エアコンをつけているのに、ベランダの室外機のファンがぴたりと止まったまま動かない。
そんな様子を見ると、まず「壊れたのではないか」と考えてしまうものです。
ただ、室外機のファンが止まっている状態は、故障のときもあれば、機器が正常に制御した結果であることも同じくらいあります。
そして修理が必要なケースでも、原因がファンモーター側なのか、圧縮機(コンプレッサー)側なのかで、費用も判断も大きく変わります。
この記事では、ファンが回らないときにその場で確認できる項目を整理したうえで、ファンの不具合と圧縮機の不具合をどう見分けるか、どこからが業者依頼の領域なのかを、費用の目安まで含めて解説します。
ファンが止まっていても低い運転音が続いているなら故障とは限らない
先に結論をお伝えします。
室外機のファンが回っていないとき、室外機から「ブーン」という低い連続音が聞こえているかどうかが、最初の分かれ道になります。
この低い音は、冷媒を循環させる圧縮機(コンプレッサー)が動いている音です。
圧縮機が動いているのにファンだけが止まっている状態は、ファンモーターや制御基板の異常が疑われる典型的なパターンです。
逆に、音もファンも完全に止まっている場合は、そもそも室外機に運転指令が届いていない、または電源が来ていない可能性が高くなります。
そして、しばらく待つと何事もなかったように回り出す場合は、サーモオフや霜取り運転といった正常な一時停止であるケースがほとんどです。
つまり「回らない」という一言の中に、性質のまったく異なる3つの状態が混ざっています。
この切り分けを先に済ませておくと、無駄に修理を呼ぶことも、逆に壊れかけの機器を使い続けてしまうことも避けられます。
| 室外機の状態 | 考えられる中身 | 最初にすべきこと |
|---|---|---|
| ファン停止+低い運転音あり | ファンモーター・基板の異常、または短時間のサーモオフ | 設定温度を大きく下げて10分様子を見る |
| ファン停止+音も完全になし | 電源・リモコン設定・通信異常、圧縮機の起動不良 | ブレーカーと運転モードの確認 |
| 5〜10分ほどで自然に回り出す | サーモオフ・霜取り運転などの正常動作 | 対処不要 |
停止と再開を繰り返すのは設定温度に達したサーモオフによる正常動作
エアコンは、室温が設定温度に近づくと室外機の運転を一時的に止めます。
これがサーモオフと呼ばれる制御で、無駄な冷やしすぎ・暖めすぎを防ぐために全メーカーの機種に備わっています。
このとき室内機は送風を続けているため、「室内機は動いているのに室外機だけ止まっている」という見え方になります。
日立は、冷房・暖房・除湿の運転中に室内の温度や湿度が設定値に達すると室外機のファンが一時的に停止し、条件が変われば再び動き出すと案内しています。
サーモオフかどうかを確かめる具体的な手順
判断に迷ったら、次の順で試すと切り分けができます。
- 冷房中なら設定温度を18〜20℃まで下げる(暖房中なら28〜30℃まで上げる)
- 風量を「自動」から「強」に変更する
- その状態で10分ほど室外機の様子を見る
温度差を大きくつければ、機器は「まだ運転が必要だ」と判断して室外機を動かします。
この操作で回り始めるなら、それはサーモオフによる停止であって故障ではありません。
一方、設定を振り切っても10分以上まったく動かない場合は、次の項目へ進みます。
なお、室外機が数分おきに止まったり動いたりを繰り返すのも正常な挙動です。
省エネ性の高い機種ほど細かく発停を繰り返す傾向があり、「頻繁に止まる=壊れかけ」ではありません。
送風・除湿モードでは室外機は動かない
見落としが多いのが運転モードです。
送風モードは室内の空気を循環させるだけで熱交換を行わないため、室外機は原則として動きません。
リモコンの表示が「送風」「内部クリーン」「自動」になっていないかを確認してください。
また、再熱除湿ではない弱冷房除湿の場合、湿度条件によっては室外機の稼働時間が短くなることがあります。
暖房中に止まったなら霜取り運転の可能性が高く5〜10分で自然に復帰する
冬場の暖房運転中に室外機が止まった場合、まず疑うべきは霜取り運転です。
暖房中の室外機は外気から熱を奪うため熱交換器が非常に冷たくなり、空気中の水分が凍って霜として付着します。
霜が厚くなると空気を吸い込めなくなり暖房能力が落ちるため、エアコンは暖房を一時中断して霜を溶かす運転に切り替えます。
この間、室外機のファンは止まり、室内機からも温風が出なくなります。
霜取り運転にかかる時間の目安として、日立は5〜10分程度、最大でおよそ22分としています。
つまり暖房中に室外機が止まっても、20分程度で自然に復帰するなら故障ではありません。
判断の線引きとしては、次のように考えると分かりやすくなります。
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 外気温が低い日の暖房中、5〜20分で復帰する | 霜取り運転。対処不要 |
| 1時間に何度も霜取りに入り、暖房がほとんど効かない | 室外機まわりの環境か機器側の不具合を疑う |
| 30分以上経っても復帰しない | 霜取り以外の原因。点検が必要 |
霜取り運転の頻度が異常に多い場合は、室外機の設置環境が影響していることがあります。
壁際に寄せすぎている、背面が塞がれている、吹き出し口の前に物が置かれている、といった条件では吸い込んだ冷気を再び吸い直すショートサーキットが起き、霜が付きやすくなります。
冬場の室外機まわりの整え方についてはエアコンの室外機は冬に何を対策すべき?故障・効きの悪さ・異音を防ぐ正しい冬対策を徹底解説で詳しく解説しています。
凍りついた室外機に熱湯をかけてはいけない
雪や氷でファンが動かなくなっているとき、手っ取り早く溶かそうとして熱湯をかけるのは危険です。
ダイキンは、凍りついた室外機に熱湯や大量の水をかけると、底板に溜まった水分が凍って膨張し、ファンや内部部品を損傷させるおそれがあると注意を促しています。
凍結時は必ず運転を停止し、電源プラグを抜くかブレーカーを切ってから、手で取り除ける範囲の雪だけを払ってください。
氷が張り付いている場合は無理に剥がさず、気温が上がるのを待つか点検を依頼する方が安全です。
真夏の冷房中に止まるなら放熱不良による保護停止を疑う
夏場、猛暑日の午後だけ室外機が止まるという症状も少なくありません。
これは故障ではなく、放熱がうまくいかず内部の温度や圧力が上がりすぎたために、機器が自分を守るために運転を中断している状態であることがあります。
保護停止に入ると、しばらく休んでから自動的に運転を再開するため、「夕方には普通に動いていた」という形で見過ごされがちです。
放熱不良を招きやすいのは、次のような設置条件です。
- 室外機に一日中直射日光が当たり、天板や側面が触れないほど熱くなっている
- ベランダの隔て板や壁との距離が近く、吹き出した熱風を再び吸い込んでいる
- 室外機の周囲をラティスやすのこで囲い、風の抜け道がなくなっている
- 熱交換器のフィン(アルミの薄い羽根)に綿ぼこりや花粉が層になって付いている
- 室内機側のフィルターが目詰まりし、必要以上に運転が長引いている
対策としては、まず前面に30cm程度、背面にも10cm以上の空間を確保することが基本になります。
日除けを設ける場合は、吹き出し口や吸い込み口を塞がないタイプを選び、室外機本体に密着させないことが条件です。
熱交換器のフィンは非常に薄く曲がりやすいため、高圧洗浄機を当てたり、金属ブラシでこすったりする掃除は避けてください。
表面のほこりを柔らかいブラシで軽く払う程度に留め、内部の洗浄は専門業者に任せる方が安全です。
冷房が効かない状態が続いている場合は、室外機だけでなく冷媒量やフィルターの状態も併せて確認する必要があります。
冷えないときの原因の切り分けはダイキンのエアコンが冷えない原因|自分でできる確認と業者依頼の目安でも整理しています。
通電直後や運転停止直後は圧縮機保護のため約3分間は起動しない
ブレーカーを入れ直した直後や、運転を止めてすぐに入れ直した直後は、室外機が動き出すまでに待ち時間があります。
これは圧縮機を保護するための遅延制御で、多くの機種でおおよそ3分程度の待機時間が設けられています。
冷媒の圧力が均等になる前に圧縮機を再起動すると、過大な負荷がかかって寿命を縮めるためです。
電源リセットを試すときも、この点を踏まえて次の手順で行ってください。
- リモコンで運転を停止する
- 電源プラグを抜く、またはエアコン専用ブレーカーを切る
- そのまま5分以上待つ
- 電源を戻し、冷房または暖房で運転を開始する
- 室外機が動き出すまで最低でも5分は様子を見る
「電源を入れ直したのにすぐ動かない」と判断して何度も抜き差しを繰り返すと、かえって機器に負担がかかります。
リセット後は必ず数分間待つことが前提です。
自分で確認できるのは電源・設定・周辺環境の5項目まで
工具を使わず、安全に確認できる範囲は限られています。
次の5項目までが利用者側でできる確認だと考えてください。
| 確認項目 | 見るポイント | 該当したときの対応 |
|---|---|---|
| ブレーカー | エアコン専用ブレーカーが落ちていないか | 一度切ってから入れ直す。すぐ再度落ちるなら使用中止 |
| 電源プラグ | 抜けかけ・半挿しになっていないか、焦げやほこりがないか | 差し直す。焦げがあれば使用を止めて点検依頼 |
| リモコン設定 | 送風・内部クリーンになっていないか、電池切れでないか | 冷房または暖房に切り替え、電池を交換する |
| 室外機の周囲 | 前面・背面・側面に物や植木、積雪がないか | 前面は30cm程度を空ける |
| ファンまわり | 落ち葉・ビニール袋・小枝が絡んでいないか | 電源を切ったうえで取り除く |
このうち特に見落とされやすいのが、室外機の背面と側面です。
背面の熱交換器は空気を吸い込む側にあたり、ここが塞がれていると放熱不良で保護停止に入りやすくなります。
物置やプランターを室外機の裏に置いているケースは意外と多く、前面だけ空けても改善しないことがあります。
ファンに手を近づける作業は、必ず運転を停止して電源プラグを抜くかブレーカーを切ってから行ってください。
室外機のファンは制御によって突然回り始めることがあり、通電状態での作業は重大なけがにつながります。
これらを一通り確認しても改善しない場合は、機器内部の不具合として切り分けを進めます。
室外機全体が動かないケースの詳しい分類については室外機が動かない原因と対処法|故障かどうかを自分で判断する完全ガイドで整理しています。
ファンモーター異常は「音はするのにファンだけ止まる」形で現れる
ここからが本題である、ファン側と圧縮機側の見分け方です。
ファンモーターや、ファンを制御する基板に異常がある場合、次のような症状の組み合わせになります。
- 室外機から「ブーン」という低い連続音は聞こえるが、ファンは止まったまま
- ファンが回り出しても、極端に遅い・引っかかるように回る
- 数十秒だけ回って止まる、というサイクルを繰り返す
- 「ガラガラ」「キーン」など、以前は聞こえなかった音が回転中に混ざる
- 運転してしばらくすると保護停止し、エラー表示が出る
判断の軸になるのは、圧縮機は動いているのにファンだけが同期していないという点です。
この状態が続くと、放熱ができないまま圧縮機が動き続けることになり、高圧・高温の保護装置が働いて別のエラーに発展します。
つまりファンの不具合を放置すると、より高額な圧縮機側のトラブルを招く順序になっています。
電源を完全に切った状態でファンを指で軽く押して回してみたとき、明らかに重い、途中で引っかかる、軸がぐらつくといった感触があれば、モーターまたは軸受けの劣化が疑われます。
ただし、軽く回るからといって正常とは限りません。
巻線の断線やホール素子の故障では、手で回る状態でも通電時にまったく回らないことがあります。
回転中の異音から状態を判断する考え方は室外機のブーンやカタカタの異音は故障?使い続けていい状態と止めるべき状態の判断基準でも整理しています。
圧縮機側の異常では冷えない・唸るだけ・ブレーカーが落ちるが同時に起きる
一方、圧縮機側に問題がある場合は、ファン単体の症状とは現れ方が変わります。
典型的なのは次のパターンです。
- ファンは正常に回っているのに、冷房も暖房もまったく効かない
- 「ブーン」という唸り音だけがして、数秒後に止まる(起動失敗)
- 運転を開始すると数分でブレーカーが落ちる
- 室外機から金属的な打音や、これまでと明らかに違う振動が出る
- 焦げたようなにおいがする
圧縮機は起動時に大きな電流が流れるため、内部で固着(メカロック)していると起動しきれず唸り音だけを出して停止します。
また、巻線の絶縁が劣化していると漏電し、ブレーカーが落ちる形で症状が出ます。
ブレーカーが繰り返し落ちる、焦げくさいにおいがする、といった症状があるときは、原因の切り分けをせずに運転を中止し、ブレーカーを切ったうえで点検を依頼してください。
漏電や発煙につながる状態であり、通電を続けること自体が危険です。
症状から見分けるための対照表
| 症状 | ファン側が疑われる | 圧縮機側が疑われる |
|---|---|---|
| 低い運転音 | する(圧縮機は動いている) | 唸るだけで続かない/しない |
| ファンの回転 | 止まる・極端に遅い | 正常に回ることが多い |
| 冷暖房の効き | 徐々に落ち、保護停止する | 最初からまったく効かない |
| ブレーカー | 通常は落ちない | 落ちることがある |
| 進行の仕方 | 放置すると圧縮機側の異常へ波及 | 初期から症状が重い |
なお、室内機と室外機の通信が成立していない場合も、室外機がまったく反応しない形になります。
エラー表示が出ているなら、まずコードの意味を確認するのが近道です。
ダイキン機であればダイキン エアコンのエラーコード一覧|番号と意味を系統別に解説が対応表として使えます。
他メーカーの場合も、型番を控えたうえでメーカー公式サイトのエラーコード一覧を参照してください。
修理費用は室外機ファンで2万円台〜5万円台、圧縮機交換では15万円を超えることもある
費用感を知っておくと、修理と買い替えの判断がしやすくなります。
ダイキンは保証期間終了後の出張修理金額の目安として、ファンが回らない症状の場合、室外機側でおおよそ21,000〜55,000円程度(税込)としています。
想定される交換部品は、室外機のプリント基板・プロペラファン・ファンモータです。
一方、運転しない・運転中に止まる症状の場合の目安はおおよそ28,000〜64,000円程度(税込)で、圧縮機交換など溶接を伴う作業になる場合は約15万〜20万円程度の高額修理になることがあるとされています。
| 想定される原因 | 費用の目安(税込) | 備考 |
|---|---|---|
| 室外機のファンモーター・プロペラ・基板 | 約21,000〜55,000円 | 部品点数により変動 |
| 基板・制御系(運転しない・止まる) | 約28,000〜64,000円 | 室内機側基板を含む場合あり |
| 圧縮機交換(溶接を伴う作業) | 約15万〜20万円 | 本体買い替えと比較すべき水準 |
※金額はダイキン工業に直接依頼した場合の目安であり、設置状況・機種・地域・交換部品点数によって実際の費用は変動します。
※メーカーや販売店、家電量販店の延長保証の有無によっても負担額は変わります。
※正確な金額は現地点検後の見積もりで確認してください。
なお、冷媒回路(圧縮機・熱交換器など)はメーカー保証期間が本体より長く設定されていることが一般的です。
購入から5年程度であれば保証対象になる可能性があるため、修理を諦める前に保証書と購入時期を確認しておくと無駄がありません。
修理か買い替えかは使用年数10年と部品保有期間で線を引く
判断のラインとして、次の3点を組み合わせると迷いにくくなります。
- 使用年数が10年未満で、原因がファンモーターや基板 … 修理の合理性が高い
- 使用年数が10年を超えている、または圧縮機交換が必要 … 買い替え検討が現実的
- 部品の保有期間を過ぎている … そもそも修理できない場合がある
ルームエアコンの補修用性能部品の保有期間は、製造打ち切り後おおむね9年前後と案内しているメーカーが多く見られます。
この期間を過ぎると、費用の問題ではなく部品がないという理由で修理が成立しません。
ダイキンも、長く使用している製品では部品保有期間の経過により修理ができない場合があると案内しています。
もうひとつの目安が費用比率です。
修理見積もりが同等機種の買い替え費用(本体+標準工事)の半分を超えるなら、買い替えを検討する水準といえます。
特に10年前の機種と現行機では省エネ性能に差があるため、電気代の差額も加味して比較するのが現実的です。
ただし省エネ性能の向上幅は機種や使用時間によって大きく異なるため、具体的な回収年数はカタログの期間消費電力量で確認してください。
ファンが回らないまま使い続けると圧縮機側の高額修理に発展する
「ファンは止まっているけれど冷房は少し効いている」という状態で、そのまま使い続けてしまうケースがあります。
しかしこれは、機器にとってはかなり無理のある運転です。
冷房運転中の室外機は、室内から運んできた熱を外気に捨てる役割を担っています。
ファンが回らなければ熱交換器に外気が当たらず、熱を捨てられないまま冷媒の圧力と温度だけが上がり続けます。
その結果、次のような順序で症状が進行していきます。
- 冷房・暖房の効きが徐々に落ち、設定温度に届かなくなる
- 高圧保護や温度異常の保護装置が働き、数十分おきに停止するようになる
- 高負荷運転が続くことで圧縮機の内部潤滑が悪化する
- 圧縮機が固着し、起動できなくなる
数万円で済んだはずのファンモーター交換が、放置によって15万円規模の圧縮機交換に変わるというのが、この症状で最も避けたい展開です。
効きが落ちていると感じた時点で運転を控え、点検を依頼する方が結果的に安く済みます。
また、電気代の面でも不利になります。
効率が落ちた状態では設定温度に到達しないため運転が止まらず、稼働時間が延び続けます。
「最近エアコンの電気代が急に上がった」という変化も、室外機側の不調を示すサインのひとつです。
修理を依頼する前に控えておく5つの情報
点検を依頼するとき、症状を「動きません」とだけ伝えると、原因の特定に時間がかかり、部品の持ち合わせがなく再訪問になることがあります。
次の5点をメモしてから連絡すると、初回訪問で解決する確率が上がります。
| 控える情報 | 確認場所・伝え方 |
|---|---|
| 型番(品番) | 室内機の前面パネル内側、または室外機側面の銘板 |
| 購入・設置年月 | 保証書、購入時のレシート、銘板の製造年 |
| 症状の具体的な内容 | 「音はするがファンだけ止まる」など、動作の組み合わせで伝える |
| 発生条件 | 冷房時のみ/暖房時のみ/終日、外気温、発生し始めた時期 |
| エラー表示 | リモコンのコード、室内機ランプの点滅回数と色 |
特に重要なのが型番と、症状を動作の組み合わせで伝えることです。
「ファンが回らない」だけでは室内機側のファンと区別がつかないため、室外機のどちらの症状なのかを明確にしてください。
また、購入から間もない場合や冷媒回路に関わる不具合の場合は保証が適用される可能性があるため、保証書の有無も併せて伝えておくと手続きがスムーズです。
年に一度の確認でファンまわりのトラブルは減らせる
ファンモーターの寿命は使用環境に大きく左右されます。
落ち葉や砂ぼこりが入りやすい環境、潮風の当たる沿岸部、屋上や南向きベランダのように日射と高温にさらされる場所では、劣化が早く進む傾向があります。
冷房シーズンと暖房シーズンの前に、次の確認を習慣にしておくと、突然の停止を防ぎやすくなります。
- 室外機の前面・背面・側面に物を置いていないか確認する
- ファンガード(前面の格子)の内側に落ち葉やビニールが入り込んでいないか目視する
- 熱交換器のフィンに綿ぼこりが層になっていないか確認する
- 架台やブロックのがたつき、傾きがないか手で軽く押して確かめる
- 試運転を10分程度行い、ファンの回転音と振動に前年との違いがないか聞く
がたつきは振動を増やし、ファンの軸受けや配管接続部に余計な負荷をかけます。
防振ゴムが潰れていたり、ブロックが沈んで傾いていたりする場合は、水平を出し直すだけで異音や振動が収まることもあります。
なお、室外機の内部洗浄や分解を伴う清掃は利用者が行う作業ではありません。
電装部品に水がかかると故障や漏電の原因になるため、内部の汚れが気になる場合は専門業者のクリーニングを検討してください。
エラー表示が出ているなら症状より先にコードを確認する
室外機のファンが回らない状態でリモコンや室内機のランプが点滅している場合、症状から推測するより先に、エラーコードを確認する方が正確です。
コードは機器自身が検知した異常箇所を示しており、ファンモーター異常、通信異常、圧力異常などが区別されています。
確認手順の基本は次のとおりです。
- 室内機のランプの点滅パターン(回数・色)を控える
- リモコンの取扱説明書に記載されたエラー確認モードを操作する
- 表示されたコードをメーカー公式のエラーコード一覧で照合する
- 修理依頼時に、機種の型番とコードを併せて伝える
型番とコードを最初に伝えておくと、訪問時に必要な部品を持参してもらえる可能性が上がり、二度手間を避けられます。
室内機と室外機の通信が切れている場合の考え方はダイキン エアコン エラーコードU4の原因と対処法|室内機と室外機が通信できないときの判断基準で解説しています。
よくある質問
Q1. 室外機のファンは止まっているのに「ブーン」という音は続いています。故障でしょうか。
圧縮機だけが動き、ファンが同期していない状態であるため、ファンモーターまたは制御基板の異常が疑われます。
ただし、サーモオフからの復帰直後や運転開始直後には一時的にこの状態になることもあるため、まず設定温度を大きく変えて10分ほど様子を見てください。
それでもファンが回らないまま音だけが続く場合は、放熱ができず圧縮機に負荷がかかるため、運転を止めて点検を依頼することをおすすめします。
放置すると保護停止を繰り返し、より高額な修理につながる可能性があります。
Q2. 暖房中に室外機が止まりました。どのくらい待てば故障と判断してよいですか。
冬場の暖房運転中であれば、霜取り運転による一時停止の可能性が高い状況です。
霜取りにかかる時間は5〜10分程度、長い場合でも20分程度が目安とされています。
30分以上経っても暖房が再開しない場合や、1時間のうちに何度も停止を繰り返して部屋がまったく暖まらない場合は、霜取り以外の原因を疑う段階です。
室外機の周囲が塞がれていないかを確認したうえで、改善しなければ点検を依頼してください。
Q3. 室外機のファンを手で回しても大丈夫ですか。
確認のために手で触れる場合は、必ず運転を停止し、電源プラグを抜くかエアコン専用ブレーカーを切ってから行ってください。
通電状態では制御によって突然回り始めることがあり、非常に危険です。
電源を切った状態で軽く押して、明らかに重い・引っかかる・軸がぐらつくといった感触があれば、モーターや軸受けの劣化が疑われます。
ただし軽く回っても内部の巻線やセンサーが故障していることはあるため、手応えだけで正常と判断はできません。
Q4. ファンモーターの交換費用はどのくらいかかりますか。
ダイキンが公表している目安では、ファンが回らない症状に対する室外機側の出張修理金額はおおよそ21,000〜55,000円程度(税込)です。
これは出張料・技術料・部品代を含んだ保証期間終了後の目安であり、設置状況や機種、交換部品の点数によって変動します。
高所設置や吊り下げ設置の場合は作業費が加算されることもあります。
メーカーによって金額の設定は異なるため、実際の負担額は型番を伝えたうえで見積もりを取って確認してください。
Q5. ファンの故障と圧縮機の故障では、買い替えの判断は変わりますか。
変わります。
ファンモーターや基板の交換であれば数万円台に収まることが多く、使用年数が10年未満なら修理を選ぶ合理性があります。
一方、圧縮機の交換は溶接を伴う大掛かりな作業となり、15万円を超えることもあるため、同等機種への買い替え費用と比較する水準になります。
使用年数が10年前後に達している場合や、部品の保有期間を過ぎている場合は、修理より買い替えを軸に検討する方が結果的に負担が少なく済むことが多いといえます。
まとめ
室外機のファンが回らないとき、最初に見るべきは「低い運転音が続いているかどうか」と「何分で復帰するか」の2点です。
5〜20分程度で自然に回り出すならサーモオフや霜取り運転による正常な停止であり、対処は必要ありません。
音は続くのにファンだけが止まっているならファンモーター側、ファンは回るのに冷暖房が効かない・唸るだけ・ブレーカーが落ちるなら圧縮機側と切り分けられます。
利用者側で安全にできるのは、ブレーカー・電源プラグ・運転モード・室外機の周囲・ファンまわりの異物という5項目の確認までです。
ファンに触れる際は必ず電源を切ってから行い、凍結時に熱湯をかける、叩いて動かそうとするといった対処は避けてください。
費用面では、室外機のファン系統の修理は数万円台に収まることが多い一方、圧縮機交換は15万円を超えることもあります。
使用年数10年と部品保有期間を目安に、修理と買い替えのどちらが合理的かを判断してください。
エラー表示が出ている場合は、症状から推測するより先にコードを確認し、型番と併せて修理窓口に伝えることが解決までの近道になります。

