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ホルムズ海峡はどこにある?場所・地理と日本の住宅設備・エネルギーへの影響を解説

宇宙から見たホルムズ海峡とアラビア半島・イラン沿岸の地形が広がる横長の俯瞰風景
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

ニュースで「ホルムズ海峡」という言葉を聞いて、そもそもどこにある海峡なんだろう?」「なぜ日本に関係があるの?と疑問を持った方は多いのではないでしょうか。

2026年2月末以降、ホルムズ海峡に関するニュースが連日報道され、「灯油やガス代が上がるかもしれない」と不安に感じている方もいらっしゃるかと思います。

この記事では、ホルムズ海峡の場所・地理的な特徴から、日本のエネルギーや住宅設備との関係まで、住まいの観点からわかりやすく解説します。


目次

ホルムズ海峡はどこにある?地図で見る場所と地理

ホルムズ海峡は、中東・アラビア半島の先端付近に位置する海上の水路(海峡)です。

具体的には、ペルシャ湾(アラビア湾)とオマーン湾・インド洋をつなぐ細い水路にあたります。
北側にはイラン、南側にはアラブ首長国連邦(UAE)とオマーンが位置しています。

ホルムズ海峡の基本データ

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項目内容
位置ペルシャ湾とオマーン湾の間
最狭部の幅約33km
北岸イラン
南岸アラブ首長国連邦(UAE)・オマーン
タンカー航行レーン出入り各幅3km
水深南側(ムサンダム半島先端部)が最深で、北に向かって浅くなる

最も狭い場所の幅はわずか約33kmしかなく、東京から横浜までの距離にも満たない狭さです。
タンカーは衝突を避けるためS字状の航路を進み、何度も舵を切りながら通過するため、航行の難所としても知られています。

ペルシャ湾ってどこ?

ホルムズ海峡を理解するには、まず「ペルシャ湾」の場所を把握しておくと便利です。

ペルシャ湾は、アラビア半島(サウジアラビア・UAE・クウェートなど)とイランに挟まれた、インド洋から奥まった内海です。面積は約24万平方kmで、日本の本州とほぼ同じくらいの大きさのイメージです。

このペルシャ湾の「出口」にあたる細い水路が、ホルムズ海峡です。
ペルシャ湾岸で産出された石油や天然ガスは、タンカーでこのホルムズ海峡を通り抜け、インド洋→アジア・ヨーロッパ各地へと運ばれています。


なぜホルムズ海峡は「世界で最も重要な海峡」なのか

「幅33kmの細い水路」が、なぜ世界中のニュースになるのでしょうか。その理由は、この海峡が持つエネルギー輸送上の重要性にあります。

世界の石油輸送の約20%が通過する

ホルムズ海峡を通過する原油・石油製品の量は、1日あたり約2,000万バレルにのぼります。これは世界全体の石油消費量のおよそ5分の1に相当します。

また、LNG(液化天然ガス)についても、世界の年間取引量の約20%がこの海峡を経由しています。

このように、世界のエネルギー輸送の大動脈がたった33kmの水路に集中しているため、ホルムズ海峡は「チョークポイント(要衝)」と呼ばれ、世界中の国々から注目されています。

ホルムズ海峡を通過する主な国の船舶

国・地域主な輸送品目
日本原油・LNG
中国原油・石油製品
韓国原油・LNG
インド原油
ヨーロッパ各国原油・LNG

アジアの主要国はいずれもこの海峡を経由して中東のエネルギーを調達しており、日本・中国・韓国・インドはとくに依存度が高い国として知られています。


ホルムズ海峡と日本の関係|なぜ「他人事」ではないのか

ホルムズ海峡が遠い中東にある海峡でも、日本の家庭とは切っても切れない関係があります。

日本の原油輸入の約8〜9割がここを通過する

日本は国内でほとんど石油・天然ガスが採れないため、一次エネルギーの約90%を輸入に頼っています。
その輸入先の約93〜95%が中東であり、そのほぼすべてがホルムズ海峡を通って運ばれてきます。

日本に来るタンカーは、年間約3,400隻がこの海峡を通過していると言われており、全体の約80〜90%がホルムズ海峡ルートに集中しています。

LNG(液化天然ガス)への影響

LNGについては、日本の輸入量のうちホルムズ海峡を経由するのは約6〜7%(カタール・UAEからの輸入分が中心)とされています。
割合としては原油ほど高くありませんが、世界的に見てLNG輸出の大国であるカタールが輸出のほぼすべてをホルムズ海峡に依存しているため、価格面での影響は大きくなりやすい構造です。

日本のエネルギー依存度まとめ

エネルギー種別ホルムズ海峡依存度
原油約80〜90%(輸入量ベース)
LNG約6〜7%(輸入量ベース)
中東全体への依存度(原油)約93〜95%

ホルムズ海峡が封鎖されると家庭の設備にどう影響するのか

ホルムズ海峡での混乱は、住宅設備の運転コストに直接影響します。とくに以下の設備を使っているご家庭は注意が必要です。

灯油を使う設備(石油給湯器・石油ストーブ・石油ファンヒーター)

灯油は原油を精製した石油製品のひとつです。
原油価格が上がれば、灯油価格もほぼ直接的に上昇します。石油給湯器や灯油ストーブを使っているご家庭にとっては、毎シーズンの燃料費に直結する問題です。

これまでの事例でも、原油価格が急騰した局面では灯油価格が数週間〜1か月程度のタイムラグをおいて追随して上昇することが多いです。

都市ガス・LPガスを使う設備(ガス給湯器・ガスコンロ・ガスファンヒーター)

都市ガスの原料であるLNG(液化天然ガス)の輸入価格は、原油価格と連動しやすい構造になっています。
そのため、原油高が続くと数か月後にガス料金の値上げとして家庭に波及してくる可能性があります。

LPガス(プロパンガス)も、国際的な原料価格の動向を受けて価格が変わりやすい燃料です。

電気を使う設備(エアコン・電気給湯器・IHクッキングヒーターなど)

日本の電力の約40%は火力発電(LNG)で賄われています。LNG価格が上昇すると、数か月後に電気料金の引き上げとして反映されるケースがあります。
オール電化住宅やエコキュートを使っているご家庭も、間接的にホルムズ海峡情勢の影響を受けます。

設備別・影響速度の目安

設備・燃料価格への影響が出るまでの目安
灯油(石油給湯器・石油ストーブ)数週間〜1か月程度
ガソリン1週間程度(最も速い)
都市ガス・LPガス3〜4か月程度
電気代(電力料金)3〜6か月程度

野村総合研究所のエコノミストによれば、電気・ガス代は原油価格が上昇してから約3〜4か月程度で影響が出始め、さらに物流コストを通じた食品・日用品への波及は数か月〜半年後になるとされています。


ホルムズ海峡がなぜ「封鎖できる」のか|地政学的な背景

外洋を航行する大型タンカーと遠くに見える貨物船のようす

ホルムズ海峡は国際海峡であり、本来は国際法上すべての船舶が通航できる権利を持っています。
しかし現実的に封鎖や妨害が懸念されるのは、この海峡の地政学的な立地によるものです。

海峡の北岸をイランが支配している

ホルムズ海峡の北側はイランの領海・沿岸です。イランは中東の大国のひとつであり、アメリカや湾岸アラブ諸国との関係が歴史的に緊張してきた経緯があります。

1980年代のイラン・イラク戦争では、原油輸出を妨害するためタンカーへのミサイル攻撃が相次ぐ「タンカー戦争」が起きました。
2019年にも、アメリカのイラン産原油禁輸措置に反発したイランが海峡封鎖を警告する事態がありました。

迂回ルートには限界がある

ホルムズ海峡を通らずに湾岸産油国から石油を輸送する迂回ルートとして、サウジアラビアやUAEが陸上パイプラインを持っています。

  • サウジアラビアの東西パイプライン(ペトロライン):日量最大約500万バレル
  • UAEのアブダビ〜フジャイラパイプライン:日量約150万バレル

合計でも最大約680万バレル/日程度と、ホルムズ海峡を通過する量(1日約2,000万バレル)にははるかに届きません。
イラク・クウェート・カタールには実効性のある代替手段がほぼないため、仮に封鎖が長期化した場合の代替調達はきわめて困難とされています。


ホルムズ海峡に関する過去の主な緊張事例

ホルムズ海峡をめぐる緊張は、今回が初めてではありません。以下に主な事例をまとめます。

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年代出来事影響
1980〜88年イラン・イラク戦争「タンカー戦争」タンカーへのミサイル攻撃が多発、原油価格が不安定化
1990〜91年湾岸戦争一時的な原油価格急騰
2010年商船三井タンカー「M.STAR」損傷事故原因不明のまま調査終了
2019年日本のタンカー「コクカ・カレイジャス」攻撃イランによる関与が疑われた
2026年2〜3月米・イスラエルのイラン攻撃を契機とした事実上の封鎖原油価格が一時大幅に急騰

このように、ホルムズ海峡をめぐる緊張は繰り返し生じてきました。住宅設備のエネルギーコストを考えるうえでも、「中東情勢とホルムズ海峡」の関係は常に頭に入れておく必要があります。


日本の備蓄と政府の対応

石油貯蔵施設を上空から見た石油備蓄基地

日本はホルムズ海峡リスクに対し、一定の備えを整えています。

石油備蓄

石油ショック(1973年)以来、日本は「石油備蓄法」に基づき国家備蓄と民間備蓄を積み上げてきました。現在、国家備蓄と民間備蓄を合わせると約200日分以上の石油が国内に備蓄されているとされています。

短期的に石油の輸入が止まっても、すぐに日本国内でガソリンや灯油が不足するわけではありません。ただし、事態が長期化した場合は別の話であり、備蓄には限界があります。

LNGの備蓄には限界がある

一方でLNGは、マイナス162℃という超低温で液化して保管・輸送するため、石油のように長期間の大量備蓄が難しい燃料です。電力・ガス会社が通常保有しているLNGの在庫は2〜3週間分程度とされており、封鎖が長引いた場合は電力やガスの供給に影響が出る可能性が指摘されています。

政府の主な対策

対策内容
石油備蓄の放出準備IEA加盟国と協調して石油備蓄の協調放出を検討・実施
激変緩和措置の継続エネルギー価格の急激な上昇を補助金で緩和
電力・ガス供給の官民連絡会議LNG安定調達に向けた官民協議の開催
輸入先多様化の推進オーストラリア・マレーシア・米国産LNGなど代替調達の検討

住まいのエネルギーコストを抑えるためにできること

日用品を無駄なく使い節約する様子を表したイラスト。トイレットペーパーや洗剤、歯磨き粉などを少量ずつ使い、中央に貯金箱とコインが配置されて節約のイメージを示している。

ホルムズ海峡情勢は個人でコントロールできるものではありませんが、住宅設備の観点から家庭でできる対策はあります。

燃料費節約のポイント

  • 高効率設備への切り替えを検討する:古い石油給湯器や灯油ストーブは燃費が悪く、エネルギー価格高騰の影響を受けやすいです。省エネ性能の高い機器に交換することで、長期的なコスト削減につながります。
  • 使用量の見直しをする:給湯温度を適正に設定する、追い焚きを減らすなど、日常の使い方を見直すだけでも燃料費の節約になります。
  • 複数エネルギーを組み合わせる:灯油・ガス・電気のうち、どれかひとつに依存しすぎない設備構成にしておくことが、リスク分散につながります。

中長期的な視点での設備選び

エネルギー価格の高騰が繰り返されるなかで、エコキュート(ヒートポンプ式電気給湯器)や太陽光発電との組み合わせなど、省エネ・自給自足型の設備を検討するご家庭も増えています。初期費用は大きくなりますが、長期的なランニングコストの安定化という観点では有効な選択肢のひとつです。


よくある質問(Q&A)

Q. ホルムズ海峡が封鎖されると、すぐに灯油やガスが入手できなくなりますか?

A. 日本には国家・民間合計で200日分以上の石油備蓄があるため、封鎖直後に灯油や燃料がすぐに入手困難になるわけではありません。ただし、価格は原油価格の上昇に伴い数週間〜数か月後に影響が出てくる可能性があります。

Q. 灯油とガスでは、どちらが先に価格に影響が出ますか?

A. 灯油は石油製品の直接精製品であるため、原油価格上昇の影響が比較的早く(数週間〜1か月程度)価格に反映される傾向があります。都市ガスやLPガスは3〜4か月程度のタイムラグがあることが多いとされています。

Q. オール電化住宅なら影響を受けませんか?

A. 影響を受けないわけではありません。日本の電力の約40%は天然ガス(LNG)を使う火力発電で賄われており、LNG価格が上昇すると電気料金の値上げにつながる可能性があります。電気給湯器(エコキュートなど)を使っているご家庭も間接的な影響を受けます。

Q. ホルムズ海峡はどこの国の管轄ですか?

A. ホルムズ海峡は国際海峡に指定されており、特定の国が単独で「所有」しているわけではありません。ただし、北岸はイランの沿岸に接しており、南岸はUAEとオマーンが位置しています。海峡の航行監視はオマーンのムサンダム半島の小島に設置されたレーダーで行われています。

Q. ホルムズ海峡の代わりになるルートはありますか?

A. サウジアラビアやUAEが迂回パイプラインを持っていますが、輸送能力はホルムズ海峡経由の3分の1程度にとどまります。イラク・クウェート・カタールには実効性のある代替手段がほぼなく、完全な代替は難しいのが現状です。


まとめ

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ポイント内容
ホルムズ海峡の場所ペルシャ湾とオマーン湾の間、最狭部は幅約33km
周辺国北岸:イラン、南岸:UAE・オマーン
世界への重要性世界の石油消費量の約20%、LNG取引量の約20%が通過
日本への依存度原油輸入の約80〜90%がこのルートを経由
住宅設備への影響灯油・ガス・電気代すべてに影響が及ぶ可能性がある
短期的な備え日本の石油備蓄は200日分以上(LNGは2〜3週間分)

ホルムズ海峡は、中東という遠い場所にある細い水路でありながら、日本の家庭の灯油代・ガス代・電気代と深くつながっています。
中東情勢が変化するたびに私たちの暮らしに影響が及ぶ構造は、エネルギー自給率の低い日本にとって長年の課題です。

住まいの設備を見直す機会として、省エネ機器の導入や燃料の多様化を検討してみることも、価格変動リスクへの現実的な備えのひとつといえるでしょう。
給湯器やストーブの選び方・省エネ対策については、当サイトの他の記事も参考にしてみてください。

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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