追いだきをかけていたら途中で燃焼が止まり、リモコンに「012」が点滅していた。
そんなとき、まず知っておきたいのは012が故障を示す番号ではないということです。
ノーリツは012について、連続90分以上追いだきをしていた場合に浴槽の温度へ注意を促すお知らせ表示であり、故障ではないと説明しています。
運転スイッチを入れ直せば、その場で復帰することがほとんどです。
この記事では、なぜ90分で止まるのかという意味と復帰の手順、そして「追いだきが長引いてしまう側の原因」をどう減らすかまでを解説します。
なお、この記事の内容はガス給湯器・石油給湯機のどちらにも当てはまります。追いだきの連続時間で止まる仕組みは燃料に関係なく共通です。
012は安全装置が正常に働いた結果
追いだき中に燃焼が止まって012が出るのは、安全装置が働いたためです。
機器が壊れて止まったのではなく、決められた時間に達したので自動的に燃焼を止めた状態です。
なぜ90分で止めるのか
追いだきは、浴槽のお湯を吸い込み、温め直して戻すという動作を繰り返しています。
これが延々と続くと、浴槽の湯温が想定以上に上がっていく可能性があります。
ノーリツが012を「浴槽の温度にご注意いただくお知らせ」と位置づけているのは、そのためです。
つまり012は、機器の異常ではなく、湯温と入浴時間に目を向けてほしいという合図と受け取るのが正しい理解です。
表示が出たこと自体を心配する必要はありません。
12やE0Hと表示される機種もある
リモコンの仕様によって表記が変わります。
| 表示 | 意味 | 012との関係 |
|---|---|---|
| 012 | 追いだきを連続90分以上運転 | 台所リモコンなどの3桁表示 |
| 12 | 同上 | 浴室リモコンなどの2桁表示 |
| E0H | 同上 | 表記が異なるが内容は同じ |
どの表記でも、復帰の操作は変わりません。
復帰の手順
ノーリツが案内している手順は2ステップです。
- リモコンの運転スイッチを「切」にし、もう一度「入」にする
- エラー表示が消えたことを確認する
表示が消えれば正常です。
そのまま普段どおり使えます。
消えない場合は修理が必要になりますが、012でその状態になるのは多くありません。
まずは一度スイッチを入れ直してみてください。
012が出やすい場面
90分という時間は、意識して追いだきボタンを押し続けなければ届かない長さに思えます。
しかし実際には、次のような状況で積み上がります。
| 場面 | 起きていること |
|---|---|
| 保温を長時間かけたままにした | 保温中も断続的に追いだきが働き、累積する |
| 家族が入浴を終えたあとも保温を切り忘れた | 誰も入っていない浴槽を温め続けた |
| 追いだきをかけたまま浴室を離れた | 止め忘れで運転が継続した |
| 湯温が上がらず、何度も追いだきを繰り返した | 1回では温まらず、結果的に長時間になった |
| 浴槽のふたを開けたまま追いだきした | 放熱が続き、設定温度に届かない |
012が繰り返し出る家庭では、下の2行が原因になっていることが少なくありません。
「時間を使いすぎた」のではなく「なかなか温まらないから長引いた」というパターンです。
この場合は、追いだきの効率そのものを見直すほうが根本的な解決になります。
追いだきが長引く原因を減らす
循環フィルターの詰まり
浴槽側の丸い金具、循環アダプターのフィルターが詰まっていると、お湯の循環量が落ちます。
その分だけ温まるのに時間がかかり、90分に届きやすくなります。
掃除の手順は次のとおりです。
- リモコンのふろ運転スイッチを「切」にする
- フィルターの側面を持ち、左に回して取り外す
- フィルターの表面を歯ブラシでこすり、水洗いして目詰まりを落とす
- 循環アダプターの本体側も歯ブラシで湯垢を洗い流す
- アダプター側の△印とフィルターの△印を合わせ、止まるまで右に回して取り付ける
追いだきを日常的に使う家庭では、週に1回程度を目安にすると詰まりにくくなります。
ふたと浴室の温度
追いだき中にふたを開けたままにしていると、温めたそばから熱が逃げます。
とくに冬場の浴室は室温が低く、湯面からの放熱が大きくなります。
- 追いだき中は浴槽のふたを閉める
- 家族が続けて入る場合も、間はふたを閉めておく
- 断熱性の高いふたに替えると、追いだきの回数そのものが減る
ふたが変形して浴槽との間に隙間ができている場合は、買い替えを検討する価値があります。
保温機能の使い方
保温は便利ですが、誰も入っていない時間に働き続けると燃料の無駄になります。
最後の人が入り終わったら保温を切る、家族の入浴間隔が空く日は保温時間を短く設定する、といった運用で012は出にくくなります。
保温の挙動は機器のタイプによっても差があり、フルオートタイプでは湯量の管理まで自動で行われます。
タイプごとの違いはシャワーを出しっぱなしにしたらガスが止まった|原因と正しい復帰手順でも触れています。
追いだき以外の温め直し方も使い分ける
湯温を上げる方法は追いだきだけではありません。
状況に応じて使い分けると、追いだきの連続時間が積み上がりにくくなります。
| 方法 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| 追いだき | 湯量は十分で、温度だけ上げたい | 温まるまで時間がかかる。湯量は増えない |
| 足し湯 | 湯量も温度も足りない | 湯量が増えるため、あふれに注意 |
| 高温差し湯 | 短時間で温度を上げたい | 機種によっては非搭載。湯量が増える |
| ふろ自動でやり直す | 前日の残り湯を使い直したい | 湯量とタイプによっては設定どおりにならない |
湯量が減っている状態で追いだきだけを繰り返すのは、もっとも時間がかかる組み合わせです。
湯面が下がっていると感じたら、足し湯を挟んでから追いだきに切り替えるほうが早く温まります。
湯温と入浴時間に目を向ける
012は湯温への注意を促す表示なので、この機会に入浴の条件も確認しておく価値があります。
消費者庁は、高齢者の入浴中の事故に関する注意喚起のなかで、湯温は41度以下、湯につかる時間は10分までを目安にすることを挙げています。
背景には、家庭の浴槽での溺水による死亡者数が高い水準で推移しているという統計があります。
熱い湯に長くつかると体温が上がりすぎ、意識障害を起こして浴槽内で溺れる事故につながるおそれがあります。
とくに冬場は、暖かい部屋から寒い脱衣所・浴室へ移動することによる血圧の急変も重なります。
消費者庁が挙げている対策は次のとおりです。
- 入浴前に脱衣所や浴室を暖める
- 湯温は41度以下、つかる時間は10分までを目安にする
- 浴槽から急に立ち上がらない
- 食後すぐ、飲酒後、医薬品服用後の入浴は避ける
- 入浴前に同居者へ一声かけて、意識してもらう
湯温は体感だけでは判断しにくいため、浴室用の温度計を置いて見える化しておくと確実です。
リモコンの設定温度と実際の湯温がずれていることもあります。
012と間違えやすい表示
| 表示 | 意味 | 012との違い |
|---|---|---|
| 011 | 給湯を連続60分以上運転 | 蛇口やシャワー側の時間超過 |
| 632 | ふろ循環不良 | 追いだきができない。水位不足やフィルター詰まりが原因 |
| 642 | ふろポンプ異常 | 循環ポンプそのものの不具合。点検が前提 |
| 88・888 | 点検時期のお知らせ | 故障表示ではなく、追いだきも通常どおり使える |
88・888は日常の使用に支障がない表示です。
意味と解除の考え方はノーリツ給湯器のエラー888(88)解除方法で解説しています。
なお、追いだきをかけても湯温が上がらない状態が続く場合は、012とは別の問題が起きている可能性があります。
使用年数が10年を超えている機器では、燃焼能力そのものが落ちていることもあります。
交換を考える目安は給湯器の寿命は何年?交換時期の目安と見逃されがちなサインで整理しています。
よくある質問
Q1. 012が出たあと、そのままお風呂に入っても大丈夫ですか?
復帰操作をして表示が消えたのであれば、入浴して問題ありません。
012は故障ではなくお知らせ表示なので、機器に異常が残っているわけではないためです。
ただし、90分にわたって追いだきが続いていたということは、湯温が高くなっている可能性があります。
入る前に手で湯温を確かめ、熱すぎるようなら水を足すか、少し冷めるまで待ってください。
Q2. 保温を使っているだけなのに012が出るのはなぜですか?
保温運転中も、湯温が下がると自動的に追いだきが働きます。
その積み重ねが連続運転として累積し、90分に達することがあります。
家族の入浴間隔が空く日や、最後の人が入り終わったあとに保温を切り忘れた日に出やすくなります。
保温時間の設定を短くする、入浴が終わったら運転を切る、といった運用で頻度は下がります。
Q3. 追いだきをしても湯温がなかなか上がりません。
まず循環アダプターのフィルターを確認してください。
詰まっていると循環量が落ち、温まるまでに時間がかかります。
あわせて、追いだき中に浴槽のふたを閉めているか、浴室が極端に冷えていないかも見てください。
これらを改善しても以前より温まりが遅いと感じる場合は、機器側の能力低下も考えられるため、点検を検討する段階です。
Q4. 012が毎日のように出ます。故障ではないのですか?
表示そのものは故障ではありませんが、毎日出るのは使い方か環境に原因がある状態です。
保温の設定時間が長い、フィルターが詰まっている、ふたを開けたまま追いだきしているといった条件が重なっていないか確認してください。
それでも改善せず、追いだきの効きが明らかに悪いようであれば、機器側の点検を依頼する価値があります。
運転スイッチを入れ直しても表示が消えない場合は、その時点で修理が必要です。
Q5. 賃貸物件で012が出たら、どう対応すればよいですか?
運転スイッチを入れ直す操作と、循環フィルターの掃除は日常のお手入れの範囲なので行って問題ありません。
浴槽のふたの交換も、備品として自分で用意しているものであれば自由に行えます。
一方、スイッチを入れ直しても表示が消えない場合や、追いだきの効きが悪い状態が続く場合は、貸主または管理会社へ連絡してください。
給湯器は建物側の設備として扱われることが多く、修理費の負担者があらかじめ決まっていることがあります。
まとめ
012は、追いだきを連続90分以上続けたことを知らせる表示です。
安全装置が正常に働いた結果なので、運転スイッチを入れ直せば復帰します。
最後に、押さえておきたい点を整理します。
- 012は故障ではなく、浴槽の温度に注意を促すお知らせ表示
- 復帰は運転スイッチを「切」→「入」にして、表示が消えるかを確認するだけ
- 012と12、E0Hは同じ内容で、表示桁数や表記が違うだけ
- 繰り返す場合は「長く使いすぎた」より「温まらずに長引いた」ことが多い
- 循環フィルターの掃除、ふたを閉める、保温を切るの3点で頻度は下がる
- 湯温は41度以下、つかる時間は10分までが公的な目安
- スイッチを入れ直しても消えない場合は修理が必要
出たこと自体を心配する必要はありませんが、繰り返すなら追いだきの効率を見直す合図と考えてください。
改善しないときは無理をせず、メーカーや専門業者に点検を依頼してください。

