暖房にしてもいつまで待っても風が出てこない、あるいは運転中に止まってしまう。
タイマーランプが点滅し、リモコンには「H23」または「H24」と表示されている。
この2つはパナソニックのエアコンで室内熱交換器の温度を測るセンサーに異常があることを示す診断コードです。
測っている対象は同じで対処も共通するため、この記事ではまとめて解説します。
このセンサーの特徴は、いくつもの判定の土台になっているという点にあります。
そのため壊れると、思わぬところに影響が出ることがあります。
H23・H24が測っているもの
室内機の中には、冷媒が通るアルミの板が並んだ部分があります。
これが熱交換器で、冷房のときは冷たく、暖房のときは温かくなります。
そこに取り付けられているのが室内熱交換器温センサーです。
役割は、いま熱交換器が実際に冷えているのか、温まっているのかを確かめることにあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 診断コードの意味 | 室内熱交換器温センサーの異常 |
| 測っているもの | 室内機の熱交換器の温度 |
| 主に疑われる原因 | センサーの断線・ショート、コネクタの接触不良、室内制御基板の不具合 |
| 自分でできること | 診断コードの確認と本体リセットまで |
| 表示が続く場合 | 室内機の点検が必要で、修理依頼が前提 |
H23とH24は、どちらもこのセンサーにかかわるコードです。
利用者側の対処に違いはありませんが、点検する側にとっては確認する箇所が変わるため、表示された数字は正確に控えてください。
この記事はパナソニックの家庭用ルームエアコンを前提に解説します。
天井カセット型などの業務用パッケージエアコンは診断コードの体系が異なるため、設置業者または販売店にご確認ください。
このセンサーが土台になっている判定
このセンサーの値は、さまざまな場面で使われています。
| 判断していること | センサーの使われ方 |
|---|---|
| 冷房と暖房が切り替わったか | 冷房なら冷えているか、暖房なら温まっているかを確認する |
| 冷房と除湿が切り替わったか | 切り替え後の温度変化を確認する |
| 熱交換器が凍っていないか | 温度が下がりすぎていないかを見張る |
| 暖房の開始時に風を出してよいか | 十分に温まるまで送風を待たせる |
つまりこのセンサーは、エアコンが「思ったとおりになっているか」を確かめるための目にあたります。
目が働かなければ、確かめる作業そのものが成立しません。
別のコードが誤って出ることもある
見落とされやすいのが、この点です。
センサーの値がずれていると、実際には正常なのに異常と判断されることがあります。
たとえば実際の温度より低い値が返っていれば、凍結していないのに凍結と判定されるかもしれません。
切り替えが成功していても、確認できずに切換異常と判定されるかもしれません。
「以前は別のコードが出ていて、今回はH23やH24が出た」という経過をたどっている場合、同じ部品が原因である可能性があります。
点検を依頼する際は、過去に表示されたコードもあわせて伝えてください。
原因の絞り込みが早く進みます。
H23・H24で現れやすい症状
- 暖房にしても、いつまでも風が出てこない
- 暖房の開始直後に冷たい風が出る
- 運転してしばらくすると止まる
- 冷房や除湿の効き方が安定しない
- 過去に、切換や凍結にかかわるコードが表示されたことがある
1つめと2つめは正反対に見えますが、どちらも起こり得ます。
暖房の開始時、エアコンは熱交換器が十分に温まるまで送風を待たせています。
冷たい風が出て寒い思いをしないための制御です。
センサーが実際より低い値を返していれば「まだ温まっていない」と判断され、いつまでも風が出ません。
逆に高い値を返していれば「もう温まった」と判断され、温まる前に送風が始まります。
どちらに振れるかは、センサーの壊れ方によって変わります。
診断コードは複数が順に表示されることがあります。
最初に「H00」が出て本来のコードを見落とすケースについてはパナソニックエアコンのH00とは?異常なしを示す診断コードと確認方法で解説しています。
コードは最後まで送って確認してください。
温度センサーはどう壊れるのか
エアコンの温度センサーには、温度によって電気の通りにくさが変わる素子が使われています。
| 壊れ方 | 何が起きるか |
|---|---|
| 断線 | 電気が流れず、あり得ないほど低い温度として読み取られる |
| ショート | 抵抗がなくなり、あり得ないほど高い温度として読み取られる |
| コネクタの接触不良 | 接触が切れた瞬間だけ、断線と同じ状態になる |
3つめの接触不良では、症状が出たり出なかったりします。
振動や温度変化でわずかに接触が変わるため、「調子のよい日と悪い日がある」という現れ方をします。
なお、断線やショートに至らなくても、素子の特性が経年で少しずつ変化することがあります。
この場合はコードが出ないまま、効き方に違和感が残る状態が続くことがあります。
表示されたときにできること
利用者側でできるのは、診断コードの確認と本体リセットまでです。
- リモコンをエアコン本体に向けて「お知らせ」ボタンを押し、表示されたコードを書き留める(お知らせボタンがない機種は、診断ボタンや前面パネル内部の表示部で確認します)
- リモコンで運転を停止する
- リモコンの「本体リセット」ボタンをつまようじなど先の細いもので押す。または電源プラグを抜く、エアコン専用ブレーカーを落とす
- 電源を入れ直し、冷房または暖房で20分ほど運転して症状が再現しないか確認する
コネクタの接触不良が原因であれば、リセットで一時的に復帰することがあります。
ただし接触が不安定な状態は残るため、いずれ再発すると考えておくほうが現実的です。
診断コードの読み取り方や点滅そのものの意味については、パナソニックエアコンのタイマー点滅とは?意味と診断コードの確認方法で詳しく解説しています。
前面パネルを開けて内部の配線やセンサーを触る行為は避けてください。
室内機の内部には電装部品が集まっており、通電状態での接触は感電の危険があります。
またセンサーは熱交換器に密着した位置に取り付けられており、動かすと正確な温度が測れなくなります。
利用者が触れてよいのは、取り外せるエアフィルターまでと考えてください。
室内機の内部にかかわるコードはほかにもあり、送風ファンの回転に問題がある場合はパナソニックエアコンのH19とは?室内ファンが回らないときの確認で解説しています。
修理を依頼する判断の基準
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| リセット後に表示が消え、その後も再発しない | 一時的な接触不良の可能性。様子を見てよい |
| リセットしても表示がすぐ戻る | センサーまたは基板側の不具合。修理を依頼する |
| 日によって出たり出なかったりする | 接触が不安定な状態。点検を依頼する |
| 暖房で風が出ない状態が続く | 生活への影響が出ている。早めに連絡する |
| 過去に別のコードも出ていた | 同じ部品が原因の可能性。経過を伝えて点検を依頼する |
| 焦げくさい、異音、ブレーカーが落ちる | ただちに使用を中止し、電源プラグを抜いてから連絡する |
このセンサーは、凍結の検知にも使われている部品です。
値が正しく得られない状態で運転を続けると、本来なら止まるべき場面で止まれない可能性が残ります。
効いているように見えても、早めに点検を受けておくほうが安心です。
保証と部品保有期間
① 保証期間
パナソニックのルームエアコンは、冷媒回路とそれ以外で保証期間が分かれています。
| 区分 | 保証期間 |
|---|---|
| 冷媒回路(圧縮機・冷却器・凝縮器・本体配管など) | 5年 |
| その他 | 1年 |
温度センサーや制御基板は「その他」に含まれる部品です。
そのためメーカー保証は1年で切れている前提で考える必要があります。
販売店独自の延長保証に加入していれば対象になることがあるため、購入時の書類を確認してみてください。
② 補修用性能部品の保有期間
パナソニックはエアコンの補修用性能部品の最低保有期間を10年と定めています。
起算点は購入日ではなく、その製品の製造を打ち切った時点です。
📎 出典:補修用性能部品の保有期間(パナソニック)
修理料金は交換部品と作業内容によって変わるため、この記事では具体的な金額を示しません。
症状と品番を伝えたうえで事前見積もりを取り、金額を把握してから判断してください。
修理か買い替えかの目安
| 使用年数 | 判断の方向性 |
|---|---|
| 1年未満 | メーカー保証の対象。まず販売店・メーカーへ連絡する |
| 1〜10年 | センサー交換であれば費用は抑えられることが多い。見積もりで判断する |
| 10年以上 | 部品供給が終了している可能性があり、買い替えを検討する時期 |
温度センサーの交換は、エアコンの修理のなかでは負担が大きくない部類に入ります。
ただし原因が制御基板側だった場合は部品代が上がるため、見積もりの段階でどちらなのかを確認してください。
判断に迷ったときは、修理費用が新品購入費用の半分を超えるかどうかを一つの線引きにすると整理しやすくなります。
H23・H24以外のコードが表示された場合は、パナソニックエアコンのエラーコード一覧|F・Hから始まる全コードを解説で意味を確認できます。
よくある質問
Q. 暖房にしても風が出ません。故障でしょうか。
暖房の開始直後に風が出ないのは、熱交換器が十分に温まるまで送風を待たせる正常な動作です。
通常であれば数分で温風が出はじめます。
ただしセンサーが実際より低い値を返していると、いつまでも「まだ温まっていない」と判断され、風が出ない状態が続きます。
タイマーランプが点滅してH23やH24が表示されているのであれば、センサー側の異常が疑われます。
Q. 以前F17が出ていました。関係ありますか。
同じセンサーが原因である可能性があります。
このセンサーは凍結の検知にも使われているため、値がずれていれば実際には凍っていなくても凍結と判定されることがあります。
逆に、本当に凍っていても検知できない状態にもなり得ます。
過去に出たコードを点検時に伝えると、原因の絞り込みが早く進みます。
Q. H23とH24で、対処に違いはありますか。
利用者側の対処に違いはありません。
どちらもセンサーの断線やショート、コネクタの接触不良が疑われる状態で、確認できるのは本体リセットまでです。
ただし点検する側にとっては確認する箇所が変わります。
表示された数字は正確に控えて伝えてください。
Q. 冷暖房は効いています。急いで直す必要はありますか。
効いているように見えても、点検は早めに受けることをおすすめします。
このセンサーは凍結の検知など、機器を守るための判定にも使われているためです。
正しい値が得られない状態では、本来なら止まるべき場面で止まれない可能性が残ります。
繁忙期を避けて連絡しておくのが得策です。
Q. センサーだけを自分で交換できますか。
できません。
室内機の内部には電装部品が集まっており、無資格での作業は感電や機器の損傷につながります。
またこのセンサーは熱交換器に密着した位置に取り付けられており、正しく固定しなければ正確な温度を測れません。
メーカーの修理窓口または販売店へ依頼してください。
まとめ
H23とH24は、室内熱交換器の温度を測るセンサーの異常を示す診断コードです。
このセンサーは、冷暖の切り替えが成立したか、熱交換器が凍っていないか、暖房で風を出してよいかといった判断の土台になっています。
そのため壊れると、暖房でいつまでも風が出ない、あるいは温まる前に冷たい風が出るといった症状につながります。
どちらに振れるかは、センサーの壊れ方によって変わります。
もうひとつ知っておきたいのは、このセンサーの不具合が別のコードを誤って出す原因にもなり得るという点です。
過去に切換や凍結にかかわるコードが出ていたのであれば、同じ部品が原因かもしれません。
利用者側でできるのは、診断コードを控えることと本体リセットを試すところまでです。
点検を依頼する際は、過去に表示されたコードもあわせて伝えてください。

