コロナの寒冷地用大型ストーブに「P1」や「b3」といった表示が出て、運転が止まってしまった。
EやHで始まるコードとは見た目が違うため、別系統のトラブルかと不安になるかもしれません。
これらはいずれもポットと呼ばれる燃焼部に関わる異常を示す表示です。
P1からP5、b1からb5まで、示している内容は5種類あり、PとbはそれぞれPが付く系統とbが付く系統というだけで、意味の対応は共通しています。
そしてすべてに共通するのが、コロナが示す処置が点検または修理のみという点です。
この記事では、それぞれの表示が何を意味しているのかを整理し、点検を依頼するときに伝えるべき情報をまとめます。
P1〜P5・b1〜b5の一覧
コロナの一覧では、次のように示されています。
| 表示 | 示している内容 | 対象製品 |
|---|---|---|
| P1 | ポット予熱不足 | 寒冷地輻射タイプ/スペースネオ(ミニ)/ツインヒータ |
| P2 | ポット温度低下 | 寒冷地輻射タイプ/スペースネオ(ミニ)/ツインヒータ |
| P3 | ポット異常過熱 | 寒冷地輻射タイプ/スペースネオ(ミニ)/ツインヒータ |
| P4 | 不消火(消火時間が長い) | 寒冷地輻射タイプ/ツインヒータ |
| P5 | 基板不良 | 寒冷地輻射タイプ/スペースネオ(ミニ)/ツインヒータ |
| b1 | ポット予熱不足 | ツインヒータ |
| b2 | ポット温度低下 | ツインヒータ |
| b3 | ポット異常過熱 | ツインヒータ |
| b4 | 不消火(消火時間が長い) | ツインヒータ |
| b5 | 基板故障 | ツインヒータ |
10種類ありますが、内容としては5種類です。
10すべてについて、コロナが示している処置は点検または修理のみで、ご家庭での対処は案内されていません。
ポットとはどの部分か
ポット式の燃焼では、燃焼ポットと呼ばれる皿状の部品に灯油を送り込み、そこで燃やします。
灯油を気体に変えてから燃やすガス化式とは異なり、ポットの中で直接燃焼させる方式です。
安定して燃やすためには、ポットが適切な温度に保たれている必要があります。
冷えたままでは灯油がうまく燃えず、高温になりすぎれば部品の損傷や異常燃焼につながります。
そのため、ポットの温度は常時監視されており、想定の範囲から外れると運転が停止します。
P1からP3、b1からb3は、まさにこの温度に関わる表示です。
それぞれの表示が示す状態
予熱不足(P1・b1)
運転を始めるとき、ポットは燃焼できる温度まで温められます。
予熱不足は、この立ち上げの段階で必要な温度に達しなかった状態を指します。
考えられるのは、予熱を担う部品の劣化や断線、ポット内のすす・タールの堆積による熱の伝わり方の変化、温度を検知するセンサーの不具合などです。
点火までの待ち時間が以前より長くなっていたという心当たりがあれば、点検時に伝えてください。
温度低下(P2・b2)
運転中にポットの温度が下がりすぎた状態です。
燃焼が弱まっている、または灯油の供給が細くなっている可能性があります。
灯油切れが背景にある場合もありますが、この表示はあくまで温度の異常として検知されたものです。
灯油切れそのものを知らせる表示は機種によって別に用意されており、たとえばVG-SAシリーズやスペースネオ(ミニ)ではコロナの石油ストーブに「EL」が出る原因は灯油切れで解説しているELが該当します。
異常過熱(P3・b3)
ポットの温度が想定を超えて上昇した状態です。
灯油が過剰に送られている、燃焼が制御できていない、放熱が妨げられているといった要因が考えられます。
燃焼部の異常な過熱は、機器の損傷だけでなく火災にもつながりうる状態です。
表示が一時的に消えても、入れ直しを繰り返して運転を続けようとしないでください。
不消火(P4・b4)
運転を止めたあと、消火までに想定以上の時間がかかっている状態です。
つまり、止めたはずなのに燃え続けているということになります。
灯油の遮断が不完全、ポット内に灯油が残っている、消火を判定するセンサーの不具合などが考えられます。
消火の制御が正しく働かない状態は、意図しない燃焼が続くおそれがあるため、そのまま使用しないでください。
運転を止めたあとも炎が長く残る、本体がいつまでも熱いといった心当たりがあれば、点検時に必ず伝えてください。
基板不良・基板故障(P5・b5)
制御基板そのものの不具合です。
基板は運転と停止の判断、燃焼の制御、エラーの検知と表示まで担っている部品のため、ここに異常があると機器全体の動作が保証できません。
他の表示と違い、特定の部位の状態を示すものではなく、制御そのものが信用できない状態を意味します。
ご家庭でできることはないため、そのまま使用を中止して点検を依頼してください。
ツインヒータではP系とb系の2系統がある
一覧を見ると、ツインヒータだけがP1〜P5とb1〜b5の両方を対象としています。
| 機種 | 表示される系統 |
|---|---|
| 寒冷地輻射タイプ | P1〜P5 |
| スペースネオ(ミニ) | P1・P2・P3・P5 |
| ツインヒータ | P1〜P5とb1〜b5の両方 |
ツインヒータは、暖房と床暖房を1台で兼ねる構成の機種です。
同じ内容の表示が2系統に分かれているため、どちらの表示が出たのかを正確に控えることが重要になります。
PとbではPが大文字、bが小文字で表示されるため、見慣れないと読み取りにくいことがあります。
判断がつかない場合はスマートフォンで撮影して拡大すると確実です。
表示の全体像を確認したい場合はコロナ ストーブ エラーコード一覧をご覧ください。
点検を待つあいだにやってはいけないこと
- 運転スイッチの入れ直しを繰り返す
- 本体を分解して内部を確認する
- 燃焼ポットの汚れを自分で落とそうとする
- 灯油のにおいがする状態で火気を使う
- 不消火(P4・b4)が出ている機器を使い続ける
燃焼ポットは運転中に高温になる部品であり、灯油の経路とも直結しています。
ご自身で分解・清掃することは、やけどや灯油漏れにつながるため避けてください。
灯油のにおいがする、床に灯油が漏れた跡があるといった場合は、火気を避けたうえで直ちに販売店またはコロナサービスセンターへ連絡してください。
点検を依頼するときに伝えるとよい情報
- 本体の型式(銘板または取扱説明書に記載)
- 表示された記号と数字(大文字のPか小文字のbかも含めて正確に)
- 表示が出たのが運転開始直後か、しばらく使ってからか、消火操作のあとか
- 点火までの待ち時間に変化がなかったか
- 消火までの時間が長くなっていなかったか
- 炎の色やにおい、すすの付着に変化がなかったか
- 灯油が前シーズンからの持ち越しかどうか
- おおよその使用年数と、過去の修理歴
公的機関も、石油暖房機器には新しい灯油を使い、前シーズンの灯油を持ち越さないよう呼びかけています。
変質した灯油は燃焼を不安定にし、すすやタールの堆積を早めることがあります。
持ち越しの灯油を使っていた場合は、その点も伝えてください。
点検までのあいだ、別の暖房で室温を確保する必要がある場合は、使用する器具の換気条件を確認したうえで併用してください。
開放式の器具を使う場合は、こまめな換気が欠かせません。
修理と交換のどちらを選ぶか
これらの表示が出たからといって、必ず買い替えが必要になるわけではありません。
燃焼ポットの清掃、予熱部やセンサーの交換で改善するケースもあります。
一方で、次の条件が重なる場合は交換を検討する時期といえます。
- 使用年数が8年を大きく超えている
- 燃焼ポットにすすやタールが広く堆積していると診断された
- 基板不良(P5・b5)と診断され、基板の交換費用が高額になる
- 部品の供給期間が終了している
- 修理見積もりが新品価格の半分に近い
年数については、コロナが設計標準使用期間を8年相当(20,000時間)としており、その時期に達すると点検時期をお知らせする「88」表示が出る機種があります。
考え方はコロナ石油ストーブの「88エラー」表示とはで解説しています。
修理費用は、清掃と部品交換で済むのか、基板の交換まで含むのかで大きく変わります。
出張料・技術料・部品代の合計で決まるため、実際の金額は診断後の見積もりで確認してください。
ツインヒータのように床暖房を兼ねる機種では、暖房が使えない期間の影響が大きくなります。
連絡した時点で、部品の在庫状況と対応までのおおよその見通しを確認しておくと安心です。
よくある質問
Q1. P1〜P5とb1〜b5は何が違うのですか。
示している内容の対応は共通で、予熱不足、温度低下、異常過熱、不消火、基板の不具合という5種類が並んでいます。
違うのは表示される系統で、ツインヒータだけが両方を対象としています。
寒冷地輻射タイプやスペースネオ(ミニ)ではP系のみが使われます。
どちらが出たかによって点検時の見方が変わるため、記号を正確に控えてください。
Q2. 電源を入れ直せば消えますか。
一時的に消えることはありますが、復帰したとは考えないでください。
本体が冷えたり、センサーの判定が通ったりすることで、表示が出たり消えたりする場合があります。
しかし、コロナはこれらすべてについて点検または修理を案内しており、使用者側の対処は示していません。
とくに異常過熱(P3・b3)と不消火(P4・b4)は安全に関わるため、入れ直しを重ねないでください。
Q3. 燃焼ポットの汚れを自分で掃除できますか。
おすすめできません。
燃焼ポットは本体内部にあり、分解しなければ到達できないうえ、灯油の経路とも直結しています。
高温になる部品でもあるため、やけどや灯油漏れにつながるおそれがあります。
ご家庭で行えるのは給気フィルターの清掃までで、ポット内部の清掃は点検時に依頼してください。
Q4. 運転を止めても火がなかなか消えません。すぐ連絡すべきですか。
連絡してください。
消火までに想定以上の時間がかかる状態は、不消火(P4・b4)として検知される内容にあたります。
止めたはずの機器で燃焼が続くことになるため、そのまま使い続けるのは避けるべき状態です。
表示が出ていなくても、消火に時間がかかる傾向を感じている場合は点検時に伝えてください。
Q5. 基板不良と表示されました。修理と買い替えのどちらがよいですか。
まず診断を受けて、基板の交換費用を確認してください。
基板は比較的高価な部品となることがあり、機種や年数によっては修理費が新品価格に近づく場合もあります。
使用年数が8年を大きく超えている、部品の供給が終了しているといった条件が重なるようであれば、交換を検討する時期といえます。
寒冷地では暖房が使えない期間の長さも判断材料になるため、部品の在庫状況もあわせて確認しておくとよいでしょう。
まとめ
コロナの寒冷地用大型ストーブに表示されるP1〜P5とb1〜b5は、いずれもポット燃焼部に関わる異常を示しています。
内容は予熱不足、温度低下、異常過熱、不消火、基板の不具合の5種類で、PとbはそれぞれPが付く系統とbが付く系統というだけで対応は共通しています。
ツインヒータのみが両方の系統を対象としているため、どちらの記号が表示されたかを正確に控えてください。
10種類すべてについて、コロナが示す処置は点検または修理のみで、ご家庭での対処は案内されていません。
とくに異常過熱と不消火は安全に関わる内容のため、入れ直しを繰り返して運転を続けることは避けてください。
型式、表示された記号、気づいた変化を控えたうえで、販売店またはコロナサービスセンターへ点検を依頼してください。

