運転を始めても庫内から水が噴き出す音がせず、しばらくして「63」と表示された。
似た番号の60を調べてもしっくりこない、という方もいるのではないでしょうか。
リンナイの食器洗い乾燥機に表示される63は、洗浄ポンプの異常を検知した状態を示します。
60が「水を出せない」ほうのエラーなのに対して、63は「水を回せない」ほうのエラーだと整理すると違いが見えてきます。
この記事では63の確認手順、60との違い、洗えていないときに見るべき回転ノズル、そして修理を依頼する判断基準までを整理します。
エラー63が示しているのは洗浄ポンプの異常
リンナイの公式FAQでは、エラー63は洗浄ポンプの異常を検知した際に表示されるとされています。
お客様での対処方法として、電源を「切」にして残菜フィルターに詰まりがないかを確認したうえで再運転することが案内されています。
改善しない場合は、洗浄ポンプなどの故障の可能性があるとされています。
洗浄ポンプは、庫内にためた洗浄水を回転ノズルへ送り出す部品です。
食洗機は少量の水を何度も循環させて洗う仕組みなので、このポンプが水を押し出せないと洗浄そのものが成立しません。
手洗いでいえば、水を張った桶はあるのに水をかける手が動かない状態にあたります。
そのため63は、「水はあるのに洗えていない」という症状とセットで現れることが多いエラーです。
60との違い
番号が近く、どちらも残菜フィルターの確認から始まるため混同されやすい2つです。
担っている部品と、止まる工程が違います。
| コード | 意味 | 関係する部品 | 現れ方 |
|---|---|---|---|
| 60 | 排水不良 | 排水ポンプ・残菜フィルター | 運転後に庫内の水が残る |
| 63 | 洗浄ポンプの異常 | 洗浄ポンプ・残菜フィルター | 洗浄中に水が噴き出さない |
60は使った水を外へ出せない状態、63はためた水を庫内で循環させられない状態です。
どちらも残菜フィルターの詰まりが引き金になりうるため、ユーザー側の最初の確認は共通してフィルターになります。
見分けのヒントは音です。
- 排水のタイミングで音がしない → 60(排水側)の可能性
- 洗浄中に水が当たる音がしない → 63(洗浄側)の可能性
- 庫内に水が残ったまま終わる → 60の可能性
- 水は入っているが食器が洗えていない → 63の可能性
運転後に庫内に水が残る状態については、正常な残り水と区別が必要です。
線引きの仕方は食洗機に水が溜まるのは故障?正常な残り水と排水不良の見分け方で整理しています。
残菜フィルターの確認手順
63が出たら、まずフィルターを見ます。
ここで詰まりが見つかれば、掃除して再運転するだけで復帰する可能性があります。
運転終了後30分間はお手入れをしない
残菜フィルターのお手入れは、やけどのおそれがあるため運転終了後30分間は行わないよう案内されています。
- 電源を「切」にする
- 運転終了から30分以上経過していることを確認する
- 下の食器かごを引き出す
- 底部にあるメッシュ状の残菜フィルターを取り外す
- たまったゴミを捨て、流水とブラシで両面の汚れを落とす
- 持ち手の裏側など細かい部分は綿棒で汚れを取る
- フィルターを外した底部に残さいが残っていれば取り除く
- 正しい位置に確実に戻す
- 電源を入れ、再運転して洗浄されるか確認する
フィルターを戻す向きと位置が重要です。
斜めに乗っているだけの状態だと、隙間から残さいが流れ込んでポンプ側の詰まりにつながります。
カチッと収まる位置まで確実に押し込んでください。
また、庫内に水やお湯を直接注いで流そうとするのは避けてください。
水漏れや破損、異常報知の原因になり、メーカー保証期間内でも保証の対象外になる場合があります。
洗えていないときに見るべき回転ノズル
63が出るほどではなくても、洗い上がりが落ちている場合は回転ノズルの確認が有効です。
リンナイは、運転後に洗剤が残って汚れが落ちていない場合について、回転ノズルが詰まり等で正常に作動していない可能性があるとして、ノズルのお手入れを案内しています。
あわせて、食器を入れた状態で回転ノズルが回るかどうかを確認すること、食器の入れ方によっては正常に回らないことがあり、お箸などが当たらないよう注意することが示されています。
洗浄ポンプが水を送っていても、ノズルが回らなければ水は一点にしか当たりません。
確認のポイントを整理すると次のようになります。
| 確認対象 | 見方 |
|---|---|
| ノズルが手で軽く回るか | 回らなければ異物や固着を疑う |
| 噴射穴が詰まっていないか | 光に当てて穴の抜けを確認する |
| 食器が当たっていないか | 箸・トング・大皿の位置を見直す |
| ノズルが正しく装着されているか | 外して洗ったあとの付け忘れに注意 |
噴射穴の一部が詰まるだけでも洗いムラが出ます。
穴を押し広げるような強い力をかけると変形するため、やわらかいブラシや流水で落としてください。
食器が当たって回転を妨げるケースも見落としやすいポイントです。
うつわの向きや置き方の基本は食洗機で陶器は洗える?傷むうつわの見分け方と入れ方で解説しています。
修理を依頼するかどうかの判断基準
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| フィルターを掃除して直った | 対処完了。掃除の頻度を上げる |
| 数か月に1回、掃除で直る | 使い方の見直しで改善する |
| 掃除しても63が出る | 洗浄ポンプの点検が必要 |
| 洗浄中にまったく音がしない | 修理を依頼 |
| 異音をともなう | ポンプの軸や羽根の劣化を疑う |
| 使用開始から10年前後 | 修理費と買い替えを比較 |
費用の目安として、リンナイはエラー63について18,900円〜31,600円(税込)を公表しています。
ただしこれは目安であり、実際の金額は訪問した修理員から案内されます。
訪問した場合は修理を行わなくても出張費や故障診断料が発生し、設置状況(高所・狭所など)や作業内容によっては追加費用が生じます。
使用期間が10年相当になると点検時期のお知らせが表示される設計になっており、この10年が買い替えを考える区切りになります。
洗浄ポンプは運転のたびに動く駆動部品のため、使用頻度が高い家庭では劣化が早く現れやすい部位です。
修理費が本体交換費用の3分の1を超えるなら買い替えを比較するのが現実的なラインになります。
なお、本体を引き出す、傾ける、底板を外すといった作業は行わないでください。
給排水ホースを傷めて漏水につながるおそれがあります。
63を繰り返さないための使い方
- 残菜フィルターは使用のたびに取り外して洗う
- ご飯粒・ゴマ・七味などの細かい残さいは、洗浄前に軽く水で流す
- 爪楊枝や魚の骨は必ず取り除いてから入れる
- 回転ノズルに箸やトングが当たらない位置に並べる
- 月に1回程度、庫内洗浄を行う
- 2日以上使わないときは食器をすべて取り出しておく
庫内洗浄にはクエン酸や食酢、レモン水、または専用のクリーナーが使えます。
リンナイは、クエン酸なら20g、食酢・レモン水なら50ccを水槽内に入れ、標準コースで運転する方法を案内しています。
重曹は水に溶け切る量に限界があり、溶け残りが故障の原因になるため使わないでください。
また、排水の流れが落ちている原因がキッチン側にあることもあります。シンク全体の水はけが悪いと感じるときはキッチン排水口の掃除方法を完全解説|ぬめり・臭い・詰まりを根本から解消もあわせて確認してみてください。
よくある質問
Q1. 60と63は、どちらも残菜フィルターを掃除すればよいのですか。
どちらも最初の確認はフィルターですが、意味する部品は違います。60は排水不良で、使った水を外へ出せない状態、63は洗浄ポンプの異常で、ためた水を庫内で循環させられない状態です。フィルターの詰まりはどちらの引き金にもなるため、ユーザー側の最初の手順が共通しています。掃除しても改善しない場合に点検を受ける部品が異なるため、表示された番号は正確に伝えてください。
Q2. フィルターを掃除しても63が出ます。次に何を確認できますか。
回転ノズルが手で軽く回るか、噴射穴が詰まっていないかを確認してください。ノズルが外せる機種であれば取り外して流水で洗い、噴射穴を光に当てて抜けを確認します。あわせて、食器や箸がノズルに当たって回転を妨げていないかも見てください。ここまで確認して改善しない場合は、洗浄ポンプ側の不具合が疑われるため点検を依頼する段階です。
Q3. 洗浄中の音がまったく聞こえません。すぐ修理すべきですか。
洗浄のタイミングで水が当たる音がしない場合、洗浄ポンプが動いていない可能性があります。フィルターの詰まりを確認して再運転しても音がしないようであれば、点検を依頼してください。逆に音はするのに食器が洗えていない場合は、ノズルの詰まりや食器の入れ方による洗いムラが疑われます。音の有無は原因の切り分けに役立つため、点検時に伝えてください。
Q4. 運転のたびに洗い残しが出るようになりました。63の前兆でしょうか。
前兆として現れることがあります。洗浄ポンプの能力が落ちてくると、水の勢いが弱まって洗いムラが増えることがあります。ただし、ノズルの詰まりや食器の詰め込みすぎでも同じ症状が出るため、まずはフィルターとノズルの掃除、食器の並べ方の見直しを行ってください。それでも改善しない場合は、ポンプ側の劣化を視野に入れて点検を検討してください。
Q5. 修理を依頼するとき、何を伝えればよいですか。
型式(RKW・RSWなどから始まる品番)、製造番号、表示された数字、そして洗浄中の音の有無の4点を控えておいてください。あわせて「フィルターとノズルは掃除済み」「洗浄中の音がしない」「洗い残しが増えていた」といった経過を伝えると、原因の絞り込みが早くなります。型式と製造番号は、ドアを開けた庫内の側面や機器側面の銘板シールで確認できます。
まとめ
リンナイの食洗機に表示される63は、洗浄ポンプの異常を知らせるエラーです。
排水不良の60とは担う部品が異なり、63は「ためた水を庫内で循環させられない」状態を示します。
まずは電源を切り、運転終了から30分以上おいてから残菜フィルターの詰まりを確認し、再運転してください。
改善しない場合は回転ノズルの詰まりも確認したうえで、洗浄中の音の有無を添えて点検を依頼しましょう。

