シャープのエアコンが急に止まり、リモコンや本体に「1-0」「2-0」といった数字が出て戸惑っていませんか。
見慣れない番号が並ぶと故障を疑ってしまいますが、これはエアコンが自分の異常を検知して、安全のためにいったん運転を止めた合図でもあります。
シャープの家庭用エアコンには、番号で知らせる数字エラーと、「H5」「F1」のように表示される英数字エラーの2系統があり、確認のしかたも読み方も異なります。
この記事では、表示されるエラーコードの一覧と系統ごとの意味を整理したうえで、フィルター掃除や電源の入れ直しで様子を見てよいケースと、すぐに使用をやめて点検を依頼すべきケースの線引きまでを解説します。
エラーコードの確認方法は「ランプ点滅」と「お知らせボタン」
シャープのエアコンは、何らかの異常が起きたとき、まず運転ランプやタイマーランプの点滅でお知らせします。
ただし点滅しているだけでは番号までは分かりません。
具体的なコードは、リモコンを使って本体から呼び出す必要があります。
リモコンの「お知らせボタン」で数字を表示させる
手順はシンプルですが、リモコンを数秒間本体に向けたままにするのがポイントです。
途中で向きを変えてしまうと、データを受け取れずに表示されないことがあります。
- エアコン本体の送受信部(表示部のあたり)にリモコンを向ける
- リモコンの「お知らせ」ボタンを押す
- 本体からデータが送られてくるまで、数秒間はリモコンを向けたままにする
- リモコンの液晶に「1-0」のような数字が表示される
表示のしかたには2パターンあり、「1-0」とまとめて出る場合と、「1」と「-0」が交互に切り替わって出る場合があります。
交互表示のときは、2つ並べて1つのコードとして読みます。
なお、機種によって操作手順が少しずつ異なります。
AY-A/AY-B/AY-C/AY-D の各SXシリーズなど、シリーズごとの手順はメーカーの診断ページで確認できます。
数字エラーと英数字エラーは別系統
シャープのエアコンには、表示の体系が2種類あります。
自分の機種がどちらなのかを先に把握しておくと、一覧の探し方に迷いません。
| 表示のタイプ | 表示例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 数字エラー | 1-0、2-0、13-1、88 | 壁掛けタイプに多い。リモコンのお知らせボタンで呼び出して確認する |
| 英数字エラー | H5、F1、P8、EU、Fo | 表示部に英字と数字の組み合わせで出るタイプ。採用は機種による |
同じシャープ製でも、年式と機種によって採用されている体系が違います。
リモコンを操作しても数字が出てこない場合は、英数字エラーの機種である可能性があります。
シャープ エアコンの数字エラーコード一覧
ここからは、表示される数字とその症状内容を系統ごとに整理します。
各コードは「どこの部品が、どう異常なのか」を示したもので、そのまま修理内容を指すものではありません。
機種や年式によって意味が異なる場合もあるため、最終的な判断はお手持ちの取扱説明書とメーカー窓口で確認してください。
センサー(サーミスタ)系のエラー
温度を測るセンサーの異常です。
「1-」で始まるものはショート側、「5-」で始まるものは断線(オープン)側という対になった構成になっています。
| コード | 症状内容 |
|---|---|
| 1-0 | 熱交換器サーミスターのショート異常 |
| 1-1 | 外気温サーミスターのショート異常 |
| 1-2 | 吸気温度サーミスターのショート異常 |
| 1-3 | 二方弁サーミスターのショート異常 |
| 5-0 | 熱交換器サーミスターのオープン |
| 5-1 | 外気温サーミスターのオープン |
| 5-2 | 吸気温度サーミスターのオープン |
| 5-3 | 二方弁サーミスターのオープン |
| 5-4 | 吐出サーミスターのオープン |
温度・冷媒系のエラー
熱がうまく逃がせていない、あるいは冷媒の流れに問題がある状態を示すグループです。
| コード | 症状内容 |
|---|---|
| 2-0 | コンプレッサーの高温異常 |
| 2-1 | コンプレッサーの吐出温度異常 |
| 2-2 | 室外機熱交換器の加熱(冷房時) |
| 2-3 | 室外機熱交換器の加熱(暖房時) |
| 2-4 | 二方弁の凍結 |
| 3-0 | 除湿運転時の外気温低下 |
| 9-0 | 四方弁切換異常 |
| 9-4 | ガス漏れエラー |
電源・インバーター系のエラー
電流や電圧、コンプレッサーの駆動に関わるグループです。
数としてはもっとも多く、基板や圧縮機そのものに関わるものが中心になります。
| コード | 症状内容 |
|---|---|
| 6-0 | 直流電源の過電流異常 |
| 6-1 | IPMレベル判定エラー |
| 7-0 | 交流の過電流異常 |
| 7-1 | OFF時の過電流異常 |
| 7-2 | 交流の最大電流異常 |
| 7-3 | 交流の電流不足異常 |
| 12-0 | 端子板の温度ヒューズの断線 |
| 13-0 | コンプレッサーの起動異常 |
| 13-1 | コンプレッサーの回転異常 |
| 13-2 | コンプレッサーの回転異常 |
| 13-3 | インバーター電流の検出異常 |
| 14-0 | PAM過電圧の異常 |
| 14-1 | PAMクロックの異常 |
ファン・駆動部のエラー
送風ファンや、お掃除ユニット・可動パネルなど、動く部品に関するグループです。
| コード | 症状内容 |
|---|---|
| 11-0 | 室外機直流ファンの回転異常 |
| 19-0 | 室内機ファンの回転異常 |
| 28-0 | 初期化のエラー |
| 28-1 | フィルター動作異常 |
| 28-2 | オープンパネルの開エラー |
| 29-0 | オープンパネルの開エラー |
| 29-1 | オープンパネルの閉エラー |
基板・通信系のエラー
制御基板そのものや、室内機と室外機のあいだの信号のやりとりに関するグループです。
| コード | 症状内容 |
|---|---|
| 10-0 | ハードエラー |
| 10-1 | データのエラー |
| 10-2 | マイコン内部のデータのエラー |
| 17-0 | 室外LEDの点灯でシリアルオープン/室外LEDの消灯で室外機の電源が入らない |
| 18-0 | 室外LEDの点灯、シリアルショート |
| 18-1 | 室外LEDの消灯、ユニット間の誤配線 |
| 20-0 | EEPROMのデータ異常 |
| 88 | 制御基板や表示基板の通信異常 |
一覧にない番号が表示されることもある
上記に載っていない番号が出るケースもあります。
シャープの故障診断ナビでは、6-2、9-5、21-0、22-0、24-0、26-0、31-0、88-1 といった番号まで選択できるようになっており、番号を選ぶとその機種向けの診断が表示されます。
一覧に見当たらない番号は、メーカーの診断ナビで直接たどるのが確実です。
系統別に見るエラーの読み方と対処の方向性
コードの数は多いものの、対応の方向性は系統ごとにほぼ決まっています。
ここでは「自分で何かできる余地があるか」という視点で整理します。
センサー系(1-*・5-*)は基本的に修理対応
サーミスタは、熱交換器や配管、吸込口などに取り付けられた小さな温度センサーです。
ショートや断線はセンサー本体の劣化のほか、コネクタの接触不良や配線の傷みでも起こります。
いずれも室内機・室外機を開けての作業になるため、利用者側でできる対処はありません。
電源を入れ直して一時的に消えることはありますが、根本原因は残ったままです。
温度・冷媒系(2-*・9-*)は環境が引き金になることもある
このグループは、機器の故障ではなく設置環境が原因で出ることがある数少ないグループです。
室外機の前に物を置いていたり、アルミフィンに落ち葉やペットの毛が詰まっていたりすると、熱を逃がせずに温度が上がります。
実際、シャープの診断ナビでも「2-0」の入り口では、室外機の前後(吸込側と吹出側)に障害物がないかの確認と、室内機のフィルター掃除が最初に案内されます。
一方で「9-4(ガス漏れエラー)」は事情が異なります。
冷媒の補充や配管の修理は専門的な作業と資格が必要で、利用者が自分で対応できるものではありません。
冷えが弱い状態のまま使い続けると、コンプレッサーへの負担が大きくなるため、早めの点検が結果的に費用を抑えることにつながります。
「3-0(除湿運転時の外気温低下)」は、外気温が下がった状態で除湿運転を続けたときの保護動作にあたります。
故障とは限らないため、暖かい時間帯に運転して再発するかどうかを見るのがひとつの目安になります。
電源・インバーター系(6-*・7-*・12-0・13-*・14-*)は使用を止める判断が必要
過電流や過電圧、コンプレッサーの起動失敗を示すグループです。
リセットで一時的に動くことがありますが、原因が残ったまま運転を繰り返すと、基板や圧縮機の損傷が広がる可能性があります。
焦げたようなにおいがする、煙が出ている、ブレーカーが何度も落ちる、コンセントやプラグが熱いといった症状をともなう場合は、運転を中止してブレーカーを切り、そのままの状態でメーカーまたは販売店に連絡してください。
ファン・駆動部(11-0・19-0・28-*・29-*)は確認できる範囲が少しある
「28-1(フィルター動作異常)」「28-2・29-0・29-1(オープンパネルの開閉エラー)」は、お掃除ユニットや前面パネルの動作に関するものです。
前面パネルがきちんとはまっているか、パネルの可動範囲に物が挟まっていないか、エアコン周辺にカーテンなどが当たっていないかは、その場で確認できます。
ただし、フィルター清掃ユニットのギアやモーターの不具合であれば、分解が必要になります。
機種によっては冷暖房そのものは継続できる場合もありますが、自己判断で使い続けるかどうかはメーカー窓口で確認するのが安全です。
「11-0」「19-0」のファン回転異常は、モーターや基板側の問題であることが多く、こちらは点検が前提になります。
基板・通信系(10-*・17-0・18-*・20-0・88)は設置状況も確認材料になる
制御基板や通信に関するグループですが、「18-1(ユニット間の誤配線)」は設置工事に起因する可能性がある点が特徴です。
取り付けや引っ越し直後、室外機の移設直後にこのコードが出た場合は、工事内容の確認を工事店に依頼する流れになります。
一方で、長年使ったあとに突然出た場合は、配線や基板の劣化が疑われます。
いつから出るようになったのかは、問い合わせのときに伝えると診断が早くなります。
英数字エラー(H5・F系・P系など)が出る機種もある
数字エラーではなく、表示部に英字と数字の組み合わせで表示される機種もあります。
シャープの診断ナビで扱われている英数字エラーは次のとおりです。
- EU、Fo、F0、F1、F2、F3、F4、F5、F6、F8、F9、FH
- H5、H6、H7
- L3、LC
- P5、P7、P8、PH、PL
「H5」は最初に掃除で改善するかを見るタイプ
英数字エラーのなかでも、H5は利用者側の確認で改善する余地があるコードとして案内されています。
メーカーの診断では、次の順で確認するよう示されています。
- フィルターが目詰まりしていないか(目詰まりしていればお手入れする)
- 室内機・室外機の吹出口や吸込口をふさいでいないか
- 室外機のアルミフィンに木の葉、紙、ペットの毛などが詰まっていないか
- 上記を取り除いたうえで、電源プラグを入れ直して運転すると改善するか
改善しない場合は、販売店またはシャープの修理相談窓口へ相談する流れです。
自分で確認できることと、点検を依頼すべきこと
まず試せる3つの確認
コードの系統にかかわらず、次の3点は共通して確認する価値があります。
特に温度・冷媒系のエラーは、これだけで消えることがあります。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| フィルター | 前面パネルを開け、表面にホコリが見えるなら掃除機で吸ってから必要に応じて水洗いする |
| 室外機まわり | 吸込側(背面)と吹出側(前面)に物がないか、アルミフィンに落ち葉やペットの毛が付いていないか |
| 電源リセット | 運転を停止し、コンセントを抜くかブレーカーを切って数分待ってから復帰させる |
電源リセットは応急的な手段です。
一度消えても同じコードが再び出るようであれば、原因は解消していないと考えてください。
すぐに使用を中止したほうがよい状態
次のような症状をともなう場合は、コードの内容にかかわらず運転を止めてください。
焦げたにおい・煙・室外機からの異常な発熱・ブレーカーが繰り返し落ちる・電源プラグやコードの変色や発熱。これらは電気的な異常のサインであり、使い続けると発火につながるおそれがあります。
なお、エラー表示と同時に室内機から水が垂れている場合は、ドレン系のトラブルが重なっていることもあります。
水漏れ側の切り分けについてはエアコンから水が垂れる原因とは?今すぐ確認すべきポイントと正しい対処判断で解説しています。
修理か買い替えかを判断する目安
エラーが出たときに悩ましいのが、直して使うか買い替えるかという点です。
判断材料は、おおむね次の3つに整理できます。
| 判断材料 | 目安 |
|---|---|
| 使用年数 | 家庭用エアコンの設計上の標準使用期間は10年前後とされることが多く、10年を超えると補修部品の保有期間が終わっている場合がある |
| 症状の種類 | センサー1本の交換で済むものと、コンプレッサーや基板の交換になるものでは費用の桁が変わる |
| 再発の有無 | リセットで消えても短期間で再発するなら、部品単位ではなく機器全体の劣化を疑う段階 |
費用については、機種・部品・地域・作業条件で変わるため、金額を先に決め打ちしない方が安全です。
シャープの故障診断ナビでは、症状やエラー番号をたどると修理料金の目安が表示され、出張修理の概算料金も別途確認できるようになっています。
まずはそこで水準を把握してから、販売店の見積もりと比べるのが現実的な進め方です。
📎 出典:エアコン|故障診断ナビ:シャープ
買い替えを含めて検討する場合は、省エネ基準の切り替えが価格や在庫に影響する点も判断材料になります。
よくある質問
Q1. リモコンに「お知らせボタン」が見当たりません。エラーを確認する方法はありますか?
機種によってボタンの名称や配置が異なり、カバーの内側に隠れていることもあります。
まずはリモコンのフタを開け、内側の小さなボタン類を確認してみてください。
それでも見つからない場合は、その機種が英数字エラーを表示するタイプで、本体の表示部に直接コードが出る仕様である可能性があります。
本体の表示窓に「H5」などが出ていないかを確認しましょう。
どちらにも該当しない場合は、本体の型番を控えたうえでシャープのサポート窓口に問い合わせると、機種ごとの確認手順を案内してもらえます。
Q2. 一覧に載っていない番号が表示されました。どうすればよいですか?
シャープのエアコンには、年式や機種によって一覧に載りきらない番号があります。
メーカーの故障診断ナビでは、表示された番号を選ぶとその番号に応じた診断が表示される仕組みになっているため、まずはそちらで番号をたどってみてください。
それでも該当がない場合は、本体の型番と表示された番号、症状が出るタイミングの3点を控えてサポート窓口へ相談するのが確実です。
番号だけでなく「運転開始直後に出る」「しばらく運転すると出る」といった情報があると、原因の絞り込みが早くなります。
Q3. 電源を入れ直したらエラーが消えました。そのまま使って大丈夫でしょうか?
一時的に消えたとしても、原因が解消したとは限りません。
フィルターの目詰まりや室外機まわりの障害物を取り除いたうえで消えたのであれば、環境要因が解消した可能性があります。
一方、何もしていないのにリセットだけで消えた場合は、部品の劣化が進行している途中である可能性が残ります。
その後の数日から数週間で同じコードが再び出るようなら、点検を依頼する段階と考えてください。
特に電流や圧縮機に関わる系統のコードは、繰り返すほど負担が蓄積しやすくなります。
Q4. 「3-0」が表示されました。これは故障でしょうか?
3-0は、除湿運転中に外気温が下がったことを検知した際に表示されるものとされています。
そのため、必ずしも部品の故障を意味するわけではありません。
気温の低い時期や夜間に除湿運転を続けていた場合は、運転モードを冷房や送風に切り替える、または気温が上がる時間帯に運転してみて、再発するかどうかを確認してください。
気温条件と無関係に繰り返し表示される場合は、温度センサー側の異常も考えられるため、その場合は点検を依頼しましょう。
Q5. エラーが出たまま使い続けると、どうなりますか?
コードの内容によって影響は異なります。
パネルやお掃除ユニットに関するものであれば、冷暖房そのものへの影響は限定的な場合もあります。
一方、過電流や圧縮機の起動異常、冷媒漏れに関するコードは、放置すると部品への負担が積み重なり、修理範囲が広がることがあります。
結果として、当初はセンサーや基板の交換で済んだものが、圧縮機交換や買い替えの判断につながるケースもあります。
なお、焦げたにおいや発熱をともなう場合は、使用を続けずに直ちに運転を止めてください。
まとめ
シャープのエアコンに表示されるエラーコードは、故障を確定させるものではなく、どこに異常が起きているかを示すサインです。
数字エラーはリモコンのお知らせボタンで呼び出し、英数字エラーは本体の表示部で確認するという違いをまず押さえておくと、調べる手間が減ります。
そのうえで、対応の方向性は次の3つに整理できます。
- 温度・冷媒系(2-*)や英数字のH5は、フィルターと室外機まわりの確認で改善する余地がある
- センサー系・基板系・ファン系は、利用者側でできることがほとんどなく点検が前提になる
- 電流や圧縮機に関わる系統は、焦げたにおいや発熱をともなうなら即座に運転を止める
そして、リセットで消えても短期間で再発するかどうかが、点検を依頼する判断のもっとも分かりやすい線引きになります。
使用年数が10年前後に達している場合は、修理費用の見込みと合わせて、買い替えを含めた検討に切り替える時期といえます。

