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テレビをつけっぱなしにすると電気代はいくら?時間別の目安と考え方を解説

古いブラウン管テレビが複数台、壁際に横一列ではなく段積み状に並べられ、画面が白く光った状態で無機質な室内に置かれている様子
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

「テレビをつけっぱなしにしたら、電気代はいくらくらいかかるのか」
在宅時間が長くなったり、テレビをBGM代わりに使う習慣があると、「これって無駄なんじゃないか」と一度は気になるのではないでしょうか。

ただ、テレビの電気代は一概に○円とは言えないテーマでもあります。
消費電力は、機種・サイズ・映像方式(液晶か有機ELか)・明るさ設定・視聴時間といった複数の要素が重なって決まるため、同じ「つけっぱなし」でも条件次第で差が出ます。

とはいえ、「条件次第」で終わってしまうと、判断の基準が持てません。
そこでこの記事では、現実的な平均値を前提にしながら、1時間・半日・1日などといった時間別の目安で、テレビをつけっぱなしにした場合の電気代を整理していきます。

数字を知っておくことで、「このくらいなら気にしない」「ここからは無駄だな」といった判断がしやすくなります。
テレビのつけっぱなしをどう考えるかを、感覚ではなく時間と数字で捉えるための材料として、順番に見ていきましょう。


目次

テレビの電気代は何で決まるのか

電気代をイメージした黄色のキューブ(電・気・代)が木目のテーブル中央に並び、周囲にエアコンのリモコンと電卓、観葉植物が配置されている様子

まず前提として、テレビの電気代は次の要素で決まります。

  • テレビの種類(液晶/有機EL)
  • 画面サイズ
  • 明るさ設定(標準・高輝度など)
  • 視聴している時間
  • 電力単価(ここでは 31円/kWh を目安に計算)

今回は、現在家庭で最も多い
40〜50インチ前後の液晶テレビを基準にします。

平均的な消費電力の目安

  • 液晶テレビ(40〜50インチ):約100W
  • 有機ELテレビ(同サイズ):約150W

※メーカー・設定により前後しますが、体感に近い数字です。


テレビをつけっぱなしにした場合の電気代【時間別】

テレビの前に置かれたソファに家族4人が並んで座り、画面のついていないテレビを囲んでくつろいでいるリビングの様子。中央の子どもが振り返って家族の顔を見上げ、自然光が差し込む落ち着いた室内空間が伝わる構図。

ここからは、液晶テレビ(100W)を前提に、視聴時間ごとの電気代を計算します。

1時間つけっぱなしの場合

  • 0.1kW × 1時間 × 31円
    → 約3.1円

「え、それだけ?」と思うかもしれませんが、短時間なら確かに大きな負担ではありません。


3時間つけっぱなしの場合

  • 0.1kW × 3時間 × 31円
    → 約9.3円

夕方から夜まで、何となくつけている時間帯を想定すると、このあたりが現実的です。


6時間つけっぱなしの場合

  • 0.1kW × 6時間 × 31円
    → 約18.6円

在宅時間が長い日や、休日にありがちなケースです。


12時間つけっぱなしの場合

  • 0.1kW × 12時間 × 31円
    → 約37.2円

朝から夜までBGM代わりにテレビをつけていると、ここまで積み上がります。


24時間つけっぱなしの場合

  • 0.1kW × 24時間 × 31円
    → 約74.4円/日

1日あたりで見るとそこまで高額ではありませんが、これが毎日続くと話は別です。


月単位で見ると、つけっぱなしの影響は大きい

電球のフィラメント部分が「¥(円マーク)」の形に光っている2つの電球が、青い背景の上に横向き構図で配置されている様子

では、24時間テレビをつけっぱなしにした状態が、1か月続いた場合を考えてみます。

約74.4円 × 30日
→ 約2,230円/月

一見すると「2,000円ちょっとなら大したことがない」と感じるかもしれません。しかし、ここで注目したいのはこの金額が“テレビ1台・何もしていない状態”で発生しているという点です。

エアコンや暖房のように「使っている感覚」がある家電は、意識的にオン・オフを切り替えます。
一方でテレビは、音が出ていない時間帯や、誰も見ていない状態でも電源が入ったままになりやすく、無自覚のまま電気代を積み上げやすい家電です。

さらに、この約2,230円は「最大値」の話ではありません。
たとえば、

  • 休日は朝から夜までつけっぱなし
  • 平日も帰宅後に消し忘れる日が多い
  • 子どもが寝たあともリビングで電源が入ったまま

こうした状況が重なると、24時間つけっぱなしに近い使い方になっている家庭も珍しくありません

また、有機ELテレビや大型サイズの場合は、同じ条件でも月3,000円を超えるケースもあります。
つまり、「テレビは電気代が安い」というイメージのまま使い続けると、知らないうちに月数千円単位の差が生まれることになります。

テレビ単体では小さく見える数字でも、冷蔵庫・照明・周辺機器などと重なることで、家全体の電気代を押し上げる要因になりやすい点は見逃せません。

「高い家電だから節電する」のではなく、
気づきにくい家電こそ見直す価値がある──
テレビのつけっぱなしは、まさにその代表例と言えるでしょう。


有機ELテレビの場合はどうなる?

有機ELテレビが鮮やかなコントラストを映し出している様子

有機ELテレビは、黒の締まりやコントラストの高さなど、映像の美しさが大きな魅力です。
その一方で、構造上、液晶テレビよりも消費電力が高くなりやすい傾向があります。

目安として、有機ELテレビ(40〜50インチ前後)の消費電力を 約150W として計算してみます。

0.15kW × 24時間 × 31円
→ 約111.6円/日

これが1か月続いた場合は、

→ 約3,350円/月

液晶テレビ(約2,230円/月)と比べると、同じつけっぱなしでも月1,000円以上の差が生まれます。

ここで重要なのは、「有機EL=常に高い」という話ではありません。
差が出やすいのは、次のような使い方をしているケースです。

  • 明るさ設定を高めにしている
  • 映像を常に表示したままBGM代わりに使っている
  • 日中も在宅時間が長く、テレビが長時間ついている
  • 大型サイズ(55インチ以上)を使っている

有機ELは、表示している映像の明るさや色の使い方によって消費電力が変動します。
つまり、何を映しているかによって電気代に差が出やすいという特徴があります。

また、「見ていない時間が長い」「音だけ流している」といった使い方では、映像の美しさという有機EL本来のメリットを活かせていません。
その状態で電源が入り続けると、コスト面だけが積み上がっていく形になります。

有機ELテレビは、映像をしっかり楽しむ時間にこそ価値がある家電です。
だからこそ、「つけっぱなし」にしてしまうと、液晶テレビ以上に電気代の差が結果として表れやすいと言えるでしょう。
同じ「つけっぱなし」でも、機種が変わるだけで月1,000円以上差が出ることもあります。


実は見落としがちな「つけっぱなし+音だけ」の落とし穴

電源が入っていない黒いテレビが木製テレビ台の上に置かれ、手前ではリモコンを持った手がテレビに向けられている室内の様子

「画面は見ていないけれど、音だけ流している」
この使い方は、ニュースやバラエティ、YouTubeなどをBGM代わりに流す家庭では特に多く見られます。

しかし、テレビは画面を消さない限り、映像も音も同時に動作している家電です。
音量を下げたり、画面を意識して見ていなかったとしても、消費電力はほとんど変わりません。

つまり、

  • 見ていない
  • 操作もしていない
  • それでも電源は入っている

この状態は、「使っていないのに使っている」のと同じです。
節約しているつもりでも、実際には何も変わっていない点が、この使い方の一番の落とし穴です。

特に有機ELテレビの場合、映像を表示し続けている限り、画面全体が発光しています。
暗い部屋で明るい映像が流れていると、本人が思っている以上に電力を消費しているケースもあります。

また、「音だけだから問題ない」と思って長時間つけっぱなしにすると、

  • いつの間にか数時間経っている
  • 誰もいない部屋でテレビがついている
  • 就寝後も朝まで電源が入ったまま

といった状況が起きやすくなります。
これが毎日続けば、月単位では確実に電気代に差が出る使い方になります。

もし「音だけ流したい」のであれば、テレビである必要はありません。
ラジオやスマートスピーカー、スマートフォンなど、消費電力の小さい機器に切り替えるだけで、無駄は一気に減ります

テレビは「見る」時間に使う。
音だけの用途で使い続けるほど、コストパフォーマンスが下がっていく家電だという点は、意外と見落とされがちです。


待機電力はどれくらい違う?

テレビの電源を切った状態で、画面は消えているものの本体の待機ランプが点灯し、コンセントにつながれたまま待機電力が発生している様子をシンプルに表現したイラスト

ちなみに、テレビを消している状態、いわゆる待機電力にかかる電気代は、

年間でおよそ100〜300円程度

とされています。

この数字だけを見ると、「意外と少ない」と感じる人も多いかもしれません。しかし、ここで注目したいのは、**つけっぱなしとの“差”**です。

たとえば、液晶テレビを24時間つけっぱなしにした場合は、月で約2,230円、年間では約26,000円にもなります。

一方で、きちんと電源を切って待機状態にしていれば、年間で数百円レベルに収まります。

この差は、単なる節約テクニックの話ではありません。
「使っていない時間に、どれだけ電気を消費しているか」という考え方そのものの違いです。

待機電力は、リモコン操作を受け付けるためや、番組表の更新、ソフトウェアの待機動作など、最低限の機能だけを動かす状態です。
そのため消費電力は極めて小さく、“何もしていない時間”に近い状態と言えます。

それに対して、つけっぱなしのテレビは、

  • 映像処理
  • 画面表示
  • 音声出力

といった動作をすべて続けています。
本人が見ていなくても、テレビ側はフル稼働しているわけです。

「電源を切ると待機電力がもったいない」と感じる人もいますが、実際には逆で、つけっぱなしのほうが圧倒的に無駄になります。

待機電力と使用時の電力は、同じ「電気を使っている」状態でも、桁が違います。
この差を知っておくだけで、「消すかどうか」の判断はかなりシンプルになるはずです。


「つけっぱなし」が気になる人が意識したい現実的な対策

ソファに並んで座る男女が、リモコンを操作しながらテレビ番組を視聴し、中央のボウルに入ったポップコーンをつまんでくつろいでいるリビングの様子

テレビの電気代が気になったとしても、無理に我慢したり、極端な節電をする必要はありません。
大切なのは、負担なく続けられる行動に変えることです。
次のポイントだけでも意識すると、結果は確実に変わります。

まず基本になるのは、見ていないときは電源を切ることです。
「あとでまた見るかもしれない」「少し席を外すだけ」という理由で電源を入れたままにすると、そのまま数時間経ってしまうことがよくあります。
意識的に一度切るだけで、無駄な使用時間は大きく減らせます。

次に効果が高いのが、タイマー機能の活用です。
就寝前や外出前にタイマーを設定しておけば、「消し忘れ」による無駄な電力消費を自動的に防げます。
自分の行動に頼らず、仕組みで止めるという点で、最も現実的な対策と言えるでしょう。

また、明るさ設定を「標準」まで落とすのも有効です。
購入時や展示設定のまま使っていると、必要以上に明るく設定されていることがあります。
映像の見え方を大きく損なわずに、消費電力だけを抑えられるケースも多いため、一度見直しておく価値はあります。

さらに、「音だけ流したい」場面では、ラジオやスマートスピーカーへの切り替えを検討すると効果的です。
テレビをBGM代わりに使うよりも、消費電力を大きく抑えられるうえ、用途としても理にかなっています。

これらの対策に共通しているのは、生活の快適さを下げないことです。
我慢や制限ではなく、使い方を少し変えるだけで、「つけっぱなし」による無駄は自然と減っていきます。

テレビは便利で身近な家電だからこそ、完全に使わない選択は現実的ではありません。
「どう使うか」を少し意識するだけで、電気代の差は十分にコントロールできます。


FAQ(よくある質問)

Q1. テレビをつけっぱなしにすると本当に電気代は高くなりますか?
A. 1〜2時間程度であれば大きな負担にはなりませんが、毎日・長時間つけっぱなしの状態が続くと、月単位では確実に電気代に反映されます。特に見ていない時間が多い場合は、無駄になりやすい使い方です。


Q2. テレビを消しても待機電力がかかるなら、つけっぱなしと大差ないのでは?
A. 待機電力は年間で100〜300円程度とされており、つけっぱなしと比べると差は非常に大きいです。電源を切ることで、無駄な電力消費は大幅に抑えられます。


Q3. 音だけ流している場合でも電気代はかかりますか?
A. はい。画面を表示したまま電源が入っている限り、消費電力はほぼ変わりません。見ていない・操作していない状態でも、テレビはフル稼働しているため、無駄になりやすい使い方です。


Q4. 有機ELテレビは液晶テレビより電気代が高くなりますか?
A. 一般的に有機ELテレビは消費電力がやや高めで、同じ時間つけっぱなしにすると月1,000円以上の差が出ることもあります。明るさ設定や視聴時間が長い家庭ほど影響が出やすくなります。


Q5. テレビのつけっぱなしを防ぐために一番効果的な対策は何ですか?
A. タイマー機能の活用が最も現実的です。消し忘れを自動で防げるため、意識せずに無駄な電力消費を減らすことができます。

まとめ:テレビのつけっぱなしは「1日」より「積み重ね」で考える

複数台のレトロなブラウン管テレビが、ターコイズブルーの壁を背景に横一列へ重なるように配置されている様子。木目調やカラフルな筐体、ダイヤル式操作部やアンテナ付きの機種など、年代ごとのデザインの違いがわかる構図。

テレビの電気代は、1時間、2時間といった短い時間だけを切り取れば、そこまで大きな負担にはなりません。
実際、数字だけを見ると「気にするほどではない」と感じる人も多いでしょう。

ただし、問題になるのは次の条件が重なったときです。

  • 毎日ついている
  • 特に目的はない
  • ついていること自体を意識していない

この状態が続くと、1日の小さな金額が積み重なり、月単位・年単位でははっきりとした差になります。
しかもその多くは、「見ていない時間」に発生しています。

テレビは、エアコンや暖房と違って使っている実感が薄く、「安い家電」というイメージを持たれやすい存在です。
だからこそ、つけっぱなしが習慣化しやすく、気づかないうちに電気代を押し上げる原因になりやすいと言えます。

重要なのは、完璧に消すことでも、我慢することでもありません。
時間ベースで考える癖を持つことです。

  • 今、本当に見ているか
  • 何分後に消す予定か
  • 音だけで十分ではないか

こうした問いを一度挟むだけで、「消すか、そのままか」の判断は自然とできるようになります。

数字を知ることは、節約のためではなく、選択の基準を持つためです。
テレビのつけっぱなしをどう扱うかは、生活スタイルによって答えが変わります。
だからこそ、自分にとって納得できる判断ができるようになること自体が、このテーマを整理する一番の価値なのかもしれません。

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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