灯油ボイラーのリモコンに数字が点滅して、お湯が止まった。
寒冷地では暖房も同じ機器から取っていることが多く、止まると生活への影響が一気に大きくなります。
ただし石油給湯機のエラーは、灯油まわりの確認だけで解決するものが少なくありません。
灯油切れ、エア抜き、タンクの水抜き、送油バルブ。この4つを知っているかどうかで、修理を呼ぶ回数が変わります。
この記事では、ノーリツの石油給湯機に表示されるコードを対応別に整理し、灯油ボイラー特有の確認手順、冬の凍結、費用の目安までをまとめます。
石油給湯機のエラーはガス機と番号が同じでも中身が違う
ノーリツは、ガス機と石油機で共通のコード体系を使っています。
ただし同じ番号でも、確認する場所が燃料によって変わります。
| 表示 | ガス機での確認先 | 石油機での確認先 |
|---|---|---|
| 111・121 | 他のガス機器、ガスメーター、ガス栓 | オイルタンクの灯油、エア抜き |
| 112・113 | 同上 | 同上 |
| 290 | 中和器・ドレン排水 | 機種により灯油まわり(-Gタイプ) |
ガス機の「マイコンメーターの復帰」にあたる作業が、石油機では「補給とエア抜き」になると考えてください。
ガス給湯器をお使いの場合は、ノーリツガス給湯器のエラーコード一覧|自分でできる対処と修理の目安をご覧ください。
石油機にしか出ない表示
| 表示 | 内容 |
|---|---|
| 100・10 | 耐震自動消火装置の作動 |
| 110・120 | 点火できない・燃焼が途中で止まった |
| 280 | 灯油の残量を検知する部品の不具合 |
| 350 | オイルサーミスタの異常 |
| 370 | 気化サーミスタ・気化器まわりの異常 |
| 800 | オイルセンサー作動(灯油漏れの疑い) |
| LL・LL0 | 給油お知らせ |
地震のあとにお湯が止まったなら100です。
ガス機は地震のときガスメーターが止めるため別の番号が出ますが、石油機は機器の安全装置が作動します。
① 灯油まわりの確認で解決する可能性があるコード
石油給湯機でまず疑うのは、燃料が届いているかどうかです。
| 表示 | 内容 | やること |
|---|---|---|
| LL・LL0 | 残量が少ない | 灯油を補給する |
| 110・120 | 点火できない・燃焼が止まった | 半分以上補給してエア抜き、または水抜き |
| 111・121・112・113 | 点火不良・立ち消え | 同上 |
| 12 | 給湯の立ち消え | 同上 |
| 290(-Gタイプ) | 燃料系統の不具合 | オイルタンクの灯油を確認 |
補給は「できるだけ多く」
タンクが空になると、送油管の中まで空気が入ります。
この空気は灯油を足しただけでは抜けません。
ノーリツは、灯油の圧力で空気を押し出すため補充する際はできるだけ多く入れるよう案内しており、補充したのに空気が抜けない場合は補充した量が少ない可能性があるとしています。
ポリタンク1本だけ入れて何度エア抜きをしても抜けない、というのが典型的な失敗です。
エア抜きは機種によって方法が変わる
エア抜きはオイルストレーナーという部品で行います。
送油管(銅管)に一番最初につながっている、卵くらいの大きさの部品です。
機器の外側に見当たらない場合、本体の内部にあり、使用者によるエア抜きはできません。
屋内設置タイプはすべて本体の内部にあります。
無理にカバーを開けず、販売店またはメーカーへ連絡してください。
灯油は足りているのに動かないとき
タンクに十分な量が入っているのに止まる場合は、タンク内の水を疑います。
屋外設置のタンクは、内部の温度変化による結露や、雨の日の給油によって水が入り込みます。
水抜きの手順は次のとおりです。
- タンク下部のドレン抜きバルブの下に、灯油を受ける容器を置く
- バルブを開け、約200cc排水する
- たまった液体が分離していれば、水が混ざっている
- 容器を空にして再度200cc排水し、分離しなくなるまで繰り返す
- 完了したらバルブを閉める
水は灯油より重いためタンクの底にたまります。
分離していなければ水は混ざっていないので、出した灯油はタンクへ戻してください。
灯油を扱う作業は火気厳禁です。近くでたばこを吸う、暖房機器を稼働させたまま作業するといったことは避けてください。
② 灯油以外で自分で確認できるコード
| 表示 | 内容 | 確認すること |
|---|---|---|
| 100・10 | 耐震自動消火装置の作動 | 機器の損傷・油漏れ・水漏れ、周囲の可燃物 |
| 011・01 | 給湯を連続60分以上運転 | 蛇口を閉めて運転スイッチを切/入 |
| 012 | 追いだきを連続90分以上運転 | 運転スイッチを切/入 |
| 002・02 | 水位設定不良 | 浴槽を空にしてふろ自動をやり直す |
| 003・03 | 運転中の停電 | 暖房端末を全部切ってから熱源機を入れ直す |
| 032 | 浴槽の排水栓・湯量 | 排水栓の密着、循環フィルターの掃除 |
| 632 | ふろ循環不良 | 水位が循環アダプターより5cm以上あるか、フィルターの掃除 |
| 562 | お湯はりの流量異常 | 断水・凍結の有無、給水元栓が開いているか |
| 17 | 缶体圧力スイッチ作動 | 蛇口から水が出るか、給水元栓・凍結の確認 |
| 88・888 | 点検時期のお知らせ | 故障ではない。お湯は使える |
100については、解除の前に機器の損傷・油漏れ・水漏れがないことと、周囲に可燃物がないことを確認するのが前提です。
漏れがある場合は解除せず、使用を停止して修理を依頼してください。
88・888の意味と解除方法はノーリツ給湯器のエラー888(88)解除方法で解説しています。
③ 点検・修理の依頼が必要なコード
| 表示 | 内容 |
|---|---|
| 280 | 灯油の残量検知部品の不具合 |
| 350 | オイルサーミスタの異常 |
| 370 | 気化サーミスタ・気化ヒータ・バーナーの異常 |
| 300番台(311・321・312 など) | サーミスタ(温度センサー)の異常 |
| 391・392・393 | バーナーセンサーの異常 |
| 411・412・432・433 | 水量センサ・水位センサの異常 |
| 540・542・570・580 | 弁の異常 |
| 610・611・612・613 | 燃焼用ファンの異常 |
| 640・642・643 | ポンプの異常 |
| 651・652 | 水量サーボ・流量調整弁の異常 |
| 700・710・720番台・730・733 | 電装基板・燃焼制御回路の異常 |
| 760・763・764 | リモコン伝送・通信の異常 |
| 162・163 | 自動注湯温度異常・暖房温度コントロール不能 |
| 290(-C/-CGタイプ) | 中和器の不具合、ドレン排水の詰まり |
| 920・930 | 中和器の寿命予告・寿命告知 |
| 901・902・903 | 燃焼異常(出力低下) |
| 991・992・993・90 | 燃焼異常(機器停止) |
370は気化器に関わるため、修理参考料金が48,500円〜110,000円程度と他の300番台より桁が変わります。
この金額になると、使用年数によっては本体交換との比較が現実的です。
エコフィールをお使いの場合
製品名に「-C」が付く高効率タイプ(OTQ-C、OTX-CH、OQB-C、OQB-C(H)、OTQ-CG、OQB-CG)は、中和器を持っています。
290・920・930はこのタイプで表示されるコードです。
従来型の機種では排気の熱を回収しないためドレン水が発生せず、これらの表示は出ません。
④ 使用を止めるべきコード
| 表示 | 内容 | 公式の案内 |
|---|---|---|
| 800 | オイルセンサー作動 | 灯油漏れの疑い。ただちに使用を中止 |
| 200・20 | 残火安全装置作動 | 危険な場合があるため運転しない |
| 140・14 | 過熱防止安全装置作動 | 修理が必要。使用中は高温のお湯が出ることがある |
| 661 | バイパス水量サーボ異常 | 設定と違う高温の湯が出る場合がある |
| 193 | 電源・電装線の地絡検出 | コード類の点検が必要 |
| 173・543 | 暖房回路の漏水検知 | 現地での診断が必要 |
800は機器内で灯油が漏れている可能性を検知した表示です。運転スイッチを切り、オイルタンクの送油バルブを閉めてから連絡してください。
リセットで表示が消えても、漏れそのものは解消していません。
漏れた灯油がある状態で燃焼を再開させると、引火のおそれがあります。
地面や側溝に灯油が流れ出している場合は、速やかに消防署へ通報してください。
油の回収や拡散防止にかかる費用は原因者の負担になるため、被害を広げないことが結果的に負担を抑えます。
193は電気系統の地絡を検知した表示で、故障表示一覧ではコード類の点検が必要とされています。
使用者側で確認できる項目はないため、運転を止めて連絡してください。
一覧に載りにくい表示
06・E06(燃焼制御装置の非検知)
点火に関わる表示です。
ノーリツは、台風や豪雨、落雷のあとに111・E06・06が出ることがあるとしています。
強い雨や長雨で機器内部の湿度が高くなると、安全のために一時的に機能を落とし、点火しにくくなることがあります。
この場合は故障ではなく、乾けば復旧することがあります。
灯油が十分にあるのに荒天の直後だけ点火しない、という場合はこの可能性を考えてください。
013(停電後、暖房水が高温で作動しない)
暖房機能を持つ機種で、停電のあとに暖房が動かず013が出ることがあります。
ノーリツは、運転中に停電があった場合は復帰後に作動しなくなることがあるとしています。
暖房水が冷めれば動き出すため、時間を置いてから試してください。
260(入水圧力の低下など)
石油給湯機器ではOTQ-CG470シリーズが対象として挙げられています。
入水圧力が低下している等の不具合が考えられるとされており、給水側の状態が関わります。
型式を確認したうえで、販売店またはメーカーへ連絡してください。
冬に止まらないための備え
寒冷地では、凍結が原因で止まるケースが加わります。
| 症状 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 冷え込んだ朝だけ動かない | 給水配管の凍結 | 自然解凍を待つ。熱湯はかけない |
| 灯油はあるのに朝だけ止まる | ストレーナー内の水の凍結 | シーズン前にタンクの水抜き |
| 290が朝だけ出る | ドレン配管の凍結 | 気温の回復を待つ |
| 562・17が出る | 給水側の凍結 | 給水元栓と配管の保温を確認 |
長期間家を空けるときに節電のつもりで電源プラグを抜くと、凍結予防ヒーターも止まります。
留守にする場合はプラグを差したまま水抜きを行うのが基本です。
灯油を使う暖房機器全般の扱いはFF式石油ストーブとは?仕組み・メリット・設置時の注意点まで徹底解説でも触れています。
修理費用の目安
| 系統 | 修理参考料金の目安(税込) |
|---|---|
| 点火まわり(110・120・112) | 15,000円〜110,000円程度 |
| 立ち消え(12) | 15,000円〜110,000円程度 |
| 暖房の点火(113) | 14,500円〜110,000円程度 |
| オイルセンサー(800) | 18,000円〜55,000円程度 |
| 中和器(290) | 18,000円〜55,000円程度 |
| 気化器まわり(370) | 48,500円〜110,000円程度 |
| 残火安全装置(200) | 27,500円〜55,000円程度 |
石油給湯機はガス機より部品点数が多く、費用の上限が高くなります。
見積もりの段階で、どの部品を交換する想定かを確認しておくと納得しやすくなります。
10年を超えた製品では部品供給が終了している場合があります。
判断の考え方は給湯器の寿命は何年?交換時期の目安と見逃されがちなサインで整理しています。
依頼するときに伝えること
- 本体の品名・型式名(-C、-CG、-Gのどれが付くかまで)
- 点滅している表示を正確に
- オイルタンクの残量と、直近で給油した日
- エア抜き・水抜きを試したかどうか
- 給湯・お湯はり・追いだき・暖房のどれが使えないか
- 灯油のにおいや、機器まわりの濡れの有無
- おおよその使用年数、または製造年
製品名の末尾は、290のように見立てを分ける材料になります。
必ず控えてから連絡してください。
よくある質問
Q1. 灯油を入れたのに点火しません。
送油管に空気が残っている可能性が高い状況です。
タンクが空になると管の中まで空気が入り、灯油を足しただけでは抜けません。
まず補充量を確認してください。少量しか入れていない場合は、圧力が足りずエア抜きをしても空気が抜けないことがあります。
できるだけ多く補充したうえで、オイルストレーナーの空気抜きネジをゆるめてください。
Q2. 地震のあとに100が出ました。すぐ解除してよいですか?
解除の前に、機器の設置場所で2点を確認してください。
1つは機器の損傷、油漏れ、水漏れがないこと、もう1つは周辺に可燃物がないことです。
問題がなければ、運転スイッチを「切」にしてから「入」にします。
損傷や漏れがある場合は解除せず、使用を停止して修理を依頼してください。
Q3. 灯油は十分あるのに、寒い朝だけ動きません。
ストレーナー内に溜まった水が凍結している可能性があります。
灯油そのものは凍りませんが、タンクや送油系統に混入した水は凍ります。
気温が上がると動き出すのはこのためで、放置すると毎年繰り返します。
根本的な対策はオイルタンクの水抜きなので、暖房シーズン前に実施してください。
Q4. 800が出ましたが、灯油のにおいはしません。使えますか?
使用は中止してください。
800は機器内で灯油が漏れている可能性を検知して安全装置が働いた表示で、外から見えない場所での漏れも対象になります。
においや濡れがないからといって、漏れていないとは限りません。
運転スイッチを切り、送油バルブを閉めたうえで、販売店またはメーカーへ連絡してください。
Q5. ガス給湯器と同じ番号が出ましたが、対処も同じですか?
番号は共通でも、確認する場所が変わります。
たとえば111はガス機なら他のガス機器やガスメーターを確認しますが、石油機ではオイルタンクの灯油とエア抜きが対象です。
290も、高効率タイプでは中和器、ガス化(-G)タイプでは灯油まわりと見立てが分かれます。
型式を確認したうえで、石油機側の手順に沿って進めてください。
まとめ
ノーリツの石油給湯機のエラーは、灯油まわりの確認で解決するものが少なくありません。
最後に、確認の順番を整理します。
- まずオイルタンクの残量を見る
- 切れていたら、できるだけ多く補給してエア抜き
- 灯油が足りているなら、200ccずつ分離しなくなるまで水抜き
- 地震のあとなら100。損傷・油漏れ・可燃物を確認してから解除
- 冷え込んだ朝だけ止まるなら、給水配管かストレーナー内の水の凍結
- 800が出たら作業せず、送油バルブを閉めて連絡する
- 製品名の「-C」「-CG」「-G」で見立てが変わるコードがある
暖房シーズンに入る前にタンクの水抜きを済ませておくと、真冬に止まるリスクを下げられます。
判断に迷うときは、型式を控えたうえで販売店またはメーカーへ相談してください。

