冷暖房の効きはおかしくないのに、運転中に止まってしまう。
タイマーランプが点滅し、リモコンには「H36」または「H37」と表示されている。
この2つはパナソニックのエアコンで室外機につながる冷媒配管の温度を測るセンサーに異常があることを示す診断コードです。
室外機を見ると、太い管と細い管が2本つながっているのが分かります。
このコードが指しているのは、その2本それぞれに取り付けられた温度センサーです。
実物を目で確かめられる数少ないセンサーでもあるため、この記事では配管の役割から順に整理します。
H36とH37が測っているもの
| コード | 診断コードの意味 | 測っている場所 |
|---|---|---|
| H36 | 室外ガス側配管温センサーの異常 | 太いほうの配管 |
| H37 | 室外液側配管温センサーの異常 | 細いほうの配管 |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主に疑われる原因 | センサーの断線・ショート、コネクタの接触不良、室外制御基板の不具合 |
| 自分でできること | 診断コードの確認と本体リセットまで |
| 表示が続く場合 | 室外機側の点検が必要で、修理依頼が前提 |
利用者側の対処に違いはありませんが、点検する側にとってはどちらの配管かで確認する箇所が変わります。
表示された数字は正確に控えてください。
この記事はパナソニックの家庭用ルームエアコンを前提に解説します。
天井カセット型などの業務用パッケージエアコンは診断コードの体系が異なるため、設置業者または販売店にご確認ください。
なぜ配管は2本あるのか
エアコンは、冷媒を室内機と室外機のあいだで循環させています。
行きと帰りが必要なので、配管は2本になります。
ただし単に往復しているだけではありません。
同じ冷媒でも、通る場所によって状態が違います。
| 配管 | 冷媒の状態 | 太さの理由 |
|---|---|---|
| ガス側 | 気体として通る | 気体は体積が大きいため、管を太くする必要がある |
| 液側 | 液体として通る | 液体は体積が小さいため、細い管で足りる |
室外機の配管が太い管と細い管に分かれているのは、この違いによるものです。
気体と液体では体積がまるで違うため、同じ太さでは効率よく流せません。
そして状態が違えば、温度も違います。
だからこそ2本それぞれに温度計を置いて、別々に測っているわけです。
2か所の温度から何が分かるのか
1本だけ測っても、その場所が何度かしか分かりません。
2本を比べることで、冷凍サイクル全体がどういう状態にあるかが見えてきます。
| 分かること | どう使われるか |
|---|---|
| 冷媒が想定どおりの状態で流れているか | 気体・液体への変化が正しく進んでいるかを確認する |
| 熱をどれだけやり取りできたか | 冷媒の流量や運転の強さを調整する材料になる |
| 異常が起きていないか | 保護をかけるべきかどうかの判断に使う |
つまりこの2つのセンサーは、冷媒が今どういう状態で回っているかを外側から読み取るための目にあたります。
壊れると何が損なわれるのか
H36やH37が出ている状態は、この読み取りができなくなっているということです。
冷暖房そのものが止まるわけではありません。
熱を運ぶ働き自体は、センサーがなくても成立します。
ただし最適な調整ができなくなります。
| センサーのずれ方 | 起こりうること |
|---|---|
| 実際とかけ離れた値を返す | 異常として検知され、運転が止まる |
| 少しずれた値を返し続ける | コードは出ないまま、効率だけが落ちる |
2つめは見過ごされやすい状態です。
「壊れているほどではないが、なんとなく効きが悪い」「電気代が以前より増えた気がする」という感覚につながることがあります。
H36・H37で現れやすい症状
- 冷暖房の効きはおかしくないのに、運転中に止まる
- 止まるタイミングに規則性がなく、条件がはっきりしない
- 気温や時間帯に関係なく起きる
- 効きが以前よりわずかに落ちた気がする
- リセットすると動くが、しばらくするとまた止まる
「効きは正常なのに止まる」がセンサー系に共通する特徴です。
冷媒にも放熱にも問題がないので、使っている側からは理由が見えません。
診断コードは複数が順に表示されることがあります。
最初に「H00」が出て本来のコードを見落とすケースについてはパナソニックエアコンのH00とは?異常なしを示す診断コードと確認方法で解説しています。
コードは最後まで送って確認してください。
配管を見るときに分かること
センサーそのものは触れませんが、配管の様子は目で確認できます。
これは点検を依頼するときの情報になります。
| 見えている状態 | 考えられること |
|---|---|
| 冷房中、細い管に霜や氷が付いている | 冷媒が不足している可能性 |
| 太い管を覆う保温材が破れている | 効率の低下や結露の原因になる |
| 配管が折れ曲がっている、つぶれている | 冷媒の流れが妨げられている可能性 |
ただしこれらはH36・H37の直接の原因ではありません。
これらのコードはセンサーの値が正常な範囲を外れたときに出るもので、配管の状態そのものを示すコードではないためです。
とはいえ、同時に別の問題が起きている可能性はあります。
気づいたことは点検時に伝えてください。
室外機を片づけても直らない理由
室外機まわりの障害物や熱交換器の汚れは、放熱を妨げて温度上昇の原因になります。
そのため放熱にかかわるコードでは、まず片づけを試すのが基本です。
ただしH36・H37は「温度が高い」ではなく「温度が測れていない」という判定です。
センサーから返ってくる値が、そもそも現実にあり得ない範囲にある状態を指しています。
この場合、周囲をどれだけ整えても表示は変わりません。
室外機まわりの確認と対処の全体像は室外機が動かない原因と対処法|故障かどうかを自分で判断する完全ガイドで整理していますが、環境の改善とこのコードの解消は別の話になります。
温度センサーはどう壊れるのか
エアコンの温度センサーには、温度によって電気の通りにくさが変わる素子が使われています。
| 壊れ方 | 何が起きるか |
|---|---|
| 断線 | 電気が流れず、あり得ないほど低い温度として読み取られる |
| ショート | 抵抗がなくなり、あり得ないほど高い温度として読み取られる |
| コネクタの接触不良 | 接触が切れた瞬間だけ、断線と同じ状態になる |
配管に取り付けられたセンサーは、屋外の温度差や振動、湿気の影響を受け続けます。
そのぶん接触部分が徐々に不安定になり、日によって症状が変わることがあります。
表示されたときにできること
- リモコンをエアコン本体に向けて「お知らせ」ボタンを押し、表示されたコードを書き留める(お知らせボタンがない機種は、診断ボタンや前面パネル内部の表示部で確認します)
- リモコンで運転を停止する
- エアコン専用ブレーカーを切り、数分置いてから戻す
- 冷房または暖房で30分ほど運転して、症状が再現しないか確認する
確認は30分ほど続けてください。
止まるまでの時間に規則性がないため、短時間では再現しないことがあります。
診断コードの読み取り方や点滅そのものの意味については、パナソニックエアコンのタイマー点滅とは?意味と診断コードの確認方法で詳しく解説しています。
配管に巻かれたテープや保温材をはがして、内部を確認しようとしないでください。
センサーは配管に密着した位置に取り付けられており、動かすと正確な温度が測れなくなります。
また保温材が失われると結露や効率の低下につながります。
室外機のカバーを開けて内部の配線を触る行為も避けてください。
室外機の内部には高電圧の電気部品と高圧の冷媒配管が同居しており、感電やけがの危険があります。
室外機側の部品にかかわるコードはほかにもあります。
ファンの回転に問題がある場合は別のコードになり、パナソニックエアコンのH97(室外ファンモータロック異常)の解説記事が参考になります。
修理を依頼する判断の基準
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| リセット後に表示が消え、その後も再発しない | 一時的な接触不良の可能性。様子を見てよい |
| リセットしても表示がすぐ戻る | センサーまたは基板側の不具合。修理を依頼する |
| 日によって出たり出なかったりする | 接触が不安定な状態。点検を依頼する |
| 効きの低下や電気代の増加を感じる | 制御が最適化できていない可能性。点検を依頼する |
| 配管に霜が付いている | 別の問題も疑われる。あわせて点検を依頼する |
| 焦げくさい、異音、ブレーカーが落ちる | ただちに使用を中止し、電源プラグを抜いてから連絡する |
効きに大きな不満がないと、修理を後回しにしたくなるかもしれません。
ただし判断材料が欠けたまま運転を続ければ、機器は限られた情報で制御することになります。
繁忙期を避けて早めに点検を依頼するのが得策です。
保証と部品保有期間
① 保証期間
パナソニックのルームエアコンは、冷媒回路とそれ以外で保証期間が分かれています。
| 区分 | 保証期間 |
|---|---|
| 冷媒回路(圧縮機・冷却器・凝縮器・本体配管など) | 5年 |
| その他 | 1年 |
温度センサーや制御基板は「その他」に含まれる部品です。
そのためメーカー保証は1年で切れている前提で考える必要があります。
販売店独自の延長保証に加入していれば対象になることがあるため、購入時の書類を確認してみてください。
② 補修用性能部品の保有期間
パナソニックはエアコンの補修用性能部品の最低保有期間を10年と定めています。
起算点は購入日ではなく、その製品の製造を打ち切った時点です。
📎 出典:補修用性能部品の保有期間(パナソニック)
修理料金は交換部品と作業内容によって変わるため、この記事では具体的な金額を示しません。
症状と品番を伝えたうえで事前見積もりを取り、金額を把握してから判断してください。
修理か買い替えかの目安
| 使用年数 | 判断の方向性 |
|---|---|
| 1年未満 | メーカー保証の対象。まず販売店・メーカーへ連絡する |
| 1〜10年 | センサー交換であれば費用は抑えられることが多い。見積もりで判断する |
| 10年以上 | 部品供給が終了している可能性があり、買い替えを検討する時期 |
温度センサーの交換は、エアコンの修理のなかでは負担が大きくない部類に入ります。
ただし原因が制御基板側だった場合は部品代が上がるため、見積もりの段階でどちらなのかを確認してください。
H36・H37以外のコードが表示された場合は、パナソニックエアコンのエラーコード一覧|F・Hから始まる全コードを解説で意味を確認できます。
よくある質問
Q. H36とH37で、対処に違いはありますか。
利用者側の対処に違いはありません。
どちらもセンサーの断線やショート、コネクタの接触不良が疑われる状態で、確認できるのは本体リセットまでです。
ただしH36は太い配管、H37は細い配管と、点検する箇所が変わります。
表示された数字は正確に控えて伝えてください。
Q. 配管が2本あるのはなぜですか。
冷媒を室内機と室外機のあいだで循環させるため、行きと帰りの2本が必要です。
そして同じ冷媒でも、片方は気体、もう片方は液体として通ります。
気体は体積が大きいため太い管が必要で、液体は細い管で足ります。
太さが違うのはこのためです。
Q. 細い管に霜が付いています。これがH36・H37の原因ですか。
直接の原因ではありません。
これらのコードはセンサーの値が正常な範囲を外れたときに出るもので、配管の状態そのものを示すコードではないためです。
ただし細い管の霜は、冷媒が不足しているサインである可能性があります。
別の問題が同時に起きているかもしれないため、点検時にあわせて伝えてください。
Q. 室外機のまわりを片づけましたが変わりません。
H36・H37は温度が高いことではなく、温度が測れていないことを示すコードです。
そのため周囲を整えても表示は変わりません。
片づけ自体はエアコンにとって有益ですが、これらのコードの解決策にはならないと考えてください。
表示が続くのであれば点検を依頼してください。
Q. 配管のテープをはがせばセンサーが見えますか。
はがさないでください。
センサーは配管に密着した位置に取り付けられており、動かすと正確な温度が測れなくなります。
また保温材が失われると、結露や効率の低下につながります。
確認は外観を見る範囲にとどめ、点検は業者に依頼してください。
まとめ
H36とH37は、室外機につながる冷媒配管の温度を測るセンサーの異常を示す診断コードです。
H36は太いほうの配管、H37は細いほうの配管に取り付けられたセンサーにあたります。
配管が2本あるのは、冷媒が行きと帰りで通るためだけではありません。
片方は気体、もう片方は液体として通るため、状態も温度も違います。
だからこそ2本それぞれに温度計を置き、別々に測っています。
この2か所の値を比べることで、冷媒が今どういう状態で回っているかが読み取れます。
センサーが壊れても冷暖房が止まるわけではありませんが、その読み取りができなくなり、最適な調整が損なわれます。
室外機まわりを片づけても直りません。
温度が高いことではなく、温度が測れていないことを示しているからです。
購入時期と保証書、機器の品番を用意して、繁忙期を避けて点検を依頼してください。

