冬の暖房で、ガスストーブ(ガスファンヒーター)とエアコンのどちらが光熱費を抑えられるのか、気になる方は多いのではないでしょうか。
結論から言うと、どちらが安いかは、ガスの種類(都市ガスかLPガスか)、エアコンの効率、契約している料金によって変わります。
同じ熱量を作るときの1時間あたりの費用は、エアコンの効率(COP)が高い条件では、都市ガスのガスファンヒーターよりエアコンのほうが低くなりやすい、という試算結果になります。
ただし、これは仮定した単価と効率にもとづく計算です。
この記事では、仮定を明示したうえで試算し、金額以外の違いもあわせて整理します。
試算の前提
単価は、地域や契約で大きく変わるため、3パターンずつ仮定します。
実際の単価は、検針票や料金表で確認してください。
| 項目 | 低め | 中間 | 高め |
|---|---|---|---|
| 都市ガス(円/m³) | 150 | 200 | 250 |
| LPガス(円/m³) | 400 | 600 | 800 |
| 電気(円/kWh) | 27 | 31 | 35 |
これらの単価は、当サイトが試算のために置いた仮定です。
公式の最新単価ではありません。
| 項目 | 前提 |
|---|---|
| ガスの熱量 | 都市ガス 12.5kWh/m³、LPガス 30.3kWh/m³(当サイトの計算で使っている値) |
| ガスファンヒーターの熱量 | リンナイのRC-Y4002PEの暖房能力4.07kWを例にする |
| ガス消費量 | 簡単のため、暖房能力と同じ4.07kWとして計算する(実際の消費量はカタログで確認) |
| エアコン | 暖房能力4.0kWの機種。COPは3と5の2パターンを仮定する |
COP(成績係数)は、使った電気エネルギーに対して、何倍の熱を取り出せるかを表す数値です。
エアコンのCOPは、外気温や運転条件によって変わるため、ここでは仮に3と5を置きます。
1時間あたりの費用
ガスファンヒーター(4.07kW)
| 条件 | 1時間あたり(円) |
|---|---|
| 都市ガス 150円/m³ | 約48.8 |
| 都市ガス 200円/m³ | 約65.1 |
| 都市ガス 250円/m³ | 約81.4 |
| LPガス 400円/m³ | 約53.7 |
| LPガス 600円/m³ | 約80.6 |
| LPガス 800円/m³ | 約107.5 |
計算式は「4.07kW ÷ 熱量(kWh/m³)× 単価」です。
たとえば都市ガス200円/m³では、4.07 ÷ 12.5 × 200 ≒ 65.1円です。
エアコン(暖房能力4.0kW)
| 条件 | 電気27円/kWh | 電気31円/kWh | 電気35円/kWh |
|---|---|---|---|
| COP 3 | 約36.0円 | 約41.3円 | 約46.7円 |
| COP 5 | 約21.6円 | 約24.8円 | 約28.0円 |
計算式は「4.0kW ÷ COP × 電気単価」です。
たとえばCOP3・31円/kWhでは、4.0 ÷ 3 × 31 ≒ 41.3円です。
熱量1kWhあたりに直して比べる
暖房能力が違うため、「1kWhの熱を作るのにいくらかかるか」に直すと、比べやすくなります。
| 方式 | 条件 | 1kWhの熱あたり(円) |
|---|---|---|
| 都市ガス | 150円/m³ | 12.0 |
| 都市ガス | 200円/m³ | 16.0 |
| 都市ガス | 250円/m³ | 20.0 |
| LPガス | 400円/m³ | 13.2 |
| LPガス | 600円/m³ | 19.8 |
| LPガス | 800円/m³ | 26.4 |
| エアコン COP3 | 電気27〜35円 | 9.0〜11.7 |
| エアコン COP5 | 電気27〜35円 | 5.4〜7.0 |
この試算では、エアコンはCOPが3でも、ガスより1kWhあたりの費用が低くなります。
都市ガスが安い地域や、エアコンの効率が下がる条件では、差が小さくなったり、逆転したりすることもあり得ます。
この表は、仮定した単価と効率にもとづく試算です。実際の光熱費は、お住まいの料金、機種、部屋の条件で変わります。
金額以外の違い
光熱費だけでなく、暖まり方や使い勝手も違います。
| 項目 | ガスファンヒーター | エアコン |
|---|---|---|
| 暖房能力(例) | 4.07kW(木造11畳めやす) | 機種による |
| 設置 | 置くだけ。ガス栓とガスコードが必要 | 取付工事が必要 |
| 換気 | 必要(室内の空気で燃やす開放式) | 燃焼しないため、燃焼のための換気は不要 |
| 立ち上がり | 温風が出るため、スポット暖房に向く | 部屋全体を暖める運転に向く |
| 電気 | 消費電力14〜20W(リンナイのカタログ) | 消費電力が大きい |
| 停電時 | 使えない | 使えない |
ガスファンヒーターは、室内の空気を使って燃やす開放式のため、リンナイのカタログでも換気が案内されています。
エアコンにはこの換気の必要がありません。
リンナイのガスファンヒーターについては、リンナイのガスストーブ比較|ファンヒーター・赤外線・FFの違いで整理しています。
使い分けの考え方
| 場面 | 考え方 |
|---|---|
| 部屋全体を長時間暖める | エアコンを主にし、効率を活かす |
| 帰宅直後、短時間に暖めたい | ガスファンヒーターのスポット暖房が向く |
| 脱衣所、玄関など工事のない場所 | ガスファンヒーターやカセットガス式 |
| 都市ガスが安い地域 | ガスファンヒーターの費用差が小さくなる |
| LPガスの地域 | ガス単価が高めなので、エアコンとの差が出やすい |
ガスファンヒーターとエアコンを併用し、場面で使い分ける家庭もあります。
ガス代全体の考え方は、ガスストーブのガス代の記事でも整理しています。
試算の読み方と注意点
この記事の数字を読むときは、次の点に注意してください。
| 注意点 | 内容 |
|---|---|
| 単価は仮定 | 都市ガス・LPガス・電気は、地域や契約で大きく異なる |
| 燃料費調整 | 実際の請求は、燃料費調整額などで変動する |
| COPは条件で変わる | 外気温や運転条件で変わるため、3と5は仮定 |
| 部屋の条件 | 広さ、断熱、設定温度で、必要な熱量が変わる |
| 連続運転の前提 | 実際は、温度に応じて出力が変わるため、1時間ずっと最大とは限らない |
自宅の数字で計算する手順
- 検針票で、ガスの単価(円/m³)と電気の単価(円/kWh)を確認する
- ガスは、熱量(都市ガス12.5kWh/m³、LPガス30.3kWh/m³)で割って、1kWhの熱あたりの費用にする
- エアコンは、電気単価をCOPで割る
- 比べたい時間に、必要な熱量をかけて、金額を出す
エアコンのCOPは、カタログの値や、運転条件の違いを見て決めてください。
ガスの単価は、基本料金と従量単価に分かれる契約もあります。
その場合は、従量単価で計算します。
契約の見直しで変わること
光熱費の差は、機器の違いだけでなく、契約の違いでも変わります。
| 見直すこと | 考え方 |
|---|---|
| ガスの料金メニュー | 使用量に応じた料金メニューがある場合がある |
| 電気の料金メニュー | 時間帯で単価が変わるメニューがある場合がある |
| LPガスの単価 | 事業者ごとに異なる |
契約を確認すると、同じ機器でも、1時間あたりの費用が変わります。
乗り換えを検討する前に、現在の検針票の単価と、使用量を確認してください。
よくある質問
Q1. ガスストーブとエアコンは、どちらが安いですか?
この記事の仮定では、エアコンのほうが1kWhの熱あたりの費用が低くなりました。
ただし、単価、エアコンの効率、使い方で結果は変わります。
検針票の単価で計算し直してみてください。
Q2. LPガスでは、差が大きくなりますか?
LPガスは、都市ガスより単価が高めの傾向があり、この試算でも1時間あたりの費用が高くなりました。
LPガスの地域では、エアコンとの差が大きくなりやすいです。
Q3. COPは、実際にはどのくらいですか?
機種や外気温、運転条件で変わります。
この記事では仮に3と5を置きました。
お持ちのエアコンのカタログで確認してください。
Q4. ガスファンヒーターの電気代は、どのくらいかかりますか?
リンナイのカタログでは、暖房時の消費電力は14〜20Wです。
電気代は1時間あたり1円未満の水準です。
詳しくは、ガスファンヒーターの電気代で整理しています。
Q5. 併用するメリットはありますか?
帰宅直後はガスファンヒーターで素早く暖め、部屋が暖まったらエアコンに切り替えるなど、場面で使い分けられます。
ガスを使うときは、換気を忘れないでください。
まとめ
ガスストーブとエアコンの光熱費は、単価と効率の仮定で結果が変わります。
最後に、要点を整理します。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 試算結果 | 仮定した条件では、エアコンの1kWhあたり費用が低い |
| ガスの地域差 | 都市ガスよりLPガスのほうが高い |
| 金額以外 | 換気、設置工事、立ち上がりが異なる |
| 使い分け | 全体を長く暖めるならエアコン、スポットならガス |
検針票の単価とお持ちの機種の数値で、一度計算し直してみてください。

