぶコスト」が必ず発生するサービスです。

  • 人件費
  • 車両費
  • 移動時間
  • 最低配送量

これらは、10Lでも400Lでもほぼ同じようにかかります。

そのため、会社側から見ると、

  • 大口(490Lタンク) → 利益が出やすい
  • 小口(ポリタンク・90L) → 単価を上げないと合わない

という構造になります。

結果として、

  • ポリタンク配達
  • 小型タンク配達

は、灯油単価が高くなりやすいのが現実です。


一番安くなりやすいのは490Lタンク

灯油用490Lタンク。

条件が合うのであれば、

  • 490Lタンクを設置
  • 定期的にまとめて給油

これが、灯油単価を抑えやすい買い方です。

使用量が多い家庭や、暖房・給湯を灯油でまかなっている住宅では、長期的に見るとコスト差がはっきり出ます。


使用量が少ないなら「自分で給油」が合理的

一方で、

  • 使用量がそこまで多くない
  • ストーブ1台のみ
  • タンク設置スペースがない

こうした家庭では、490Lタンクは明らかにオーバースペックです。

その場合は、

  • ガソリンスタンドでポリタンク給油
  • 手間はかかるが単価は安い

という選択のほうが、結果的に無駄がありません。


FAQ

Q1. 灯油はどこで買うのが一番安いですか?

A. 使用量が少ない場合は、ガソリンスタンドでポリタンクに自己給油する方法が最も安くなることが多いです。使用量が多い家庭では、490Lなどの大型タンクを設置して配達でまとめて給油するほうが、結果的に灯油単価が抑えやすくなります。


Q2. 灯油配達サービスはポリタンク1本からでも頼めますか?

A. 会社によって対応は異なります。ポリタンク1本から配達してくれる会社もありますが、配送コストの関係で灯油単価が高くなる傾向があります。多くの燃料会社は、200Lタンクや490Lタンクなどの据え置きタンクを主な対象としています。


Q3. 490Lタンクと200Lタンクの違いは何ですか?

A. 容量の違いが主で、どちらも屋外設置が前提です。490Lタンクは一度に多く給油できるため、配達回数が減り、灯油単価が安くなりやすいのが特徴です。200Lタンクは設置スペースが限られる場合に選ばれることが多いです。


Q4. 90Lタンクは室内に置いて使えますか?

A. 90Lタンクは基本的に屋外設置が前提です。ただし、まれに室内でポリタンクから手動で給油して使用しているケースもあります。その場合でも、灯油は必ずポリタンク経由で補充する必要があります。


Q5. 灯油の単価が家によって違うのはなぜですか?

A. 灯油の単価は、給油量と配送条件によって変わります。配達サービスでは、人件費や移動コストがかかるため、小口給油ほど単価が高くなりやすい仕組みです。大量にまとめて給油できる大型タンクのほうが、単価は下がりやすくなります。

まとめ:灯油の買い方は「量 × 手間 × 単価」で考える

赤いポリタンクが綺麗に3つ並んでいる様子。

灯油の購入方法に、万人に当てはまる正解はありません。
なぜなら、灯油は 使う量・保管方法・補充の手間 によって、最適な買い方が大きく変わるエネルギーだからです。

基本の考え方は、とてもシンプルです。

  • たくさん使う家庭
     → 大型タンク(490Lなど)を設置し、配達でまとめて給油
  • 使用量がそれほど多くない家庭
     → ポリタンクで必要な分だけ自己給油

この違いは、好みの問題ではありません。
「どちらが自分の生活に無理がないか」という現実的な判断基準です。

配達サービスは便利ですが、配送コストがかかる以上、小口になればなるほど単価は上がりやすくなります。
一方で、ガソリンスタンドでの自己給油は手間がかかる反面、必要な分だけ買えるため、灯油そのものの単価は抑えやすい傾向があります。

つまり、灯油の買い方は

  • 使用量(どれくらい使うか)
  • 手間(どこまで自分で動けるか)
  • 単価(多少高くても楽を取るか)

この3つのバランスで決めるのが、もっとも納得感のある選び方です。

タンクの種類や配達の仕組みを理解しておくと、
「なぜ今の灯油代が高く感じるのか」
「この使い方は本当に合っているのか」
といった疑問が、感覚ではなく理由で整理できるようになります。

なんとなく続けてきた買い方を一度立ち止まって見直すだけでも、灯油との付き合い方はぐっと楽になります。
自分の暮らしに合った方法を選ぶことが、結果的に一番無駄のない灯油の買い方となりますので自身のライフスタイルに合わせて検討してみましょう。

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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