MENU

トヨトミ FF式ストーブのE-60とは?不完全燃焼の表示と対応

トヨトミFF式ストーブのE-60と不完全燃焼の表示・対応を解説するサムネイル画像
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

トヨトミのFF式ストーブが止まり、表示部に「E-60」と出ていた——そんな場面で、どれくらい危険な状態なのか、どう動けばよいのか分からず不安になっていませんか。
E-60は、不完全燃焼防止装置が作動したことを示す表示で、メーカーは修理が必要な故障としています。
不完全燃焼は、一酸化炭素の発生につながるおそれがある状態です。
そのため、E-60が出たときは、ストーブの確認よりも先に、部屋の換気と体調の確認を優先する必要があります。
この記事では、E-60が出たときの最初の行動、似た表示との違い、再点火してはいけない理由、販売店に連絡する前に確認できること、修理か買い替えかを考える目安までを解説します。

  • E-60が出たときに最初にすべき換気と体調の確認
  • E-61やHHH表示など、似た表示との違い
  • 販売店に連絡する前の確認ポイントと、修理・買い替えの判断材料
目次

E-60が出たら、まず換気と体調の確認を

E-60が表示されたら、次の順番で行動してください。
ストーブの状態を調べる前に、まず窓を開けて部屋の空気を入れ替えることが最優先です。

  1. 運転スイッチを押して「切」にする(電源プラグは抜かない)
  2. 窓やドアを開けて、部屋を換気する
  3. 頭痛・吐き気・めまい・体のだるさがないか、家族の様子も含めて確認する
  4. 症状がある人がいれば、すぐに屋外の新鮮な空気のある場所へ移動する
  5. 症状が重い、意識がもうろうとしている人がいる場合は、迷わず救急車を呼ぶ
  6. 全員の安全を確認してから、販売店に連絡する

一酸化炭素は、においも色もない気体です。
東京都保健医療局は、一酸化炭素は無味無臭で極めて毒性が強く、空気中の濃度が0.02%(200ppm)に上昇すると頭痛などが起こり、さらに濃度が上がると吐き気やめまいなどの症状が進み、最悪の場合は死に至ると説明しています。

📎 出典:東京都保健医療局|一酸化炭素中毒に注意しましょう

一酸化炭素中毒の初期症状は、風邪や疲れと区別しにくいのが特徴です。
「ストーブを使っていた部屋で、何人かが同時に頭痛を訴えている」といった状況は、とくに注意が必要なサインです。

E-60は不完全燃焼防止装置が作動した「修理が必要な故障」

トヨトミはFF式・煙突式ストーブのE-60について、不完全燃焼防止装置が作動したものとし、修理が必要な故障なので購入した販売店へ表示内容を連絡するよう案内しています。

項目内容
表示E-60
意味不完全燃焼防止装置が作動した
故障かどうか修理が必要な故障
自分で対処できるか不可(換気のうえ、使用を止めて販売店に連絡)
最初にすること部屋の換気と体調の確認

📎 出典:トヨトミ公式サイト|FF式・煙突式ストーブ E-60

E-60は、換気をすれば再点火できる表示ではなく、利用者の判断で使用を再開してはいけない表示です。
次の章で紹介するE-61などの表示とは扱いが異なる点に注意してください。

不完全燃焼防止装置とは

室内の空気の汚れを検知して止める装置

トヨトミの取扱説明書では、不完全燃焼防止装置について、運転中にストーブ本体近辺の室内空気に汚れが発生した場合に、不完全燃焼による危険を防止するため自動的に運転を停止する装置と説明されています。
FF式ストーブは、本来は排ガスを屋外に出し、室内の空気を汚さない暖房機です。
その室内の空気に汚れが検知されたということは、燃焼の状態や排ガスの通り道のどこかに異常が起きている可能性があるということです。

📎 出典:トヨトミ公式|FF式石油ストーブ FF-S36BT・FF-S45BT・FF-S55BT 取扱説明書(PDF)

本記事では、この取扱説明書を一例として説明しています。
機種によって安全装置の構成や表示が異なる場合があるため、お手元の取扱説明書もあわせて確認してください。

不完全燃焼が起きる主な要因

FF式ストーブで不完全燃焼や排ガスの室内への漏れが起きる要因としては、取扱説明書の警告や点検項目から、次のようなものが考えられます。

要因内容
給排気筒の外れ・傷み接続部が外れていたり、パッキンやゴム製リングが劣化していたりすると、排ガスが室内に漏れる
給排気筒トップのふさがり屋外のトップが雪などでふさがれていると、排ガスが室内に漏れる
排ガスの再吸い込み風がよどむ場所では、排ガスを再び吸い込んで不完全燃焼を起こすことがある
燃焼部の劣化・汚れ燃焼リングやバーナー、燃焼筒、熱交換器の変形や劣化
燃焼用空気の不足燃焼用送風機の不具合などで、燃焼に必要な空気が足りなくなる
高地での使用標高が高い場所では酸素が薄く、不完全燃焼しやすい

このうち、どれがE-60の原因になっているのかは、点検してみないと分かりません。
E-60が修理対応とされているのは、こうした内部の異常の可能性を専門家が確認する必要があるためと考えられます。

E-61・HHH表示など似た表示との違い

トヨトミのFF式・煙突式ストーブには、不完全燃焼防止装置に関わる表示がいくつかあります。
表示によって、換気と確認のあとに再点火できるものと、販売店への連絡が必要なものに分かれます。

スクロールできます
表示意味対応
E-60不完全燃焼防止装置が作動した修理が必要(販売店に連絡)
E-61・E-62・E-63不完全燃焼防止装置が作動した換気後、本体が冷えてから損傷や給排気筒の外れがないことを確認し、再点火
HHH1・HHH2・HHH3不完全燃焼防止装置が連続して作動し、通知機能が働いた換気・確認のうえ電源プラグを差し直して再点火(繰り返すときは販売店に連絡)
HHH4さらに連続して作動し、再点火防止機能が働いた以後の点火操作ができない(販売店に連絡)

同じ「不完全燃焼防止装置の作動」でも、E-60はメーカーが修理を案内している表示です。
表示部の数字を見間違えないよう、「60」なのか「61」「62」「63」なのかを必ず確認し、写真に撮っておくと安心です。
それぞれの表示の意味はトヨトミ製 FF式・煙突式ストーブのエラーコード一覧|原因と正しい対処法を徹底解説でも確認できます。

E-60が出たときにやってはいけないこと

再点火しない

換気をして部屋の空気がきれいになると、ストーブをもう一度点けたくなるかもしれません。
しかし、E-60の原因が解消されていない状態で再点火すると、再び不完全燃焼や排ガスの漏れが起きるおそれがあります。
トヨトミはE-60を修理が必要な故障としているため、販売店の点検を受けるまで点火操作はしないでください。

換気せずにその部屋にとどまらない

ストーブが止まっていても、それまでに室内の空気が汚れている可能性があります。
寒いからといって窓を閉めたまま部屋にとどまるのは避け、十分に換気してください。
換気の間は、厚着をしたり別の部屋に移ったりして寒さをしのぎ、とくに乳幼児や高齢者、体調のすぐれない人は、ストーブを使っていた部屋から離れて過ごすようにしてください。

本体を分解しない

不完全燃焼防止装置や燃焼部は本体の内部にあり、利用者が点検できる部品ではありません。
取扱説明書でも、電装部品や燃焼部の取り外し・分解をしないよう明記されています。
不完全な修理は、さらに危険な状態を招くおそれがあるため、内部の作業は販売店に任せてください。

販売店に連絡する前に確認しておきたいこと

換気と体調の確認が済み、全員の安全を確保できたら、次の点を外から確認しておくと、販売店に状況を伝えやすくなります。
確認は、本体と給排気筒が冷えてから行ってください。

スクロールできます
確認項目見るところ気をつけたいこと
室内側の給排気筒本体背面から壁までの接続部に外れ・ゆるみ・つぶれがないか外れていても再点火はしない
屋外の給排気筒トップ雪や氷、落ち葉などでふさがれていないか、変形していないか雪でふさがれていたら取り除き、そのことを伝える
トップの周り風がよどむ場所になっていないか、周囲に物が置かれていないか物置や積雪で囲まれていないか
室内の状況ストーブ以外の燃焼器具やスプレーを使っていなかったか使っていた場合は販売店に伝える
炎の様子(直前)炎が黄色っぽい、すすが出ていたなどの変化がなかったか気づいたことをメモする

取扱説明書では、ストーブを使用している部屋で、可燃性ガスが発生するもの(ガソリン、ベンジン、シンナー)やスプレーを使用しないよう注意しています。
E-60が出る直前に、同じ部屋でこうしたものを使っていた場合は、そのことも販売店に伝えてください。

屋外の給排気筒トップが雪でふさがれていた場合も、雪を取り除いたからといって自己判断で再点火せず、そのことを伝えて点検を受けるのが安全です。
FF式の給排気の仕組みはFF式石油ストーブとは?仕組み・メリット・設置時の注意点まで徹底解説、煙突式の排気の仕組みは煙突式石油ストーブとは?仕組みと特徴をわかりやすく解説で詳しく解説しています。

販売店に伝える内容

  • 表示された番号(E-60であること)と、その写真
  • 本体の銘板にある型式と製造年
  • E-60が出たときの状況(運転を始めてからどのくらいか、燃焼の強さ、天候)
  • 給排気筒や屋外トップの確認結果
  • 直前に炎の色やにおい、音などの変化がなかったか
  • 家族に体調の変化がなかったか

修理か買い替えかを判断する目安

E-60の修理内容は、点検で分かった原因によって変わります。
給排気筒の部品交換で済む場合もあれば、燃焼部や不完全燃焼防止装置そのものの交換が必要になる場合もあるため、費用は販売店の点検・見積もりで確認するのが確実です。

判断材料になるのが、保証期間と補修用性能部品の保有期間です。
トヨトミは、FF式ストーブの保証期間を購入日から3年間(製品により異なる)、補修用性能部品の保有期間を製造打ち切り後8年(一例)とし、生産終了から10年以上たった製品は修理を受け付けられないと案内しています。

📎 出典:トヨトミ公式サイト|修理のご案内(FF式ストーブ)

使用年数・状況考え方
保証期間内(購入から3年以内が目安)保証書を用意して販売店に相談する(内容によっては有料)
購入から数年で、E-60以外の不具合がない点検結果に応じた修理の見積もりを取る
設計標準使用期間(取扱説明書の例では8年)を超えている燃焼部全体の劣化も踏まえ、修理と買い替えを比べる
生産終了から10年以上たっている部品がなく修理できない可能性が高いため、買い替えを検討する

不完全燃焼に関わる表示は、安全に直結するため、修理できない場合は使用を続けないことが大切です。
年数の長いストーブの判断材料は石油ストーブの寿命は何年?故障との違いや交換の判断基準を徹底解説で詳しく整理しています。

不完全燃焼を防ぐために日頃からできること

不完全燃焼の原因の多くは、給排気の経路と燃焼部の状態にあります。
日頃の点検で、異常に早く気づくことができます。

  • 給排気筒や排気筒の接続部の外れ・ゆるみ・つまり・腐食を、シーズンに1回以上点検する
  • 積雪期は、屋外の給排気筒トップが雪や氷でふさがれていないかをこまめに確認する
  • 給排気筒トップの周りに物を置かず、風がよどむ状態をつくらない
  • 燃焼中に排ガスのにおいがする、トップからすすが出ているといった変化に注意する
  • ストーブを使う部屋で、スプレーや可燃性ガスが発生するものを使わない
  • 2年に1回程度、シーズン終了後などに販売店で定期点検を受ける

取扱説明書では、燃焼中に排ガスのにおいがしたり、給排気筒トップからすすが出ていたりしないかを使うたびに確認し、異常があれば販売店に連絡するよう案内しています。
また、燃焼リングやバーナー、燃焼筒、熱交換器は高温になるため劣化することがあるとして、ときどき点検し、変形や劣化があれば早めに修理するよう勧めています。
ストーブを使う部屋に住宅用の一酸化炭素警報器を設置しておくことも、万一に気づくための備えとして考えておくとよいでしょう。

よくある質問

Q1. E-60が出たあと、換気をしたら再点火してもいいですか?

再点火はしないでください。
トヨトミはE-60を不完全燃焼防止装置の作動による修理が必要な故障としており、換気をしただけでは原因が解消されたことにはなりません。
燃焼部や給排気の経路に異常が残っていれば、再点火したときに再び不完全燃焼や排ガスの漏れが起きるおそれがあります。
換気と体調の確認を済ませたら、表示の写真と型式、E-60が出た状況をメモして販売店に連絡し、点検を受けるまで使用を控えてください。

Q2. E-60とE-61はどう違いますか?

どちらも不完全燃焼防止装置が作動したことを示す表示ですが、トヨトミが案内する対応が異なります。
E-61(E-62・E-63を含む)は、部屋を換気し、本体が十分に冷えてから機器の損傷や給排気筒の外れなど異常がないことを確認したうえで、再点火するよう案内されています。
一方、E-60は修理が必要な故障とされており、販売店への連絡が必要です。
表示部の数字を見間違えると対応を誤るおそれがあるため、表示が出たら数字をよく確認し、写真に撮っておくと安心です。

Q3. E-60が出たとき、家族が頭痛を訴えていました。

一酸化炭素中毒の可能性も考え、すぐに窓を開けて換気し、全員で屋外の新鮮な空気のある場所へ移動してください。
一酸化炭素はにおいも色もないため、気づかないうちに吸い込んでいることがあります。
頭痛や吐き気、めまいなどの症状が続く場合は、医療機関を受診し、暖房器具を使っていたことを伝えてください。
意識がもうろうとしている、ぐったりしているといった重い症状がある場合は、迷わず救急車を呼んでください。
ストーブの確認や販売店への連絡は、全員の安全を確保してから行えば大丈夫です。

Q4. 屋外の給排気筒トップが雪でふさがれていました。雪を取り除けば使えますか?

雪を取り除いても、E-60が出た以上は自己判断で使用を再開しないでください。
トヨトミの取扱説明書では、給排気筒トップの周りが雪でふさがれたまま使用すると、運転中に排ガスが室内に漏れて危険だと警告しています。
雪によるふさがりがE-60のきっかけになった可能性はありますが、燃焼部や給排気筒に影響が残っていないかは点検してみないと分かりません。
雪でふさがれていたことを販売店に伝え、点検を受けてから使用を再開してください。
積雪期は、トップの周りをこまめに除雪しておくことが予防になります。

Q5. FF式ストーブは換気が不要と聞きましたが、なぜ不完全燃焼の表示が出るのですか?

FF式ストーブは、燃焼用の空気を屋外から取り込み、排ガスを屋外へ出す仕組みのため、正常に使っていれば室内の空気を汚しません。
ただし、それは給排気筒が正しく接続され、燃焼部が正常な状態であることが前提です。
給排気筒の外れや部品の劣化、屋外トップのふさがり、燃焼部の異常などがあると、排ガスが室内に漏れたり不完全燃焼が起きたりすることがあります。
不完全燃焼防止装置は、そうした異常で室内の空気が汚れたことを検知して運転を止める装置です。
表示が出たときは、FF式であっても換気を最優先にしてください。

まとめ

トヨトミのFF式・煙突式ストーブに表示されるE-60は、不完全燃焼防止装置が作動したことを示す表示で、メーカーは修理が必要な故障としています。
次のポイントを押さえて、安全を最優先に対応してください。

  • E-60が出たら、ストーブの確認より先に換気と体調の確認を行う
  • 頭痛や吐き気などの症状があれば屋外へ移動し、重い場合は救急車を呼ぶ
  • E-60は換気後に再点火できるE-61などとは異なり、修理が必要な表示
  • 再点火や本体の分解はせず、表示の写真と状況をまとめて販売店に連絡する
  • 給排気筒や屋外トップの状態は外から確認できるが、異常を直しても自己判断で使用を再開しない
  • 給排気経路の点検と定期点検が、不完全燃焼の予防につながる

E-60は、目に見えない危険から家族を守るための表示です。
表示が出たときは慌てずに換気し、販売店の点検を受けてから使用を再開してください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

目次