リモコンに「H09」や「H20」といったコードが表示され、お湯が沸かなくなった。
Hから始まる番号が並んでいて、どれも同じように見えてしまう表示です。
このグループは、いずれも屋外のヒートポンプユニットに組み込まれたセンサーの異常を知らせるコードです。
対象となるのはH02・H04・H05・H06・H07・H08・H09・H10・H11・H12・H14・H17・H20・H21・H31の15個で、何を測っているセンサーかによって役割が分かれています。
メーカーの案内ではいずれも点検・修理が必要とされており、利用者側で対処できるものではありません。
この記事では、ヒートポンプの中で何が測られているのかを整理し、症状の見方と修理の判断基準までを解説します。
結論:いずれも点検・修理が必要
対象となるコードと内容を整理します。
| コード | 示している内容 |
|---|---|
| H02 | 沸上温度の低温異常 |
| H04 | 水熱交冷媒出口サーミスタの故障 |
| H05 | 入水(給水)サーミスタの故障 |
| H06 | 沸上サーミスタの故障 |
| H07 | フロスト(空気熱交出口)サーミスタの故障 |
| H08 | エバ入口(空気熱交入口)サーミスタの故障 |
| H09 | 外気温サーミスタの故障 |
| H10 | 水中温サーミスタの故障 |
| H11 | 吐出温サーミスタの故障 |
| H12 | エバ入口サーミスタ2の故障 |
| H14 | インバーターとヒートポンプECU間の通信異常 |
| H17 | 沸上温度の高温検知 |
| H20 | 沸上温度の高温異常 |
| H21 | 沸上温度の低温異常 |
| H31 | 圧力センサの異常検知 |
コロナ製エコキュートのコード全体の分類はコロナ エコキュートのエラーコード一覧|原因・対処法・修理の判断基準まで徹底解説でまとめています。
ヒートポンプの中で何を測っているのか
ヒートポンプは、空気の熱を集めて水へ移す装置です。
その過程で、空気・冷媒・水という3つの対象の温度を測りながら運転しています。
| 測っている対象 | 該当するコード |
|---|---|
| 空気側(外気・熱交換器) | H07・H08・H09・H12 |
| 冷媒側(圧縮・移動する冷媒) | H04・H11・H31 |
| 水側(送り込む水・沸いた湯) | H05・H06・H10 |
| 沸き上げ結果の温度 | H02・H17・H20・H21 |
| 内部の通信 | H14 |
番号順に見ると脈絡がありませんが、この3系統に分けると役割が整理できます。
どこの測定が狂っているかによって、現れる症状の傾向も変わります。
空気側のセンサー(H07・H08・H09・H12)
外気の熱を取り込む部分に関わるセンサーです。
H09|外気温サーミスタ
外の気温を測るセンサーです。
外気温によって必要な運転が変わるため、ここが狂うと運転の判断そのものがずれます。
H07|フロスト(空気熱交出口)サーミスタ
熱交換器に霜が付いているかどうかの判断に関わります。
この測定が狂うと、除霜運転のタイミングがずれます。
霜が残ったまま運転が続く、あるいは不要な除霜が繰り返されるといった状態になります。
H08・H12|エバ入口サーミスタ
熱交換器へ入る空気側の温度を測るセンサーです。
H12は2つ目のセンサーを指します。
空気側のセンサーは、冬場に症状が出やすいという特徴があります。
外気温が低い時期ほど、測定値のずれが運転に影響しやすくなるためです。
冷媒側のセンサー(H04・H11・H31)
熱を運ぶ冷媒の状態を測るセンサーです。
| コード | 測っているもの |
|---|---|
| H04 | 水との熱交換を終えた冷媒の温度 |
| H11 | 圧縮機から送り出される冷媒の温度 |
| H31 | 冷媒回路の圧力 |
エコキュートは自然冷媒である二酸化炭素を使い、高い圧力で運転します。
そのため、冷媒の温度と圧力の管理は運転の安全に直結します。
これらのセンサーが正しく測れないと、機器は安全のために運転を止めます。
冷媒漏れや圧力異常を示すコード(H01・H03・H19)と同時に出ることもあります。
📎 出典:株式会社コロナ|取扱説明書のダウンロード
水側のセンサー(H05・H06・H10)
タンクから送られてきた水と、沸き上げた湯の温度を測るセンサーです。
- H05は、ヒートポンプへ入ってくる水の温度
- H06は、沸き上げた湯の温度
- H10は、水の中間温度
入ってくる水の温度によって、必要な加熱量が変わります。
冬は水温が低く、同じ湯温にするのに必要な熱量が増えます。
ここが狂うと、沸き上げの量や時間の判断がずれます。
沸き上げ温度の異常(H02・H17・H20・H21)
これらは、個別のセンサー名ではなく沸き上げの結果として得られた温度の異常を示すコードです。
| コード | 内容 |
|---|---|
| H02 | 沸上温度の低温異常 |
| H17 | 沸上温度の高温検知 |
| H20 | 沸上温度の高温異常 |
| H21 | 沸上温度の低温異常 |
低温側(H02・H21)は、目標の温度まで沸かせていない状態です。
冷媒不足、循環不良、熱交換器の汚れなどが背景にあることがあります。
高温側(H17・H20)は、想定を超える温度まで上がった状態です。
制御の異常や、熱を水へ移せていない状況が考えられます。
これらは結果を示すコードであり、どの部品が原因かまでは分かりません。
他のコードと同時に表示されることが多いため、すべて控えて連絡してください。
インバーターとの通信(H14)
H14は、インバーターとヒートポンプの制御ユニットの間で通信が取れなくなった状態です。
インバーターは、圧縮機の回転数を制御する部分です。
外気温や必要な湯量に応じて出力を細かく調整することで、効率よく沸き上げられます。
この通信が途切れると、圧縮機の制御ができなくなり、運転が止まります。
基板や配線に原因があることが多く、点検で特定する必要があります。
共通して現れる症状
このグループに共通するのは、沸き上げに関わる不調です。
- 残湯量が増えない、沸き上げが進まない
- 沸き上げの運転時間が極端に長い
- 運転が始まってもすぐ止まる
- ヒートポンプユニットから普段と違う音がする
- 冬場にとくに症状が出やすい
「お湯が沸かない」という一点に集約されるのが、ヒートポンプ側のコードの特徴です。
タンクに残っているお湯は使えますが、使い切れば出なくなります。
お湯が出ない状況の切り分けはオール電化でお湯が出ない原因は?故障かお湯切れかを切り分けて解説で整理しています。
タンク側のセンサーとの違い
コロナのエコキュートには、貯湯タンク側にも温度を測るセンサーがあります。
そちらはEから始まるコードで表示されます。
| 場所 | コードの頭文字 | 主な症状 |
|---|---|---|
| 貯湯タンク側 | E | 残湯量の表示や湯温がおかしい |
| ヒートポンプ側 | H | お湯が沸かない、沸き上げが進まない |
頭文字がHなら屋外のヒートポンプユニットという見方をしておくと、症状との対応が理解しやすくなります。
両方の系統でコードが出ている場合は、制御側に原因がある可能性も考えられます。
自分で確認できること
点検を依頼する前に、次の点は確認できます。
- 表示されているコードの番号(複数なら全部)
- 残湯量の表示が増えているか
- ヒートポンプユニットが動いているか、音がするか
- ユニットの周囲に物や積雪、落ち葉がないか
- 機種の型式と設置からの年数
ヒートポンプユニットのカバーを外して内部に触れないでください。
内部には高圧の冷媒回路と電装部があり、感電や冷媒の噴出といった危険があります。
確認は外から見える範囲にとどめ、結果を連絡時に伝えるという使い方が適切です。
ブレーカーの入れ直しについて
電源を入れ直すと、表示が一時的に消えることがあります。
一時的な誤検知であれば解消する場合もありますが、センサーの故障そのものは直りません。
- 測定値の異常は残ったまま
- 誤った情報で運転の判断が続く
- 沸き上げの効率が落ちた状態が続く
- しばらくすると再び同じ表示が出る
繰り返し再発するなら、部品の劣化が進んでいるサインです。
電源操作で様子を見るのではなく、点検を依頼してください。
販売店・サービスセンターに連絡する判断基準
次の状況では、点検を依頼してください。
- 残湯量が増えず、沸き上げが行われていない
- ヒートポンプユニットが動かない、異音がする
- 運転と停止を短時間で繰り返している
- 冬になって症状が出るようになった
- 複数のHコードが同時に、または前後して表示される
連絡の際は、表示されたコード・機種の型式・設置年・外気温や天候・ユニット周辺の状況を伝えてください。
沸き上げが遅くなったと感じ始めた時期が分かると、劣化の進み具合を判断する材料になります。
費用と交換の判断
センサーの交換自体は、部品としては小さく高額ではありません。
ただし、ヒートポンプユニット内部の作業になるため、取り付け位置によって手間が変わります。
| 状況 | 対応の内容 |
|---|---|
| センサー単体の交換 | 比較的軽い修理 |
| 冷媒回路に接する位置 | 作業範囲が広がる |
| インバーターや基板の不具合 | 費用が上がる |
| 圧力センサの交換 | 冷媒回路の扱いを伴う |
| 設置から10年前後で複数の不調 | 交換も比較対象 |
ヒートポンプユニット側の修理は、貯湯タンク側より費用が上がりやすい傾向があります。
設置から年数が経過している場合、修理費用がユニット交換の費用に近づくこともあります。
判断の目安はエコキュートの寿命は何年?10年が目安と言われる理由と交換を考えるタイミングで解説しています。
実際の費用は機種・地域・作業内容によって変わるため、見積もりで内訳を確認してください。
よくある質問
Q1. H09は外気温を測るセンサーとありますが、それだけで沸かなくなりますか?
なります。エコキュートは外気の熱を集めて湯を沸かすため、外気温がどれくらいかによって運転の内容が変わります。実際より高い、あるいは低い温度と誤検知すれば、必要な運転の判断がずれます。結果として沸き上げが進まない、効率が落ちるといった影響が出ます。小さな部品ですが、運転全体の前提に関わる測定を担っています。
Q2. 冬になってからHコードが出るようになりました。寒さのせいですか?
寒さが直接の原因とは限りませんが、症状が表面化しやすい季節ではあります。外気温が低いほど機器にかかる負荷が大きくなるため、夏は余力で沸かせていた不具合が、冬になって検知の水準に達するという経過をたどります。つまり、冬に初めて出たとしても不具合はもっと前から進行していた可能性があります。いつから沸き上げが遅いと感じていたかもあわせて伝えてください。
Q3. H02とH21はどちらも沸上温度の低温異常とあります。違いは何ですか?
どちらも目標の温度まで沸かせていない状態を示しますが、検知の条件や段階が異なります。利用者側で区別する必要はなく、表示された番号をそのまま控えて連絡してください。いずれも結果を示すコードであり、原因となる部品は点検で特定されます。複数のコードが同時に出ている場合は、その組み合わせが原因の絞り込みに役立ちます。
Q4. ヒートポンプユニットの周りを片付ければ改善しますか?
センサーの故障そのものは改善しません。ただし、吸込口や吹出口がふさがれていると熱を取り込む効率が落ち、症状を悪化させる要因になります。物置や自転車を置いている、植木が伸びている、雪が吹き溜まっているといった状況があれば、改善しておく価値はあります。確認した結果は、点検の際にあわせて伝えてください。
Q5. H14はどれくらい深刻ですか?
インバーターと制御ユニットの間の通信が取れていない状態を示します。インバーターは圧縮機の回転数を制御する部分のため、通信が途切れると沸き上げそのものができません。タンクに残っているお湯は使えますが、新しく沸くことはありません。基板や配線に原因があることが多く、点検での特定が必要です。お湯が使えるうちに連絡してください。
まとめ
コロナのエコキュートに表示されるH02からH31のセンサー系コードは、屋外のヒートポンプユニットで測定されている温度や圧力の異常を知らせるものです。
- 空気側・冷媒側・水側という3つの系統に分かれている
- H02・H17・H20・H21は結果を示すコードで、原因は別にある
- 症状は「お湯が沸かない」という形に集約される
- 冬に表面化しやすいが、進行は前から始まっていることが多い
ユニットのカバーを開けての確認は危険です。
表示されたコードと機種の型式、症状が出始めた時期を控えたうえで、早めに相談してください。

