給湯器の下から「ポタ…ポタ…」と水が垂れているのに気づき、不安になったことはないでしょうか。
量は少なく見えても、給湯器の水漏れは水道代に直結するトラブルであり、放置すると被害が拡大するケースも珍しくありません。
特に屋外設置の給湯器では、
「雨水かもしれない」
「少量だから大丈夫そう」
と見過ごされがちですが、実際には内部劣化や配管不良のサインであることが多く、早めの判断が重要です。
この記事では、
- 給湯器から水がポタポタ漏れる主な原因
- 水道代への影響
- 修理で直るケースと交換を検討すべきケース
- 古い給湯器はなぜ交換した方がいいのか
を、実務目線でわかりやすく整理します。
給湯器の水漏れが水道代に与える影響

給湯器の水漏れは、基本的に水道メーターを回し続ける状態になります。
たとえ1秒に1滴でも、24時間・30日と積み重なれば、水道代は確実に増えます。
特に以下のケースは要注意です。
- 常にポタポタ落ち続けている
- 夜間や不在時も止まらない
- 地面が常に濡れている
この状態が続くと、水道代が数千円単位で増えることもあり、原因を特定しない限り止まりません。
また水道代はいくらかかるの?と不安になると思いますが、漏れている水量や時間によっても変わるため一概にいくらと計算するのは難しいでしょう。
発見次第、1日でも早く業者手配をして、できれば水道の元栓を閉めて待つのが賢い選択といえるでしょう。
給湯器から水がポタポタ漏れる主な原因

給湯器の水漏れは、「どこから漏れているか」によって原因と対処が大きく異なります。
まずは、給湯器下部や配管まわり、本体のどこから水が落ちているのかを冷静に確認することが重要です。
フレキ管(給水・給湯配管)からの水漏れ
給湯器下部で最も多いのが、ステンレスフレキ管や接続部からの水漏れです。
原因としては、
- フレキ管自体の劣化
- 接続部のパッキン劣化
- ナットの緩み
が考えられます。
この場合は、
- フレキ管の交換
- パッキン交換
で改善するケースが多く、比較的軽微な修理で済むこともあります。
水抜き栓・ドレン部からの水漏れ
給湯器には、水抜きや安全のための水抜き栓(ドレン)が付いています。
ここからポタポタ水が落ちている場合、
- 根本が完全に閉まっていない
- パッキンの劣化
が原因のことがあります。
根本をしっかり締め直すことで改善する可能性があり、まず確認すべきポイントのひとつです。
ただし、締めても止まらない場合は、内部部品の劣化が疑われます。
凍結による配管・内部部品の破損
気温が大きく下がる時期には、給湯器内部や配管の凍結が原因で水漏れが発生するケースもあります。
凍結すると、水が膨張して
- フレキ管
- 配管の継ぎ目
- 内部部品
に亀裂が入り、解凍後にポタポタと水漏れが始まることがあります。
この場合、一時的に水漏れが止まっても、内部に損傷が残っていることが多く、再発しやすいのが特徴です。
凍結による破損は部品交換が必要になることが多く、状態によっては修理対応が難しいケースもあります。
給湯器本体からの水漏れ(ピンホール)
最も注意が必要なのが、給湯器本体(缶体)からの水漏れです。
この場合、
- 内部の熱交換器や缶体にピンホール(腐食穴)が発生
- 金属疲労・経年劣化
が原因である可能性が高く、部分修理では対応できません。
缶体交換は高額になりやすく、修理費用が新品交換に近づくケースも多いため、給湯器の使用年数が重要な判断材料になります。
給湯器が古い場合は「修理」より「交換」をすすめる理由
給湯器の使用年数が10年以上経過している場合、たとえ今回の水漏れが一部修理で直ったとしても、別の箇所が次々と劣化していく可能性があります。
特に本体内部からの水漏れの場合は、
- 缶体交換が高額
- 他部品も同時期に寿命を迎えている
- 修理保証が短い
といったリスクが重なります。
そのため、年数が経過している給湯器で水漏れが発生しているなら、新品交換の方が結果的に安心で経済的という判断になるケースが非常に多いのが実情です。
放置してはいけない給湯器の水漏れサイン

次のような状態が見られる場合は、早急な対応が必要です。
- 水漏れ量が徐々に増えている
- 本体の底部や側面から直接水が出ている
- 水道代が急に上がった
- 使用年数が10年以上
「そのうち止まるだろう」と様子を見るのはおすすめできません。
特に集合住宅や多層階で設置されている場合は、少量でも下の階への影響も及ぼしてしまう可能性があるため注意が必要です。
給湯器の水漏れに関するFAQ
Q1. 給湯器の水漏れは自然に直ることはありますか?
A. 基本的にありません。締め直しで一時的に止まるケースはありますが、劣化が原因の場合は再発します。
Q2. 少しポタポタする程度でも水道代は上がりますか?
A. 上がります。少量でも24時間続けば、水道メーターは回り続けます。
Q3. フレキ管からの水漏れは自分で直せますか?
A. ナットの増し締めで止まることもありますが、無理な作業は破損や二次被害につながるため注意が必要です。
Q4. 本体からの水漏れは修理できますか?
A. ピンホールが原因の場合、部分修理はできず、缶体交換または本体交換になります。
Q5. 給湯器は何年使っていたら交換を考えるべきですか?
A. 一般的には10年が目安です。水漏れが発生している場合は、年数に関わらず交換検討が必要です。
まとめ:給湯器の水漏れは「早めの判断」が水道代と安全を守る

給湯器の水漏れは、一見すると小さなトラブルに見えますが、原因によって対処の考え方が大きく変わります。
フレキ管やパッキン、水抜き栓といった配管まわりの不具合であれば、部品交換や締め直しで改善するケースも多く、比較的軽い対応で済むことがあります。
一方で、給湯器本体から水がポタポタ落ちている場合は、内部の腐食やピンホールといった経年劣化が進行しているサインである可能性が高く、部分的な修理では根本解決になりません。
この状態で無理に使い続けると、水漏れ量の増加だけでなく、突然の使用停止や二次トラブルにつながるリスクも高まります。
特に、使用年数が10年前後を超えている給湯器で水漏れが発生している場合、
「とりあえず直す」を繰り返すよりも、新品への交換を選んだ方が結果的に安心で、費用面でも合理的になるケースは少なくありません。
修理費用が積み重なった結果、最初から交換しておけばよかったと後悔する例も実際に多く見られます。
給湯器の水漏れは、放置すれば水道代が無駄にかかり続けるだけでなく、住まい全体の安心にも影響します。
だからこそ、「ポタポタ」とした違和感に気づいた段階で、
どこから漏れているのか、給湯器の年数はどれくらいかを冷静に整理し、修理か交換かを早めに判断することが大切です。
早い段階で正しく対応することが、水道代の無駄を抑え、突然のトラブルを防ぐ一番の近道になるでしょう。

