リモコンに数字ではなく「LL」というアルファベットが点滅していて、故障なのか判断がつかない。
石油給湯機を使っている家庭で、冬の入り口によく出る表示です。
LLはオイルタンクの残量が少なくなっていることを知らせる表示で、故障ではありません。
つまり「そろそろ灯油を入れてください」という予告であり、この段階ならまだ余裕があります。
この記事では、LLが出たあとにやること、無視して切らしたときに起きること、冬に灯油が届かなくなるもうひとつの原因、そして補給しても消えない場合に疑うべき表示までを解説します。
LLは残量が少ないことを知らせる表示
ノーリツはLLについて、オイルタンクの残量が少なくなっているときに表示されるものとしています。
機器の異常を示す番号ではなく、燃料の残りが減ってきたことを伝える機能です。
この時点では、まだ運転できることがほとんどです。
お湯もお風呂も使えるまま表示だけが点滅している、という状態が多くなります。
LL0やLLLと表示される場合
似た表示があるため、整理しておきます。
| 表示 | 意味 |
|---|---|
| LL | オイルタンクの残量が少ない |
| LL0 | 給油お知らせ(オイルレベルゲージ接続時。運転OFF時のみ表示される機種もある) |
| LLL | ふろ試運転に関する表示 |
LLLはまったく別のもので、ガスを開栓していない状態でふろ自動試運転を行い、完了したときに表示されます。
こちらも故障ではありません。
灯油の残量とは関係がないため、混同しないよう注意してください。
LLが出たらやること
ノーリツが案内している手順は2段階です。
- オイルタンクに灯油を補給する
- 補給後、灯油タンクのエア抜きをする
補給だけで終わらせず、エア抜きまでを1セットと考えてください。
補給は「できるだけ多く」
量が中途半端だと、あとで困ることになります。
灯油タンクが空に近い状態から補充すると、タンクや送油管に空気が残ります。
この空気は、灯油の圧力で押し出す必要があるため、補充量が少ないと抜けきりません。
ノーリツも、補充する際はできるだけ多く入れるよう案内しており、補充したのに空気が抜けない場合は補充した量が少ない可能性があるとしています。
灯油を扱う作業は火気厳禁です。近くでたばこを吸う、暖房機器を稼働させたまま作業するといったことは避けてください。
こぼれた灯油はその場で拭き取ってください。
エア抜きは機種によって方法が違う
エア抜きは、オイルストレーナーという部品で行います。
送油管(銅管)に一番最初につながっている、卵くらいの大きさの部品です。
ただしオイルストレーナーが機器の外側に見当たらない場合、本体の内部にあり、使用者によるエア抜きはできません。
屋内設置タイプはすべて本体の内部にあります。
本体内部で作業すると灯油が機器内にこぼれ、部品交換や別の不具合につながるため、販売店またはメーカーへ連絡してください。
外側にある場合の手順は次のとおりです。
- 給油後、オイルタンクの送油バルブを開く
- オイルストレーナーの空気抜きネジをゆるめる
- 灯油がネジ部分から染み出てきたら、空気が抜けたサイン
- ネジを元の位置までしっかり締め付ける
- 染み出た灯油を布切れ(ウエス)などで拭き取る
📎 出典:灯油タンクのエア抜き|株式会社ノーリツ
LLを放置して切らすとどうなるか
LLの段階で対応すれば、作業は補給とエア抜きだけで済みます。
一方、完全に切らしてしまうと、状況が一段面倒になります。
| タイミング | 表示 | 状態 |
|---|---|---|
| 残量が少ない | LL | お湯は使える。補給すればよい |
| 切れて点火できない | 110 | お湯が出ない。補給+エア抜きが必要 |
| 切れて燃焼が止まった | 120 | 同上 |
LLは、110や120に進む前に出してくれている猶予だと考えてください。
とくに真冬に切らすと、お湯も暖房も同時に止まります。
配送業者が混み合う時期は当日の配達が難しいこともあるため、LLが出た時点で手配しておくのが現実的です。
冬は灯油があっても止まることがある
もうひとつ知っておきたいのが、寒冷期特有の症状です。
ノーリツは、石油自体は凍らないものの、ストレーナー内に水が溜まったままの場合は、その水が凍結して送油できなくなることがあるとしています。
タンクに灯油が十分入っているのに機器が動かない、という状況がこれにあたります。
対策は、オイルタンクの水抜きを定期的に行うことです。
タンク内には温度変化による結露や、雨の日の給油によって水が入り込みます。
水は灯油より重いためタンクの底に溜まり、そのまま送油系統へ吸い込まれます。
暖房シーズンに入る前に一度水抜きをしておくと、真冬に止まるリスクを下げられます。
補給しても消えない、残量があるのに出る場合
満タンにしたのにLLが消えない、あるいはタンクに十分な量があるのにLLが出るという場合は、残量を測る側に問題がある可能性があります。
ノーリツは280について、給湯機器本体内の石油(灯油)の残量を検知する部品の不具合が考えられるとしています。
LLと280は、「本当に減っている」のか「減っていると誤って検知している」のかという違いです。
| 状況 | 考えられること |
|---|---|
| 補給したらLLが消えた | 正常。予定どおりの動作 |
| 満タンにしてもLLが消えない | 残量検知の部品不具合、または表示のリセット待ち |
| 280が表示されている | 残量検知部品の不具合。点検が必要 |
判断に迷う場合は、タンクの油量計を目視で確認してください。
外付けの油量計が実際の残量を示しているのに機器側だけが少ないと判断しているなら、機器側の問題です。
給油のタイミングの目安
LLが出る前に動けるよう、目安を持っておくと切らしにくくなります。
| 時期 | 考え方 |
|---|---|
| 秋(暖房を使い始める前) | タンクを満たし、水抜きも済ませておく |
| 真冬 | 残量が3分の1を切ったら手配する |
| 寒波の予報が出たとき | 配送が混み合うため、早めに連絡する |
| 春(シーズン終わり) | 持ち越す量を減らしておく |
最後の行は見落とされがちです。
前のシーズンから持ち越した灯油は変質している可能性があり、色が黄色みを帯びている、酸っぱいようなにおいがするといった場合は使わないでください。
灯油を使う暖房機器の扱いについてはFF式石油ストーブとは?仕組み・メリット・設置時の注意点まで徹底解説でも触れています。
LLと間違えやすい表示
| 表示 | 意味 | LLとの違い |
|---|---|---|
| 110・120 | 点火できない・燃焼が止まった | すでに灯油が届いていない状態 |
| 280 | 灯油の残量検知部品の不具合 | 実際の残量とは関係なく出る |
| 800 | オイルセンサー作動 | 灯油漏れの疑い。ただちに使用を中止する |
| 88・888 | 点検時期のお知らせ | 灯油とは無関係。お湯は使える |
800が表示されている場合は灯油が漏れているおそれがあるため、給油やエア抜きの作業をせず、ただちに使用を中止して連絡してください。
88・888は日常の使用に支障がない表示です。
意味と解除の考え方はノーリツ給湯器のエラー888(88)解除方法で解説しています。
使用年数が10年を超えている場合は、残量検知やポンプまわりの部品も含めて劣化が進んでいる可能性があります。
交換を考える目安は給湯器の寿命は何年?交換時期の目安と見逃されがちなサインで整理しています。
よくある質問
Q1. LLが出ていますが、まだお湯は使えますか?
多くの場合、使えます。
LLはオイルタンクの残量が少なくなっていることを知らせる表示で、故障ではないためです。
ただし残量が減り続ければ、いずれ点火できなくなり110や120に変わります。
表示が出た時点で灯油の手配をしておくと、お湯が止まる前に対応できます。
Q2. 灯油を入れたのにLLが消えません。
まず補充量を確認してください。
少量しか入れていない場合、残量の判定が変わらないことがあります。
満タンに近い状態にしても消えない場合は、給湯機器本体内の残量を検知する部品に不具合がある可能性があります。
タンクの油量計が十分な残量を示しているのに表示だけが残るなら、点検を依頼してください。
Q3. 補給後のエア抜きは必ず必要ですか?
タンクを空に近い状態まで使ってしまった場合は必要です。
空気が送油管に残っていると、灯油ではなく空気を送り続けることになり、点火できません。
一方、残量に余裕がある状態で継ぎ足した場合は、空気が入り込んでいないためエア抜きが不要なこともあります。
補給後に運転してみて、問題なくお湯が出るなら追加の作業は要りません。
Q4. 灯油は入っているのに、寒い朝だけ動きません。
ストレーナー内に溜まった水が凍結している可能性があります。
灯油そのものは凍りませんが、タンクや送油系統に混入した水は凍ります。
気温が上がると動き出すのはこのためで、放置すると毎年繰り返します。
根本的な対策はオイルタンクの水抜きなので、暖房シーズン前に実施してください。
Q5. 賃貸物件でLLが出たら、自分で給油してよいですか?
灯油の補給は日常の使用に含まれるため、行って問題ありません。
契約によっては灯油の手配方法が決まっていることもあるので、入居時の説明を確認しておくと安心です。
一方、エア抜きでオイルストレーナーを操作する作業や、機器本体のカバーを開ける作業は避けてください。
補給しても動かない場合は、貸主または管理会社へ連絡するのが確実です。
まとめ
LLは、オイルタンクの残量が少なくなっていることを知らせる表示です。
故障ではなく、お湯が止まる前に出してくれている予告と考えてください。
最後に、対応の流れを整理します。
- LLが出たら、できるだけ多く灯油を補給する
- 空に近い状態から補充した場合は、補給後にエア抜きを行う
- オイルストレーナーが本体内部にある機種では、自分で作業せず販売店・メーカーへ連絡する
- 放置して切らすと110や120に変わり、お湯も暖房も止まる
- 灯油があるのに冬の朝だけ動かない場合は、ストレーナー内の水の凍結を疑う
- 対策は暖房シーズン前のオイルタンクの水抜き
- 満タンにしても消えない、280が出るという場合は残量検知部品の不具合が疑われる
真冬に切らすと配送の手配にも時間がかかります。
LLが出た日のうちに連絡しておくのが、いちばん確実な備えです。

