石油ストーブを選ぶとき、「タンクは何リットルあれば足りるのか」「給油なしで何時間使えるのか」が気になります。
カタログには「連続燃焼時間」という数字がありますが、これはタンクの大きさと、火力で大きく変わります。
この記事では、燃焼時間=タンク容量(L)÷燃料消費量(L/h)という計算式をもとに、トヨトミ・コロナの取扱説明書や仕様表の数値で、タンク容量と燃焼時間の関係を整理します。
5Lや9Lのタンクで何時間もつかも、早見表で確かめられます。
燃焼時間の計算式
燃焼時間(h)= タンク容量(L)÷ 燃料消費量(L/h)
たとえば、トヨトミ RB-25C は、タンク容量4.9L、最大燃料消費量0.243L/h なので、4.9 ÷ 0.243 ≒ 20.2時間です。
取扱説明書の「連続燃焼時間 約20時間」と一致します。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| タンク容量 | 灯油を入れられる量。油量計の「満」の目安まで入れる(機種による) |
| 燃料消費量 | 1時間に使う灯油の量。最大〜最小の範囲 |
| 連続燃焼時間(燃焼継続時間) | タンクを満たした状態から、灯油がなくなるまでの時間の目安 |
連続燃焼時間は、「つけっぱなしにしてよい時間」ではありません。就寝時・外出時は必ず消火してください。詳しくは、つけっぱなしについて解説した記事をご覧ください。
計算式を逆に使う
計算式を変形すると、「必要な連続燃焼時間から、必要なタンク容量」や「タンク容量から、使える燃料消費量」も求められます。
| 知りたいこと | 計算式 | 例 |
|---|---|---|
| 燃焼時間 | タンク容量 ÷ 燃料消費量 | 4.9L ÷ 0.243L/h = 約20.2時間 |
| 必要なタンク容量 | 燃料消費量 × 使いたい時間 | 0.3L/h × 8時間 = 2.4L |
| 1日の消費量 | 燃料消費量 × 1日の使用時間 | 0.243L/h × 8時間 = 約1.9L |
| 給油の間隔(日) | タンク容量 ÷ 1日の消費量 | 4.9L ÷ 1.9L = 約2.5日 |
確認できた機種のタンク容量と燃焼時間
開放式の対流式・反射式
| 機種 | 方式 | タンク容量 | 連続燃焼時間 | 燃料消費量 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| トヨトミ RS-S23C | 反射形 | 3.6L | 約16.4時間 | 最大0.219L/h | 取扱説明書 |
| トヨトミ RS-H290 | 反射形 | 3.6L | 約12.9時間 | 記載なし | 販売ページ |
| コロナ SX-CE280Y | 対流形 | 4.0L | 約14.5時間 | 最大0.275L/h | 取扱説明書 |
| コロナ SX-E2925Y | 反射形 | 4L | 14.3時間・19.1時間 | 記載なし | 販売店ページ |
| トヨトミ RS-G3024 | 反射形(電池レス) | 4.0L | 13.7〜17.1時間 | 0.294〜0.234L/h | 販売店ページ |
| トヨトミ RB-25C(RB-G2524) | 対流形 | 4.9L | 約20時間(20.2〜40.2時間) | 0.243〜0.122L/h | 取扱説明書/販売店ページ |
| トヨトミ KS67H | 対流形 | 6.3L | 最大9.7時間 | 最大0.647L/h | 販売店ページ |
※販売店ページの表記では、暖房出力の単位が「kW/h」のものがあります。
表の数値は、各ページの記載をそのまま使っています。
SX-E2925Y の「14.3時間・19.1時間」は、強・弱の対応が判読できなかったため、2つの値を記載しています。
石油ファンヒーター
| 機種 | タンク容量 | 連続燃焼時間 |
|---|---|---|
| コロナ FH-VX3626BY | 7.2L | 強燃焼時 20.6時間/弱燃焼時 126.3時間 |
※FF式のコロナ FF-AG6823H は、取扱説明書にタンク容量の記載がなく、連続燃焼時間の記載もありません(灯油1Lあたりの運転時間が、火力により約1.3〜4.5時間)。
傾向
確認できた開放式の対流式・反射式のタンク容量は、おおむね3.6〜6.3Lの範囲でした。小型の機種ほどタンクが小さく、暖房出力が大きい機種ほどタンクも大きい傾向があります。ただし、タンクが大きくても、燃料消費量も多ければ、連続燃焼時間は短くなります(KS67H は6.3Lで最大9.7時間)。
計算で確かめる
表の連続燃焼時間が、計算式と合っているかを確かめてみます(当サイト計算)。
| 機種 | 計算 | 結果 | 表の値 |
|---|---|---|---|
| トヨトミ RS-S23C | 3.6 ÷ 0.219 | 約16.4時間 | 約16.4時間 |
| コロナ SX-CE280Y | 4.0 ÷ 0.275 | 約14.5時間 | 約14.5時間 |
| トヨトミ RS-G3024(強) | 4.0 ÷ 0.294 | 約13.6時間 | 13.7時間 |
| トヨトミ RS-G3024(弱) | 4.0 ÷ 0.234 | 約17.1時間 | 17.1時間 |
| トヨトミ RB-G2524(弱) | 4.9 ÷ 0.122 | 約40.2時間 | 40.2時間 |
| トヨトミ KS67H | 6.3 ÷ 0.647 | 約9.7時間 | 最大9.7時間 |
どの機種も、計算式と表の値がほぼ一致します。
つまり、連続燃焼時間が書かれていない機種でも、タンク容量と燃料消費量が分かれば、燃焼時間は自分で計算できるということです。
5L・9Lのタンクで何時間もつか(早見表)
今回確認した範囲に、9Lのタンクを持つ石油ストーブは見当たりませんでした。下の表は、計算式を使った参考値です。実際の機種の連続燃焼時間は、取扱説明書や仕様表で確認してください。
燃料消費量ごとの燃焼時間
| 燃料消費量 | 目安となる火力・機種の例 | 5Lのタンク | 9Lのタンク |
|---|---|---|---|
| 0.12L/h | 小型対流式の最小火力(RB-G2524 最小0.122L/h) | 約41.7時間 | 約75.0時間 |
| 0.2L/h | 反射式の中火力、FF式の最小(FF-AG6823H 最小0.220L/h) | 約25.0時間 | 約45.0時間 |
| 0.3L/h | 小型反射式・対流式の最大(RS-G3024 最大0.294L/h など) | 約16.7時間 | 約30.0時間 |
| 0.4L/h | 出力の大きめの機種 | 約12.5時間 | 約22.5時間 |
| 0.65L/h | 大型対流式の最大(KS67H 最大0.647L/h) | 約7.7時間 | 約13.8時間 |
※実際の消費量は、火力、室温、灯油の状態で変わります。
読み方のポイント
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 同じタンクでも | 火力で燃焼時間が数倍違う |
| 9Lのタンクが必要になる場面 | 出力の大きい機種で、給油の回数を減らしたいとき。ただし、満タン時の重さも増える |
| 5L前後で足りる場面 | 小型機種で、1日数時間の使用。毎日給油する運用 |
満タン時の重さの目安
タンクが大きいと、給油の回数は減りますが、満タンのタンクは重くなります。
灯油の比重を約0.8と仮定して(当サイトの仮定。
実際の値は取扱説明書や灯油の仕様を参照)、満タンの灯油の重さを計算します。
| タンク容量 | 灯油の重さ(約0.8kg/L) |
|---|---|
| 3.6L | 約2.9kg |
| 4.9L | 約3.9kg |
| 5L | 約4.0kg |
| 7.2L | 約5.8kg |
| 9L | 約7.2kg |
この重さに、タンク自体の重さが加わります。
タンクを取り出して給油する機種では、持ち運びの負担も考えます。
特に、高齢の方が使う場合は、給油の回数と、1回あたりの重さのバランスが大切です。
火力で変わる燃焼時間
燃料消費量は、火力によって変わります。
連続燃焼時間の表記が、2つの値(範囲)になっている機種は、強火力と弱火力のときの値です。
| 機種 | 強(最大)火力 | 弱(最小)火力 |
|---|---|---|
| トヨトミ RB-G2524 | 20.2時間 | 40.2時間 |
| トヨトミ RS-G3024 | 13.7時間 | 17.1時間 |
| コロナ FH-VX3626BY(ファンヒーター) | 20.6時間 | 126.3時間 |
| コロナ FF-AG6823H(灯油1Lあたり) | 約1.3時間 | 約4.5時間 |
弱い火力で長く使えるかは、機種の「火力の幅」で決まります。反射式 RS-G3024 のように最小が最大の約8割の機種は、弱火にしても燃焼時間は大きく変わりません。火力の幅が大きい機種ほど、弱火で長時間使えます。火力の幅と燃費の関係は、燃費のいい石油ストーブの選び方を解説した記事で整理しています。
給油の目安と、給油のときの注意
給油のタイミング
| メーカー・機種 | 取扱説明書の記載 |
|---|---|
| トヨトミ RB-25C | 油量計の針が「0」を示す前に給油する |
| コロナ SX-CE280Y | 給油サインに赤色が出たら給油の予告。約1〜2時間で灯油がなくなる |
| 共通 | 灯油がなくなる前に消火して給油する。灯油が切れると、火力が落ちて消える |
給油量の目安
| メーカー・機種 | 取扱説明書の記載 |
|---|---|
| トヨトミ RB-25C | 油量計の「満」の位置。「危」の位置まで入れると溢れることがある |
| トヨトミ RS-S23C | 油量計の上部付近まで。入れすぎるとあふれる |
| コロナ SX-CE280Y | 油量計の適量位置まで黒色に変わったらやめる |
入れすぎは、あふれ・油漏れの原因になります。給油は消火して、本体が十分に冷えてから、火の気のない場所で行い、こぼれた灯油は必ず拭き取ってください。給油の手順は、石油ストーブの使い方を解説した記事で紹介しています。
給油の頻度の目安
| 条件 | 計算例 |
|---|---|
| RB-25C(4.9L)を、最大火力で毎日8時間使う | 1日の消費 約1.9L → 約2.5日に1回の給油 |
| RB-25C を最小火力(0.122L/h)で毎日8時間使う | 1日の消費 約1.0L → 約5日に1回の給油 |
| SX-CE280Y(4.0L)を、最大火力で毎日8時間使う | 1日の消費 約2.2L → 約1.8日に1回の給油 |
| RB-25C を最大火力で毎日4時間使う | 1日の消費 約1.0L → 約5日に1回の給油 |
※タンクを満たしてから、次の給油までの目安です。
実際には、灯油が少なくなる前に給油します。
1シーズンの給油回数
150日、毎日8時間使うと仮定して、1シーズンに何回給油することになるかを計算します(当サイト計算。
最大火力で使い続けた場合の上限の目安)。
| 機種・火力 | 1シーズンの灯油量 | タンク容量 | 給油回数 |
|---|---|---|---|
| RB-25C 最大 | 約292L | 4.9L | 約60回 |
| RB-G2524 最小 | 約146L | 4.9L | 約30回 |
| SX-CE280Y 最大 | 約330L | 4.0L | 約83回 |
| RS-S23C 最大 | 約263L | 3.6L | 約73回 |
最大火力で使い続けると、1シーズンで60〜80回も給油することになります。
これは、2日に1回程度のペースです。
給油の手間を減らしたいか、タンクの重さを避けたいかで、機種の選び方も変わります。
18Lのポリタンク1缶で、RB-25C(4.9L)の約3.7タンク分です。
灯油の持ち運びやタンクの選び方は、灯油タンクの容量を解説した記事をご覧ください。
FF式・石油ファンヒーターのタンク
| タイプ | タンクの考え方 |
|---|---|
| 対流式・反射式 | 本体に油タンクがある。取り出して給油する機種と、給油口から入れる機種がある |
| FF式 | 別置きの油タンクとつなぐ機種がある。コロナ FF式では、送油バルブを閉じて給油。油タンクが空になると、油切れ表示が出て消火し、給油後に空気抜きが必要な場合がある |
| 石油ファンヒーター | カートリッジタンクを取り外して給油する機種が多い(機種による)。FH-VX3626BY は7.2L |
FF式で油タンクを空にすると、送油経路に空気が入ります。早めに給油してください(コロナ FF式の取扱説明書)。FF式の仕組みはFF式石油ストーブを解説した記事で整理しています。
タンクを選ぶときのチェックリスト
| 確認項目 | 見るところ |
|---|---|
| 1日の使用時間 | 1日4時間か8時間かで、必要なタンク容量が変わる |
| 給油の手間 | 給油の回数を減らしたいか。タンクは重くならないか |
| 連続燃焼時間 | 最大・最小の両方を見る |
| 給油の方法 | タンクを取り出す形式か。給油口の位置 |
| 油量計・給油サイン | 残量が見やすいか |
| 灯油の保管 | 18L缶、ホームタンクの運用。火気・雨水・直射日光を避ける |
どのタイプでも、開放式は使用中に1時間に1〜2回を目安に窓を開けて換気してください。就寝中や、長時間その場を離れるときは必ず消火し、給油は消火して冷めてから行ってください。ガソリンは絶対に入れないでください。
よくある質問
Q1. 石油ストーブのタンクは、何リットルが多いですか?
今回確認した開放式の対流式・反射式では、3.6〜6.3Lでした(トヨトミ RS-S23C 3.6L、コロナ SX-CE280Y 4.0L、トヨトミ RB-25C 4.9L、トヨトミ KS67H 6.3L)。
石油ファンヒーターの FH-VX3626BY は7.2Lです。
Q2. 5Lのタンクは、何時間もちますか?
燃料消費量で決まります。
計算式は、5 ÷ 燃料消費量(L/h)です。
0.12L/hなら約41.7時間、0.3L/hなら約16.7時間、0.65L/hなら約7.7時間です。
実際の機種の連続燃焼時間は、取扱説明書で確認してください。
Q3. 9Lのタンクの石油ストーブはありますか?
今回確認した範囲では、見当たりませんでした。
9Lという数字は、計算の目安として表にしています。
機種ごとのタンク容量は、取扱説明書や仕様表で確認してください。
Q4. 連続燃焼時間が20時間なら、一晩つけっぱなしでも安全ですか?
いいえ。
連続燃焼時間は、タンクの灯油がなくなるまでの目安です。
就寝時・外出時は必ず消火するよう、取扱説明書に記載されています。
Q5. タンクの灯油が少なくなったら、どうすればいいですか?
灯油がなくなる前に、消火して給油します。
トヨトミは油量計の針が「0」を示す前に、コロナ SX-CE280Y は給油サインが赤色になったら給油の予告です。
給油は、消火して本体が冷えてから、火の気のない場所で行います。
まとめ
タンク容量と燃焼時間の関係は、計算式で確かめられます。
最後に、この記事のポイントを整理します。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 計算式 | 燃焼時間(h) = タンク容量(L) ÷ 燃料消費量(L/h) |
| 確認できたタンク容量 | 開放式の対流式・反射式は3.6〜6.3L。ファンヒーター例は7.2L |
| 5L・9L | 9Lの石油ストーブは確認できず。計算の目安として早見表を掲載 |
| 火力の幅 | 弱火で長く使えるかは、機種の火力の幅で決まる |
| 給油 | 「0」の前、給油サインで。消火して冷えてから |
| 給油回数 | 最大火力で毎日8時間使うと、1シーズンで約60〜80回 |
| 連続燃焼時間 | つけっぱなしにしてよい時間ではない |
まずは、お持ちの機種(または候補の機種)の取扱説明書で、「タンク容量」と「燃料消費量」の欄を確認してみてください。

