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洗濯機の温水機能は本当に必要?メリット・デメリット・電気代・代替策まで徹底解説

洗濯機内部の断面イメージ図。底部に温水専用ヒーターが配置され、洗濯水を加熱している様子。
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

洗濯機を選ぶとき、「温水機能って本当に必要なのか」と迷う方は少なくありません。
価格も上がり、電気代も気になる。けれど「汚れがよく落ちる」「除菌できる」と聞くと、気になってしまう機能でもあります。

最近は、パナソニックや日立製作所、東芝などの上位モデルで温水機能を搭載した製品が増えています。
一方で、温水なしでも高い洗浄力をうたうモデルも多く、「結局どっちが正解なのか分からない」という声も多いのが現実です。

この記事では、洗濯機の温水機能について、

・温水で本当に汚れは落ちやすくなるのか
・電気代はどれくらい違うのか
・縦型とドラム式で必要性は違うのか
・温水がない場合の現実的な代替策

を、実用目線で整理します。
結論を急がず、まずは仕組みから見ていきましょう。


目次

洗濯機の温水機能とは?仕組みをまず理解する

ドラム式洗濯機の内部構造イメージ図。下部に搭載された温水専用ヒーターが作動し、洗濯水を温めている様子。

温水機能とは、洗濯機内部のヒーターで水を加熱し、設定温度(約30℃・40℃・60℃など)まで温めてから洗う仕組みです。
特にドラム式洗濯機に多く搭載されています。

では温水で洗うと何が起こるのか。

温度が上がることで変わる3つのポイント

・油汚れや皮脂が溶けやすくなる
・洗剤中の酵素が活性化する
・菌の増殖を抑えやすくなる

特に40℃前後は、皮脂汚れが落ちやすくなる温度帯とされています。
60℃以上になると、除菌目的で使われることが多くなります。

ただし、ここで重要なのは「毎回その温度が必要か」という点です。


温水洗浄のメリット

洗濯機内部で泡立った洗剤水が広がっている様子。

油・皮脂汚れに強い

シャツの襟元や袖口の黄ばみは、主に皮脂が酸化したものです。
水温が低いと皮脂は固まりやすく、洗剤だけでは分解しきれないことがあります。

40℃前後の温水を使うと、皮脂が柔らかくなり、洗浄効率が上がります。
調理服やスポーツウェアなど、汗や油分が多い衣類には効果を感じやすいでしょう。

ニオイ対策に有効

部屋干し臭の原因の一つは、洗濯で落としきれなかった菌の繁殖です。
温水で洗うことで菌数を抑えやすくなり、ニオイの発生リスクが減ります。

ただし「温水=完全除菌」ではありません。
洗濯後の乾燥環境も大きく影響します。

冬場の洗浄力安定

冬場は水道水の温度が一桁台まで下がることがあります。
この場合、洗剤の働きが鈍ることがあります。

温水機能があると、季節による洗浄力の差を抑えられます。


温水洗浄のデメリット

電気代は確実に上がる

ヒーターで水を温めるため、消費電力は増えます。

目安としては、

・通常洗濯:約10円前後/回
・温水使用:約30~50円/回

使用頻度によっては、月数百円〜千円以上の差が出ることもあります。

毎回温水を使う家庭では、年間で数千円単位の違いになる可能性があります。

洗濯時間が長くなる

水を加熱する時間が必要なため、運転時間が延びます。
忙しい朝に使う場合は、この点がストレスになることもあります。

衣類へのダメージ

高温に弱い素材は、

・縮み
・色落ち
・型崩れ

のリスクがあります。洗濯表示の確認は必須です。


縦型洗濯機に温水機能は必要か

ガラス蓋付きの縦型洗濯機の上部操作パネルと本体外観。

縦型洗濯機は、水と洗濯物をしっかりかき混ぜながら洗います。
そのため、泥や砂などの汚れを落としやすい特徴があります。

こんな家庭なら温水は優先度が低いかもしれません。

・外作業着中心
・泥汚れがメイン
・普段は軽い汚れのみ

一方、

・皮脂臭が気になる
・部屋干しが多い
・赤ちゃん衣類を頻繁に洗う

といった家庭では、温水が活きる場面もあります。

結局のところ、洗濯機自体の価格差とのバランスが判断軸になります。


ドラム式洗濯機では必要性が高い?

窓のある明るい室内に設置された白いドラム式洗濯機の外観。

ドラム式は「たたき洗い」が基本です。
水量が少なく、洗浄は洗剤性能に依存する割合が高めです。

そのため、

・皮脂汚れ重視
・ニオイ対策重視
・乾燥機能もよく使う

家庭では、温水機能との相性は良い傾向があります。

特に上位モデルでは、

・温水泡洗浄
・自動投入洗剤との連動
・除菌コース

などが組み合わされています。


温水機能がなくてもできる代替策

浴槽にぬるま湯が張られ、排水チェーン付きの栓が沈んでいる様子。

お風呂の残り湯を使う

残り湯は、洗濯機の温水機能の代替として最も現実的です。
目安は体感で“ぬるい〜温かい”程度(約35〜40℃前後)で、この温度帯でも皮脂は動きやすくなり、洗剤の働きが安定します。

ただし、使い方にコツがあります。
「洗い」にだけ残り湯を使い、「すすぎ」は水道水にするのが基本です。
すすぎまで残り湯にすると、湯に溶けた汚れ成分が衣類へ戻るリスクが上がります。

実務的な運用はこの形が安全です。

  • 残り湯:洗い工程のみ(+つけ置きができるならさらに有利)
  • すすぎ:水道水(2回すすぎを推奨)
  • 残り湯の条件:入浴剤や浴用オイルを使った日は避ける(香料・油分が残るため)
  • 衛生面が気になる衣類(肌着・タオル・赤ちゃん衣類):残り湯は使わず水洗い+別対策に寄せる

残り湯ポンプがない場合でも、バケツで給水する方法はありますが、手間が増えます。
「毎回やる」より「汚れが強い日だけやる」方が、ストレスなく続きますのでおすすめです。


部分予洗い

温水機能が効く場面の多くは「皮脂・油の一点集中汚れ」です。
つまり、洗濯機全体を温めなくても、汚れが強い部分だけ先に崩しておけば勝ちです。

襟・袖・靴下・食べこぼしは、洗濯機の中で“洗剤が薄まった状態”で戦うと負けやすい汚れです。
ここは「洗剤濃度を濃く当てる」「摩擦を追加する」だけで結果が変わります。

おすすめの手順はシンプルです。

  • 汚れ部に液体洗剤を直塗り(襟・袖・口元・脇など)
  • 指で軽くなじませる(ゴシゴシしない。繊維を潰すほど擦ると逆効果)
  • 5〜10分置いてから洗濯機へ

さらに一段上げたい場合は、汚れが強いときだけ下の工夫が効きます。

  • 歯ブラシや部分洗いブラシで“数回だけ”撫でる(擦り過ぎない)
  • 固形石けん(部分洗い用)を併用する(特に皮脂・泥に強い)
  • 洗濯ネットに入れるのは「予洗い後」(ネット先入れは摩擦が減って落ちにくい)

予洗いは“手間”に見えますが、温水で回し続けるより短時間で効果が出やすいので、結果的に効率が良いことが多いです。


酸素系漂白剤の併用

温水機能の代替で、洗浄力を一気に跳ね上げるならここです。
酸素系漂白剤(粉末タイプ)は、ぬるま湯(40℃前後)で反応が立ち上がりやすく、皮脂汚れ・黄ばみ・ニオイの“元”に効きます。

運用の考え方は2つに分かれます。

1)ニオイ・黄ばみの「リセット洗い」
普段の洗濯では落ち切らない蓄積汚れを定期的に剥がす用途です。
タオル、肌着、部屋干し臭が出やすい衣類に向きます。

  • 40℃前後のぬるま湯に溶かす(溶け残りがあるとムラになる)
  • 30分〜1時間つけ置き
  • その後、通常洗濯(すすぎはしっかり)

2)「汚れが強い日だけ」スポット運用
汗だくのスポーツ、油汚れ、体臭が強かった日など、対象を絞るやり方です。
この方が“コスパと手間”のバランスが良い家庭も多いです。

注意点もあります。
混ぜ方を間違えると衣類を傷めたり危険になります。

  • 塩素系漂白剤とは併用しない(混ぜない・同じ容器で扱わない)
  • ウール・シルク・革・金属パーツが多い衣類は避ける
  • 色柄は基本OKでも、目立たないところで確認すると安全

温水機能がない洗濯機でも、「ぬるま湯+酸素系漂白剤」だけは“温水機能に近い成果”を出しやすい手段です。


洗濯槽の清掃

ニオイの悩みを「洗濯物の問題」と思っていると、長引くことがあります。
実際は、洗濯槽側に汚れが残っていて、洗うたびに微量の汚れが再付着しているケースが少なくありません。

特に、以下に当てはまると槽内が荒れやすいです。

  • 洗剤・柔軟剤を多めに入れる癖がある
  • 部屋干しが多い
  • 低水温の時期が長い地域、または水温が低い家
  • 洗濯後にフタを閉めっぱなし
  • 乾燥機能を使わない(ドラム式でも)

温水機能より効くことがあるのが、運用面の改善です。

  • 洗濯後はフタを開けて湿気を逃がす(最重要)
  • 洗剤は“規定量”を守る(多いほど残留しやすい)
  • 月1回を目安に槽洗浄(臭いが出たら早めに)
  • 糸くずフィルター・排水フィルターは定期清掃(ここが詰まると臭いが戻る)

洗濯槽が整うと、同じ洗剤・同じ洗い方でもニオイの戻り方が変わります。
温水機能を足す前に、まず槽側をクリーンにする方が“費用対効果”が高いことは多いです。


温水洗浄でカビは防げる?

空の縦型洗濯機の洗濯槽内部を上から見た状態。

結論から言えば、温水洗浄は“カビを出にくくする方向には働く”が、完全防止まではできないというのが現実的な答えです。

洗濯槽にカビが発生する主な原因は、「湿気」「洗剤カス」「皮脂汚れの残留」の3つです。

温水で洗うと、

  • 皮脂汚れが落ちやすくなる
  • 洗剤残りが減りやすい
  • 一部の菌の繁殖を抑えやすい

というメリットがあります。

つまり、カビの“エサ”を減らす効果はあるということです。

ただし、洗濯後に湿気がこもったままだと、温水で洗っていてもカビは発生します。
問題は温度よりも「湿度管理」にあります。

実際に差が出るのはこの3点

  • 使用後にフタを開ける(内部を乾燥させる)
  • 月1回程度の槽洗浄を行う
  • 乾燥機能や送風機能で内部を乾かす

特にフタを閉めっぱなしにする習慣は、カビを育てる環境を作りやすいです。
温水機能があっても、湿気が残れば意味が薄れます。

カビ対策の優先順位は、

  1. 乾燥させる
  2. 定期清掃する
  3. 温水を使う

この順番で考えるのが合理的です。

温水はあくまで補助的な手段と捉えるのが現実的でしょう。


温水機能が向いている人・向かない人

白を基調としたシンプルな洗面スペースに設置されたドラム式洗濯機と洗面台収納の様子。

(パナソニック公式HPより:ななめドラム洗濯乾燥機 NA-SD10UBL)

温水機能は「あると便利」な機能ですが、万人向けではありません。
生活スタイルによって、価値は大きく変わります。

向いている人

  • 皮脂臭や部屋干し臭に悩んでいる
  • 冬場でも洗浄力を安定させたい
  • 赤ちゃん衣類や肌着を頻繁に洗う
  • ドラム式で乾燥機能もよく使う
  • スポーツウェアや作業着など汗・油汚れが多い

こうした家庭では、温水を「必要なときに使う」運用が効果的です。
毎回ではなく、臭いや汚れが気になる場面に限定することでコスパも保てます。

向かない人

  • 軽い汚れ中心で十分落ちている
  • 電気代を極力抑えたい
  • とにかく時短重視
  • 予洗い・残り湯などの工夫が苦にならない

この場合、温水機能に大きな価値を感じない可能性があります。
洗剤や運用改善で十分対応できるケースも多いです。


温水機能は「汚れを落とす力を底上げする装置」です。
しかし、洗濯の質を決めるのは、

  • 洗剤選び
  • 予洗い
  • 乾燥環境
  • 洗濯槽の清潔維持

といった日常の運用の方が影響は大きいことも少なくありません。

機能を足す前に、今の洗濯方法で改善できる点はないか。
そこを見直した上で選ぶと、後悔は少なくなります。


FAQ

Q1. 洗濯機の温水機能は本当に汚れが落ちやすくなりますか?
はい、特に皮脂や油汚れには効果を感じやすいです。40℃前後になると皮脂が柔らかくなり、洗剤の働きも安定します。ただし、軽い日常汚れであれば水洗いでも十分落ちるケースは多く、毎回必要とは限りません。

Q2. 温水機能を使うと電気代はどれくらい上がりますか?
使用機種やコースによりますが、通常洗濯より1回あたり数十円程度高くなることがあります。毎回使用すると年間で数千円単位の差になる可能性があります。必要なときだけ使う運用が現実的です。

Q3. 温水洗浄で洗濯槽のカビは防げますか?
一定の抑制効果はありますが、完全防止はできません。重要なのは使用後の乾燥、定期的な槽洗浄、湿気を残さない運用です。温水はあくまで補助的な対策と考えるのが妥当です。

Q4. 縦型洗濯機でも温水機能は必要ですか?
泥汚れ中心であれば縦型の撹拌力で十分なことが多いです。皮脂臭や部屋干し臭が気になる場合は検討価値がありますが、必須ではありません。汚れの種類で判断するのが合理的です。

Q5. 温水機能がない場合でも汚れ対策はできますか?
可能です。残り湯の活用、部分予洗い、酸素系漂白剤の併用、洗濯槽の定期清掃などで十分に対応できます。運用を整えることで、温水に近い効果を得られる場合もあります。

まとめ:温水機能は「毎回使う機能」ではない

上開き式洗濯機の内部にカラフルな衣類やタオルが入っている状態の様子。

温水機能には、たしかに明確な効果があります。
皮脂汚れやニオイ対策、冬場の洗浄力安定など、役立つ場面は存在します。

ただし、それは“常に必要な機能”という意味ではありません。
万能でもなければ、すべての家庭に必須というものでもありません。

判断の軸になるのは、次の3点です。

  • 自分の家庭で多い汚れは何か(皮脂・油・泥・軽い日常汚れなど)
  • 部屋干しの頻度はどれくらいか
  • 電気代と利便性のバランスをどう考えるか

毎回温水を使わなくても、十分に洗浄力を確保できる家庭もあります。
一方で、「ここぞ」という場面で温水を使える安心感に価値を感じる家庭もあります。

現実的なのは、“必要なときに使う機能”として捉えることです。
常時オンではなく、目的に応じて選択する運用が合理的です。

洗濯機は、機能の数で選ぶよりも、日々の使い方との相性で選ぶものです。
温水機能は、あれば役立つ補助装置のひとつ。

自分の洗濯スタイルに本当に合っているかどうかを基準に考えることが、後悔の少ない選び方につながります。

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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