トヨトミのFF式ストーブの表示部に「Hi」や「Lo」と表示され、実際の部屋の暑さ・寒さとかけ離れているように感じたことはありませんか。
Hiは室温が36℃以上に、Loは室温が-10℃以下になったことを示す表示です。
真夏でもないのに36℃、暖房が効いた室内なのに-10℃といった数字が出ると、故障を疑うのも無理はありません。
実は、この表示の多くは、室温を測るルームサーミスタというセンサーの取り付け位置に原因があります。
この記事では、Hi・Loが出る仕組み、ルームサーミスタの役割と取り付け位置の確認方法、それでも繰り返すときの対応までを解説します。
- HiとLoが示す室温の数字と、共通する原因
- ルームサーミスタの役割と、取り付け位置を確認する視点
- 処置をしても繰り返すときに修理が必要になる理由
HiとLoは室温がルームサーミスタの検知範囲を超えたことを示す表示
結論から言うと、HiとLoは室温を測るセンサーが検知した室温が、通常の範囲を大きく超えたことを知らせる表示です。
トヨトミはFF式・煙突式ストーブのHi・Loについて、次のように案内しています。
| 表示 | 意味 |
|---|---|
| Hi | 室温が36℃以上になった |
| Lo | 室温が-10℃以下になった |
トヨトミは、HiとLoのどちらについても、原因として「ルームサーミスタの取り付け位置がよくありません」「ルームサーミスタの不良、断線、または配線抜けです」の2つを挙げ、処置として「ルームサーミスタの取り付け位置を確認し、適切な位置に移動させてください」を案内しています。
処置をおこなった後、繰り返し作動するときは修理が必要な故障になるとされています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 表示 | Hi(室温36℃以上)/Lo(室温-10℃以下) |
| 考えられる原因 | ルームサーミスタの取り付け位置、不良・断線・配線抜け |
| 自分で対処できるか | 取り付け位置の確認・移動は可能 |
| 修理を考える目安 | 位置を直しても繰り返し表示される場合 |
ルームサーミスタとは?
室温を測るセンサー
ルームサーミスタは、室温を測るためのセンサーです。
温度によって電気の流れやすさ(抵抗値)が変わる部品で、ストーブはこの変化を読み取って室温を判断し、設定温度に合わせて火力を自動で調節しています。
以前紹介した記事でも触れたとおり、FF式ストーブにはバーナーの温度を測るバーナーサーミスタもありますが、ルームサーミスタはこれとは別に、室温そのものを測るためのセンサーです。
実際の室温と大きくずれる36℃・-10℃という数字
真夏でもない室内が36℃になったり、暖房中の室内が-10℃になったりすることは、通常は考えにくい数字です。
Hi・Loは「本当に部屋がそこまで暑い・寒い」というより、「センサーがそう検知してしまっている」状態を示していると考えるのが自然です。
これが、取り付け位置の確認が処置として案内されている理由です。
ルームサーミスタの取り付け位置を確認する
位置が悪いと起こること
ルームサーミスタが、実際の部屋の空気とは違う環境の温度を拾ってしまうと、室温を正しく検知できません。
たとえば、次のような場所や状況では、ルームサーミスタが本来の室温とは異なる温度を検知しやすくなります。
| 状況 | 起こりやすいこと |
|---|---|
| ストーブ自体の温風や熱が直接当たる位置にセンサーがある | 実際の室温より高い温度を検知しやすい(Hiにつながりやすい) |
| 窓際や外気が入り込む隙間の近く | 実際の室温より低い温度を検知しやすい(Loにつながりやすい) |
| 家具や物でセンサー周辺がふさがれている | 空気の流れが悪く、周囲だけ特殊な温度になりやすい |
| 直射日光が当たる位置 | 室温より高い温度を検知しやすい |
トヨトミの取扱説明書では、通常運転中に室温が設定温度に達すると弱燃焼で燃焼が継続する仕様になっており、気密性の高い部屋や小さな部屋では、設定温度より室温が上がってしまうことがあると説明されています。
これは通常運転の仕様であり、Hi・Loとは別の話です。
ただし、室温の検知そのものにずれがあると、こうした通常の温度調節にも影響が出るため、ルームサーミスタの位置は暖房の効き方にも関わる重要なポイントです。
取り付け位置を確認・移動する手順
ルームサーミスタの具体的な取り付け位置や、移動できる範囲は機種によって異なります。
一般的な確認の流れは次のとおりです。
- 運転スイッチを押して「切」にし、本体が冷えていることを確認する
- 取扱説明書で、お使いの機種のルームサーミスタの位置を確認する
- センサー周辺に、熱源や冷気の吹き込み、直射日光、物によるふさがりがないか確認する
- 該当する原因があれば、取り除くか、取扱説明書の範囲でセンサーの位置を調整する
- 運転スイッチを押して再点火し、しばらく様子を見る
ルームサーミスタは本体内部や配線に関わる部品のため、無理な分解や配線の取り外しはしないでください。
取扱説明書に記載された範囲を超える作業が必要そうな場合は、自分で進めず販売店に相談してください。
繰り返し表示されるときは修理が必要な故障
トヨトミは、取り付け位置を確認して処置をおこなった後も繰り返し作動するときは、修理が必要な故障になるとしています。
この場合に考えられるのが、「ルームサーミスタの不良、断線、または配線抜け」です。
| 状況 | 考えられること | 対応 |
|---|---|---|
| 取り付け位置を直しても繰り返す | センサー自体の故障、断線、配線抜け | 販売店に点検を依頼 |
| 位置に明らかな問題が見当たらない | センサーや配線の不具合 | 販売店に点検を依頼 |
| HiとLoが交互に出る、表示が安定しない | 配線の接触不良の可能性 | 販売店に点検を依頼 |
配線抜けや断線、センサー自体の交換は、本体を開けての作業になるため、利用者が自分で行うことはできません。
位置の確認は自分でできても、その先の配線や部品の点検は販売店の作業と考えてください。
販売店に連絡する際は、表示された「Hi」または「Lo」、本体の銘板の型式と製造年、取り付け位置を確認・調整したかどうか、表示が出る頻度やタイミング(いつも同じ時間帯か、特定の天候のときかなど)を伝えると、点検がスムーズに進みます。
ほかの表示の意味はトヨトミ製 FF式・煙突式ストーブのエラーコード一覧|原因と正しい対処法を徹底解説で確認できます。
修理か買い替えかを判断する目安
ルームサーミスタの交換で直る場合は、比較的軽微な修理で済むこともあります。
ただし、ほかの部品にも不具合が重なっている場合は、修理と買い替えを比べる必要が出てきます。
トヨトミは、FF式ストーブの保証期間を購入日から3年間(製品により異なる)、補修用性能部品の保有期間を製造打ち切り後8年(一例)とし、生産終了から10年以上たった製品は修理を受け付けられないと案内しています。
使用年数が長いストーブでHi・Loのほかにも不調がある場合は、石油ストーブの寿命は何年?故障との違いや交換の判断基準を徹底解説も判断の参考にしてください。
Hi・Loを防ぐために日頃からできること
- ストーブの周りに、温風が直接当たる位置や窓際など、極端な温度になりやすい場所を避けて物を置く
- センサー周辺を家具やカーテンでふさがない
- 季節ごとの模様替えのあとは、センサー周辺の環境が変わっていないか確認する
- 表示が出たら、まず取り付け位置まわりの環境を見直す
- 2年に1回程度、シーズン終了後などに販売店で定期点検を受ける
ルームサーミスタの位置は、一度正しく調整されていれば、通常は大きくずれるものではありません。
模様替えや家具の配置替えのあとに表示が出るようになった場合は、周辺環境の変化が原因になっていないか振り返ってみるとよいでしょう。
よくある質問
Q1. Hiが出ました。部屋は全然暑くないのですが、なぜですか?
実際の体感と表示がずれるのは、ルームサーミスタというセンサーが検知した温度が、部屋全体の温度と異なっている可能性があるためです。
トヨトミは、Hi表示の原因としてルームサーミスタの取り付け位置がよくないこと、またはセンサーの不良・断線・配線抜けを挙げています。
センサーがストーブの温風や直射日光が当たる位置にあると、周辺だけ高い温度になり、Hiが表示されることがあります。
取扱説明書でセンサーの位置を確認し、熱源から離すなど環境を見直してから再点火してみてください。
Q2. Loが出ました。暖房は効いているのに、なぜ-10℃なのですか?
Loは、ルームサーミスタが検知した室温が-10℃以下になったことを示す表示です。
暖房が効いている部屋で実際に-10℃になることは考えにくいため、センサーが窓際や外気が入り込む隙間の近くなど、周辺だけ冷える場所に取り付けられている可能性があります。
トヨトミは、Loについても取り付け位置がよくないこと、またはセンサーの不良・断線・配線抜けを原因として挙げています。
取扱説明書でセンサーの位置を確認し、外気の影響を受けにくい場所に調整してから再点火してみてください。
Q3. センサーの位置を確認しましたが、とくに問題は見当たりませんでした。
位置に明らかな問題が見当たらない場合や、位置を直しても繰り返し表示される場合は、センサー自体の不良、断線、配線抜けが考えられます。
トヨトミも、処置をおこなった後、繰り返し作動するときは修理が必要な故障になるとしています。
センサーの交換や配線の点検は本体を開けての作業になるため、自分で対応せず販売店に連絡してください。
連絡の際は、表示された「Hi」または「Lo」、型式、位置を確認・調整したかどうかを伝えると、点検がスムーズに進みます。
Q4. 家具の配置を変えてから、Hi・Loが出るようになりました。関係はありますか?
関係している可能性があります。
ルームサーミスタの周辺に家具を置いたり、ストーブの向きを変えたりすると、センサーが検知する温度環境が変わることがあります。
とくに、センサーの近くを家具でふさいだ場合や、ストーブの温風が新たに当たるようになった場合は、実際の室温とは異なる温度を検知しやすくなります。
配置を変える前の状態に戻すか、取扱説明書の範囲でセンサー周辺の環境を見直し、それでも表示が出る場合は販売店に相談してください。
Q5. HiとLoが交互に出ることがあります。
HiとLoが交互に出たり、表示が安定しなかったりする場合は、ルームサーミスタの配線の接触不良など、センサー自体や配線の不具合が疑われます。
取り付け位置の問題であれば、通常はHiかLoのどちらか一方の傾向が続くことが多く、両方が入れ替わるように出る場合は、配線側の要因も考えられます。
自分で配線を触ろうとせず、表示の出方(どのくらいの頻度で切り替わるか)を記録したうえで、販売店に点検を依頼してください。
まとめ
トヨトミのFF式・煙突式ストーブに表示されるHi・Loは、室温を測るルームサーミスタが検知した温度が、通常の範囲を大きく超えたことを示す表示です。
次のポイントを押さえて対応してください。
- Hiは室温36℃以上、Loは室温-10℃以下になったことを示す
- 多くは、ルームサーミスタの取り付け位置が原因と考えられる
- センサーが熱源や外気の影響を受けやすい場所にないか確認し、環境を見直す
- 位置を確認・調整しても繰り返し表示される場合は、センサーの不良や断線が考えられる
- センサーの交換や配線の点検は、自分で行わず販売店に依頼する
- 模様替えのあとに表示が出るようになった場合は、周辺環境の変化を振り返る
Hi・Loは、実際の体感とかけ離れた数字で驚かされる表示ですが、多くはセンサーの周辺環境を見直すことで解消できます。
それでも繰り返す場合は、無理をせず販売店に点検を依頼してください。

