食洗機が運転の途中で止まり、パネルに「31」または「32」と表示されている。
過熱という言葉が頭に浮かぶと、このまま使って大丈夫なのかと不安になりますよね。
リンナイの食器洗い乾燥機に表示される31と32は、過熱防止センサーの故障を表す表示です。
センサーが働いて危険を知らせているのではなく、センサー自体の状態に異常があることを機器が検知した、という位置づけになります。
この記事では過熱防止センサーの役割、電源の入れ直しで復帰させる手順、庫内温度の異常を示す16との違い、そして焦げくさいにおいをともなうときの対応までを整理します。
エラー31・32が示しているのは過熱防止センサーの故障
リンナイの公式FAQでは、エラー「31」または「32」は過熱防止センサーの故障を表すとされています。
お客様での対処方法として電源をいったん「切」にしてから再運転することが案内され、改善しない場合は器具の故障の可能性があるとされています。
31と32が同じFAQでまとめて案内されているのは、どちらも同じ過熱防止の仕組みに関わる表示だからです。
センサーが複数ある、あるいは検知のパターンが複数ある構成で、どちらの系統に異常があるかを番号で分けていると理解すると分かりやすいでしょう。
いずれにしても、ユーザー側の対処は同じ「電源を入れ直して再運転」です。
過熱防止センサーは何をしている部品か
食洗機は、庫内に入った水をヒーターで加熱し、高温のお湯で洗浄・乾燥を行います。
この加熱が想定を超えて進まないように見張っているのが過熱防止センサーです。
役割を整理すると次のようになります。
| 仕組み | 役割 |
|---|---|
| 温度センサー | 洗浄・乾燥の温度を測り、ヒーターの出力を制御する |
| 過熱防止センサー | 想定以上の温度になったときに加熱を止める安全装置 |
つまり過熱防止センサーは、通常の運転では働かない予備の安全装置です。
このセンサー自体に異常があると、機器は「安全を見張る仕組みが信頼できない状態」と判断して運転を止めます。
加熱をともなう機器で安全装置の健全性が確認できないまま動かし続けないための設計で、エラーが出ること自体は正しい動作です。
そのため、31や32が表示されたときに表示を消して使い続けようとするのは避けてください。
安全装置が機能しているかどうかを確認できない状態での運転になります。
まず試す復帰の手順
- 運転を停止し、電源を「切」にする
- ドアを開け、庫内の熱が下がるのを待つ
- 庫内に食器が残っていれば、ふきんやミトンを使って取り出す
- ドアを閉め、電源を「入」にして最初からスイッチ操作をやり直す
運転が止まった直後は庫内も食器も高温です。
素手で庫内に触れるとやけどのおそれがあるため、時間をおいてから作業してください。
ここで運転が最後まで進めば、一時的な検知だったと考えられます。
一方、再運転してもすぐに31や32が出る場合は、センサーまたは電装ユニットの故障が疑われます。
焦げくさいにおいや煙をともなうとき
エラーの番号にかかわらず、次の症状がある場合は直ちに使用を中止してください。
- 焦げたにおい、樹脂が溶けたようなにおいがする
- 煙が出ている
- 本体や電源プラグが異常に熱い
- 焦げ跡や変色が見える
これらは経年劣化の域を超えた症状で、再運転を繰り返してよい状態ではありません。
運転を止め、販売店またはメーカーの窓口へ連絡してください。
ただし、乾燥中の軽いにおいは、これとは別の原因で起きることがあります。
リンナイは、庫内のヒーターに食材の破片や油分が付き、熱されることでにおいが発生する場合があるとして、運転時に専用洗剤を多めに入れる対処を案内しています。
食材が焼けるにおいと、樹脂や電気系統が焼けるにおいは性質が違います。
判断に迷う場合は、運転を止めて庫内を確認し、ヒーター周辺に食材のカスが付いていないかを見てください。
カスが見当たらないのに焦げくさい場合は、使用を中止して点検を依頼するほうが安全です。
16・50・70との違い
加熱と温度に関わるエラーは複数あります。
混同しやすいので整理しておきます。
| コード | 意味 | 性質 |
|---|---|---|
| 16 | 庫内温度の異常 | 高温の水が接続されている可能性を含む |
| 31/32 | 過熱防止センサーの故障 | 安全装置そのものの異常 |
| 50 | 器具内のヒーターの異常 | 加熱する側の異常 |
| 70 | ヒーター回路の異常 | ヒーター・電装ユニットの異常 |
16は、電気温水器やソーラーなど高温の水が食洗機につながれていることが原因として挙げられており、設備側の条件が関係しうるエラーです。
一方31・32は、設備構成とは関係なくセンサー自体の状態を示します。
どちらが表示されているかで、確認すべき対象が変わってきます。
修理を依頼するかどうかの判断基準
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 電源を入れ直して直った | 対処完了。ただし再発に注意 |
| 数週間おきに31・32が出る | センサーの劣化。点検を推奨 |
| 入れ直しても毎回出る | 器具の故障の可能性。点検を依頼 |
| 焦げくさい・煙が出る | 直ちに使用を中止し連絡 |
| 乾燥しない症状も同時に出る | ヒーター系も含めた点検が必要 |
| 使用開始から10年前後 | 修理費と買い替えを比較 |
費用の目安として、リンナイはエラー「31」または「32」について18,900円〜31,600円(税込)を公表しています。
ただしこれは目安であり、実際の金額は訪問した修理員から案内されます。
訪問した場合は修理を行わなくても出張費や故障診断料が発生し、設置状況(高所・狭所など)や作業内容によっては追加費用が生じます。
判断の分かれ目は使用年数です。
使用期間が10年相当になると点検時期のお知らせが表示される設計になっており、この10年が一つの区切りになります。
1回の修理費が本体交換費用の3分の1を超えるなら、買い替えを比較するのが現実的なラインです。
10年を大きく超えている場合は補修用部品の保有期間を過ぎていて、そもそも修理できないこともあるため、点検時に部品の供給状況もあわせて確認してください。
センサーまわりに負担をかけない使い方
- 油汚れの強い食器は、あらかじめ軽く落としてから入れる
- ヒーター周辺に食材のカスが落ちていないか、定期的に確認する
- 月に1回程度、庫内洗浄を行う
- 爪楊枝や魚の骨は必ず取り除いてから入れる(ヒーターなどの故障の原因になります)
- 運転終了直後に次の運転を始めず、庫内の熱と蒸気を抜く
庫内洗浄にはクエン酸や食酢、レモン水、または専用のクリーナーが使えます。
リンナイは、クエン酸なら20g、食酢・レモン水なら50ccを水槽内に入れ、標準コースで運転する方法を案内しています。
重曹は水に溶け切る量に限界があり、溶け残りが故障の原因になるため使わないでください。
また、入れてよい食器・入れないほうがよい食器の判断も、庫内の負担を減らすうえで役立ちます。
素材ごとの扱いは食洗機で陶器は洗える?傷むうつわの見分け方と入れ方で解説しています。
排水まわりの状態が気になるときは食洗機に水が溜まるのは故障?正常な残り水と排水不良の見分け方もあわせて確認してみてください。
よくある質問
Q1. 31と32では対処が違うのですか。
リンナイの案内では、31と32は同じ過熱防止センサーの故障としてまとめて扱われており、ユーザー側の対処も同じです。まず電源をいったん「切」にしてから再運転し、改善しない場合は器具の故障として点検を依頼します。番号の違いはセンサーの系統や検知パターンの違いを示していると考えられますが、どちらが出ていても対応の流れは変わりません。修理受付では表示された番号をそのまま伝えてください。
Q2. 電源を入れ直したら直りました。そのまま使って大丈夫ですか。
運転が最後まで進み、その後も再発しないのであれば、そのまま使用して差し支えありません。ただし31・32は安全装置そのものに関わる表示のため、再発の間隔には注意してください。数週間おきに出る、あるいは間隔が短くなっている場合は、センサーの劣化が進んでいる可能性があります。完全に動かなくなる前に点検を受けたほうが、食器が庫内に取り残される事態を避けられます。
Q3. 表示を消して使い続けることはできますか。
おすすめできません。過熱防止センサーは通常の運転では働かない予備の安全装置で、加熱をともなう機器にとって重要な役割を担っています。この仕組みが健全かどうか確認できない状態で運転を続けるのは、安全上の余裕を削ることになります。表示が消えないまま使うのではなく、電源の入れ直しで復帰するかを確認し、改善しなければ点検を受けてください。
Q4. 乾燥しなくなったのと同時に31が出ました。関係ありますか。
関係している可能性があります。乾燥しない症状はヒーターや乾燥ファン側の不具合でも起こるため、加熱系の複数箇所に劣化が及んでいることが考えられます。この場合、31・32の修理だけで症状が解消しないこともあります。点検を依頼するときは「乾燥しない症状も同時に出ている」と伝えてください。原因の切り分けが一度の訪問で進みやすくなります。
Q5. 修理を依頼するとき、何を伝えればよいですか。
型式(RKW・RSWなどから始まる品番)、製造番号、表示された番号(31か32か)、発生する頻度の4点を控えておいてください。あわせて「乾燥しない」「焦げくさい」「庫内が異常に熱い」といった併発症状があれば必ず伝えてください。加熱系は関連する部品が複数あるため、症状の組み合わせが原因の絞り込みに直結します。型式と製造番号は、ドアを開けた庫内の側面や機器側面の銘板シールで確認できます。
まとめ
リンナイの食洗機に表示される31・32は、過熱防止センサーの故障を知らせるエラーです。
センサーが働いて危険を知らせているのではなく、安全装置そのものの状態に異常があると検知された状態です。
まずは電源をいったん「切」にしてから再運転し、庫内の熱が下がってから操作してください。
改善しない場合は器具の故障が疑われるため点検を依頼し、焦げくさいにおいや煙をともなう場合は番号にかかわらず直ちに使用を中止してください。

