タイマーランプが点滅し、リモコンに「H21」または「H22」と表示されて運転が止まる。
この2つはパナソニックのエアコンでたまった結露水の水位を見張るフロートスイッチにかかわる診断コードです。
聞き慣れない部品ですが、役割は単純で、水が増えすぎていないかを見張る浮きです。
そしてこの浮きが正しく働かなくなると、水があふれて室内へ漏れるおそれがあります。
とくにH22は、ぬめり状の汚れによる固着が疑われるコードです。
この記事では排水のしくみから、屋外で確認できること、汚れが原因になる理由までを整理します。
H21とH22の違い
| コード | 診断コードの意味 | 示している状況 |
|---|---|---|
| H21 | 室内フロートスイッチの動作異常 | 水位を見張るスイッチの信号が途切れている |
| H22 | スライム検知フロートスイッチの動作異常 | 一方のスイッチが固着している疑いがある |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主に疑われる原因 | ドレン配管や受け皿のぬめり・詰まり、ドレンポンプの不具合、フロートスイッチや制御基板の異常 |
| 自分でできること | 屋外のドレンホースの確認、水漏れの有無の確認 |
| 改善しない場合 | 室内機の点検が必要で、修理依頼が前提 |
この記事はパナソニックの家庭用ルームエアコンを前提に解説します。
天井カセット型などの業務用パッケージエアコンは診断コードの体系が異なるため、設置業者または販売店にご確認ください。
そもそもエアコンはなぜ水を出すのか
冷房や除湿の運転では、室内機の熱交換器が冷たくなります。
そこへ湿った空気が触れると、含みきれなくなった水分が結露して水になります。
この水は室内機の下にある受け皿に落ち、ドレンホースを通って屋外へ排出されます。
夏場に室外へ水が流れ出ているのは、この排水です。
多くの壁掛けタイプでは、高低差を利用して自然に流れる構造になっています。
一方、設置の条件によっては水をいったん汲み上げる必要があり、その場合はポンプで排出します。
このとき「いま受け皿にどれくらい水がたまっているか」を知るために置かれているのがフロートスイッチです。
水位が上がれば浮きが持ち上がり、下がれば戻る。
その動きで、ポンプを動かすタイミングや、あふれる前に運転を止める判断をしています。
H22が示す「スライム」とは
エアコンの受け皿や配管の内部は、冷房の季節ずっと濡れた状態にあります。
そこへホコリやカビの胞子が入り込むと、ぬめりのある汚れが少しずつ育っていきます。
これが公式の説明で「スライム」と呼ばれているものです。
台所の排水口のぬめりを思い浮かべると近いかもしれません。
このぬめりが厚くなると、浮きが動くべきときに動かなくなります。
水位が上がっているのに浮きが下がったまま張り付いている、といった状態です。
H22は、こうした固着の疑いを検知したときに表示されます。
つまりH22は部品の突然の故障ではなく、時間をかけて進んだ汚れの結果として出ることがあるコードです。
H21・H22で現れやすい症状
- 冷房や除湿の運転中に止まり、タイマーランプが点滅する
- 室内機から水がしたたり落ちる
- 屋外のドレンホースから水がほとんど出ていない
- 室内機まわりから、かび臭いにおいがする
- 冷房の季節にだけ症状が出る
「冷房と除湿のときだけ」というのがこの系統の特徴です。
結露水が出るのは冷やす運転のときなので、暖房では症状が現れにくくなります。
水漏れの原因はほかにもあるため、症状の切り分けにはエアコンから水が垂れる原因とは?今すぐ確認すべきポイントと正しい対処判断が参考になります。
診断コードは複数が順に表示されることがあります。
最初に「H00」が出て本来のコードを見落とすケースについてはパナソニックエアコンのH00とは?異常なしを示す診断コードと確認方法で解説しています。
コードは最後まで送って確認してください。
屋外のドレンホースを確認する
利用者が確認できるのは、屋外に出ているドレンホースの先です。
ここが詰まっていると水が流れず、受け皿の水位が上がります。
- 冷房運転中に、屋外のドレンホースの先から水が出ているか確認する
- ホースの先が地面や水たまりに沈んでいないか見る
- 先端に泥や落ち葉、虫の巣などが詰まっていないか確認する
- ホースが折れ曲がったり、つぶれたりしていないか見る
- 途中に物が乗って押しつぶされていないか確認する
ホースの先が水たまりに沈んでいると、水が流れにくくなるだけでなく、汚れや虫が入り込む経路にもなります。
少し持ち上げて、先端が自由になる状態にしてください。
ドレンホースに口を当てて吸い出す、高圧の空気を吹き込むといった方法は避けてください。
内部の汚水を吸い込むおそれがあり、衛生上の問題があります。
また勢いよく空気を送ると、室内側の受け皿から水があふれることがあります。
先端の詰まりが取り除ければ流れが戻ることもありますが、配管の奥や受け皿のぬめりは利用者側では対処できません。
そこまで進んでいる場合は、専門業者の洗浄が必要になります。
室内側で触ってはいけない場所
前面パネルを開けて内部の受け皿や配線を触る行為は避けてください。
室内機の内部には電装部品が集まっており、水と電気が近い位置にあります。
感電の危険があるため、確認は取り外せるエアフィルターまでにとどめてください。
水漏れが起きている場合は運転を停止し、電源プラグを抜くかブレーカーを切ってください。
漏れた水が電装部品にかかると、故障だけでなく感電や発煙につながるおそれがあります。
床や家具が濡れている場合は、先にタオルや受け皿で水を受けてから連絡してください。
天井埋め込み型の機種で天井にシミが出ている場合は、被害が広がる前に早めの連絡が必要です。
本体リセットと確認の手順
- リモコンをエアコン本体に向けて「お知らせ」ボタンを押し、表示されたコードを書き留める(お知らせボタンがない機種は、診断ボタンや前面パネル内部の表示部で確認します)
- リモコンで運転を停止する
- 屋外のドレンホースの先を確認し、詰まりがあれば取り除く
- リモコンの「本体リセット」ボタンをつまようじなど先の細いもので押す。または電源プラグを抜く、エアコン専用ブレーカーを落とす
- 電源を入れ直し、冷房で30分ほど運転して、屋外から水が出るか確認する
確認は冷房で30分ほど続けてください。
結露水がたまるまでに時間がかかるため、短時間では判断できません。
このとき屋外のホースから水が出ていれば、排水そのものは働いていることになります。
診断コードの読み取り方や点滅そのものの意味については、パナソニックエアコンのタイマー点滅とは?意味と診断コードの確認方法で詳しく解説しています。
室内機の可動部にかかわるコードはほかにもあります。
送風ファンの回転に問題がある場合は別のコードになり、パナソニックエアコンのH19とは?室内ファンが回らないときの確認で解説しています。
修理を依頼する判断の基準
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| ホース先端の詰まりを取ったら正常に戻った | 排水経路が原因だった。定期的に確認する |
| ホースから水は出ているのに表示が続く | フロートスイッチや基板側の不具合。修理を依頼する |
| 室内機から水が垂れている | 運転を停止し、電源を落としてから連絡する |
| かび臭さや、ぬめりが疑われる | 内部洗浄が必要な段階。専門業者に相談する |
| 天井にシミが出ている | 被害が広がる前に早急に連絡する |
判断のポイントは屋外のホースから水が出ているかどうかです。
出ていないのであれば排水経路の詰まり、出ているのに止まるのであれば水位を見張る側の問題という当たりが付きます。
洗浄で直る場合と、部品交換が必要な場合
| 原因 | 対応 |
|---|---|
| ホース先端の詰まり | 取り除けば回復する |
| 配管や受け皿のぬめり | 専門業者による洗浄で改善する可能性がある |
| フロートスイッチの固着 | 洗浄で戻る場合と、交換が必要な場合がある |
| ドレンポンプの故障 | 部品交換が必要 |
| コネクタの接触不良 | 接続の補修 |
| 制御基板の不具合 | 部品交換が必要 |
ぬめりが原因であれば、部品交換ではなく洗浄で解決する可能性があります。
メーカー修理では洗浄まで扱わない場合があるため、そのときはエアコンクリーニングの業者が窓口になります。
点検を依頼する際は、かび臭さの有無もあわせて伝えてください。
保証と部品保有期間
① 保証期間
パナソニックのルームエアコンは、冷媒回路とそれ以外で保証期間が分かれています。
| 区分 | 保証期間 |
|---|---|
| 冷媒回路(圧縮機・冷却器・凝縮器・本体配管など) | 5年 |
| その他 | 1年 |
フロートスイッチやドレンポンプ、制御基板は「その他」に含まれる部品です。
そのためメーカー保証は1年で切れている前提で考える必要があります。
なお、ぬめりや詰まりによる不具合は手入れの範囲として扱われ、保証の対象にならないのが一般的です。
冷房シーズンの前後にドレンホースの先を確認しておくだけでも、詰まりの多くは防げます。
② 補修用性能部品の保有期間
パナソニックはエアコンの補修用性能部品の最低保有期間を10年と定めています。
起算点は購入日ではなく、その製品の製造を打ち切った時点です。
📎 出典:補修用性能部品の保有期間(パナソニック)
修理料金は原因部位と作業内容によって変わるため、この記事では具体的な金額を示しません。
症状と品番を伝えたうえで事前見積もりを取り、金額を把握してから判断してください。
H21・H22以外のコードが表示された場合は、パナソニックエアコンのエラーコード一覧|F・Hから始まる全コードを解説で意味を確認できます。
よくある質問
Q. 屋外のホースから水が出ていません。詰まっているのでしょうか。
冷房を30分ほど運転しても水が出ないのであれば、詰まりが疑われます。
まず先端が地面や水たまりに沈んでいないか、泥や落ち葉が入っていないかを確認してください。
ただし冷房を始めたばかりのときや、湿度が低い日は排水量そのものが少なくなります。
時間をおいて再度確認してみてください。
Q. 市販のドレンホース用ポンプで吸い出してもよいですか。
先端付近の詰まりであれば、市販の道具で改善することはあります。
ただし勢いよく吸引すると、室内側の受け皿から水があふれることがあります。
また口を当てて吸い出す方法は、汚水を吸い込むおそれがあるため避けてください。
配管の奥や受け皿のぬめりが原因の場合は、道具では届かないため専門業者に相談してください。
Q. 冷房のときだけ止まります。暖房では問題ありません。
結露水が出るのは冷やす運転のときなので、この系統のコードは冷房と除湿で現れやすくなります。
暖房で症状が出ないことは、故障していない証拠にはなりません。
冷房シーズンに入ってから慌てないよう、症状に気づいた時点で点検を依頼してください。
Q. かび臭いにおいがします。関係ありますか。
受け皿や配管にぬめりが育っている可能性があります。
におい自体はH21・H22の直接の原因ではありませんが、同じ場所で起きている汚れのサインです。
内部洗浄で改善することが多いため、点検の際にはにおいの有無も伝えてください。
洗浄はメーカー修理の範囲外になる場合があるため、その際はクリーニング業者が窓口になります。
Q. 水が垂れてきています。すぐにできることはありますか。
まず運転を停止し、電源プラグを抜くかブレーカーを切ってください。
漏れた水が電装部品にかかると、感電や発煙につながるおそれがあります。
そのうえで床や家具が濡れないよう、タオルや受け皿で水を受けてください。
天井にシミが出ている場合は被害が広がりやすいため、早急に連絡してください。
まとめ
H21とH22は、たまった結露水の水位を見張るフロートスイッチにかかわる診断コードです。
とくにH22は、受け皿や配管に育ったぬめり状の汚れによって浮きが固着している疑いを示しています。
原因は突然の故障とは限らず、時間をかけて進んだ汚れの結果として現れることがあります。
冷房と除湿のときだけ症状が出るのは、結露水が発生するのが冷やす運転だからです。
利用者が確認できるのは、屋外に出ているドレンホースの先までです。
先端が水たまりに沈んでいないか、泥や落ち葉が詰まっていないかを見てください。
冷房を30分ほど運転して、そこから水が出ているかが判断の分かれ目になります。
水が出ていなければ排水経路の詰まり、出ているのに止まるなら水位を見張る側の問題です。
室内機から水が垂れている場合は、運転を停止し電源を落としてから連絡してください。

