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床暖房の電気代とガス代を比較|料金の仕組みから考えるランニングコスト

床暖房の電気代とガス代を比較するイラスト。電気式のヒーターシートとガス温水式の温水配管・熱源機を左右に並べ、ランニングコストの違いを表現した画像。
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

床暖房の熱源をガスにするか電気にするかで悩んだとき、気になるのは「結局、どちらが安く使えるのか」という点です。
ところが、電気代とガス代は、単位も料金の決まり方も違うため、金額を並べて見ただけでは正しい比較になりません。
ネットで見かける試算も、畳数、地域、使う時間、契約プランといった前提がバラバラで、そのまま自宅に当てはめると、思わぬずれが生じます。
さらに、ガス温水式にも電気代がかかるなど、見落としやすい点もあります。
この記事では、床暖房の電気代とガス代を比較するための料金の仕組み、試算の読み方、自宅で比べる手順を整理します。

目次

電気代とガス代の比較が難しい理由

比較が難しい理由は、大きく3つあります。

理由内容
単位が違う電気はkWh、ガスは立方メートル(m³)などで計量され、熱量も異なる
料金の決まり方が違う基本料金、従量料金、調整項目の組み合わせが、電気とガスで異なる
地域・契約で単価が違う地域、会社、プラン、LPガスの販売店ごとに単価が変わる

さらに、床暖房の方式によって、電気やガスが使われる場面が違います。
そのため、「電気式とガス式の料金を並べて、安いほうを選ぶ」という単純な比較にはなりません。

料金の仕組みの違い

電気料金

電気料金は、基本料金(契約アンペアなどで決まる)と、使用量に応じた従量料金に、燃料費調整額や再生可能エネルギー発電促進賦課金などが加わって決まります。
従量料金の単価は、料金メニューや使用量の段階によって変わります。
電気料金の計算方法そのものは、電気代の計算方法を解説した記事で詳しく取り上げています。

都市ガス料金

都市ガスの料金も、基本料金と従量料金で構成されます。
従量料金の単価は、使用量が増えると変わる料金表が多く、地域のガス会社や料金メニューによって異なります。
暖房シーズンにガスの使用量が増えると、適用される単価の段階が変わる場合があります。

LPガス料金

LPガス(プロパンガス)は、販売店ごとに料金を設定する仕組みで、都市ガスより単価が高い傾向があるとされます。
同じ使用量でも、契約している販売店によって請求額が変わります。
プロパンを使っている家庭は、床暖房のガス代が都市ガスの試算より大きくなる可能性があるため、自宅の単価で計算することが大切です。

ガス温水式でも電気代はかかる

ガス温水式の床暖房では、熱源機が燃料のガスを使って温水をつくります。
しかし、熱源機の制御や、温水を循環させるポンプの運転には電気が使われます。
そのため、ガス温水式の床暖房は、ガス代を中心としながら、電気代も少し増える構造です。

逆に、電気式やヒートポンプ式では、電気代が主なコストになります。
ガス温水式の負担を見るときは、ガス代だけでなく電気代も含めて確認することが大切です。
ガス温水式の個別の費用は、ガス代の観点から床暖房を解説した記事でも取り上げています。

方式ごとに「電気」と「ガス」がどう関わるか

床暖房の方式によって、電気とガスが担う役割は次のように分かれます。
自分が検討している方式で、どちらが主なコストになるのかを、先に整理しておくと比較が進めやすくなります。

電気式の床暖房では、床下の電気ヒーターが直接発熱するため、電気代がほぼすべてです。
ガスの契約は必要ありません。

ヒートポンプ式の温水床暖房では、電気で空気中の熱を集めて温水をつくるため、電気代が主なコストです。
外気温が低いほど効率が下がる傾向があり、寒冷地では冬の電気使用量に影響します。

ガス温水式の床暖房では、ガスが温水をつくる燃料で、ガス代が中心です。
ただし、前述のとおり、循環ポンプなどの動作に電気も使われます。

灯油式の温水床暖房では、燃料は灯油で、電気代は制御やポンプ分が中心です。
灯油は電気やガスとは別の価格で動くため、三者を並べて比較するときは、さらに条件をそろえる必要があります。

主なコストが電気なのか、ガスなのか、灯油なのかを最初に把握することが、比較の出発点です。

契約や料金メニューで差が出る部分

同じ方式でも、契約の仕方で請求額は変わります。

電気では、時間帯別の料金メニューや、オール電化向けのメニューなど、使い方に合わせた選択肢があります。
床暖房を夜間に使う家庭と、日中に使う家庭では、有利になる料金メニューが違うことがあります。

ガスでは、暖房や給湯の使用量が多い家庭向けに、使用量に応じて単価が下がる料金メニューを用意している会社もあります。
床暖房をよく使う家庭は、料金メニューを見直すことで、同じ使用量でも請求額が変わる可能性があります。

ただし、料金メニューの内容や条件は、会社や地域、時期によって変わります。
最新の内容は、契約中の会社や、比較サイトで確認してください。

試算の読み方

床暖房の電気代やガス代を示した資料は、前提条件が異なります。
たとえば、メーカーの電気式・ヒートポンプ式の試算は、1日8時間・30日運転、電気料金は目安単価の31円/kWhを基に計算したものがあります。
一方、ガス会社のガス式の試算は、木造14畳1室、敷設率53%、外気温7℃、床暖房とエアコン併用、8時間運転などの条件で、そのガス会社の料金メニューを基にしたものがあります。

📎 参考:エネチェンジ「床暖房の電気代・ガス代の目安」

このように、部屋の広さ、敷設率、併用の有無、料金メニューがそれぞれ違うため、金額をそのまま並べて比べることはできません。
試算の金額は、前提条件が合っていなければ、自宅の実態とは大きくずれることがあります。
条件を確かめずに、金額だけで判断しないでください。

調査に見る満足度の違い

日本冷凍空調工業会が2020年1月に行った温水床暖房の調査(戸建て住宅の居住者410名が対象)では、ランニングコスト(電気代・ガス代)について、燃焼ガス式で「満足・やや満足」が20.4%、「不満」が36.5%でした。
ヒートポンプ式では、「満足・やや満足」が50.9%、「不満」が15.8%でした。

📎 参考:日本冷凍空調工業会「温水床暖房に関する購入動機・使用満足度調査」

ヒートポンプ式の回答者は57名のため、参考値として見てください。
また、この結果は、住まいの断熱性能、使い方、地域、契約の違いも含んだ回答であり、方式の優劣を直接示すものではありません。
それでも、「電気を使うヒートポンプ式のほうが、ランニングコストに満足している人の割合が高かった」という傾向は、一つの参考になります。

自宅で比べる手順

自分の家で電気とガスのどちらが有利かを知るには、次の手順で比べます。

順番内容
1自宅で使える熱源(都市ガス、LPガス、電気)と、契約の単価を確認する
2検討中の機種の消費電力(電気)または燃料消費量(ガス)を、カタログで確認する
3使う時間と期間を決め、電気代・ガス代を計算する
4ガス温水式は、電気代も合算する
5初期費用、熱源機の交換費用も含めて、長期の総額で比べる

見積もりを取るときは、複数の方式で、同じ畳数・同じ使い方の条件にそろえてもらうと、比較しやすくなります。
熱源の選び方は、床暖房の熱源の選び方を解説した記事でも整理しています。

光熱費以外の比べるポイント

電気とガスの比較は、光熱費だけで決まるものではありません。

  • 初期費用:機器、配管、工事の規模が違う
  • 設置条件:ガスの引き込み、屋外の熱源機の設置スペースが必要か
  • 立ち上がり:方式や機種で暖まるまでの時間が違う
  • 燃焼の有無:ガスは燃焼を伴い、排気の設計が必要
  • 将来の交換:熱源機の交換費用や、部品の供給

総合的に判断するためにも、光熱費は大きな要素の一つとして位置づけるのが現実的です。
ランニングコスト全体の比較は、床暖房のランニングコストを熱源別に比較した記事で整理しています。

よくある質問

Q1. 床暖房は、電気とガスのどちらが安いですか?

一概には言えません。
地域、契約、料金メニュー、畳数、使う時間、断熱性能によって結果が変わります。
資料の試算も前提条件が異なるため、自宅の単価と使い方で計算して比べてください。

Q2. ガス温水式でも、電気代はかかりますか?

かかります。
熱源機の制御や、温水の循環ポンプの運転に電気が使われるためです。
ガス温水式の負担を見るときは、ガス代と電気代を合わせて確認してください。

Q3. LPガスの場合、床暖房のガス代は高くなりますか?

LPガスは、販売店ごとに料金が設定され、都市ガスより単価が高い傾向があるとされます。
そのため、都市ガスを前提にした試算より、ガス代が大きくなる可能性があります。
契約している販売店の単価で計算し直すと、実態に近い金額が分かります。

Q4. ヒートポンプ式は、ガス式より光熱費が安いと言えますか?

調査では、ヒートポンプ式のほうがランニングコストに満足している人の割合が高い傾向でしたが、回答者数や条件が異なるため、方式の優劣を断定することはできません。
自宅の条件で見積もりを比べて判断してください。

Q5. 電気代とガス代を比べるとき、いちばん気をつけることは何ですか?

前提条件をそろえることです。
畳数、使う時間、期間、単価、併用する暖房の有無を同じ条件にして、電気代とガス代を計算します。
条件がバラバラの金額を並べても、正しい比較にはなりません。
見積もりや試算を依頼するときは、使う時間や期間、併用する暖房を伝えて、同じ前提で出してもらいましょう。
条件が合っていれば、方式の違いによる差がはっきり見えてきます。

まとめ

床暖房の電気代とガス代の比較は、料金の仕組みと試算の前提を理解したうえで、自宅の条件で計算することが大切です。
最後に、この記事のポイントを整理します。

ポイント内容
比較が難しい理由単位、料金の決まり方、地域・契約による単価の違い
見落としやすい点ガス温水式でも電気代がかかる。LPガスは単価が高い傾向
試算の読み方畳数、敷設率、併用の有無、料金メニューなどの前提を確認する
比べ方自宅の単価と使い方で、電気代・ガス代を合算して計算する
総合判断初期費用、設置条件、交換費用も含めて長期で比べる

床暖房の電気代全体の考え方は、床暖房の電気代を解説した記事で整理しています。
まずは、お住まいのガスの種類と、電気・ガスそれぞれの単価を検針票で確認してみてください。

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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