冷房中に理由もなく止まる、あるいは冬の霜取りの様子がどうもおかしい。
そんな状態でタイマーランプが点滅し、リモコンに「H28」または「H29」と表示されている。
この2つはパナソニックのエアコンで室外熱交換器の温度を測るセンサーに異常があることを示す診断コードです。
測っている対象は同じで対処も共通するため、この記事ではまとめて解説します。
このセンサーの特徴は、冷房と暖房の両方で、別々の判断に使われているという点にあります。
そのため季節を問わず影響が出ることがあります。
H28・H29が測っているもの
室外機の背面や側面には、薄いアルミの板が並んだ部分があります。
これが室外熱交換器で、内部を冷媒が通っています。
そこに取り付けられているのが、室外熱交換器温センサーです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 診断コードの意味 | 室外熱交換器温センサーの異常 |
| 測っているもの | 室外機の熱交換器の温度 |
| 主に疑われる原因 | センサーの断線・ショート、コネクタの接触不良、室外制御基板の不具合 |
| 自分でできること | 診断コードの確認と本体リセットまで |
| 表示が続く場合 | 室外機側の点検が必要で、修理依頼が前提 |
H28とH29は、どちらもこのセンサーにかかわるコードです。
利用者側の対処に違いはありませんが、点検する側にとっては確認する箇所が変わるため、表示された数字は正確に控えてください。
この記事はパナソニックの家庭用ルームエアコンを前提に解説します。
天井カセット型などの業務用パッケージエアコンは診断コードの体系が異なるため、設置業者または販売店にご確認ください。
冷房と暖房で、役割が入れ替わる
室外熱交換器の働きは、運転モードによって逆になります。
| 運転 | 室外熱交換器の役割 | センサーが判断していること |
|---|---|---|
| 冷房 | 室内から運んだ熱を屋外へ捨てる | 熱を捨てられているか、温度が上がりすぎていないか |
| 暖房 | 屋外の空気から熱を集める | 霜が付く条件になっていないか |
つまりこのセンサーは、夏は過熱を防ぐための番人、冬は霜取りの判断材料として働いています。
一年を通して使われている部品だと考えてください。
外気温センサーとの違い
似た役割に見える外気温センサーとは、見ている対象が違います。
| センサー | 見ているもの |
|---|---|
| 外気温センサー | 室外機のまわりの空気の温度 |
| 室外熱交換器温センサー | 機器の熱交換器そのものの温度 |
前者は「周囲の環境がどうか」、後者は「機器が実際どうなっているか」を捉えています。
霜取りの判断では、この2つの情報を合わせて使っていると考えられます。
どちらか一方でも狂えば、判断は乱れます。
霜取り運転そのものは正常な動作で、暖房中に止まって室外機から湯気が出るのは故障ではありません。
室外機の冬支度の考え方はエアコンの室外機の冬対策で整理しています。
別のコードが誤って出ることもある
見落とされやすいのがこの点です。
このセンサーの値は、冷房中に高圧側の保護をかけるかどうかの判定にも使われています。
センサーが実際より高い値を返していれば、熱がこもっていないのに過熱と判断され、保護が働いて止まることがあります。
その場合、室外機のまわりを片づけても何も変わりません。
| センサーのずれ方 | 起こりうること |
|---|---|
| 実際より高い値を返す | 正常なのに高圧保護が働き、冷房中に止まる |
| 実際より低い値を返す | 本当に温度が上がっても保護が働かない |
「以前は高圧保護のコードが出ていて、今回はH28やH29が出た」という経過をたどっている場合、同じ部品が原因である可能性があります。
点検を依頼する際は、過去に表示されたコードもあわせて伝えてください。
H28・H29で現れやすい症状
- 冷房中に、理由がはっきりしないまま止まる
- 室外機のまわりを片づけても、止まる症状が改善しない
- 暖房中の霜取りの様子がおかしい(頻繁に止まる、または霜が解消されない)
- 涼しい日でも冷房が止まることがある
- 過去に、高圧保護や霜取りにかかわるコードが出たことがある
4つめは手がかりになります。
本当に熱がこもっているのであれば、症状は暑い日に集中するはずです。
気温が高くない日にも同じように止まるのであれば、環境ではなく測る側の問題が疑われます。
診断コードは複数が順に表示されることがあります。
最初に「H00」が出て本来のコードを見落とすケースについてはパナソニックエアコンのH00とは?異常なしを示す診断コードと確認方法で解説しています。
コードは最後まで送って確認してください。
室外機を片づけても直らない理由
室外機まわりの障害物やカバー、熱交換器の汚れは、放熱を妨げて温度上昇の原因になります。
そのため過熱にかかわるコードでは、まず片づけを試すのが基本です。
ただしH28・H29は「温度が高い」ではなく「温度が測れていない」という判定です。
センサーから返ってくる値が、そもそも現実にあり得ない範囲にある状態を指しています。
この場合、周囲をどれだけ整えても表示は変わりません。
片づけ自体はエアコンにとって有益ですが、これらのコードの解決策にはならないと考えてください。
温度センサーはどう壊れるのか
エアコンの温度センサーには、温度によって電気の通りにくさが変わる素子が使われています。
| 壊れ方 | 何が起きるか |
|---|---|
| 断線 | 電気が流れず、あり得ないほど低い温度として読み取られる |
| ショート | 抵抗がなくなり、あり得ないほど高い温度として読み取られる |
| コネクタの接触不良 | 接触が切れた瞬間だけ、断線と同じ状態になる |
このセンサーは熱交換器に密着した位置にあり、屋外の温度差や湿気、振動にさらされ続けます。
そのぶん接触部分が徐々に不安定になり、日によって症状が変わることがあります。
なお、断線やショートに至らなくても、素子の特性が経年で少しずつ変化することがあります。
この場合はコードが出ないまま、保護が働きやすくなったり働きにくくなったりする状態が続きます。
表示されたときにできること
- リモコンをエアコン本体に向けて「お知らせ」ボタンを押し、表示されたコードを書き留める(お知らせボタンがない機種は、診断ボタンや前面パネル内部の表示部で確認します)
- リモコンで運転を停止する
- エアコン専用ブレーカーを切り、数分置いてから戻す
- 冷房または暖房で30分ほど運転して、症状が再現しないか確認する
確認は30分ほど続けてください。
暖房で試す場合は、霜取りのタイミングを一度またぐために時間が必要です。
診断コードの読み取り方や点滅そのものの意味については、パナソニックエアコンのタイマー点滅とは?意味と診断コードの確認方法で詳しく解説しています。
室外機のカバーを開けて内部の配線やセンサーを触る行為は避けてください。
室外機の内部には高電圧の電気部品と高圧の冷媒配管が同居しており、感電やけがの危険があります。
またセンサーは熱交換器に密着した位置に取り付けられており、動かすと正確な温度が測れなくなります。
室外機側の部品にかかわるコードはほかにもあります。
ファンの回転に問題がある場合は別のコードになり、パナソニックエアコンのH97(室外ファンモータロック異常)の解説記事が参考になります。
修理を依頼する判断の基準
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| リセット後に表示が消え、その後も再発しない | 一時的な接触不良の可能性。様子を見てよい |
| リセットしても表示がすぐ戻る | センサーまたは基板側の不具合。修理を依頼する |
| 日によって出たり出なかったりする | 接触が不安定な状態。点検を依頼する |
| 片づけても止まる症状が改善しない | 測る側の問題が疑われる。修理を依頼する |
| 過去に別のコードも出ていた | 同じ部品が原因の可能性。経過を伝えて点検を依頼する |
| 焦げくさい、異音、ブレーカーが落ちる | ただちに使用を中止し、電源プラグを抜いてから連絡する |
このセンサーは、機器を守るための保護判定にも使われている部品です。
値が正しく得られない状態では、本来なら止まるべき場面で止まれない可能性が残ります。
効いているように見えても、早めに点検を受けておくほうが安心です。
保証と部品保有期間
① 保証期間
パナソニックのルームエアコンは、冷媒回路とそれ以外で保証期間が分かれています。
| 区分 | 保証期間 |
|---|---|
| 冷媒回路(圧縮機・冷却器・凝縮器・本体配管など) | 5年 |
| その他 | 1年 |
温度センサーや制御基板は「その他」に含まれる部品です。
そのためメーカー保証は1年で切れている前提で考える必要があります。
販売店独自の延長保証に加入していれば対象になることがあるため、購入時の書類を確認してみてください。
② 補修用性能部品の保有期間
パナソニックはエアコンの補修用性能部品の最低保有期間を10年と定めています。
起算点は購入日ではなく、その製品の製造を打ち切った時点です。
📎 出典:補修用性能部品の保有期間(パナソニック)
修理料金は交換部品と作業内容によって変わるため、この記事では具体的な金額を示しません。
症状と品番を伝えたうえで事前見積もりを取り、金額を把握してから判断してください。
修理か買い替えかの目安
| 使用年数 | 判断の方向性 |
|---|---|
| 1年未満 | メーカー保証の対象。まず販売店・メーカーへ連絡する |
| 1〜10年 | センサー交換であれば費用は抑えられることが多い。見積もりで判断する |
| 10年以上 | 部品供給が終了している可能性があり、買い替えを検討する時期 |
温度センサーの交換は、エアコンの修理のなかでは負担が大きくない部類に入ります。
ただし原因が制御基板側だった場合は部品代が上がるため、見積もりの段階でどちらなのかを確認してください。
H28・H29以外のコードが表示された場合は、パナソニックエアコンのエラーコード一覧|F・Hから始まる全コードを解説で意味を確認できます。
よくある質問
Q. 室外機のまわりを片づけましたが変わりません。
H28・H29は温度が高いことではなく、温度が測れていないことを示すコードです。
そのため周囲を整えても表示は変わりません。
片づけ自体はエアコンにとって有益ですが、これらのコードの解決策にはならないと考えてください。
表示が続くのであれば点検を依頼してください。
Q. 以前、暑い日に止まるコードが出ていました。関係ありますか。
同じセンサーが原因である可能性があります。
このセンサーの値は、冷房中に高圧側の保護をかけるかどうかの判定にも使われているためです。
実際より高い値を返していれば、熱がこもっていないのに過熱と判断されます。
過去に出たコードを点検時に伝えると、原因の絞り込みが早く進みます。
Q. 涼しい日にも冷房が止まります。
環境ではなく測る側の問題が疑われる手がかりです。
本当に熱がこもっているのであれば、症状は暑い日に集中するはずだからです。
気温が高くない日にも同じように止まるのであれば、センサーの値がずれている可能性があります。
「涼しい日にも止まる」という情報は、点検時に伝えてください。
Q. 外気温センサーとは何が違うのですか。
見ている対象が違います。
外気温センサーは室外機のまわりの空気の温度を、室外熱交換器温センサーは機器の熱交換器そのものの温度を測っています。
前者は周囲の環境、後者は機器の実際の状態を捉えていると考えると分かりやすくなります。
霜取りの判断では、この2つの情報を合わせて使っていると考えられます。
Q. センサーだけを自分で交換できますか。
できません。
室外機の内部には高電圧の電気部品と高圧の冷媒配管があり、無資格での作業は感電やけがにつながります。
またこのセンサーは熱交換器に密着した位置に取り付けられており、正しく固定しなければ正確な温度を測れません。
メーカーの修理窓口または販売店へ依頼してください。
まとめ
H28とH29は、室外熱交換器の温度を測るセンサーの異常を示す診断コードです。
このセンサーは、夏は熱を捨てられているかを見張る番人として、冬は霜取りの判断材料として、一年を通して使われています。
知っておきたいのは、このセンサーの不具合が別のコードを誤って出す原因にもなり得るという点です。
実際より高い値を返していれば、熱がこもっていないのに過熱と判断され、保護が働いて止まることがあります。
そのため、室外機まわりを片づけても症状が改善しない、涼しい日にも止まる、といった状況は手がかりになります。
過去に高圧保護や霜取りにかかわるコードが出ていたのであれば、その経過もあわせて点検時に伝えてください。
原因の絞り込みが大きく変わります。

