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シンナーの代替品とは?|DIY・塗装用途別の選び方と注意点まとめ

屋根の上で作業員が塗料缶から塗料を取り、青く塗装された屋根に塗り進めているイラスト風の作業風景
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

「シンナーが買えない」「ホームセンターの棚が空になっている」――
2026年、そんな状況に直面しているDIY愛好家の方は多いのではないでしょうか。

中東情勢の悪化を背景にした原油・ナフサの供給不安により、塗料用シンナーは急激な品薄・値上がりが続いています。
主要メーカーが50〜75%の大幅値上げを実施し、一部製品ではホームセンターや通販での入手が困難な状況です。

ただし、「シンナーが手に入らない=塗装作業ができない」とは限りません。
使用する塗料の種類や作業の目的によっては、シンナーを使わずに済む代替品・代替方法が存在します。

この記事では、DIYや家庭での塗装メンテナンスを想定し、シンナーの代わりになるものを用途別に整理してお伝えしますので、ぜひご参考ください。


目次

シンナーが「必要な場合」と「不要な場合」を整理する

屋外の木製テーブル上に並べられた水性塗料の缶、ローラー、刷毛、カラーボトルなどの塗装道具と、自然光に照らされたグリーンの背景があるイラスト

代替品を探す前に、まずそもそも自分の作業にシンナーが必要かどうかを確認することが重要です。

シンナー(有機溶剤)が必要になるのは、主に油性塗料・溶剤系塗料を使う場合に限られます。
一方、水性塗料を使う場合はシンナーは不要で、水で希釈・洗浄できます。

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使用塗料の種類希釈剤刷毛・道具の洗浄シンナー必要?
水性塗料(水性ペンキ・ニス等)水+食器用洗剤不要
油性塗料(油性ペンキ・弱溶剤系)ペイントうすめ液(塗料用シンナー)ペイントうすめ液必要
ラッカー系塗料ラッカーシンナーラッカーシンナー必要
ウレタン・エポキシ塗料専用シンナー専用シンナー必要

まず自分が使っている(または使う予定の)塗料の種類を確認してください。
水性塗料であれば、シンナーの代替品を探す必要はなく、水で代用できます


代替策①:水性塗料に切り替える(最も現実的な選択肢)

シンナー不足の状況で、現在最も現実的かつ広く推奨されている対応策が、油性・溶剤系塗料から水性塗料へ切り替えることです。

水性塗料とは

水性塗料は、塗料の主成分(顔料・樹脂・添加剤)を水で溶かして作られた塗料です。
有機溶剤を希釈剤として使用しないため、シンナーが一切不要です。

水性塗料のメリット

水性塗料への切り替えには、シンナー不足への対応以外にも多くのメリットがあります。

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メリット詳細
シンナー不要希釈も道具洗浄も水でできるため、今回の供給危機の影響を受けない
臭いが少ない有機溶剤特有の臭いがほとんどなく、室内作業もしやすい
安全性が高い引火性がなく、溶剤中毒のリスクがない。子どもがいる家庭でも安心
後片付けが楽刷毛・ローラー・バケツはすべて水と食器用洗剤で洗える
コストが低い傾向溶剤を含まない分、油性塗料より価格が抑えられているものが多い
品質が向上している近年の水性塗料は耐候性・耐水性も大幅に向上し、プロ用途でも普及が進んでいる

水性塗料のデメリットと注意点

水性塗料はあらゆる場面で万能というわけではありません。以下の点に注意が必要です。

  • 気温が低い時期や高湿度・雨天時は乾きにくい
  • 金属素材に対して、さびやすい素材では下塗りが必要な場合がある
  • 素材や下地の状態によっては、油性塗料よりも密着性が劣る場合がある
  • 既存の油性塗膜の上に塗る場合は、密着性の確認が必要

素材別・用途別の水性塗料の選び方

水性塗料といっても多くの種類があります。DIYでよく使われる素材・用途ごとに適した製品を確認してください。

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用途・素材適した水性塗料の種類備考
木材全般(屋内家具・棚など)水性多用途塗料、水性ニス最も汎用性が高く入手しやすい
木材(屋外デッキ・フェンス)水性木材保護塗料、水性キシラデコール耐候性の高いタイプを選ぶ
鉄部(門扉・手すり・フェンス)水性鉄部用塗料(さび止め入り)さび止め効果があるタイプが必須
コンクリート・ブロック水性外壁用塗料、水性コンクリート用浸透性・密着性の高いタイプを
壁・モルタル水性外壁塗料防カビ・防藻タイプが長持ちしやすい
プラスチック水性多用途塗料(プラスチック対応品)対応素材の確認が必要

代替策②:エコ塗料用シンナーを使う(溶剤系塗料を継続する場合)

どうしても油性・溶剤系塗料を使い続けなければならない事情がある場合の選択肢として、エコ塗料用シンナーが注目されています。

エコ塗料用シンナーとは

エコ塗料用シンナーは、従来の石油由来成分(ミネラルスピリット)を主成分とする塗料用シンナーの代わりに使用できる代替溶剤です。

工業用有機溶剤メーカーの三協化学株式会社が製造する「NTXエコシンナー」などがその代表例で、以下のような特徴があります。

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特徴内容
有機則・特化則の非該当有機溶剤中毒予防規則・特定化学物質障害予防規則に該当しないため、規制が緩和されやすい
引火点が40℃以上通常の使用条件(加温しない状態)では防爆設備が不要
臭いが穏やか従来のシンナーよりも臭気が抑えられており、作業環境が改善される
塗料用シンナーの代替として使用可能弱溶剤系の塗料の希釈・道具洗浄に対応

エコ塗料用シンナーの注意点

エコ塗料用シンナーは万能ではありません。使用前に必ず以下の点を確認してください。

  • すべての塗料に対応しているわけではない。ラッカー系塗料、メラミン塗料、焼き付け塗料への対応は難しい場合が多い
  • 塗料との相性を事前に確認すること。少量でテストしてから本番作業に移ることを推奨する
  • 2026年3月末時点で一時新規販売を停止しているメーカーもある。入手可能かどうかは各メーカーへ問い合わせが必要

代替策③:刷毛洗い専用の「ハケ洗い液」を活用する

シンナーの用途の中でも特に多い「刷毛・道具の洗浄」だけが目的の場合は、ハケ洗い液(刷毛洗浄剤)という選択肢があります。

ハケ洗い液とは

ハケ洗い液は、溶剤と界面活性剤を組み合わせた刷毛専用の洗浄剤です。

  • 水性塗料・油性塗料の両方に対応できるタイプが多い
  • 塗料の希釈(薄め)には使えないが、洗浄専用として機能する
  • ホームセンターで比較的入手しやすい

ただし、ラッカー系塗料で使用した刷毛の洗浄には、溶解力が足りない場合もあるため、使用する塗料の種類に合った製品を選んでください。


代替策④:使い捨て刷毛・スプレー缶に切り替える

シンナーによる道具洗浄の手間をまとめて解消する方法として、刷毛を使い捨てにするか、スプレー缶(エアゾール塗料)に切り替えるという選択肢も現実的です。

使い捨て刷毛

安価な刷毛であれば、洗浄に費やすシンナー代と手間を考えると、使い捨てのほうがトータルコストを抑えられる場合があります。
フェンスや門扉の小規模なタッチアップ、年に数回の補修作業であれば特に有効です。

スプレー缶(エアゾール塗料)

スプレー缶はあらかじめ適切な粘度に調整されており、希釈剤(シンナー)も刷毛も不要です。
補修したい面積が手のひら〜A4サイズ程度の小面積であれば、最も手間なく作業できる選択肢の一つです。
屋外か十分な換気が必要な点と、周囲への飛散対策(マスキング)は忘れずに行ってください。


シンナーの代替品を選ぶ際の判断フロー

用途に応じた代替策の選び方をまとめます。

まず確認することは今使っている塗料の種類を確認しましょう。
水性塗料を使っている場合は、シンナーは最初から不要です。
希釈も洗浄も水で対応できます。

油性・溶剤系塗料を使っている場合は、作業の規模と目的に応じて以下の中から選んでください。

  • 塗装の規模が小さい(タッチアップ・小物補修) → スプレー缶か使い捨て刷毛に切り替える
  • 道具の洗浄だけが目的 → ハケ洗い液を活用する
  • 油性塗料を継続したい(中〜大規模作業) → エコ塗料用シンナーを検討(塗料との相性確認が必須)
  • 長期的な方針として → 水性塗料への全面切り替えを検討する

代替品を選ぶ上で知っておきたい注意点

シンナーを「違う種類のシンナー」で代用しない

シンナーが手に入りにくい状況で、手元にある別の種類のシンナーで代用しようとする方がいますが、これは絶対に避けてください

  • ラッカー系塗料に塗料用シンナー(ペイントうすめ液)を使うと、溶解力が不足して塗料がゲル状に固まる場合がある
  • 油性塗料にラッカーシンナーを使うと、塗装面の下地や既存の塗膜を侵してしまう場合がある
  • 専用シンナーの代わりに違う種類を使うことで、色の差異・乾燥不良・樹脂劣化などの施工不良につながる

誤った組み合わせは塗料だけでなく、塗装面そのものをダメにしてしまう可能性があります。

廃液の処分は正しく行う

シンナーの代替として使ったエコ塗料用シンナーやハケ洗い液も、使用後の廃液を排水溝に流すことは法律で禁じられています。

  • 使用後の廃液はウエスや新聞紙に十分に染み込ませる
  • 広げて自然乾燥させてから可燃ゴミとして処分する
  • 大量の廃液は産業廃棄物処理業者に依頼する

火気と換気に関する注意

エコ塗料用シンナーは引火点が高めに設計されていますが、使用する製品の安全データシート(SDS)を必ず確認し、取り扱い上の注意を守ってください。
有機溶剤を含む製品を使用する際は、屋外か十分に換気した環境での作業が基本です。


よくある質問(Q&A)

Q. 水性塗料に切り替えると仕上がりは落ちますか?

A. 近年の水性塗料は品質が大幅に向上しており、一般的なDIY用途では油性塗料と遜色ない仕上がりを期待できる製品が増えています。屋外での使用や、鉄部への耐久性が必要な場合は、耐候性・防さび機能のある専用の水性塗料を選ぶことで対応できます。ただし、素材や下地の状態によっては油性塗料のほうが適している場合もあるため、用途に応じた製品選びが重要です。

Q. 油性塗料で使った刷毛を、シンナーなしで洗う方法はありますか?

A. 油性塗料が完全に乾いていない状態であれば、ハケ洗い液や石鹸水で対処できる場合があります。ただし、完全に乾燥した油性塗膜は溶剤なしでは落とすことが難しくなります。シンナー不足の状況では、油性塗料の作業後はなるべく早く洗浄するか、使い捨て刷毛に切り替えることが現実的な対応策です。

Q. エコ塗料用シンナーは一般家庭でも購入できますか?

A. メーカーによって販売条件が異なります。2026年4月時点では、中東情勢に伴う引き合いの急増により、新規販売を一時停止しているメーカーもあります。購入を検討している場合は、メーカーや販売代理店に直接問い合わせることをお勧めします。

Q. 水性塗料でも屋外の鉄部(フェンス・門扉)に塗れますか?

A. 対応しています。ただし、屋外鉄部用に設計された「さび止め成分入り」の水性塗料を選ぶことが重要です。通常の水性多用途塗料では耐候性・防さび性能が不十分な場合があります。製品の対応素材・用途を必ず確認してから使用してください。

Q. シンナー不足はいつごろ解消されますか?

A. 中東情勢の動向に左右されるため、現時点では明確な解消時期を見通すことは難しい状況です。短期的な対応としては水性塗料への切り替えが最も現実的であり、長期的にも水性化・低VOC化の流れは業界全体で加速していく見通しです。


まとめ

シンナーの代替品・代替策をまとめると、以下のようになります。

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代替策向いている用途ポイント
水性塗料に切り替えほぼすべての家庭・DIY塗装最も現実的・安全・入手しやすい
エコ塗料用シンナー油性塗料を継続したい場合塗料との相性確認が必須・現在品薄の場合あり
ハケ洗い液刷毛の洗浄のみが目的油性・水性両対応タイプを選ぶ
使い捨て刷毛・ローラー小規模・単発の塗装作業シンナー不要で手軽に対応できる
スプレー缶塗料小面積の補修・タッチアップ希釈不要でそのまま使える

今回のシンナー不足は、原料調達の構造的な問題が背景にあるため、短期間での完全解消は難しいとみられています。
一般家庭のDIYや住宅メンテナンスでは、まず水性塗料への切り替えを検討するのが、最もリスクが少なく現実的な対応策です。

塗料の種類を変える際は、使用する素材・下地・環境条件に合った製品を選ぶことが仕上がりと耐久性を左右します。不明な点はホームセンターのスタッフや塗料メーカーのサポートに相談しながら進めることをお勧めします。

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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