ノーリツの給湯器を使用していると、ある日突然リモコンに「888」または「88」という数字が点滅表示され、驚いた経験がある方も多いのではないでしょうか。
一見するとエラーコードのように見えるため、「故障したのでは?」「使い続けて大丈夫?」と不安になりがちですが、結論から言うとエラー888・88は故障ではありません。
これは、ノーリツが安全・安心に給湯器を使い続けてもらうために設けている点検時期のお知らせ表示です。
本記事では、ノーリツ公式情報をもとに、エラー888・88の意味、解除方法、一時的に消してよいのか、放置するとどうなるのかまでをわかりやすく解説します。
ノーリツ給湯器のエラー888・88とは?

ノーリツ給湯器に表示される「888」および「88」は、どちらも意味は同じです。
エラーではなく「点検時期のお知らせ」
ノーリツ公式によると、この表示は以下の条件に達した際に点灯します。
- 設計上の標準使用期間
- または それに相当する使用回数
これを超えた場合、リモコンに「88」または「888」を点滅表示させて、
「点検の時期が来ています」
ということを利用者に知らせる仕組みです。
そのため、
- 運転停止する
- お湯が出なくなる
- 危険だから即使用禁止
といったものではありません。表示が出ていても、給湯器自体は通常どおり使用可能です。
「88」と「888」の違いはある?
結論から言うと、違いはありません。
- 機種やリモコンの表示仕様によって
- 「88」と表示される場合
- 「888」と表示される場合
がありますが、どちらも同じ点検サインです。
表示桁数が異なるだけで、意味や対応方法は共通です。
点検時期はいつ?何年くらい使うと表示される?

ノーリツ給湯器の点検時期の目安は以下のとおりです。
- 製造から約9〜11年
これは「設計上の標準使用期間」に基づくもので、JISの定める条件下では、
- 家庭用給湯器:約10年
- 業務用製品:約3年
が基準とされています。
ただし、実際の使用状況は家庭ごとに大きく異なります。
- お湯を使う回数が多い
- 追いだきや暖房を頻繁に使う
- 使用環境が厳しい
といった条件では、年数が短くても表示が出るケースもあります。
ノーリツ給湯器エラー888(88)の解除方法
「今すぐ点検は難しい」「表示だけでも消したい」という方のために、一時的に表示を解除する方法が用意されています。
一時解除(リセット)方法
- リモコンに「88」または「888」が表示されていることを確認
- 運転スイッチ(電源ボタン)を5秒以内に5回押す
- ON → OFF → ON → OFF → ON のイメージ
- 「ピピッ」と音が鳴り、表示が消えれば解除完了
この操作により、表示は一時的に消えます。
解除後はどうなる?
- 表示は約1年間表示されなくなります
- ただし、これはあくまで点検を先送りしている状態です
- 根本的な解決ではありません
エラー888・88を放置しても大丈夫?
「故障じゃないなら放置してもいいのでは?」と思うかもしれませんが、注意が必要です。
放置が推奨されない理由
エラー888・88は、給湯器の内部で以下のような経年劣化リスクが高まっている可能性を示しています。
- 部品の摩耗・劣化
- 燃焼状態の変化
- ガス漏れ・不完全燃焼のリスク
- 突然の故障や停止
点検は、こうした事故やトラブルを未然に防ぐためのものです。
ノーリツが点検をすすめる理由
ノーリツでは、給湯器を「機械」としてではなく、人間の健康診断に近い考え方で捉えています。
点検を受けるメリット
- 事故を未然に防げる(安全・安心)
- 現在の劣化状態を正確に把握できる
- 使用頻度が分かり、交換時期の目安になる
- 部品欠品前に買い替え準備ができる
- 専門家に不安や疑問を相談できる
実際、ノーリツの調査でも、
- 「安全面から定期点検は必要だと思う」
- 「車の点検と同じで必要性を感じた」
- 「丁寧な対応で安心できた」
といった声が多く寄せられています。
ノーリツの点検内容と費用の目安

点検の流れ(所要時間:約60分)
- 予約日時に訪問
- 立ち会いのもと点検開始
- ガス漏れの有無確認
- 運転音・動作チェック
- 使用頻度の確認
- 機器内外の点検
- フィルターなどの簡易清掃
- 点検結果の説明
点検料金(目安・税込)
- 風呂給湯(暖房)機器:11,000円
- 給湯器・ふろがま(単機能):10,010円
- 小型瞬間湯沸器:9,350円
※点検は修理や分解整備ではなく、現状確認が目的です。
賃貸住宅の場合の注意点

賃貸物件でエラー888・88が表示された場合は、自己判断で点検依頼をせず、必ず貸主または管理会社へ連絡してください。
給湯器は設備扱いとなるケースが多く、点検・修理・交換の判断は所有者側が行う必要があります。
もしくは供給しているガス会社へ連絡するのでいいでしょう。
自身でメーカーを呼ぶことも可能ですが、費用が発生してしまうのでエラ−888・88に限らず不具合などが発生した場合は必ず連絡先を確認しておくことをおすすめします。
FAQ(よくある質問)
Q1. ノーリツ給湯器のエラー888・88は故障ですか?
いいえ、故障ではありません。エラー888・88は、ノーリツが設定している「点検時期のお知らせ」であり、給湯器の異常や停止を示すものではありません。表示中でも通常どおり使用できます。
Q2. エラー888とエラー88に違いはありますか?
違いはありません。機種やリモコンの仕様によって「88」または「888」と表示されるだけで、意味・対応方法は共通です。
Q3. エラー888(88)は解除しても問題ありませんか?
一時的な解除は可能で、運転スイッチを5秒以内に5回押す操作で表示を消せます。ただし、これは点検を不要にするものではなく、約1年後に再表示される場合があります。
Q4. エラー888(88)を放置するとどうなりますか?
すぐに危険になるわけではありませんが、経年劣化による故障や事故のリスクを見逃す可能性があります。安全に使い続けるためにも、点検の検討が推奨されています。
Q5. 賃貸住宅でエラー888(88)が出た場合はどうすればいいですか?
賃貸物件の場合、給湯器は貸主や管理会社の設備にあたることが多いため、自己判断で点検依頼をせず、まずは貸主または管理会社へ連絡してください。
ノーリツ給湯器エラー888・88は「危険」ではなく「合図」

ノーリツ給湯器に表示されるエラー888・88は、多くの方が想像するような「故障」や「トラブル発生」を直接示す表示ではありません。
実際には、
- 故障ではない
- その場ですぐ使えなくなるわけでもない
- ただし「無視して使い続けていい表示」でもない
という、少し立ち位置の難しいサインです。
この表示が出るということは、給湯器が「そろそろ自分の状態を確認してほしい」と知らせてきている状態だと捉えるのが自然でしょう。
人間でいえば、体調不良ではないものの、年に一度の健康診断の案内が届いたようなものです。
一時的な解除操作によって表示を消すことは可能ですし、実際に解除したからといってすぐに問題が起こるわけではありません。
しかし、それは点検が不要になったという意味ではないことも理解しておく必要があります。
給湯器は毎日当たり前のように使われる設備だからこそ、異常が起きたときほど生活への影響は大きくなります。
突然お湯が出なくなる、寒い時期に停止する、修理や交換が急ぎになる――
そうした事態は、「まだ使えるから大丈夫」と判断した延長線上で起こりがちです。
エラー888・88は、
「壊れた」という警告ではなく、「壊れる前に確認できる最後のタイミング」を教えてくれる表示とも言えます。
「まだ使えるかどうか」ではなく、「今の状態を把握したうえで、どう使い続けるか」。
この視点で受け止めることで、エラー888・88という表示は、単なる不安要素ではなく、安心して給湯器と付き合い続けるためのきっかけに変わります。
表示が出た今だからこそ、慌てず、放置せず、冷静に。
それが、ノーリツ給湯器を安全に、長く使うための一番現実的な向き合い方といえるでしょう。

